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保育士試験の免除制度とは?対象となる条件や免許状・資格、注意点を解説

  • #保育士試験
試験を受けているイメージ

「保育士試験の負担を少しでも減らしたい」と考える人もいるでしょう。保育士試験には、特定の条件を満たすと試験科目の一部またはすべてが免除される制度があります。 この記事では保育士試験の科目免除が対象となる免許・資格を解説します。一部合格科目による免除や必要な手続き、注意点もまとめているので、ぜひチェックしてください。

保育士試験の科目免除とは

保育士試験には、一定の条件を満たすことで筆記試験の科目や実技試験の免除が認められる制度があります。この免除は、特定の資格を所有している人や、過去に保育士試験で一部の科目に合格した人などが対象です。科目免除を活用して保育士試験を受験すると、残りの科目に集中できるため、試験対策の負担が軽減するというメリットがあります。

保育士試験の科目免除が対象となる免許状・資格

保育士試験は、特定の免許状・資格の所有者を対象に科目免除が存在します。ここでは、免除が対象の免許状や資格をまとめました。

幼稚園教諭免許状の所有者

一般社団法人全国保育士養成協議会の「幼稚園教諭免許状所有者の免除について新規タブリンク」によると、幼稚園教諭免許状を所有している場合は「保育の心理学」「教育原理」と実技試験が免除されます。それ以外の科目に関しても、指定保育士養成施設を卒業または科目履修することで、対応する筆記試験科目の免除を受けることが可能です。

こども家庭庁の「幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例新規タブリンク」によると、令和11年度末までの期間限定で特例制度が活用できます。対象の施設で「3年以上かつ4,320時間以上」の実務経験がある人が、「保育実習理論」も追加で免除されるのがこの制度の特徴です。また、保育士養成施設で特例教科目の8単位を修得すると、保育士試験の全科目が免除となります。

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「幼稚園教諭免許状所有者の免除について新規タブリンク」(2025年4月7日)
こども家庭庁「幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例新規タブリンク」(2025年4月7日)

社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士の資格の所有者

一般社団法人全国保育士養成協議会の「社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士資格所有者の免除について新規タブリンク」によると、社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士のうち、いずれか1つでも資格を所有して入れば、「社会的養護」「子ども家庭福祉」「社会福祉」の科目が免除されます。

指定保育士養成施設で筆記試験科目や実技試験に対応する教科目を修得した場合は、筆記試験科目の一部またはすべて、実技試験を免除することが可能です。

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士資格所有者の免除について新規タブリンク」(2025年4月7日)

保育士試験の一部科目合格による免除

保育士筆記試験の各科目は、個別に合否が判定されます。一般社団法人全国保育士養成協議会の「免除・一部科目合格の有効期間について新規タブリンク」によると、保育士試験で合格した科目は一定期間、免除される制度があるようです。この免除は、合格した年を含めて3年間有効になります。保育士試験は1回ですべての科目に合格する必要はなく、数回に分けて挑戦できるのが特徴です。

また、一般社団法人全国保育士養成協議会の「筆記試験合格科目における 合格科目免除期間延長制度について新規タブリンク」によると、特定の施設で定められた期間内、規定の勤務時間と期間を満たして児童の保護業務に携わった場合は免除が最長5年間まで延長可能な制度もあります。

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「免除・一部科目合格の有効期間について新規タブリンク」(2025年4月7日)
一般社団法人全国保育士養成協議会「筆記試験合格科目における 合格科目免除期間延長制度について新規タブリンク」(2025年4月7日)

保育士試験の科目免除に必要な書類と手続き

保育士試験で科目免除を受けるためには、受験申請時に所定の手続きが必要です。一般社団法人全国保育士養成協議会の「受験申請方法新規タブリンク」によると、申請方法は郵送とオンラインの2とおりがあります。

郵送での申請を希望する場合は「受験申請の手引き」を取り寄せ、必要書類を準備して所定の用紙に記入のうえ、郵送が必要です。オンライン申請では、全国保育士養成協議会のWebサイトにある受験申請ページにアクセスし、必要情報を入力して、科目免除に関する必要書類をアップロードします。
ここでは、保育士試験の科目免除に必要な書類をまとめました。

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「受験申請方法新規タブリンク」(2025年4月8日)

幼稚園教諭免許状の所有者の必要書類

幼稚園教諭免許状の所有者は、それぞれの状況によって必要書類と免除内容が異なります。対象者ごとに必要書類と免除内容を下記にまとめました。

対象者 必要書類 免除内容
幼稚園教諭免許状の所有者 幼稚園教諭免許状
  • 保育の心理学
  • 教育原理
  • 実技試験
指定保育士養成施設での科目等履修により教科目を修得した者
  • 幼稚園教諭免許状
  • 幼稚園教諭免許所有者保育士試験免除科目専修証明書の原本
  • 保育の心理学
  • 教育原理
  • 実技試験
  • 証明書に記載された試験免除科目
特例制度対象者
  • 幼稚園教諭免許状
  • 実務証明書の原本(認可外保育施設で勤務の場合、「特例制度対象施設証明書の原本」も併せて必要)
  • 「幼稚園教諭免許所有者保育士試験免除科目専修証明書(特例教科目)の原本」 (該当者のみ)
  • 保育の心理学
  • 教育原理
  • 実技試験
  • 保育実習理論
  • 証明書に○がされた試験免除科目

参照:一般社団法人全国保育士養成協議会「幼稚園教諭免許状所有者の免除について新規タブリンク

保育士試験で免除の対象となる科目や必要な書類は、受験者の状況によって異なります。必要書類をそろえるためにも、全国保育士養成協議会のWebサイトを確認して自分がどのパターンに該当するのかをしっかりと整理し、漏れなく準備しましょう

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「幼稚園教諭免許状所有者の免除について新規タブリンク」(2025年4月8日)

社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士の資格の所有者の必要書類

一般社団法人全国保育士養成協議会の「社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士資格所有者の免除について新規タブリンク」によると、社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士の資格の所有者が「社会的養護」「子ども家庭福祉」「社会福祉」の3つの科目免除を受けるには、該当資格の登録証のコピーを提出する必要があります。上記の科目以外にも免除を希望する場合は、追加で指定保育士養成施設が発行する「社会福祉士、介護福祉士または精神保健福祉士保育士試験免除科目専修証明書」の提出が必要です。必要書類の詳細は、最新の情報を確認しましょう。

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士資格所有者の免除について新規タブリンク」(2025年4月8日)

保育士試験の科目免除の注意点

保育士試験の科目免除制度を活用するには、確実な情報に基づいた手続きが重要です。ここでは、科目免除をする際に気をつけた方が良いことを解説します。

事前に免除申請に必要な手続きを確認する

保育士試験の科目免除を受けるには、受験申請時に必要書類を提出する必要があります。そのため、必要書類の事前確認と準備が不可欠です。「自分がどの科目免除の対象となるのか」「どの書類が求められるのか」を早めに確認しましょう。必要書類に不足や不備がないよう、チェックリストを作成するのもおすすめです。

免除期間に注意する

保育士試験の科目免除には有効期限がある場合もあります。たとえば、一部科目合格の科目免除には有効期限があり、幼稚園教諭免許状所有者の特例制度は期間限定です。
科目合格を活かしたり、特例制度の免除を受けて保育士試験の負担を軽減できたりするチャンスを逃さないよう、免除期間に注意して手続きを進めましょう

保育士試験の免除に関してよくある質問

ここでは、保育士試験の免除に関してよくある質問に、Q&A形式でお答えします。

保育士試験の科目が免除になった場合、受験費用は変わる?

受験費用は、科目免除の有無にかかわらず一律です。一部の科目が免除されても、受験手数料は全科目受験と同額になります。一般社団法人全国保育士養成協議会の「「オンライン申請」開始のお知らせ新規タブリンク」によると、受験手数料は1万2,700円です。

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「「オンライン申請」開始のお知らせ新規タブリンク」(2025年4月8日)

看護師免許や教員免許の所有者は保育士試験を免除される?

看護師免許や教員免許を所有していても、保育士試験の科目免除は適用されません。なお、看護師免許を有している場合は、「看護師として保育園で働く」という手段を選ぶことも可能です。保育士試験の科目免除の対象となる免許・資格は、本記事の「保育士試験の科目免除が対象となる免許状・資格」で詳しくご説明していますので、参考にしてください。

まとめ

保育士試験は所持している免許・資格や保育士養成施設での履修状況、過去の合格実績などによって、筆記試験の科目や実技試験が免除される制度があります。幼稚園教諭免許状や対象の福祉系国家資格を持つ人は、条件を満たすことで免除される科目が増えるのが特徴です。過去に一部科目合格をした場合は、その科目が3年間は免除され、要件を満たす実務経験によって延長制度も存在します。
保育士試験の免除申請手続きには、必要書類の提出が必要です。自分の状況によって必要書類が異なるため、該当する免除制度の内容や提出書類に注意し、制度を正しく活用しましょう。

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執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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