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保育士は産休・育休を取得できる?条件や期間、休暇中の給料などを解説

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産休の文字とカレンダーのイメージ

「保育士は産休・育休を取れるのか」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。産休・育休は、条件を満たせば保育士も取得可能な制度です。保育士は産休・育休を活用すると、出産や育児に専念できるでしょう。 この記事では、保育士の産休・育休の取得条件と期間を解説します。保育士の産休・育休中の給料や手当、取得する流れも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事のまとめ

  • 産休はすべての労働者が取得することが可能な制度である

  • 育休は契約内容によって対象外となることもあるので注意

  • 産休・育休中は、給付金や社会保険料の免除などが受けられる

この記事を書いた人

A

「レバウェル保育士」編集部

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保育士の産休・育休の取得条件や期間は?

保育士として働く場合、法律で定められた産休・育休を取得する権利があります。ここでは、保育士が産休・育休を取得する条件や期間についてまとめました。

産休の取得条件と期間

産休は労働基準法に基づき、出産するすべての労働者が取得できます。なお、産休とは「産前休業」と「産後休業」のことです。e-GOV法令検索の「労働基準法 第六十五条 第六十六条新規タブリンク」によると、産前休業と産後休業を取得できる期間は以下のようになっています。

産前休業 ・出産予定日の6週間前から取得可能
・双子以上の場合は14週間前から取得可能
・出産当日も産前休業になる
産後休業 出産日の翌日から8週間は就業禁止で産後休業となる(ただし、産後6週間が経過して本人が請求し、医師が支障がないと認めた業務には就業可能)

参照:e-GOV法令検索「労働基準法 第六十五条 第六十六条新規タブリンク

なお、産休に入る前の妊産婦が請求すると、「労働基準法 第六十五条 第六十六条新規タブリンク」に従って、職場は以下のような労働をさせてはいけません。

  • 1日8時間・週40時間以上の労働

  • 時間外労働

  • 休日の労働

  • 深夜業

産休は勤務先の保育園に規定がない場合も、申し出ることが可能です。妊娠により体調が悪かったり、保育業務が体力的にきつかったりする場合は、以上の規定に従って職場に相談してみましょう。

出典

e-GOV法令検索「労働基準法新規タブリンク」(2025年10月9日)

育休の取得条件と期間

育休と呼ばれる制度には、大きく分けて「育児休業制度」と「産後パパ育休制度(出生時育児休業制度)」があります。ここでは、それぞれの取得条件と期間をまとめました。

育児休業制度

育休とは、育児・介護休業法に基づいて原則1歳未満の子どもを養育する労働者が取得できる「育児休業制度」のことです。e-GOV法令検索の「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第五条新規タブリンク」によると、育休は1歳に満たない子どもを養育している人が、取りたい期間を事業者に申し出ると取得できます。なお、丸々1年取らないといけないわけではありません。また、契約期間が決まっているパートや契約社員などの方は、子どもが1歳6ヶ月に達する日までに労働契約が満了し、更新されないことが明らかな場合は、育休取得の対象外です。

例外的な措置として、子どもが1歳以降、保育所に入れないなどの一定の要件を満たす場合は、子どもが1歳6ヶ月に達する日まで育休期間を延長できます。また、子どもが1歳6ヶ月の時点で、保育所に入れないなどの一定の要件を満たす場合は、最長で2歳に達する日までの期間に延長することも可能です。

産後パパ育休制度(出生時育児休業制度)

育休には、主に男性が対象となる「産後パパ育休制度」もあります。厚生労働省の「働きながらお母さんになるあなたへ(p.8)新規タブリンク」によると、産後パパ育休制度(出生時育児休業制度)とは、育児休業とは別に、原則として出生後8週間のうち4週間まで、2回に分割して休業できる制度です。出産した女性の場合、産後8週間は産後休業期間となるため、この制度は主に男性(配偶者)や養子を養育している女性が対象となります。

産後パパ育休制度は、正社員だけでなく、契約期間に定めがあるパートや契約社員などの方も取得可能です。ただし、「子どもが1歳6ヶ月に達するまでに労働契約満了し更新されないことが明らかな場合」や「出生日または出産予定日のいずれか遅いほうから起算して8週間を経過する日の翌日から6か月を経過する日までに労働契約が満了し、更新されないことが明らかな場合」は対象外となるため、注意が必要です。

出典

厚生労働省「働きながらお母さんになるあなたへ新規タブリンク」(2025年10月9日)

保育士の産休・育休制度に関する給料や手当

保育士の産休・育休制度に関する手当の画像

産休・育休中は、条件を満たすと手当や給付金が出たり、社会保険料が免除されたりします。ここでは、保育士の産休・育休制度に関する給料や手当についてまとめました。

出産手当金

出産手当金は、出産のために仕事を休み、その間に給料の支払いを受けなかった場合、職場の健康保険や共済組合から支給されます。出産手当金の対象者や支給金額などは、以下のとおりです。

対象者 会社の健康保険、公務員などの共済組合の被保険者本人
対象期間 ・出産日(実際の出産が予定日後のときは出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合98日)から出産の翌日以後56日目までの範囲内で、会社を休んだ期間
・出産日は産前の期間に含まれる
・出産が予定日より遅れた場合、その遅れた期間も支給対象
支給額 ・1日につき被保険者の標準報酬日額の3分の2に相当する額(1円未満四捨五入)。標準報酬日額は、標準報酬月額の30分の1に相当する額(10円未満四捨五入)
・仕事を休んだ日に給与の支払いがあって、その給与が出産手当金の額より少ない場合は、出産手当金と給与の差額が出産手当金として支給

標準報酬月額とは、基本給や役職手当、通勤手当、残業手当など労働の対償として職場から現金または現物で支給されるものを指します。また、賞与も標準報酬月額の対象となる報酬です。

なお、健康保険や共済組合などの加入期間が12ヶ月に満たない場合は、「支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額」と「加入している健康保険組合の全被保険者の標準報酬月額の平均額」を比較して、いずれかの低い額で計算されます。具体的な支給額は、加入している健康保険や共済組合などに確認してみましょう。

出産育児一時金

出産育児一時金は、職場の健康保険や共済組合の被保険者および被扶養者の出産時に支給されます。厚生労働省の「働く女性の健康応援サイト 妊娠出産・母性健康管理サポート新規タブリンク」によると、支給額は1児の出産につき50万円です。多胎児を出産したときは、胎児数分だけ支給されます。なお、産科医療補償制度に加入していない医療機関や助産院などで出産した場合の支給額は48.8万円です。

育児休業給付金

育児休業を取得した方が一定の要件を満たすと、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。厚生労働省の「働く女性の健康応援サイト 妊娠出産・母性健康管理サポート新規タブリンク」によると、育児休業給付金の支給条件は以下のとおりです。

  • 1歳(または1歳2か月、支給対象期間の延長に該当する場合は1歳6か月または2歳)に満たない子を養育するために育児休業を取得する被保険者の方

  • 育児休業開始日前2年間に、「賃金支払基礎日数が11日以上ある(または就業時間数80時間以上)完全月」12か月以上ある方

  • 過去に基本手当の受給資格の決定を受けたことがある方は、基本手当の受給資格決定を受けた後のものに限る

育児休業給付金は、育児休業を開始した日から起算した1か月ごとの期間で支給されます。各支給単位ごとの支給額の計算方法は、「休業開始時賃金日額×支給日数×67%(ただし、育児休業の開始から6ヶ月経過後は50%)」です。

社会保険料の免除

厚生労働省の「産前・産後休業中、育児休業中の経済的支援新規タブリンク」によると、産前・産後休業中と育児休業中は、社会保険料が免除されます。社会保険料の免除を受けても、健康保険の給付は通常どおり受けることが可能です。また、免除された期間分も将来受け取る年金額に反映されます。産休育休中の社会保険料免除については、年金事務所や健康保険組合などへの申し出が必要なため、職場を通して手続きしてもらいましょう。

出典

厚生労働省「産前・産後休業中、育児休業中の経済的支援新規タブリンク」(2025年10月14日)

出生時育児休業給付金

出生時育児休業給付金は、出生時育児休業(産後パパ育休制度)を取得した方が一定の要件を満たすと雇用保険から支給されます。厚生労働省の「産前・産後休業中、育児休業中の経済的支援新規タブリンク」によると、対象者や支給要件などは以下のとおりです。

対象者 雇用保険の被保険者で、出生時育児休業(産後パパ育休制度)を取得し、一定の要件を満たした方。
支給要件 ・育児休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(または就業時間数80時間以上)完全月が12か月以上ある
・休業期間中の就業日数が最大10日(または80時間)以下である
・期間を定めて雇用される方の場合は、子の出生日から8週間を経過する日の翌日から6か月を経過する日までに、その労働契約の期間が満了することが明らかでない
支給額 休業開始時賃金日額×休業期間の日数(28日が上限)×67%

出生時育児休業給付金は、主に男性が子の出生直後(8週間以内)から育児に参加しやすくするために、収入の減少を補填する制度です。

出典

厚生労働省「産前・産後休業中、育児休業中の経済的支援新規タブリンク」(2025年10月14日)

出生後休業支援給付金

出生後休業支援給付金は、一定条件を満たしたうえで両親ともに14日以上の育児休業を取得すると、育児休業給付金または出生時育児休業給付金に加えて支給されます。厚生労働省の「産前・産後休業中、育児休業中の経済的支援新規タブリンク」によると、対象者や支給要件などは以下のとおりです。

対象者 雇用保険の被保険者で、出生時育児休業(産後パパ育休)または育児休業を取得し、一定の要件を満たした方。
支給要件 ・被保険者が育児休業給付(出生時育児休業給付金または育児休業給付金)の受給資格者である
・被保険者が、子の出生の日から起算して8週間(産後休業をした場合は16週間)を経過する日の翌日までの期間内に同一の子について出生時育児休業(産後パパ育休)または育児休業を通算14日以上取得した
・被保険者の配偶者が、出生の日から起算して8週間を経過する日の翌日までの期間内に同一の子について出生時育児休業(産後パパ育休)または育児休業を通算14日以上取得している、または配偶者の休業を要件としない場合に該当している
支給額 休業開始時賃金日額×支給対象日数(28日が上限)×13%

出生後休業支援給付金は、男性の育児休暇取得や子どもの両親がともに育児する環境の推進を目的とした制度です。

出典

厚生労働省「産前・産後休業中、育児休業中の経済的支援新規タブリンク」(2025年10月14日)

保育士が産休・育休を取得する流れ

保育士が産休・育休を取得する際は、就業規則を確認したり上司に相談したりして職場の流れに沿って進めます。ここでは、保育士が産休・育休を取得する一般的な流れを紹介するので、参考にしてみてください。

1.勤務先の上司や園長に相談

保育士が産休や育休を取得する際は、まず園長や主任保育士などに妊娠を報告します。産休・育休の取得者が出ると、職場は代わりの人を採用したり人員配置の変更を検討したりするため、早めに相談することが重要です。妊娠報告の際には、出産予定日や産休・育休の取得希望と希望期間を伝えましょう。

妊娠中は、妊婦健診で休んだりつわりで仕事がきつかったりすることもあるため、職場へは安定期を待たず早めに伝える方もいるようです。保育士は体力が必要な仕事なので、妊娠により業務に支障が出そうなときは、早めに園長や主任保育士に相談しておいたほうが安心できるかもしれません。

2.産休・育休の申請手続き

産休・育休の申請手続きの方法は、勤務先によって異なるため園長や主任保育士などに確認しましょう。産休・育休の取得に必要な申請は、保育士自身が記入して職場に提出する書類と、勤務先の保育園が手続きを進めるものがあります。なお、産休については、いつから取得するか聞かれるため、出産予定日の6週間前の時期で希望を決めておきましょう。

また、必要な書類や申請に関しては、不備がないように手続きの流れや書き方、提出期限などをよく確認することが大切です。

3.業務の引継ぎと職員への周知

保育士は産休に入る前に、職場の方々へ休むことを伝え、業務を引き継ぎます。職場の方々へ妊娠報告や産休に入ることを伝えるタイミングは、上司と相談したうえで決めましょう。また、産休・育休を取得する期間の後任者が決まったら、業務内容を引き継ぐための資料を作成します。引継ぎ資料には、業務的なことだけでなく、担当しているクラスの子どもたちや保護者対応に関する情報もまとめておくのがポイントです。

保育士が上司や同僚への挨拶に感謝を伝える挨拶文の例

保育士が産休に入る前には、職員に向けて挨拶の場を設けてもらえるかもしれません。以下は、産休前の最終出勤日に、職員に向けて感謝を伝える挨拶の例文です。

私事ではございますが、このたび、出産準備のため◯月◯日より産休をいただきます。出産予定日は◯月◯日です。これまで、多くのサポートをいただき、本当にありがとうございました。おかげさまで、無事に業務を続けられました。
しばらく業務を離れるため、皆さまにご迷惑をおかけいたします。復帰後はさらに努力し、職場に貢献できるよう努力いたします。今後ともよろしくお願いいたします。

保育士が上司や同僚に産休・育休の挨拶をする際は、これまでの指導やサポートへの感謝を述べることが大切です。また、個人的に話す機会もあれば、あらためて感謝の気持ちを伝えると丁寧な印象につながるでしょう。

4.保護者への周知

保護者へ産休に入ることを周知する際も、園長や主任保育士などにタイミングや伝え方を相談しましょう。保護者への報告方法は、保護者会やおたよりなど、状況に応じて決定するようです。保護者に産休・育休の取得を報告する際は、休業期間と後任者に関して具体的に伝え、保育の質が変わらないよう努めている旨を説明しましょう。なお、産休に入ることは、保護者に周知したあと子どもたちに伝えたり、同じタイミングで報告したりして、間接的に伝わらないように配慮しましょう。

保育士から保護者に向けた挨拶・おたよりの文例

保育士は園だよりを使って、保護者に向けた産休の挨拶を伝えることがあります。保育士が産休前に保護者に向けたおたよりの文例は、以下のとおりです。

保護者の皆さまへ
私事ではございますが、このたび、出産準備のため〇月〇日より産休をいただくことになりました。産休中は後任の〇〇先生をはじめ、職員一同が責任をもって保育を行いますのでご安心ください。復帰後にまたお会いできるのを楽しみにしています。今後ともよろしくお願いいたします。

保育士が保護者におたよりで産休・育休の挨拶をする際は、出産準備で休業する旨を簡潔に伝え、不安を与えないよう配慮するのがポイントです。休業期間中の後任や園全体の対応に関しても触れると、保護者が安心できる内容になるでしょう。

保育士が産休前の働き方で注意したいこと

保育士は産休前、体調に関する問題を早めに相談したり、引継ぎを計画的に行ったりする必要があります。ここでは、保育士が産休前の働き方で注意したいことをまとめました。

体調・体力的な問題は早めに上司や医師に相談する

妊娠により、子どもの抱っこや課外活動などで体力的な問題があれば、早めに上司に相談しましょう。上司に相談すれば、業務内容を変更してくれたり、保育補助のサポートをつけてもらえたりできるかもしれません。

また、体調不良や体力的な問題で仕事に支障が出る場合、医師に相談すると、「母性健康管理指導事項連絡カード」を書いてもらえることもあります。「母性健康管理指導事項連絡カード新規タブリンク」とは、働く妊産婦が医師から通勤緩和や休憩などの指導を受けた場合、その指導内容を事業主に的確に伝えるためのものです。母性健康管理指導事項連絡カードが提出された場合、事業主は記載内容に応じた適切な措置を講じる必要があります。

後任保育士への引継ぎは計画的に行う

後任が決まったら、産休に入る日から逆算し計画的に引継ぎを進めましょう。後任の保育士のシフトやスケジュールを確認したうえで、引継ぎする日を決める必要があります。また、産休に入るギリギリではなく、余裕をもって引継ぎすれば、後任の保育士から質問や相談を受ける時間を作れるかもしれません。計画的に進めることで、安心して休業期間を迎えられるでしょう。

職場に与える影響を考え感謝の気持ちを示す

産休前、サポートを受けながら業務を進めたり後任の保育士に引継ぎしたりする際は、感謝の気持ちを示すことが大切です。知らないところで負担を掛けていることもあるため、休業により周囲に与える影響はきちんと理解しておきましょう。産休前の働き方は、育休が終わり職場復帰する際の働きやすさにもつながるかもしれません。職場に負担を掛けることが多くなっても、誠心誠意業務に取り組み、感謝の気持ちを伝えれば理解を得やすくなるでしょう。

感染症対策を徹底する

妊娠中の保育士は、子どもたちのなかで流行する感染症にかからないように注意する必要があります妊娠中は母子感染や重症化などのリスクも考えられるため、マスクや手洗いによる感染症対策を徹底しましょう。子どものおむつを変えたりトイレを掃除したりする際は、手袋を着用するのも手です。また、熱や風邪症状などで体調に変化を感じたときは、早めに病院を受診して医師に相談してください。

保育士が知っておくべき育休明けの働き方

保育士は、育休が明ける前に、今後の働き方について検討する必要があります。ここでは、保育士の選択肢となる、育休明けの働き方をまとめました。

今の職場に復職する場合

保育士が育休明けに現在の職場に復職する場合、時短勤務を選んだり雇用形態を変更したりする選択肢があります。ここでは、育休明けの今の職場での働き方の選択肢を紹介するので、参考にしてみてください。

フルタイムか時短勤務かを選択する

保育士は育休明けに、フルタイムか時短勤務か働き方を選択します。「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第二十三条新規タブリンク」によると、「事業主は3歳未満の子を養育する男女労働者に対し、短時間勤務制度(1日原則として6時間)を設けなければならない」とされています。雇用期間や契約内容にもよりますが、パートや契約社員などの非正規雇用であっても時短勤務を申し出れば取得できるかもしれません。

また、厚生労働省の「2025年4月から「育児時短就業給付金」を創設しました新規タブリンク」によると、育児時短就業中に支払われた賃金額の10%相当額が支給される制度もあります。一般的に時短勤務は勤務時間が短いぶんフルタイムより給料は下がりますが、育児時短就業給付金により経済的な不安を減らせる可能性もあるでしょう。

なお、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第十七条 第十九条新規タブリンク」によると、フルタイムであっても子どもの小学校入学前までは、残業や深夜業(午後10時から午前5時まで)が制限される法律もあります。フルタイムか時短勤務かは、子どもや家族、自分自身のこと、経済的な面などを検討してみましょう。

雇用形態の変更を検討する

正社員として働きながら子育てするのが難しいと感じる場合、職場に相談すればパートに雇用形態の変更ができるかもしれません。シフト制が多い正社員保育士は、日によって勤務時間が変わったり、土曜出勤があったりして子育てと両立しづらいこともあるようです。

パートであれば、「勤務時間は中番のみ」「出勤日は月〜金曜日」といった契約ができることもあるため、育児と両立しやすくなる可能性があります。パートに雇用形態を変更したい場合は、すぐに転職先を探すのではなく、まずは今の職場に相談してみましょう。

退職を考える場合

今の職場を辞める場合は、転職するか子育てに専念するか検討する必要があります。ここでは、育休明けに退職を考えている方向けの選択肢についてまとめました。

仕事と育児が両立しやすい職場に転職する

育休は同じ職場に復帰することが前提の制度ですが、法律上辞めることに問題はないため、やむを得ない事情や明確な理由があれば退職する選択肢もあります。たとえば、転職して通勤時間が短くなれば、子どもの保育園への送り迎えが楽になったり、育児に掛ける時間が長くなったりするでしょう。また、子育て中の保育士が多い職場では、子どもの体調不良による急な休みや早退などに対して、協力体制が整っているかもしれません。

保育士自体は続けたいけれど、現在の職場では両立が難しいと判断する場合は、悩みが解決できることを希望条件に転職先を探す必要があります。育休明けの働き方に悩んでいる方や子育てと両立しやすい職場を探している方は、保育士向けの転職エージェントを利用するのがおすすめです。保育士向けの転職支援サービス「レバウェル保育士」では、保育業界に精通したプロのキャリアアドバイザーが、あなたの悩みや希望条件を丁寧にヒアリングしたうえで求人をご紹介します。転職するか迷っている段階での相談も可能なため、お気軽にお問い合わせください。

子育てに専念し保育士のキャリアを一度止める

子育てに専念したい方は、保育士のキャリアを一度止めるのも選択肢の1つです。保育士資格は一生モノのため、一旦子育てに専念し、将来的に復職することもできます。また、保育園によっては「ブランク可」といった保育士求人もあるため、復職のハードルが高くない場合もあるようです。

なお、子育て経験は保育業務や保護者対応など保育士の仕事に活かせるため、アピール次第ではブランクがそれほど懸念されないこともあるかもしれません。ブランクに対して不安に思う方は、「保育士がブランクから復職するには?必要な準備や働き方、成功事例を解説」の記事も参考にしてみてください。

保育士の産休や育休に関してよくある質問

ここでは、保育士の産休や育休に関してよくある質問に答えます。産休は早めに取れるか、出産が予定日より遅れたときの給付金などについて参考にしてみてください。

保育士が産休を早めに取りたいときは?

産休は「出産予定日の6週間前から」と法律で決められているため、それより早めに取得したいときは有給を使ったり職場に相談したりする必要があります。妊娠による体調不良や体力面などで問題がある場合は、担当の医師に相談すると「母性健康管理指導事項連絡カード」を書いてもらえるかもしれません。妊娠中の働き方について悩んでいる方は、この記事の「体調・体力的な問題は早めに上司や医師に相談する」も参考にしてみてください。

出産日が予定日より遅れたらお休みや給付金はどうなる?

出産日が予定より遅れた場合であっても、出産までの日は産前休業として扱われ給付金が支給されます。また、産後休業や育児休業の期間や給付金に関しても取得要件に変わりはありません。産休や育休に関する期間や給付金については、この記事の「保育士の産休・育休制度に関する給料や手当」でまとめています。

産休を取得した保育士はいつから復職できる?

労働基準法 第六十五条新規タブリンク」によると、産後6週間を経過した女性が請求し、医師が支障がないと認めた場合は復職できます。基本的には産後8週間とされていますが、希望すれば最短6週間で復職できることもあるようです。産後は体力回復まで時間が掛ったり体調が不安定だったりすることもあるため、きちんと担当の医師と相談したうえで復職時期を検討しましょう。

出典

e-GOV法令検索「労働基準法新規タブリンク」(2025年10月14日)

パートの保育士も産休・育休を取得できますか?

労働基準法 第六十五条 第六十六条新規タブリンク」によると、産前産後休業は、正社員やパートなどの雇用形態に関わらず、出産するすべての労働者が取得できます。また、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第五条新規タブリンク」によると、育休は1歳に満たない子どもを養育している人が、取りたい期間を事業者に申し出ると取得することが可能です。ただし、パートの方は子どもが1歳6ヶ月に達する日までに労働契約が満了し、更新されないことが明らかな場合は育休取得の対象外となります。

出典

e-GOV法令検索「労働基準法新規タブリンク」(2025年10月16日)
e-GOV法令検索「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律新規タブリンク」(2025年10月16日)

保育士は育休を取れないこともある?

パートや契約社員、派遣社員など、契約期間に定めがある方は育休取得の対象外となる可能性があります。有期雇用の方は、「子どもが1歳6ヶ月に達するまでに労働契約が満了しない」かつ「更新されないことが明らかでない」場合は、育休取得の対象です。正社員の保育士以外の方は、産休に入る前に育休が取れるか契約書や職場に確認しておきましょう。

育休明けに保育士を辞めることは可能?

法律的な問題はないため、育休明けに今の職場を辞めることも可能ですが、退職は慎重に検討することが大切です。たとえば、育休明けは子育てと仕事を上手く両立するまでに時間がかかることもあるため、転職するより慣れている職場のほうが働きやすいこともあります。また、今の職場で雇用形態の変更ができることもあるため、パートとして働けないか相談してみるのも手です。なお、保育士は一生モノの資格であるため、育児が落ち着いてから復職するという選択肢もあるでしょう。

まとめ

保育士の産休制度は、すべての労働者に適用される労働基準法に基づいて定められています。出産予定日の6週間前から取得でき、出産後は8週間の産休を取ることが可能です。また給与面では、出産手当金として標準報酬日額の3分の2相当額が支給され、社会保険料も免除されるため、経済的な心配は少なくて済みます。

育休は、基本的に子どもが1歳になるまで取得可能です。育児休業給付金として給与の67%(6か月経過後は50%)が支給されます。なお、産休・育休を取得する際は、早めに職場へ妊娠を報告し、業務の引継ぎや保護者への説明など、計画的に準備を進めることが大切です。

保育士は育休明けの働き方について、状況に応じてフルタイムか時短勤務、転職か育児に専念するかなどを検討します。育休明けの働き方に悩んでいる方は、保育業界専門の転職支援サービス「レバウェル保育士」にご相談ください。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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