最終更新日:
パート保育士の処遇改善手当はいくら?支給条件や対象者を解説
- #保育士
- #給料

「パート保育士がもらえる処遇改善手当はいくら?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。パート保育士に支給される処遇改善手当の金額や支給方法は、園によって異なります。 この記事では、保育士の処遇改善手当の制度や、パート勤務の場合にもらえる金額を解説します。処遇改善手当が支給されるタイミングや、対象外となるパート保育士も紹介するので、ぜひご一読ください。
目次
保育士の処遇改善手当の仕組み
保育士の処遇改善手当は、どのように支給されるのでしょうか。ここでは、処遇改善手当の仕組みを解説します。
「処遇改善等加算」を保育園が申請して職員に分配する
保育士の処遇改善手当の財源は、保育園が申請して受け取る処遇改善等加算です。要件を満たした保育園に対し、決められた基準に基づく加算額が支給される仕組みになっています。
処遇改善加算は、保育士の経験年数や担当している仕事内容などを踏まえ、園のルールに沿って処遇改善手当として職員に分配されます。どの職員にどれくらいの金額を分配するかは、園が独自に決められるのが特徴です。
パートも処遇改善等加算の計算対象に含まれる
こども家庭庁の「令和7年度以降の処遇改善等加算について(p.12)」によると、処遇改善等加算は、賃金改善の目的に応じて「区分1(基礎分)」「区分2(賃金改善分)」「区分3(質の向上分)」の3種類に分かれているのが特徴です。園が受け取る処遇改善等加算の金額を計算する際、一定の要件を満たしていれば、パート保育士も対象として含まれます。条件を満たしているパート保育士は、処遇改善手当が支給されるので、気になる方は職場に確認してみましょう。
出典
こども家庭庁「子ども・子育て支援制度」(2025年7月17日)
副主任保育士や職務分野別リーダーは手当の金額が高くなる
こども家庭庁の「令和7年度以降の処遇改善等加算について(p.14)」によると、副主任保育士や職務分野別リーダーといった、キャリアアップ研修を修了している職員に対しては、区分3の処遇改善等加算で月5,000円〜4万円を目処に処遇改善する仕組みがあります。
区分3は雇用形態にかかわらず適用されるので、役職のあるパート保育士は通常よりも給与が高くなるでしょう。これは、パート保育士の専門性やリーダーシップも、きちんと評価され、給与に反映されることを意味しています。
出典
こども家庭庁「子ども・子育て支援制度」(2025年7月17日)
パート保育士が処遇改善手当でもらえる金額はいくら?
パート保育士の求人を見てみると、処遇改善手当を月3,000円〜1万円を支給する場合や、時給が100円程度アップする保育園もあります。ほかにも、年間で賞与としてまとめて処遇改善手当を支給する保育園もあり、職場によってもらえる金額や支給方法はさまざまなようです。
保育士の経験年数や役職・職務内容などによっても、パート保育士がもらえる処遇改善手当の額がいくらかは変わってくるので、詳しくは該当の保育園に確認しましょう。
パート保育士の処遇改善手当はいつ支給される?
パート保育士に、処遇改善手当が支給されるタイミングは園によって異なります。時給に加算したり月々の手当として支給したりする職場もあれば、賞与として年に1回まとめて支給する職場もあるのが現状です。
処遇改善等手当には区分1〜3があると前述しましたが、こども家庭庁の「令和7年度以降の処遇改善等加算について(p.12)」によると、「区分2・3については支給額の2分の1以上を基本給または毎月決まって支払われる手当として支給する」というルールがあります。区分2・3の支給対象となるパート保育士は、月々の収入に反映される傾向にあるでしょう。
出典
こども家庭庁「子ども・子育て支援制度」(2025年7月17日)
処遇改善手当の対象外となるパート保育士
処遇改善手当は、すべてのパート保育士が受け取れるわけではありません。ここでは、対象外となるパート保育士を解説します。
認可保育園以外の保育士
処遇改善手当は主に認可保育園の保育士を対象とした制度です。認可外の施設では、国や自治体からの補助金制度が異なるので、処遇改善加算の仕組みが適用されません。そのため、認可外の保育施設で働くパート保育士は、原則として処遇改善手当の対象外となります。
ただし、認可外の保育施設は自治体独自の支援制度や運営元から手当が支給される場合もあるので、勤務地の自治体情報もチェックしてみましょう。
産休・育休中の保育士
こども家庭庁の「処遇改善等加算に関するFAQ(よくある質問)(第3版)(p.8)」によると、産休・育休中の保育士は基本的に給与が支払われないので、処遇改善手当が支給されません。
復帰後は再び支給対象となるため、育休からの復帰時期や条件について、事前に園と相談しておくことが大切です。園の規定や状況によって対応が異なる場合があるため、早めに確認することをおすすめします。
処遇改善加算を申請していない保育園で働く保育士
保育園側が処遇改善加算の申請を行っていない場合、そこで勤務するパート保育士は処遇改善手当を受け取れません。処遇改善加算は施設が申請する制度であり、すべての保育園が申請しているわけではないのが現状です。
申請を見送る園がある理由として、手続きや書類作成の複雑さがあります。ただし、こども家庭庁の「令和7年度以降の処遇改善等加算について(p.6)」によると、令和7年度から処遇改善等加算が一本化され事務手続きも簡素化したので、今後は申請する園が増加するかもしれません。パート保育士として働く方は、求人を探す際や面接時に処遇改善手当について確認しておくと安心です。
出典
こども家庭庁「子ども・子育て支援制度」(2025年7月18日)
勤務時間・勤務日数が園の支給ルールを下回る保育士
各保育園には処遇改善手当の支給に関する独自のルールがあり、「1日6時間以上かつ月20日以上」といった勤務条件を設定している場合もあります。勤務先の保育園の条件を満たさないパート保育士は、処遇改善手当の支給対象外です。
パート保育士は、自分の勤務時間・勤務日数が手当の条件を満たしているかを確認することが重要です。勤務先の園のルールを、しっかり理解しておきましょう。
パート保育士が処遇改善手当で収入アップを目指すなら転職も選択肢
条件を満たせば、パート保育士も処遇改善手当が支給されますが、園によって金額がいくらなのか、条件がどのような内容なのかは異なります。自分の経験年数や資格に見合った手当を受け取れていないと感じるなら、転職を検討してみるのがおすすめです。処遇改善に力を入れている園もあるので、同じパート勤務であっても、より良い条件で働けるかもしれません。
しかし、求人情報には、処遇改善手当の具体的な金額や支給方法が明記されていない場合もあります。転職エージェントを活用すれば、パート保育士に処遇改善手当が支給される園や、給与アップが目指せる園を紹介してもらうことが可能です。転職エージェントを利用する際は、希望の条件をしっかり伝え、後悔のない転職活動を進めましょう。
「パート保育士の処遇改善手当はいくら?」と気になる方によくある質問
ここでは、「パート保育士の処遇改善手当はいくら?」と気になる方によくある質問にお答えします。
パート保育士の処遇改善手当の計算方法は?
パート保育士が処遇改善手当として保育園から受け取れる金額の計算方法は、職場によって異なります。職場の就業規則や賃金規程に処遇改善手当の計算方法や支給条件が明記されているので、そちらを確認するのが確実です。一般的には、勤務時間数や経験年数、担当する職務などを考慮して計算される傾向にあります。
処遇改善手当は給与明細に記載されている?
処遇改善手当の給与明細への記載方法も園によって異なります。「処遇改善手当」という名称でそのまま記載している園もあれば、「処遇改善加算」「キャリアアップ手当」などの名目で支給している園もあるようです。ほかにも、基本給や時給に含めて記載している園もあります。自分の待遇を正確に把握するためにも、分からない点は園の担当者に確認しましょう。
まとめ
パート保育士が受け取れる処遇改善手当は、園によって金額や支給方法がそれぞれ異なります。金額の目安は、月3,000円~1万円程度、もしくは時給100円程度のアップが一般的です。支給のタイミングは、時給への上乗せや毎月の手当、年1回の賞与など園ごとに決められています。
ただし、すべてのパート保育士が処遇改善手当をもらえるわけではありません。認可外保育施設での勤務や産休・育休中、園の支給条件を満たさないパート保育士は対象外です。また、園が処遇改善加算を申請していないケースもあるので、注意が必要になります。より良い条件で働きたいなら、処遇改善に力を入れている園への転職を検討するのも選択肢です
「処遇改善手当のある園に転職したい」というパート保育士は、「レバウェル保育士」にご相談ください。「レバウェル保育士」では、保育業界に特化したアドバイザーが、処遇改善手当の支給条件や金額など、園ごとの待遇の違いを丁寧に説明します。経験年数や希望の勤務時間に応じて、より良い待遇の園を紹介することが可能です。収入アップを目指すパート保育士の方は、ぜひお気軽にご登録ください。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。