保育士の転職

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保育士はパートの方がいい?正社員との違いや働き方のメリット・デメリット

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屋外で悩む保育士の画像

保育士のなかには、「パートの方がいい?」と迷っている方もいるかもしれません。希望する働き方や仕事内容などによっては、パート保育士の方が合っていることもあるでしょう。 この記事では、パート保育士の働き方や仕事内容、給料などを解説します。雇用形態に迷っている方は、パート保育士のメリット・デメリットや正社員との違いを参考に、自分に合った働き方を検討してみましょう。

この記事のまとめ

  • フルタイム勤務が難しい保育士はパートの働き方が合っている可能性がある

  • 正社員とパート保育士は給与形態や役職に就くチャンスなどが違う

  • パートの保育士として働くメリットは自分に合った働き方を選びやすいこと

この記事を書いた人

A

「レバウェル保育士」編集部

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保育士はパートの方がいい?

パートの保育士として働くのが良いかは、担当したい仕事内容や希望する働き方などによるでしょう。たとえば、以下のような方は、正社員よりパート保育士の方が、悩みを解決したり希望する働き方を叶えられたりする可能性があります。

  • 家庭の事情や体力面、体調面などによりフルタイム勤務が難しい人

  • 正社員として働く責任の重さに悩んでいる人

  • 資格取得の勉強や通学などの理由により働ける時間が限られている人

  • 現状正社員勤務は難しいけど、保育士の仕事にブランクを空けたくない人

保育士はフルタイム勤務ができない場合、一時的にパートとして働く選択肢もあります。パートであっても保育士の仕事を続ければブランクにならないため、将来的に正社員として復帰しやすくなるでしょう。

パートで働く保育士の割合はどれくらい?

東京都の「令和4年度東京都保育士実態調査結果(報告書)(p.42)新規タブリンク」によると、認可保育所の正規職員の割合は66.6%、有期契約職員(パートタイム)は26.8%です。認証保育所や認定こども園も、正社員に比べてパートの割合が低くなっています。また、小規模保育事業は、正規職員の割合が51.5%、有期契約職員(パートタイム)は43%と、認可保育所や認定こども園などに比べると、パート保育士の割合が高い傾向です。なお、保育施設のなかでも家庭的保育事業と事業内保育事業は、正社員よりパートの保育士の方が割合が高くなっています。

出典

保育士の正社員とパートの違い

正社員保育士とパート保育士の主な違いは、給料や福利厚生、働き方、仕事内容などです。給料に関して、一般的に正社員は月給制、パートは時給制といった違いがあります。また、職場によっては、正社員と受けられる福利厚生に違いがあるかもしれません。

ほかにも、正社員保育士はクラス担任や主任保育士などの役職に就くチャンスがありますが、パート保育士は基本的に役職を任されないといった違いがあります。パート保育士の働き方や待遇などの特徴は、以降の見出しで解説するので参考にしてみてください。

パートの保育士の働き方

パート保育士は、契約内容によって勤務時間や出勤日数などの働き方が決まります。たとえば、「遅番のみ」「6時間勤務」「週3日勤務」など、正社員より短い勤務時間や日数で働くことも可能です。育児や介護などプライベートの事情によりフルタイム勤務できない場合は、パートの働き方が合っているかもしれません。

なお、保育園によっては、フルタイムに近い勤務時間で働くパートの方もいます。正社員と同じ勤務時間でも、週4勤務だったり土曜出勤がなかったりする点が違いになるでしょう。

パートの保育士の仕事内容

一般的に保育園で働くパートの保育士は保育業務全般を担当し、正社員保育士のサポートといった役割になります。たとえば、クラス担任のサポート役として、子どもたちの遊びの見守りやおむつ替え、食事の介助などが任されるでしょう。また、職場によっては保育室の片付けや清掃、活動の準備など、子どもとの関わりが少ない場合もあるかもしれません。

なお、正社員保育士が休みのときは、パートの保育士がクラス担任の代わりとして、保護者対応や事務作業などを任される可能性もあります。詳しくは、「パート保育士の仕事内容とは?働き方による違いや転職時のポイントを解説」の記事も参考にしてみてください。

パートの保育士の給料・待遇

ここでは、パートの保育士の時給や社会保険、福利厚生などについて解説します。パート保育士ならではの、給与形態や待遇などについて参考にしてみてください。

パートの保育士の平均時給は1,370円

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計新規タブリンク」によると、保育士の短時間労働者1時間当たりの所定内給与額は1,370円です。また、年間賞与その他特別給与額は、9万1,700円となっています。パート保育士の時給は、勤務地や保育士の経験、保育園の方針によっても差がある点には注意が必要です。都市部や経験豊富な保育士は、高い時給が設定される傾向があるでしょう。パート保育士の給料については、「パートの保育士の平均時給は?給料を左右する要因や上げる方法を解説」の記事でも詳しく解説しています。

出典

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計新規タブリンク」(2025年11月6日)

パートの保育士の社会保険

パートの保育士は、労働時間や賃金、契約期間などの条件を満たした場合、社会保険に加入できます。厚生労働省の「パート・アルバイトのみなさま新規タブリンク」によると、勤務先の従業員数が51人以上で、以下の条件を満たすパートは社会保険の加入対象です。

  • 週の所定労働時間が20時間以上30時間未満

  • 所定内賃金が月額8万8,000円以上

  • 2ヶ月を超える雇用の見込みがある

  • 学生ではない

パートを検討している場合は、事前に自分の勤務条件が社会保険の加入対象になるかどうか確認しましょう。

出典

厚生労働省「パート・アルバイトのみなさま新規タブリンク」(2025年11月6日)

パートの保育士が受けられる福利厚生

福利厚生は、職場の規定によってパートは対象外になることもあるため注意しましょう。たとえば、交通費や食事手当などはパートも支給対象、住宅手当や家族手当は正社員のみといった場合があります。また、交通費や住宅手当などは、雇用形態に関わらず支給条件があるため、求人情報や面接時などに詳細を確認しておくことが大切です。保育士の福利厚生については、「保育士の福利厚生には何がある?法定・法定外の違いと求人をみるポイント」の記事も参考にしてみてください。

パートの保育士の有給休暇

東京労働局の「しっかりマスター 有給休暇編(p.2)新規タブリンク」によると、「6ヶ月以上、継続して勤務している」「全労働日の8割以上出勤したこと」の条件を満たせば、パートも有給休暇付与の対象です。たとえば、週所定労働時間が30時間以上または週所定労働日数が5日以上のパートの場合、正社員と同じく以下のように有給が支給されます。

勤務日数 有給付与日数
0.5年 10日
1.5年 11日
2.5年 12日
3.5年 14日
4.5年 16日
5.5年 18日
6.5年以上 20日

また、パート勤務で所定労働時間が30時間未満、週所定労働日数が4日以下の場合は、以下のとおり有給休暇が付与されます。

パート勤務の所定労働時間と有給休暇の表の画像

パートの保育士も正社員と同じく、リフレッシュしたいときや用事がある際に有給を活用できる可能性があるでしょう。

出典

厚生労働省「パンフレット新規タブリンク」(2025年11月6日)

保育士がパートとして働くメリット

パートの保育士として働くメリットは、プライベートの事情やライフステージに合わせた働き方が選びやすいことです。ここでは、保育士がパートとして働く主なメリットについて解説します。

自分に合った働き方を選びやすい

パートの保育士は、勤務時間や日数など自分に合った働き方を選びやすいことがメリットです。正社員は基本的にフルタイム勤務になりますが、パート保育士の場合は「日勤のみ可」「週3勤務OK」など、特定の勤務時間や日数で働ける人材を募集している求人が多くあります。「育児により遅番に入れない」「介護で週5勤務が難しい」などプライベートの事情がある場合、パートであれば自分に合った求人が見つかる可能性が高いでしょう。

ライフステージに合わせて働ける

パート保育士のメリットは、契約更新のタイミングやシフト調整によって、柔軟な働き方がしやすいことです。パートの保育士は、有期雇用となるため3ヶ月や1年など、契約更新のタイミングで相談すれば、勤務時間や日数などの変更に対応してもらえる可能性があります。たとえば、「子どもが小学校へ入学するため、15時までの勤務にしてほしい」のように相談すれば、契約内容を変更してもらえるかもしれません。逆に子育てが落ち着いた場合、職場によっては勤務時間を長くしてもらえる場合もあるでしょう。

また、契約内容の範囲内であれば、シフト調整によって勤務時間や休日について柔軟に対応してくれる職場もあるようです。ただし、ライフステージに合わせて働き方を変えられるかは、勤務先の方針や人手の状況にもよります。契約内容の変更やシフト調整が難しい場合は、新たに自分に合った働き方ができるパートの求人を探す必要があります。

精神的・身体的負担を抑えやすい

正社員に比べてパートの保育士は、業務で精神的・身体的な負担を抑えやすいことがメリットです。パートの保育士は、基本的に補助的な役割になるため、残業や持ち帰り仕事も正社員に比べ少ないでしょう。また、緊急時やトラブルの対応など、責任の重い仕事は基本的に正社員の保育士がメインで担当するため、パートの保育士は精神的な負担を軽減しやすくなります。雇用形態に関わらず保育士は子どもを預かる責任の重い仕事を任されますが、正社員に比べると、パート保育士の方がストレスや体力的なきつさを感じにくいかもしれません。

保育士がパートとして働くデメリット

保育士はパートになった場合、収入やキャリアアップの機会などでデメリットを感じるかもしれません。ここでは、保育士がパートとして働く主なデメリットをまとめました。

収入が安定しにくい

パートの保育士は一般的に時給制になり、働いた時間によって給料が決まるため、毎月の収入が不安定になりやすいことがデメリットです。たとえば、業務が落ち着いていて人手に余裕がある場合、パート保育士の勤務時間や日数が減るかもしれません。出勤できるものの、希望したシフトにすべて入れないといった場合もあります。また、体調不良や家庭の事情によって欠勤すると、そのぶん収入が減少する点には注意が必要です。

スキルや経験を活かしにくい

正社員と比較すると、パートの保育士の業務範囲は限定されている傾向にあり、これまでに培ってきたスキルを活かす機会が少ない可能性があります。「ピアノが得意だけど、クラス担任が弾くので自分の出番がない」「パートは片付けや掃除などがメインの仕事で、子どもと深い関わりができない」などと悩むかもしれません。保育士として長く積んできた経験がある人や強みがある人は、パートの仕事内容や業務範囲にもどかしさを感じることもあるでしょう。

キャリアアップが難しい

パート保育士は、一般的にリーダーやクラス担任などに就く機会がないため、キャリアアップが難しいことがデメリットです。保育士としてキャリアアップするためには、正社員としてさまざまな業務を経験し、行事のまとめ役やクラス担任、主任保育士などの役職に就く必要があります。キャリアアップを目指している方にとっては、パート保育士の業務内容では、スキルを磨いたり新たな経験を積んだりするチャンスも少なく感じるかもしれません。

保育士がパート求人を探すときのチェックポイント

保育士のパート求人では、勤務時間や仕事内容、研修の機会などを確認することが大切です。ここでは、保育士がパート求人を探すときのチェックポイントを解説します。

勤務時間や日数は合っているか

保育士のパート求人は、募集している勤務時間や日数がさまざまなため、自分の希望と合っているか確認しましょう。たとえば、「8時〜14時の時間帯で4時間〜6時間勤務」「19時半まで勤務できる方」など、具体的に募集している勤務時間が載っていることがあります。また、「勤務時間の相談可」「週2、3日OK」のような場合は、応募時や面接時などに自分の条件で入職できるか確認してくのがポイントです。

正社員とパートで明確な役割分担はあるか

求人にはパート保育士の仕事内容が記載されていることがあるため、チェックしておきましょう。たとえば、正社員とパートの役割分担が明確な場合、パートの保育士が不満を抱きにくく、安心して業務に取り組みやすい環境といえます。事前に具体的な仕事内容が分かれば、自分に合っている職場かの判断要素になるかもしれません。

なお、求人にパート保育士の仕事内容が書かれていない場合は、応募前の問い合わせフォームや園見学などの機会を利用して確認してみましょう。また、転職エージェントを利用している方は、担当者に質問すると詳しい情報が得られる可能性があります。

研修やスキルアップの機会はあるか

保育士経験が浅い方は、研修期間やフォロー体制などをチェックしておきましょう。求人のなかでも、「未経験OK」「未経験歓迎」といった求人を選んだ方が、経験の浅い保育士の受け入れ体制が整っている場合があります。また、スキルアップの機会を得たい方は、パートの保育士も資格取得の支援や研修などを受けられるかチェックするのがポイントです。リトミックやモンテッソーリ教育など、スキルを磨きたい分野があれば力を入れている保育園でパート保育として働く方法もあるでしょう。

保育士がパートになるか迷ったら転職エージェントに相談!

パートか正社員か雇用形態に迷ったら、保育専門の転職エージェントでキャリアアドバイザーに相談してみるのがおすすめです。保育業界に精通したプロが、スキルや経験、希望条件などをもとに、あなたに合った働き方を提案してくれます。キャリア相談だけでなく、求人紹介や選考対策などの手厚いサポートが受けられるため、転職活動をスムーズに進めることが可能です。

「自分はパートの保育士として働いた方がいい?」と悩んでいる方は、保育業界専門の転職支援サービス「レバウェル保育士」にご相談ください。レバウェル保育士では、転職を迷っている段階でのキャリア相談も可能です。職場の雰囲気や具体的な仕事内容、待遇など求人に関する詳しい情報収集もできます。サービスはすべて無料なので、お気軽にご利用ください。

「パートの方がいい?」と悩む保育士によくある質問

ここでは、パートの保育士として働くか悩んでいる方向けに、年収や業務内容についてよくある質問と回答をまとめました。

パートの保育士がフルタイムで働いた場合の年収は?

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計新規タブリンク」によると、保育士の短時間労働者の1時間当たりの所定内給与額は1,370円、年間賞与その他特別給与額は9万1,700円です。それをもとに「1日8時間・週5日・月20日勤務×12ヶ月+9万1,700円」として計算すると、パート保育士の年収は272万2,100円となります。この年収はあくまで保育士の短時間労働者の平均時給で計算しているため、参考程度に押さえておきましょう。

出典

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計新規タブリンク」(2025年11月7日)

パートの保育士も書類業務を任される?

パートの保育士も、園によっては書類業務を任される可能性があります。具体的には、連絡帳の記入や子どもたちの日々の活動記録など、簡易的な事務作業をパートの保育士が担当する場合もあるようです。書類業務に抵抗がある方は、パートの保育士として採用される前に、事前に確認しておくと安心でしょう。

パートの保育士が立ち位置に悩むことはある?

パートの保育士は、クラス担任や主任保育士などのサポート役として、状況に応じて柔軟に対応する必要があることが立ち位置に悩む原因になるかもしれません。たとえば、「サポートの仕方がお節介になっていないか」「クラス担任が忙しそうだけど、代わりに保護者対応しても良いか」のように悩むこともあるでしょう。パートの保育士が自分の働き方や立ち位置に疑問を感じたら、役割分担や仕事の進め方に関して主任保育士や園長などに相談するのがおすすめです。クラス担任とは、積極的にコミュニケーションを取り、日々連携体制を整えていく必要があるでしょう。

まとめ

保育士の働き方として、正社員とパートのどちらが良いかは、個人の生活状況や希望によって変わってきます。パート保育士は、フルタイム勤務に限らず、自分に合った勤務時間や日数の求人を選びやすいことが特徴です。一般的に補助的な役割を担当するため、精神的・身体的な負担も正社員より軽減できる傾向にあります。

ただし、時給制のため収入が安定しにくく、キャリアアップの機会も限られてしまうことはデメリットです。また、保育士としての経験やスキルを十分に活かせない場合もあるでしょう。パートを選ぶ際は、自分の希望する勤務時間や仕事内容が叶う職場を探すことがポイントです。迷った場合は転職エージェントに相談して、自分に合った働き方を見つけることをおすすめします。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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