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保育士の人間関係の悩みは?怖いと感じる理由や改善策を解説
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保育士で「職場の人間関係が辛い」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。職場の同僚や先輩とのコミュニケーションが上手くいかなかったり、保護者への対応に悩んだりする保育士も珍しくありません。 この記事では、保育士の人間関係の特徴や疲れたと感じたときの改善策を解説します。新人保育士が感じやすい人間関係の悩みや、辞めたいと感じたときの解決策も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
保育士の人間関係の特徴
保育士は子どもや保育士、保護者など人との関わりが多い仕事です。勤務中は保育士間で連携しながら子どもの成長をサポートします。また、保護者とコミュニケーションをとる機会も少なくありません。ここでは、保育士の人間関係の特徴を解説します。
保育士間で連携し、密接に関わり合う
保育士は子どもの命を預かります。そのため保育士間で連携し、子どもにとって安全な環境を整備する必要があります。保育士は子どもの保育以外にも、事務作業や清掃など多岐にわたる業務に対応しなければいけません。業務を分担すると業務の効率も上がるため、コミュニケーションをとりながら業務を行います。
保護者とコミュニケーションをとる機会がある
保育士は子どもたちの成長をサポートするだけでなく、保護者とコミュニケーションをとることも重要な仕事の1つです。保育士は、保護者が子どもの送り迎えで保育園に来た際や連絡帳を通じて、様子の変化や成長を共有します。保育士と保護者がコミュニケーションを密接にとり合うと、保育園と家庭での連携を深められます。保護者が抱える育児の不安や悩みに寄り添い、アドバイスを提供するのも、保育士の大切な役割でしょう。
幅広い年齢層やキャリアが異なる人が働いている
保育園では、経験の浅い新人からベテランまで、幅広い年齢層やキャリアが異なる保育士が一緒に働いています。さまざまな年齢や経験の保育士とコミュニケーションをとり、仕事を進めることが大切です。保育園では1つのクラスを複数の保育士が担当する場合もあるでしょう。そのため、同じクラスの担当になった場合には、お互いの保育観や考えを尊重し合いながら協力する必要があります。
保育士の退職理由は「職場の人間関係」が31.5%を占める
東京都福祉局の「第II章 調査結果の概要(p.23)」によると、保育士の退職理由の31.5%は「職場の人間関係」が原因です。この結果からも、職場の人間関係に悩みを抱える保育士は少なくないことがわかります。保育現場では、保育士同士が協力しながら子どもの成長を支える必要がありますが、お互いの価値観や仕事の進め方の違いがストレスとなる場合もあるでしょう。また、保育士は業務が多忙なため、現場では感情的な衝突が生じやすいという点も影響しているのかもしれません。
出典
東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査結果(報告書)」(2025年6月23日)
保育士が職場の人間関係が難しいと感じる理由
保育士は、チームで働くというプレッシャー、リーダーや先輩との距離感をつかみにくいことが原因となり、職場の人間関係が怖いと感じる場合があるようです。ここでは、保育士が職場の人間関係を怖いと感じる理由を解説します。
チームで働く環境でプレッシャーを感じる
保育現場では、保育士同士のチームワークが非常に重要です。自分の行動がチーム全体や子どもたちに影響を与えるという責任感から、プレッシャーを感じる保育士も少なくありません。忙しい日常業務の中で円滑な連携が求められるため、自分がミスをすると、ほかの保育士に迷惑がかかるという心理的な負担もあるようです。このような状況は「プレッシャーがかかる」「失敗するのが怖い」と、保育士が感じる要因になり得るでしょう。
リーダーや先輩との距離感が難しい
リーダーや先輩との関係に悩む保育士も珍しくありません。保育士が先輩からの指導を受ける際、「自分の意見を言っても良いのか」「どのように接したら良いのか」という距離感をつかみにくいと感じることが原因となるようです。経験が浅い保育士は遠慮して先輩に質問できなかったり、フランクに接し過ぎて関係が悪化したりしてしまうなど、適切なコミュニケーションをとるのが難しい場合があります。距離感の悩みは、職場全体の人間関係に影響を与えるケースもあるでしょう。
保育士が保護者との人間関係で悩む理由
保育士は、保護者からのクレームや要求などが原因で人間関係に悩む場合があります。ここでは、保育士が保護者との人間関係で悩む理由を解説します。
保護者からのクレームや要求に対応するのが辛い
保育士が保護者対応で悩む要因の1つに、クレームや要求への対応があります。保護者の保育園に対する期待が高まる中で、些細な出来事や誤解がクレームにつながる場合も珍しくありません。保護者によっては、子どもへの特別な配慮や個別対応を保育士に求めてくる場合もあります。このような保護者の要求に対し、保育士は子どもたち全員を平等に見守るという園の方針とバランスをとって対応しなければならず、精神的な負担が伴うことも。感情的な保護者に対し、保育士は冷静に対応する必要があります。経験が浅い保育士ほどストレスを感じる場合があるでしょう。
保護者との保育方針やしつけの違いからトラブルになる
保育方針や子どもへの対応に関して、保護者と意見が食い違う場合も保育士にとって悩みの種です。家庭では子どもを叱らない方針なのに対し、保育園では自立を促す指導をする方針など、保護者と保育士の考え方にずれが生じる場合があります。考えのずれが解消しない場合、保護者から保育園に対しての不満や疑問の声が上がり、トラブルに発展する可能性も。保護者の育児方針に配慮し過ぎると、保育園全体の運営方針に影響が出るため、保育士は対応の難しさを感じるケースもあります。
新人保育士が感じやすい人間関係の悩み
新人保育士は、先輩の保育士へ相談しにくいと感じたり、職場に馴染めなかったりするなど、人間関係の悩みを抱えている場合もあるようです。ここでは、新人保育士が感じやすい人間関係の悩みを解説します。
先輩の保育士に相談しにくい空気がある
新人の保育士が業務に関する悩みや疑問を抱えたときに、先輩に相談しにくいと感じる場合があります。先輩の保育士が常に多忙で話しかけにくい、自分で考えて行動するべきという暗黙のルールがあるなど、保育士の職場の忙しさや慣習が影響しているケースも。迷惑をかけたくない、自分の未熟さを知られることへの不安があるなどの場合、先輩に相談するのを躊躇してしまうこともあるでしょう。
職場に馴染めず孤立感がある
新人の保育士が職場に馴染むのに苦労し、孤立感を覚える場合もあります。現場では、長く働いている保育士の仲が良く、新人が入りにくいと感じることも少なくないようです。また、忙しい保育園では、先輩や同僚が新人の保育士に構う余裕がない場合も。そのため、新人の保育士が1人で業務をこなしているように感じてしまうケースもあります。
保育士が人間関係に疲れたときの3つの改善策
職場の人間関係に疲れたと感じている保育士もいるでしょう。ここでは、保育士が人間関係に疲れたときの3つの改善策を解説します。
1.積極的にコミュニケーションをとる
保育士の人間関係の悩みを改善するためには、積極的にコミュニケーションをとるのが効果的です。保育士同士の会話が少ないと、相手の考えや気持ちがわからず、誤解や不信感が生まれる場合があります。挨拶や雑談などでほかの保育士との距離を縮める努力が大切です。同僚や先輩の保育士に仕事の進め方や悩みを率直に相談すると、距離が縮まりやすくなる場合もあります。
保護者に対しても積極的にコミュニケーションをとることで、関係が改善する可能性もあります。保護者の意見に耳を傾けて共感する姿勢を持つと、良好な関係を築きやすくなるでしょう。
2.同僚や保護者に感謝の気持ちを伝える
感謝の気持ちを相手に伝えるのは、良好な人間関係を築くのに効果的な方法です。保育士は同僚や先輩に対して、助けてもらったり教えてもらったときには感謝の気持ちを伝えると信頼関係が深まります。保護者に対しても、日頃の協力やサポートに感謝を表すと、より円滑な関係を築けるでしょう。
感謝の言葉は、相手にポジティブな印象を与え、人間関係を良い方向に導く力があります。保育士は多忙な仕事ですが、意識して周りの人に感謝の気持ちを伝えると、保育園全体の雰囲気が変わるきっかけになるかもしれません。
3.気持ちをリフレッシュする時間を作る
保育士として多忙な日々を送る中で、気持ちをリフレッシュする時間を作るのも重要です。仕事でストレスが溜まると、人間関係に対してもネガティブな感情を抱きやすくなります。そのため、休日や空いた時間に好きな趣味を楽しんだり、リラックスできる場所に出かけたりするなど、自分の心をリセットする機会を設けましょう。
まとまった時間を作れない場合は、深呼吸や軽い運動をするのもおすすめです。定期的にリフレッシュすると、職場の同僚や保護者との関係においても、より前向きな姿勢で向き合えるでしょう。
人間関係の悩みで「保育士を辞めたい」と思ったときの解決策
保育士が人間関係に悩み、仕事を辞めたいと感じたらどうすれば良いのでしょうか。ここでは、人間関係の悩みで「保育士を辞めたい」と思ったときの解決策を紹介します。
辞めるべきか改善を試みるべきかを見極める
人間関係が原因で「保育士を辞めたい」と感じたときは、冷静になって本当に辞めるべきかどうかを見極めることが大切です。感情的な決断を避け、自分の悩みやストレスの原因をリストアップして解決可能な問題かどうかを整理しましょう。自分の悩みが明確になったら、職場の人間関係を良くするためにできることはないか、職場のシステムや体制の改善を提案できないかなどを考えるのが効果的です。保育士を辞める前にできることをやってみると、後悔のない判断ができるでしょう。
信頼できる上司に相談する
人間関係によって「保育士を辞めたい」と悩んでいる場合、1人で抱え込むのではなく、信頼できる上司に相談するのも有効な手段です。上司は保育園全体の状況を把握している場合もあり、第三者の視点から適切なアドバイスや解決策を提示してくれるかもしれません。上司に相談すると、自分の状況や気持ちを知ってもらい、必要に応じて環境を調整してもらえる可能性もあります。
上司に相談する際に重要なのは、自分の具体的な状況や感じている課題を明確に伝えることです。上司がサポートしてくれると、孤立感や人間関係の悩みを軽減でき、問題を解決できる可能性が高まるでしょう。
辞めることを決意した場合、次のキャリアを考える
今の職場を辞める決断をした場合、次のキャリアを前向きに考えるのが重要です。保育士としてどのような環境で働きたいのか、どのようなスキルを活かしたいのかを明確にしてください。保育士として経験したこと、保有している資格、自分の強みなどを整理しましょう。
また、保育士以外の異業種も視野に入れると、新たな選択肢が見つかるケースがあるかもしれません。次のステップを考える際には、自分の目指す方向性を具体化してみるのがおすすめです。
保育士の人間関係に関してよくある質問
保育士の人間関係に関してよくある質問に、Q&A形式で紹介します。
「人間関係が最悪」と感じた場合の改善方法は?
人間関係を最悪だと感じた場合、問題の原因を具体的に考えて解決可能なのかを整理しましょう。そのうえで、自分ができることを考えてみると、人間関係を改善するきっかけになります。たとえば、同僚の保育士に自分からコミュニケーションを取る、感謝の言葉を意識的に伝えるなどをすると、相手との距離が縮まる可能性があるでしょう。ほかにも、人間関係を改善する方法を本記事の「保育士が人間関係に疲れたときの3つの改善策」で解説しているので、ぜひチェックしてください。
保育士が職場の人間関係にストレスを感じたときの対処法は?
保育士が職場の人間関係にストレスを感じた場合、まずは自分の気持ちを整理してみましょう。自分が職場の人間関係にストレスを感じる理由や具体的な場面を振り返り、原因を明確にするのが大切です。原因が明確になったら、気持ちをわかり合える同僚や上司に気持ちを打ち明けるのも効果的でしょう。また、「自分の努力で変えられる問題」と「自分には変えられない問題」に分けて考えるのも大切です。無理をせず、解決の糸口を探していくのが重要だといえます。
まとめ
保育士の仕事はやりがいがありますが、人間関係で悩む場面もあります。保育士間で連携して働くことにプレッシャーを感じたり、先輩保育士や保護者とのコミュニケーションのとり方に悩んだりと、保育士には人間関係によるさまざまなストレスが悩みとなる場合もあるようです。こうした問題を改善するには、積極的にコミュニケーションをとる、リフレッシュする時間を持つなどの工夫が大切です。それでも、改善しない場合は、ほかの園に転職するのも1つの方法でしょう。
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執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。