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保育士で人間関係に悩む人は多い?よくあるエピソードと対処法を紹介
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職場の人間関係に悩み、「どうしたら良いのだろう」「改善策を知りたい」と感じている保育士の方もいるかもしれません。実際、保育士の人間関係の悩みは、退職理由の上位に挙げられるほど切実です。その背景には、人手不足や責任の重さといった保育士特有の職場環境が影響していると考えられます。この記事では、保育士の人間関係が難しくなりやすい理由やよくある事例、その対処法を解説します。ぜひ参考にしてみてください。
この記事のまとめ
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保育士の人間関係は閉鎖的な環境や人手不足によって悪化することがある
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若手保育士の場合、派閥争いや上下関係にストレスを感じて萎縮しやすい
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保育士が人間関係に悩んだら一人で抱え込まずに周囲に相談することが重要
目次
人間関係に悩む保育士は多い
保育士は、子どもだけでなく、同僚や上司、保護者などさまざまな人と関わりながら働く仕事です。限られた人数の中で日々協力し合う職場だからこそ、ちょっとした行き違いや気遣いの積み重ねから、人間関係に疲れてしまうこともあります。実際、東京都福祉局の「第Ⅱ章 調査結果の概要(p.23)」によると、過去に保育士として働いた経験がある人の退職理由として、「職場の人間関係」が最も多く挙げられています。
もちろん、大きな不満を感じることなく働いている人もいますが、人間関係は実際に働いてみなければ分からない部分も多いものです。そのため、なかなか心地よく働ける職場に出会えずに、「ただ穏やかな気持ちで保育がしたいだけなのに…」と悩んでしまうケースも珍しくありません。
出典
東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査結果(報告書)」(2025年12月16日)
保育士の人間関係が難しいのはなぜ?4つの理由
保育士の人間関係が難しいと感じられる背景には、保育現場ならではの環境や特徴があります。ここでは、保育士が人間関係に悩みやすい主な理由を解説します。
職場環境が閉鎖的なため
保育士の職場は、一般的な企業に比べて少人数で構成されていることが多く、閉鎖的になりやすい傾向があります。施設の構造上、保育室や休憩室のスペースが限られていることもあり、物理的な距離の近さから息苦しさを感じてしまう人もいるでしょう。
また、年齢や経験年数が違う保育士が一緒に働くことで、仕事への考え方や価値観にズレが生じることもあります。職員同士が互いに歩み寄ろうとし合える雰囲気があれば問題は起きにくいものの、そうでない場合は視野が狭くなり、人間関係の悩みが深刻化してしまうのです。
人手不足で余裕を失いがちなため
保育士の人間関係がギスギスしやすい理由の1つが、慢性的な人手不足による業務の忙しさです。配置基準ぎりぎりの人数で日々の業務を回している園では、一人ひとりの負担が大きくなり、精神的な余裕を持つことが難しくなります。その結果、周囲への気配りが行き届かなくなり、言葉がきつくなったり、態度が強く見えてしまったりしがちです。
また、常に忙しい職場では、先輩保育士が話しかけにくい存在に感じることもあります。「まずは自分で考えて動くもの」といった暗黙のルールがあると、新人の保育士ほど相談するタイミングを掴めず、不安や悩みを一人で抱え込んでしまうでしょう。
業務の責任が大きいため
保育士の職場がピリピリとした雰囲気になりやすいのは、人手不足だけが原因ではありません。子どもたちの命と安全を守るという大きな責任が日々のプレッシャーになっていることも関係しています。
保育士は、園児の噛みつきや転倒といったケガが起こらないよう、常に周囲に気を配りながら働いています。緊張感の中で、「絶対に事故を起こしてはいけない」という思いから、気付かないうちに後輩への指導が厳しくなってしまうことも。その状態が続くと、若手の保育士は「怒られないようにしなければ」「先輩の機嫌を損ねないようにしよう」と上司や先輩の顔色を伺って働くようになってしまうのです。
仕事上のコミュニケーションが不可欠なため
前述のとおり、保育士の仕事は、子ども一人ひとりを支えるだけでなく、職員同士の連携や情報共有など日々の密なコミュニケーションが欠かせません。「少し合わないかも…」「正直苦手だな」と感じる相手がいても、距離を置いたり、関わりを減らしたりするのが難しいのが現状です。
特に複数担任制の場合は、ペアの先生と毎日顔を合わせて、声を掛け合いながら保育を進める必要があります。そのため、ペアの先生との相性に悩んでしまうと、モヤモヤを抱えたまま長期間過ごさなければならず、精神的な負担がさらに大きくなってしまうでしょう。
保育士の人間関係でよくあるお悩みエピソード
ここでは、保育士の人間関係でよくあるお悩みをまとめました。「自分と同じような悩みを抱えている人はいるのかな…?」と気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。
派閥争いや考えの違いに振り回される
先輩職員同士の仲が悪い職場では、派閥争いや考え方の違いに後輩が振り回されがちです。保育観には明確な正解がないので、先輩によって指示や注意の内容が変わる場合もあります。そのため、「さっきはこう言われたのに…」「結局、どちらの意見に従えば良いの?」といった戸惑いを感じて、苦労する人もいるようです。双方の板挟みになってしまい、「保育士の人間関係ってめんどくさい…」と感じることもあるかもしれません。
上下関係が厳しく意見を言いづらい
「上司や先輩の言うことが絶対」という雰囲気のある保育園では、新人保育士が自分らしさを出せずに悩んでしまうことがあります。上下関係が厳しい職場では、「否定的な言葉を言われるのでは」といった不安が先に立ち、常に気を張ってしまうためです。本当は子どもたち一人ひとりに寄り添った保育をしたいと思っていても、上司や先輩に嫌われたくないという気持ちが強くなり、つい顔色を伺ってしまうこともあるでしょう。
職場に馴染めず孤立感がある
新人保育士の中には、職場にうまく馴染めず、孤立しているように感じてしまう人もいます。現場では、長く働いている保育士同士の関係がすでに出来上がっており、輪の中に入りにくいと感じることが少なくありません。
また、忙しい職場では、新人保育士が十分にフォローされないまま、一人で業務をこなしているような感覚になることもあります。「迷惑をかけたくない」「自分の未熟さを知られるのが怖い」といった気持ちから、先輩に声をかけること自体にためらいを感じてしまう場面もあるでしょう。
嫌がらせや無視をされる
保育現場では人間関係が原因となり、いじめや嫌がらせといった問題が起きてしまうこともあります。以下に具体的な例をまとめました。
嫌味や悪口、陰口を日常的に言われる
自分だけが不公平に叱責され、怒られる
何をしても否定され、過度なダメ出しを受ける
常に行動の粗探しをされていると感じる
業務上の連絡事項を共有してもらえない
重要な仕事を任せてもらえない
皆が避ける嫌な仕事ばかり回される
指導時の口調や表情が威圧的で怖い
このような状況が続くと、出勤すること自体が辛くなり、心や身体に大きな負担がかかってしまいます。そのような際は、「自分が悪いのかも…」と一人で抱え込むのではなく、園長や外部の専門機関に相談することが大切です。状況が改善しない場合は、無理を続ける必要はありません。職場環境を変えることは、決して逃げではないのです。
保護者からクレームを言われる
保育士は、職場内の人間関係だけではなく、保護者との関わりに悩むこともあります。保育園に対する保護者の期待が高まる中で、些細な出来事や認識のズレがクレームに繋がることも珍しくありません。
特に経験の浅い保育士は、「何か言われたらどうしよう…」といった不安を抱えやすいものです。自分の行動が思わぬ誤解を生んでしまった経験があると、さらに自信を失ってしまうでしょう。また、保護者によっては、我が子への特別な配慮や対応を強く求める場合もあり、どこまで応じるべきなのか判断に迷うケースもあるようです。
今すぐできる!保育士が人間関係に疲れたときの対処法
ここでは、保育士が「人間関係に疲れた」と感じたときの対処法を紹介します。職場の人間関係に悩んだときは、一人でどうにかしようとせず、周りに相談したり助けを求めたりすることが大切です。辛い気持ちを我慢せず、信頼できる人に話すことから始めましょう。
周囲に悩みを相談して話を聞いてもらう
保育士が人間関係に悩んだときは、園長や上司に相談することで、アドバイスや改善のきっかけが得られる可能性があります。役職者に相談しにくい場合は、心を許せる同期や先輩を一人見つけることで、少し気持ちが楽になるかもしれません。
また、友人や家族、SNSなどに思いを吐き出すのも1つの方法です。人間関係の悩みは、理解してくれる人がいるだけで安心感が得られます。転職エージェントや専門の相談窓口など、職場とは別の第三者に話すのも、客観的な意見や新しい視点を得られる可能性があるでしょう。
リフレッシュして気分を切り替える
保育士が職場の人間関係に悩むと、退勤後や休日でも仕事のことばかり考えてしまい、気持ちが休まらなくなりがちです。そのようなときは、心から楽しめる時間を持ってみましょう。趣味に没頭したり、自然の中で過ごしたり、友達と会ったりすることで、気分が軽くなる場合があります。
また、ちょっとした楽しみやご褒美を用意しておくのもおすすめです。「この予定を楽しみに頑張ろう」と思えるだけで、日々のストレスを和らげる力になります。職員の異動や退職などのタイミングで職場の雰囲気が変わり、自然と悩みが軽くなるケースもあるので、心と身体をリフレッシュしながら、無理のない範囲で毎日を過ごしてみてくださいね。
必要最低限の対応で良いと割り切る
どうしても気が合わない同僚がいる場合は、無理に距離を縮めようとせず、仕事上の必要なやり取りだけに留めるのも1つの方法です。性格や考え方が合わない人がいるのは自然なことであり、周りの人を変えるのは簡単ではありません。保育士の仕事上、協力する姿勢は必要ですが、「仕事としての付き合い」と考えるだけで、精神的な負担を減らせる可能性があります。自分を責めず、できる範囲で関わることを意識してみてください。
負担のないコミュニケーションの形を探る
職場にどうしても苦手だと感じる人がいると、関わること自体が大きな負担になってしまいますよね。その場合は、自分にとって負担の少ないコミュニケーションの形を探してみましょう。会話を広げたり、打ち解けたりするのが難しくても大丈夫です。たとえば、「気後れせずに挨拶は笑顔で明るくしてみる」「やりとりの中で一言感謝の言葉を添えてみる」といった関わり方なら、比較的取り入れやすいかもしれません。
返事が素っ気なく感じて、心が沈んでしまう日もあるかもしれませんが、「自分なりにできることをしている」と思って自身を認めてあげてくださいね。
保育士の人間関係が悪いとどんな影響が出る?
保育士が人間関係に悩むと、以下のような悪影響が少しずつ表れる場合があります。
ストレスで子どもに集中できない
萎縮してのびのびと保育ができない
保育士を辞めたいと感じる
業務以外の問題で頭がいっぱいになると、目の前の保育に集中するのが難しくなります。理想とする保育ができず、やりがいを感じるどころか、毎日を乗り切るだけで精一杯になってしまうことも少なくありません。
人間関係のストレスが続くと、心はすり減り、疲労が蓄積します。結果として、保育士の仕事自体は好きなのに、「朝起きるのが辛い」「職場へ行くことを考えるだけで気が重い」といった状態に陥ることも。「もう限界だ」「辞めたい」という気持ちが強くなり、人間関係が原因で退職せざるを得なくなるケースもあるのです。
保育士が良好な人間関係を築くためには?
保育士が職場で良好な人間関係を築くには、どのような点を意識すれば良いのでしょうか。「人間関係を少しでも円滑にしたい」「付き合い方のコツが知りたい」と感じている方は、以下のポイントを参考にしてみてください。
相手への共感や歩み寄りを大切にする
保育士の人間関係では、相手の気持ちに共感し、歩み寄ろうとする姿勢が大切です。意見の違いや納得できない感情が生まれたときこそ、一度立ち止まって相手の話に耳を傾けてみましょう。「なぜそう考えるのだろう?」「何を伝えたいのだろう?」と、意図を理解するよう努めながら受け止めることがポイントです。丁寧なコミュニケーションが増えると、誤解が生まれにくくなり、保育の方向性も共有しやすくなります。
職場で愚痴や悪口を言うのは避ける
保育士が人間関係で悩まず、気持ちよく働くためには、軽率な発言を控えて余計な波風を立てない工夫も大切です。職場の人間関係はデリケートで、何気ない一言が思わぬトラブルに繋がることもあります。
たとえ悪口を言うつもりがなくても、相槌を打っただけで「同調していた」「一緒に悪口を言っていた」と誤解されることがあります。もしその話が本人の耳に入れば、お互いに嫌な気持ちになってしまうのは避けられないでしょう。愚痴の場に居合わせたときは、むやみに同意せずに、反応を最小限にするよう心掛けると安全です。
人間関係の改善が難しい場合は転職も1つの手
保育士が人間関係で悩み、園長や上司に相談しても解決が難しいと感じる場合は、転職も選択肢の1つです。「新しい職場でまた同じ思いを繰り返すのでは…」と不安に感じる方もいるかもしれませんが、保育士の求人倍率は高いため、転職によって自分らしく働ける環境と出会える可能性は十分にあります。
人間関係が良い園を見極めるポイントとしては、職場の風通しの良さや平均勤続年数の長さなどがあります。転職エージェントを利用すれば、丁寧なヒアリングを通して自分に合った職場を紹介してもらえるほか、面接対策や書類作成といった選考のサポートも受けられるので安心して転職活動を進められますよ。
保育士の人間関係についてよくある質問
ここでは、保育士の人間関係についてよくある質問を紹介します。
公立と私立保育園で保育士の人間関係の悩みは違いますか?
公立と私立の保育園では、人事制度の違いによって、人間関係の悩みに違いが見られることがあります。公立保育園では、数年ごとに異動があるため、新しい環境に慣れるまでに気を張ったり、関係づくりに不安を感じたりといったストレスを抱えてしまうことがあるようです。一方、私立保育園では、職員の入れ替わりが比較的少ない分、人間関係が固定化しやすい傾向にあります。そのため、新しく入った職員がすでに出来上がっている雰囲気や関係性の中に入りづらく、疎外感を抱いてしまうケースが見られます。
パート保育士は人間関係でどんな悩みを抱えやすいですか?
パート保育士は、勤務時間や雇用形態の違いから、正規職員とは異なる人間関係の悩みを抱えることがあります。たとえば、連絡事項や園の方針について十分に共有されておらず不安になったり、どこか適当に扱われているように感じたりすることがあるようです。また、担任の先生をどのような距離感で支えれば良いのか、保育について自分の考えをどこまで伝えて良いのかといった線引きに迷う場面も少なくありません。
新人保育士が職場に馴染めないときはどうしたら良いですか?
新人保育士が「職場に馴染めていない」と感じたときは、まず園長や上司に相談してみましょう。周囲の人は、あなたが悩んでいることや困っている状況に気付いていない可能性があります。また、明るく挨拶をしたり、「教えてください」と積極的に声をかけたりすることも、距離を縮めるきっかけになります。それでも疎外感が解消されない場合は、職場の受け入れ体制そのものに課題があるのかもしれません。すぐに決断する必要はありませんが、今の環境を離れるという選択肢も視野に入れておくことをおすすめします。
保育士が人間関係の良い職場の求人を探す方法を教えてください
保育士が人間関係の良い職場を探すには、求人を丁寧に確認したうえで、見学や面接で実際の様子を確かめることが大切です。たとえば、「手厚い人員配置をしている」「日常的に意見交換の時間が設けられている」「園全体でフォローし合う体制が整っている」などの特徴があると、風通しの良い職場である可能性があるでしょう。一方で、頻繁に求人が出ている園や条件が極端に良過ぎる求人については、慎重に検討することをおすすめします。
まとめ
保育士の職場では、閉鎖的な環境や慢性的な人手不足、仕事のプレッシャーなどが原因となり、人間関係がぎくしゃくしてしまうことがあります。ある程度気持ちを切り替えて距離を取りやすい職種なら良いですが、保育士は日々の細やかな連携やコミュニケーションが欠かせないため、人間関係の不和が精神的な負担に繋がりやすい傾向にあります。その結果、心身のバランスを崩してしまったり、「辞めたい」と退職を考えたりする保育士も少なくありません。
保育士が人間関係の悩みを抱えたときは、上司や同僚、家族などに気持ちを打ち明けて、一人で抱え込まないことが何より大切です。それでも状況が改善せず、辛さが続くようであれば、自分の心身の健康を最優先に考えましょう。転職という選択肢を視野に入れることは、自分を守るための前向きな判断といえます。
転職すべきか判断が付かないという方は、レバウェル保育士にご相談ください。人間関係の悩みを抱えていると、「このまま働き続けるべきか」「転職すべきか」の判断が難しくなり、ネガティブな思考に陥りがちです。キャリアアドバイザーに相談すれば、問題の本質を客観的に捉え、今後の対策を前向きに見つけやすくなるのでおすすめです。サービスはすべて無料なので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。















