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保育士の転職に役立つ資格15選!アピールできるスキルと取得方法も解説
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「保育士は転職するとき、何の資格があると有利になるのだろう?」といった疑問を抱えていませんか?保育士が求職活動をする際は、園の特色に合う資格を持っていると評価されやすく、採用の可能性を高められます。 この記事では、保育士の転職に役立つ資格・研修について詳しく解説します。プラスアルファの資格を取得するメリットもまとめているので、自分のキャリアプランに合わせた資格選びの参考にしてみてください。
目次
保育士以外の資格で転職が有利になる?
保育士以外の資格を追加で持っていると、専門的な知識やスキルがあると評価されやすく、転職で有利になる場合があります。たとえば、リトミックや運動指導、英語教育などを展開する園で、方針に合う資格をアピールできれば、選考を進めやすくなるでしょう。
発達支援や食育など、専門的な知識を必要とする職場に転職する際、関連する資格を持っていると、より質の高い保育を実践できます。保育士の転職に有利になる資格には幅広い種類があるため、自分のキャリアプランに合わせて選択するのがおすすめです。
保育士の転職で有利に働く資格・研修
ここでは、保育士の転職で有利になりやすい資格や研修を紹介します。園の保育方針によって重視される資格は異なりますので、志望する職場の特色を踏まえて取得を検討しましょう。
リトミック指導者
リトミックとは、音楽を使って子どもの感性や表現力、創造性を育む教育法です。リトミック指導者の資格を取得すれば、音楽を通じて子どもの感性や表現力を育む専門的なスキルが評価され、音楽教育に力を入れている園での採用で有利に働きます。また、習い事教室や児童館でのプログラム担当など、活躍の場が広がるのも魅力です。
運動保育士
運動保育士は、子どもの身体能力の発達を専門的に支援できる資格です。体育あそびや運動指導に力を入れている園で重宝されるでしょう。
運動保育士の資格は、年齢に応じた運動あそびのプログラム作成や体育活動の指導法、安全管理などのスキルを身につけられます。子どもの健康な体づくりに関心のある人が転職する際に、有効な資格といえるでしょう。
モンテッソーリ教員資格
モンテッソーリ教員資格は、子どもの自主性を重視した教育法を実践できる専門資格として、転職時に強みとなります。モンテッソーリ教育を導入している園では、採用の優先度が高くなりやすいでしょう。
モンテッソーリ教員資格には、国際資格と国内資格が存在します。海外で働く予定がない場合は国内資格で問題ありませんが、国内資格の場合も複数の団体が資格を発行しているので、比較して検討しましょう。
幼保英語士
幼保英語士の資格があれば、日々の保育に英語を自然に取り入れられます。英語の歌や手遊び、絵本の読み聞かせなど、子どもたちが楽しみながら英語に触れる活動を展開できるのが特徴です。英語教育に力を入れている園やインターナショナルスクールでの選考で、高評価を受けやすいでしょう。
幼保英語士になるには、幼保英語検定の合格が求められます。幼保英語士の取得には英語力と保育の専門性の両方が必要ですが、グローバル化が進む保育現場で、より高い専門性を発揮できる資格といえるでしょう。
保育士等キャリアアップ研修
保育士等キャリアアップ研修は、専門性の向上と処遇改善を目的とした制度です。この研修の修了証は全国で有効のため、転職後もこれまでに受講した研修を実績として認められます。保育士の転職時には、保育士等キャリアアップ研修を修了していることをアピールすることが可能です。
厚生労働省の「図表3-2-5 保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ」によると、保育士のキャリアパスの整備と処遇改善を目的として、下記の3つの役職が新設されました。
役職名 | 要件 | 処遇改善 |
副主任保育士 |
| 月額4万円 |
専門リーダー |
| 月額4万円 |
職務分野別リーダー |
| 月額5,000円 |
参照:厚生労働省「図表3-2-5 保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ」
キャリアアップ研修を受講して上記の役職に就けば、月額5,000〜4万円が処遇改善手当として支給されます。各分野の専門知識を体系的に学んだことを証明すれば、転職先で責任のある立場に就けるかもしれません。
出典
厚生労働省「図表3-2-5 保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ」(2025年5月27日)
保育士が転職時にスキルをアピールできる資格
ここでは、保育士としての専門性をさらに高め、転職時にアピールできる資格を紹介します。自分の興味がある分野や志望先の保育園の方針と照らし合わせて、取得を検討してみてください。
絵本専門士
絵本専門士は、絵本を通じた子どもの発達支援や読み聞かせの専門家として認定される資格です。絵本の選び方や読み聞かせの技術、子どもの発達段階に応じた活用法など、専門的なスキルを身につけられます。子どもの情操教育や言語発達支援に力を入れている園に転職する場合、絵本専門士を持っていると評価されやすいでしょう。
国立青少年教育振興機構の「絵本専門士」によると、絵本専門士は養成講座を受講し、修了課題を提出することで取得可能です。養成講座を受講するには、エントリーシートを提出し、選考を通過する必要があります。
出典
国立青少年教育振興機構「絵本専門士」(2025年5月27日)
保育カウンセラー
保育カウンセラーは、保育現場での心理的支援のスペシャリストとして認定される資格です。保育士として働きながら、保育士と保護者の間に立ち、両者をサポートする役割を担います。
保育カウンセラーの特徴は、保育と心理的支援の両方ができる点です。子どもの発達支援以外にも、保護者の育児に関する不安への対応や保育士へのアドバイスなど、幅広い支援ができます。保育カウンセラーのスキルは転職時に評価されやすく、より良い条件での転職につながるかもしれません。
保育カウンセラーの資格を取得するには、養成講座の修了とレポートの提出が必要です。認定期間は5年間となっており、更新が求められます。
チャイルドコーチング
チャイルドコーチングは、子どもの能力を正しく理解し、伸ばしていくためのサポートスキルを学べる資格です。チャイルドコーチングを取得することで、保育士の転職時に「子どもの可能性を引き出す専門性」を評価されるかもしれません。
チャイルドコーチングの資格には、「チャイルドコーチングアドバイザー」と「チャイルドコーチングマイスター」の2種類があります。適切な声かけや関わり方を通じて、子どもの自主性や意欲を引き出す技術を学ぶことが可能です。取得には、通信講座やオンライン講座の修了と試験の合格が求められます。働きながら学べる環境が整っているため、就業中の保育士も無理なく取得を目指せるでしょう。
チャイルドマインダー
チャイルドマインダーは、少人数の子どもたちに家庭的な保育を提供するための資格です。0歳から12歳までの子どもを対象に、1〜4名という少人数での保育を行うのが特徴になります。
小規模保育事業や家庭的保育事業など、少人数保育を行う職場に転職する際に、チャイルドマインダーのスキルを活かせるでしょう。チャイルドマインダーの資格を取得するには、各団体が主催する養成講座の受講と検定試験の合格が必要です。
育児セラピスト
育児セラピストは、保護者支援のスペシャリストとして、転職時に強みとなる資格です。保護者がつらいときや育児に悩んだとき、的確なアドバイスを行える専門家として需要があります。子育ての悩みや不安に寄り添い、具体的な解決策を提案できる力を活かして保育現場で活躍できるでしょう。
育児セラピストは、講座を受講し、認定試験に合格することで取得が可能です。資格を得られれば、保護者の心理を深く理解し、精神的に安定した状態で子育てができるようサポートできるようになります。
食育インストラクター
食育インストラクターは、子どもたちの健やかな成長を食の面からサポートする専門家として、転職時の強みとなる資格です。食育に力を入れている園に転職する際に役立つでしょう。
食育インストラクターは、プライマリーから1級まで5つのレベルに分かれており、級によって受験資格が異なります。食育の基礎知識から専門的なプログラム作成まで、段階的にスキルアップできるのが特徴です。保育現場では、年齢に応じた食育活動の展開や、アレルギー対応の知識など、幅広い専門性を活かせます。
おもちゃコンサルタント
おもちゃコンサルタントは、子どもの成長や発達におけるおもちゃの役割を理解し、子どもの自由に遊ぶ力を引き出すための資格です。遊びを通して発達支援を重視する園に転職する際に評価される可能性があります。保育現場では、年齢や発達に合わせた遊ぶ環境の整備や、おもちゃを活用した効果的な保育活動の展開ができるかもしれません。
おもちゃコンサルタントの取得には、講座の受講が必要です。資格を取得することで、子どもにおもちゃ作りの楽しさを伝えたり、昔ながらの遊びに触れさせたりできるようになります。
こども環境管理士
こども環境管理士は、子どもたちに豊かな自然体験を提供できる専門家として認定される資格です。野外活動や自然遊びを取り入れている保育園への転職時に、アピールポイントとなります。
こども環境管理士は1級と2級があり、1級は保育士や幼稚園教諭などの実務経験が必要です。2級は筆記試験のみですが、1級は筆記試験と口頭試問があります。こども環境管理士を取得すると、子どもが自然と触れ合える機会の確保や自然遊びの企画など、環境教育の専門的なスキルを活かせます。
保育士以外の職種へ転職する際に役立つ免許・資格
保育士がほかの職種への転職を検討する際は、追加で免許・資格の取得が必要な場合があります。ここでは、保育士がキャリアの幅を広げるのに役立つ免許・資格をまとめました。
幼稚園教諭免許状
幼稚園教諭免許状は、保育士から教育現場への転職を可能にする免許です。幼稚園教諭免許状があれば、幼稚園や認定こども園に転職して、教育活動をする道も選べます。
文部科学省の「幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例」によると、「3年かつ4,320時間以上」の実務経験がある保育士は、特例制度を活用して効率良く幼稚園免許状を取得できます。
免許状 | 基礎資格 | 大学において修得することが必要な最低単位数 |
幼稚園教諭免許状一種 |
| 8単位 |
幼稚園教諭免許状二種 |
| 8単位 |
参照:文部科学省「幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例」
特例制度を活用すれば、幼稚園教諭免状を取得するのに必要な単位数を減らせます。ただし、令和12年3月31日までの制度のため、取得を検討する際は期限に注意しましょう。
出典
文部科学省「幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例」(2025年5月28日)
養護教諭免許状
養護教諭免許状は、学校で保健活動を行うための資格です。保健室での児童・生徒の健康管理や保健指導、心身の健康相談などを行います。保育士としての経験を活かしながら、より専門的な支援が可能です。養護教諭は小学校から高校まで幅広い年齢層の子どもたちと関われるのが魅力になります。
職業情報提供サイトjob tagの「養護教諭」によると、養護教諭免許状の取得には大学での養護教諭養成課程の履修が必要です。養護教諭に転職する場合、保育現場での経験は、子どもたちの心身の健康をサポートするのに役立つでしょう。
出典
職業情報提供サイトjob tag「養護教諭」(2025年5月28日)
社会福祉士
社会福祉士は、福祉分野での専門性を高める国家資格です。児童福祉施設や児童相談所など、より広い視点で子どもと家庭を支援する仕事に転職できます。子育て支援や家族支援をするうえで、保育士としての経験は強みです。
厚生労働省の「社会福祉士・介護福祉士等」によると、福祉系の4年制大学で指定科目を履修して卒業した人や社会福祉士指定養成施設を卒業した人が、社会福祉士国家試験に合格し登録することで資格を取得できます。
出典
厚生労働省「社会福祉士・介護福祉士等」(2025年5月28日)
保育士が転職前にプラスアルファの資格を取得するメリット
保育士の資格に加えて新たな資格を取得することは、転職で武器となります。ここでは、プラスアルファの資格取得がもたらすメリットを見ていきましょう。
選べる職種の幅が広がる
保育士資格のほかにも追加で資格を取れば、転職先の選択肢が広がります。取得する資格によって、音楽教育に特化した保育園や体育活動を重視する園、英語教育を取り入れている施設など、自分の興味や専門性に合った職場を選びやすくなるでしょう。
また、複数の資格を組み合わせることで、独自の専門性を持つ保育者として、より魅力的な転職先を見つけられるかもしれません。将来的に保育以外の分野へキャリアチェンジする際も、資格取得を通じて得た知識やスキルを役立てられる可能性があります。
自分の強みをアピールしやすくなる
保育士としての基本的なスキルに加えて、特定分野での専門性を証明できると、採用担当者の評価を得られやすいでしょう。採用担当者は、応募者のアピール内容によって園の特色や求める人物像とマッチするかどうかを判断しています。。
状況によっては、プラスアルファで資格を取得するという行為そのものが、熱意や向上心の表れとして見てもらえる可能性もあるでしょう。面接で「なぜその資格を選んだのか」「どのように活かしていきたいか」など、具体的な強みとして説明しやすい点もメリットです。
自信を持って新しい環境に挑戦できる
新たな資格の取得は、保育士が転職する際の精神面での支えになります。資格の取得を通じて得られた知識は、実践的な場面での自信につながるでしょう。
転職後の新しい環境では、これまでと異なる課題に直面する場合もあります。しかし、専門的なスキルを持っているという自信があれば、積極的に挑戦していけるでしょう。
保育士が転職を見据えて資格を取得する際の注意点
「資格を取りたいけど、働きながら勉強できるか不安」という方もいるのではないでしょうか。ここでは、保育士が転職のために資格取得を目指す際の注意点を紹介します。
取得に必要な実務経験や受験資格を事前に確認する
保育士が転職のために資格の取得を検討する際は、受験資格の要件を詳しく確認することが大切です。実務経験が必要な資格もあれば、特定の資格や免許の保有が前提となる資格もあります。養成講座の受講が必須なのか、独学での取得が可能なのかなども、事前にしっかり調べましょう。
受験に必要な費用や、資格の更新制度の有無なども重要なチェックポイントです。情報を正確に把握することで、自分の状況に合わせた資格選びができ、効率的に学習を進められます。
取得までのスケジュール管理をする
転職のための資格取得には、計画的な学習が欠かせません。試験日や申込期限、講座の開講時期などを確認し、逆算して計画を立てましょう。仕事との両立を考慮しながら、無理のないスケジュールを組むことが重要です。
月単位、週単位での学習目標を設定し、進捗状況を定期的にチェックすることで、モチベーションを維持しやすくなります。予備の時間も確保しておくと、突発的な出来事があっても柔軟に対応できるでしょう。
スキマ時間を活かして学習を進める
働きながらの資格取得では、限られた時間を効率的に使うことが重要です。通勤時間や休憩時間、就寝前のひとときといった日々のスキマ時間を活用すると、着実に学習を進められます。オンライン学習や音声教材での学習など、自分のライフスタイルに合わせた学習方法を見つけるのがポイントです。小さな時間を積み重ねて勉強し、転職するまでに資格を取得しましょう。
保育士の転職に役立つ資格に関してよくある質問
ここでは、保育士の転職に役立つ資格に関してよくある質問に、Q&A形式でお答えします。
保育士が転職する際におすすめのダブルライセンスは?
保育士資格と相性の良いダブルライセンスとして、幼稚園教諭免許状が挙げられます。保育士が幼稚園教諭免許状を取得すれば、幼稚園や認定こども園など、より幅広い教育・保育施設での勤務が可能です。
保育士がキャリアチェンジする際におすすめの資格は、本記事の「保育士以外の職種へ転職する際に役立つ免許・資格」で紹介しているので、参考にしてみてください
保育士が通信でスキルアップのために取れる資格は?
保育士が働きながら取れるスキルアップに役立つ資格は、幅広くあります。たとえば、「チャイルドコーチングアドバイザー」や「乳幼児リトミックインストラクター」は通信講座を受講でき、在宅で受験受験が可能です。通信で取れる資格は、自分のペースで学びを進められるため、無理のない範囲でチャレンジしてみましょう。
資格なしだと保育士に転職できませんか?
保育士として働くためには、原則として保育士資格が必要です。無資格の人が保育園で働きたい場合は、保育補助として勤務しながら保育士資格の取得を目指すという選択肢もあります。保育現場で経験を積みながら、徐々にステップアップしていくのがおすすめです。自分のペースで着実にキャリアを築いていけるよう、長期的な視点で計画を立てましょう。
まとめ
保育士の転職を有利にするためには、プラスアルファの資格取得が効果的です。リトミック指導者や運動保育士、幼保英語士など園の特色に合わせた専門資格があれば、より良い条件での転職につながる可能性があります。
保育士が資格を取得するメリットとしては、選べる職種の幅が広がることや、新しい環境への挑戦に自信を持って臨めることが挙げられます。資格の取得を検討する際は、実務経験や受験資格の要件を確認し、計画的な学習が必要です。自分の興味や目指すキャリアに合わせて資格を選び、着実に準備を進めていくことで、より充実した転職を実現できるでしょう。
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執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。