保育の仕事

最終更新日:

保育士等キャリアアップ研修とは?内容や受講の流れ・給料アップの仕組み

  • #保育士
CAREERと書かれた積木が階段状に積み上げられており一番下の部分に木の人形が置かれている画像

保育士等キャリアアップ研修ってどんな制度?と気になっている方もいるかもしれません。研修を修了すると、保育の専門性を高めたり、キャリアアップや給与アップにつなげたりすることができます。この記事では、保育士等キャリアアップ研修の概要や研修分野、受講するメリットについて解説します。事前に知っておきたい注意点や受講時の流れも紹介するので、これから研修を受けようと考えている方は、ぜひご覧ください。

この記事を書いた人

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士のお仕事探しならレバウェル保育士 登録する バナー

保育士等キャリアアップ研修とは

保育士等キャリアアップ研修とは、保育現場のリーダー層の育成や専門性の向上、処遇改善(給与アップ)を目的として、国が定めた研修制度です。

従来、保育士の役職といえば園長や主任保育士などが中心で、中堅の保育士がキャリアアップできる機会が限られていました。そこで新たに設けられたのが、「職務分野別リーダー」「専門リーダー」「副主任保育士」の3つの役職です。保育士等キャリアアップ研修を修了し、これらの役職に就くと、処遇改善手当が支給される仕組みになっています。

また、保育士等キャリアアップ研修の対象は、保育士資格を持つ人だけではありません。幼稚園教諭や事務職員、調理員、栄養士など、教育・保育に携わる多様な職種の方がスキルアップのために受講できます。

保育士等キャリアアップ研修の内容・実施分野一覧

保育士等キャリアアップ研修は、全8分野で構成されています。研修時間は、1分野あたり15時間以上です。

研修分野内容
乳児保育・乳児保育の意義

・乳児保育の環境

・乳児への適切な関わり

・乳児の発達に応じた保育内容

・乳児保育の指導計画、記録および評価
幼児教育・幼児教育の意義

・幼児教育の環境

・幼児の発達に応じた保育内容

・幼児教育の指導計画、記録および評価

・小学校との接続
障がい児保育・障害の理解

・障がい児保育の環境

・障がい児の発達の援助

・家庭および関係機関との連携

・障がい児保育の指導計画、記録および評価
食育・アレルギー対応・栄養に関する基礎知識

・食育計画の作成と活用

・アレルギー疾患の理解

・保育所における食事の提供ガイドライン

・保育所におけるアレルギー対応ガイドライン
保健衛生・安全対策・保健計画の作成と活用

・事故防止および健康安全管理

・保育所における感染症対策ガイドライン

・保育の場において血液を介して感染する病気を防止するためのガイドライン

・教育、保育施設等における事故防止および事故発生時の対応のためのガイドライン
保護者支援・子育て支援・保護者支援、子育て支援の意義

・保護者に対する相談援助

・地域における子育て支援

・虐待予防

・関係機関との連携、地域資源の活用
マネジメント・マネジメントの理解

・リーダーシップ

・組織目標の設定

・人材育成

・働きやすい環境づくり
保育実践・保育における環境構成

・子どもとの関わり方

・身体を使った遊び

・言葉、音楽を使った遊び

・物を使った遊び

8分野のうち、「乳児保育」から「保護者支援・子育て支援」までの6分野は、専門分野別研修といい、保育に関する専門的な知識や実践力が身につけられます。

一方、「マネジメント」と「保育実践」は、専門分野別研修とは異なる位置づけの研修で、それぞれ対象者や目的が異なります。マネジメント研修は、主任保育士の下でミドルリーダーとしての役割を担う保育士や、今後その役割を担うことが見込まれる保育士が対象です。保育実践研修は、長期間保育現場を離れていた潜在保育士や保育士試験合格者などが対象となります。

出典

こども家庭庁「保育新規タブリンク」(2026年9月25日)

【役職別】受講が必要な研修や経験年数などの要件

保育士等キャリアアップ研修について、「自分はどの分野をいくつ受ければいい?」と疑問に思う方もいるでしょう。ここでは、副主任保育士・専門リーダー・職務分野別リーダーを目指す場合に必要となる研修分野と経験年数の目安について解説します。

保育士等(民間)に関するキャリアアップ・処遇改善のイメージ

出典

こども家庭庁「令和7年度以降の処遇改善等加算について新規タブリンク」(2026年9月25日)

職務分野別リーダーを目指す場合

職務分野別リーダーになるには、専門分野別研修のうち、自分の担当する分野を1つ以上受講・修了する必要があります。経験年数は、おおむね3年以上が目安です。研修修了後は、「乳児保育リーダー」「食育・アレルギーリーダー」というように、担当分野の専門性を活かして、保育の現場をリードする役割を担います。

副主任保育士・専門リーダーを目指す場合

副主任保育士と専門リーダーを目指す場合は、一般的に職務分野別リーダーを経験したうえで、複数の研修受講が必要です。以下に詳細をまとめました。

副主任保育士

副主任保育士になるには、マネジメント研修に加えて、3つ以上の専門分野別研修を受講・修了する必要があります。経験年数は、おおむね7年以上が目安です。副主任保育士は、主任保育士を補佐しながら園全体を支える役割を担います。マネジメントやリーダーシップの能力を身につけることで、将来のキャリアの選択肢を広げることにもつながるでしょう。

専門リーダー

専門リーダーになるには、4つ以上の専門分野別研修を受講・修了する必要があります。経験年数は、おおむね7年以上が目安です。スタッフ職のため、副主任保育士とは異なり、マネジメント研修の受講は必須ではありません。専門リーダーには、高い専門知識やスキルを活かして現場を支え、ほかの保育士への助言や指導に取り組む役割が期待されます。

保育士等キャリアアップ研修を受講するメリット

保育士等キャリアアップ研修には、日々の保育を見直すきっかけになったり、キャリアアップや処遇改善につながったりするメリットがあります。ここでは、保育士等キャリアアップ研修を受講することで得られる、具体的なメリットを紹介します。

給料アップ・処遇改善につながる

保育士等キャリアアップ研修を受講するメリットの1つは、給与アップにつながる可能性があることです。処遇改善等加算(区分3)の仕組みにより、副主任保育士や専門リーダーになると最大で月額4万円、職務分野別リーダーになると月額5,000円の手当が支給される可能性があります(支給額は、勤務する園の配分ルールによって異なります)。

出典

こども家庭庁「令和7年度以降の処遇改善等加算について新規タブリンク」(2026年9月25日)

日々の保育やマネジメントに活かせる

保育士等キャリアアップ研修では、専門分野に加えて、マネジメントや保育の基礎を学べる分野も用意されています。リーダーとしてのスキルを高めたい中堅保育士から、長期間現場を離れていた方のスキル習得まで、幅広く活用できるのが利点です。

また、研修の形式によっては、グループワークやディスカッションなど、受講者同士で意見を交換しながら学べる機会もあります。他園の取り組みや工夫を知ることで、新たな気づきを得たり、自園の保育を見直したりするきっかけにもなるでしょう。

キャリアアップや専門性の証明に役立つ

保育士等キャリアアップ研修は、国の定める役職に就くための必須条件です。必要な研修を修了し、副主任保育士や専門リーダー、職務分野別リーダーのいずれかの役職に任命されることで、キャリアアップにつなげられます。

また、研修の修了者には、全国で有効な修了証が交付されます。知識やスキルの証明となるため、転職活動で自身の専門性をアピールする際にも役立つでしょう。

保育士等キャリアアップ研修を受講する際の注意点

保育士等キャリアアップ研修を受講する際は、受講にかかる費用や勤務時間の扱い、処遇改善手当の分配方法なども事前に確認しておくことが大切です。ここでは、保育士等キャリアアップ研修を受講する前に、押さえておきたい注意点を紹介します。

必ずしも給与アップにつながるとは限らない

保育士等キャリアアップ研修は、修了しただけで給料が上がるものではありません。処遇改善等加算の対象となるには、研修を修了したうえで、該当の役職に任命される必要があります。各役職には人数の目安があり、職務分野別リーダーは、園長・主任保育士を除く保育士等全体のおおむね5分の1、副主任保育士・専門リーダーはおおむね3分の1です。

また、役職に就いた場合でも、支給される手当額は園の方針によって違います。受講を決める前に、「研修修了後に役職に就ける見込みがあるか」「手当はいくら支給されるか」などを勤務先に確認しておくことが大切です。

出典

こども家庭庁「令和7年度以降の処遇改善等加算について新規タブリンク」(2026年9月25日)

勤務時間内に受講できるかは園の方針次第

保育士等キャリアアップ研修を勤務時間内に受講できるかは、園の方針やシフト状況によって異なります。勤務時間内にシフトを調整して受講できる園もあれば、休日や勤務時間外に受講するケースもあるようです。また、園から受講を指示された場合と、自主的に受講する場合で扱いが異なることもあるので、あらかじめ勤務先に確認しておくと安心です。

自己負担額が生じる場合がある

保育士等キャリアアップ研修を受講する際は、費用を園が負担するのか、自己負担となるのかも事前に確認しておきましょう。受講料は研修機関によって異なり、無料の場合もあれば、有料の場合もあります。受講料以外にも、テキスト代(教材費)や、会場で受講する場合の交通費などが必要になることもあるので、考慮しておくことが大切です。

現在の職場で研修に関するサポートが十分に受けられない場合は、サポート体制が充実した職場への転職を検討するのも1つの方法といえるでしょう。

保育士等キャリアアップ研修の受講の流れ

ここでは、保育士等キャリアアップ研修を受講する際の流れを順を追って解説します。これから受講を予定している方は、参考にしてみてください。

1.研修分野について職場に確認・相談する

受講したい研修分野や今後のキャリアプランについて、園長や主任に相談しましょう。個人で申し込める場合もありますが、都道府県や実施機関への申し込みは園経由で行うケースも多いため、受講の意思を早めに伝えておくことが大切です。

また、希望すればいつでも受講できるとは限りません。園内での調整が必要になるほか、人気のある研修分野は早い段階で定員に達することもあります。「気づいたら受付が終了していた」とならないよう、余裕をもって確認しましょう。

2.指定の研修分野に申し込みをする

受講する研修分野を決めたら、勤務先または個人で、都道府県や都道府県知事が指定した研修実施機関に申し込みます。研修は、市区町村や指定保育士養成施設、一般社団法人などが実施しています。指定された研修実施機関であれば、どこで受講しても研修修了としての扱いに違いはありません。

3.集合型やeラーニング形式で受講する

保育士等キャリアアップ研修の受講形式は、集合型とオンライン(eラーニング)の主に2つです。集合型の場合は、指定された会場に足を運び、対面で講義を受けます。一方、オンラインの場合は、自宅や園から受講します。実施主体によっては、録画動画の視聴に加えてライブ配信が実施される場合もあるようです。

オンラインは、空いた時間を活用しながら計画的に学習を進められるのがメリットです。ただし、受講にはPCやタブレットなどの視聴環境を用意する必要があります。

4.レポートを作成・提出する

保育士等キャリアアップ研修を受講したあとは、レポートを作成・提出します。レポートには、研修で学んだことや理解したこと、今後の業務に活かしたいことなどを記載するのが一般的です。自分が勤務する園の現状を踏まえ、「具体的に何を、どのように実践していくか」という行動目標まで落とし込んで書くと、より内容の充実したレポートになるでしょう。

5.研修機関から修了証が発行される

保育士等キャリアアップ研修を受講し、評価の結果、修了と認められた方には、都道府県や研修実施機関から修了証が交付されます。修了証は紙で郵送される場合や、研修実施機関のマイページからダウンロードできる場合もあります。

修了証は、研修を受講した都道府県以外でも効力を有するため、転居や転職などで勤務地が変わった場合にも活用できます。

保育士等キャリアアップ研修についてよくある質問

ここでは、保育士等キャリアアップ研修についてよくある質問を紹介します。

保育士等キャリアアップ研修の受講は必須?

保育士等キャリアアップ研修は、すべての保育士に受講が義務付けられているわけではありません。ただし、処遇改善等加算(区分3)による給与アップを希望する場合は、研修の受講が必要です。研修修了要件はこれまで段階的に引き上げられてきましたが、2026(令和8)年度より、経過措置が終了し、手当を受け取るための必須条件となりました。

出典

こども家庭庁「令和7年度以降の処遇改善等加算について新規タブリンク」(2026年9月25日)

保育士等キャリアアップ研修を受けないとどうなる?

保育士等キャリアアップ研修は、必ず受講しなければならないものではありません。研修を受けなくても、保育士として勤務を続けることは可能です。ただし、処遇改善等加算(区分3)の対象となる役職に就くには、研修の受講が必要となります。受講しない場合は、キャリアアップや手当による収入アップを目指しにくくなる可能性があるでしょう。

保育士等キャリアアップ研修を受けても給料が上がらないことはある?

保育士等キャリアアップ研修を受講しただけでは、必ずしも給料が上がるとは限りません。処遇改善等加算(区分3)による手当を受け取るには、研修を修了するだけでなく、対象となる役職に就く必要があるためです。研修の受講を給与アップにつなげたい場合は、役職への登用や手当の支給条件・金額について、あらかじめ勤務先に確認しておくと安心です。

まとめ

保育士等キャリアアップ研修は、保育士の専門性を高め、キャリアアップや処遇改善につなげるための制度です。研修は全8分野に分かれており、目指す役職によって求められる分野数が異なります。職務分野別リーダーを目指す場合は1分野以上、副主任保育士・専門リーダーを目指す場合は、4分野以上の研修を修了することが必要です。対象となる役職に就くことで、処遇改善等加算による手当の支給につながり、給与アップが期待できます。

もし、「業務が忙しくて研修を受けられる職場環境ではない」「研修を受けても役職に就けない」といった悩みを抱えている場合は、保育業界に特化した転職エージェントのレバウェル保育士にご相談ください。キャリアアップの支援が手厚い園や研修修了者への手当が充実している園など、希望に合った求人をアドバイザーが紹介します。転職するか迷っている方も、まずはどのような求人があるのか情報収集から始めてみませんか?

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェントサービス「レバウェル保育士」が運営するメディアです。編集部には、元幼稚園教諭・保育士資格者のメンバーも在籍。現役保育士さんや保育学生さん、保育士資格の取得を目指す方に向けて、仕事や働き方、キャリア、転職に関するお役立ち情報を発信します。保育士・幼稚園教諭の転職サポート実績をもとに、記事を通して不安や悩みが少しでも解消される状態を目指し、皆さまのキャリア選択を支援します。

この記事をシェアする

  • Facebookでシェアする
  • Xでポストする
  • LINEで送る
  • はてなブックマークでブックマークする

保育士・幼稚園教諭の転職なら

レバウェル保育士
  • 非公開
    求人あり

  • LINEで
    気軽に相談

  • 面接対策
    ・条件交渉

転職サポートを受けてみる