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保育士が土曜出勤したときは?代休がなくても良い理由や働き方を解説
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保育士のなかには、「土曜出勤分の代休なし?」と疑問に思う方もいるかもしれません。保育士が働く職場では、労働時間制度や就業規則によって土曜出勤の代休がないこともあります。 この記事では、保育士が土曜出勤した際に代休がなくても良い理由を解説。土曜出勤分の代休がないときの働き方や、保育士が週6日勤務できついと感じたときの対処法も紹介します。
目次
保育士が土曜出勤した際の代休はなし?
保育士が土曜出勤した分の代休があるかないかは、職場の労働時間制度や就業規則によって決まります。労働基準法や就業規則に則り、休みが取れていれば土曜出勤した分の代休がなくても問題ありません。一般的な認可保育園では、月〜土曜日まで開園、日曜日と祝日を休みとしているため、保育士は土曜を含めたシフト制で働くことになります。
そもそも代休とは、「休日出勤をした後に、その代わりの休日としてほかの勤務日に休むこと」です。土曜日が休日だったのにも関わらず人手が足りなくて出勤した場合や、もともと土曜が休みの職場で行事により出勤した場合などは代休があります。
保育士が土曜出勤した際に代休がなくても良い理由
ここでは、保育士が土曜出勤した際に代休がなくても良い理由を解説します。法律や労働時間制について正しく理解し、代休がなくても良い理由を把握しましょう。
週1日または4週間に4日休めば違法にならないから
保育士が土曜出勤分の代休がなくても良い理由の1つは、「週1日または4週間に4日休めば法律に違反しないから」です。e-Gov 法令検索の「労働基準法 第三十五条」によると、「使用者は、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない」とされています。変形休日制を採用している場合は、「4週間で4日以上の休日を確保すればよい」という例外規定も適用可能です。
よって、毎週月〜土曜日まで働き、日曜日が休みという働き方をしても法律に違反しないため、土曜出勤分の代休がないこともあります。
出典
e-Gov 法令検索「労働基準法」(2025年4月15日)
割増賃金が支給されれば上限時間を超えて働けるから
割増賃金の支給により、土曜出勤分の代休がないこともあります。e-Gov 法令検索の「労働基準法 第三十二条」によると、「労働時間の上限は1日8時間、1週間で40時間」です。ただし、労働基準法の「1日8時間、1週間40時間」はあくまで所定労働時間のため、残業時間が含まれません。
土曜出勤により1週間で40時間を超える場合、超過勤務手当として1.25倍の割増賃金を支給すれば、この上限時間を上回って働くことも可能です。そのため、土曜出勤の分を代休ではなく、超過勤務手当の支給により対応することもあります。土曜出勤分を休日出勤扱いとして割増賃金を支払った場合、法律上は休日扱いになるため代休がなくても問題ありません。
出典
e-Gov 法令検索「労働基準法」(2025年4月15日)
変形労働時間制の場合は平均週40時間で調整できるから
労働基準監督署へ変形労働時間制を届け出ている場合、1ヶ月もしくは1年以内で平均週40時間になれば代休の取得や残業代の支給をする必要はありません。勤務時間が平均週40時間を超える場合、1年以内に超過分の休日をとれば相殺可能です。
変形労働時間制だと1年は52.14週になるので、1年間の総勤務時間が417.12時間以内であれば土曜出勤があっても代休や残業代の対象となりません。たとえば、月〜土曜に1日8時間勤務して週48時間になった場合、次の週は月〜木曜の8時間勤務にして週32時間、平均週40時間にシフトを調整することになります。
保育士が土曜出勤分の代休がないときの働き方
ここでは、土曜出勤分の代休がない場合、保育士はどのような働き方になるか解説します。勤務時間や休日の取り方について、参考にしてみてください。
平日のいずれか1日と日曜日が休みになる
保育士が土曜出勤する場合、一般的には平日のいずれか1日と日曜日が休みになります。職場の就業規則によって異なりますが、週休2日制の場合は1ヶ月に1回以上週2日の休みが必要です。たとえば、1週〜3週目は日曜のみの週1日休み、4週目が月〜土曜のいずれか1日と日曜の週2休みになります。
また、完全週休2日制の場合は、毎週必ず2日の休日が必要です。毎週、月~土曜日のいずれか1日と日曜日が休みになります。
1日の勤務時間が短くなる
月〜土曜日の週6日勤務になる場合は、1週間で40時間の上限を超えないように1日の勤務時間が短く調整されるようです。たとえば、月〜木曜日が7時間、金土曜日が6時間勤務であれば週40時間に収まります。保育園では朝番・中番・遅番にシフトを分けているため、子どもの人数が少ない朝や夕方は保育士を減らして勤務時間が調整されるでしょう。
勤務日数・休日で調整される
変形労働時間制を取り入れている職場では、週40時間を超えたとき後日休みをとって超過分を相殺します。たとえば、行事の準備や年度初めなど多くの人手が必要な時期は勤務時間が長くなり、繁忙期以外に休日を多くするといったシフトです。
GWやお盆、年末年始などの時期は、開園していても利用する子どもが少なく保育士の数を減らせることがあります。超過分の勤務時間は、人手が足りている時期に休みを取れるかもしれません。
保育士が週6日勤務できついと感じたときの対処法
保育士のなかには週6日勤務で、体力や精神的にきついと感じる方もいるかもしれません。ここでは、保育士が週6日勤務できついと感じたときの対処法を紹介します。
園長や主任保育士などの上司に相談する
週6日勤務できついと感じ悩んだ場合、園長や主任保育士などの上司に相談してみましょう。職場によっては、働きやすいようにシフト調整してくれることもあります。また、日々の業務負担を軽減するために、上司が業務の割り振りやサポート体制について見直してくれるかもしれません。
週6日勤務がきつく有給を使って休みたいときは、早めに園長や主任保育士に相談するのがコツです。有給を上手く使いながらリフレッシュすれば、仕事へのモチベーションを保ちやすくなります。
雇用形態の変更を検討する
週6日フルタイム勤務で働くのが体力・精神的につらい場合は、雇用形態の変更を検討してみましょう。正社員からパートに雇用形態を変更すれば、契約上の勤務時間や日数を減らして働きやすくなる可能性があります。職場によっては、年度替わりや人員補充のタイミングで雇用形態の変更に対応してくれることもあるかもしれません。
正社員からパートになると、給与が減ったり賞与支給されなかったりしますが、保育士としてのキャリアを継続できる点はメリットです。保育士として働き続ければ、正社員への復帰もしやすくなります。
年間休日が多い保育園に転職する
週6日勤務がきついときは、年間休日が多い保育園への転職を検討するのも手です。いまの職場より年間休日が多かったり、完全週休2日制を取り入れていたりする職場であれば働きやすくなるかもしれません。
求人によっては、有給取得率の高さをアピールしていることもあるようです。有給が取りやすかったり年間休日が多かったりする職場であれば、保育士としてのキャリアを継続しやすくなります。
保育士の土曜出勤に関するよくある質問
ここでは、保育士の土曜出勤に関するよくある質問にQ&A形式で答えます。
保育士が祝日に休日出勤した場合はどうなる?
就業規則で祝日を法定休日と定めている場合、休日出勤すると割増賃金が発生します。祝日の休日出勤分で代休を取得したとしても、法定休日であれば割増賃金の対象です。就業規則で祝日が法定休日と定められていない場合は、基本給に祝日に勤務した分の賃金が含まれているため、割増賃金は発生しません。
保育士が労働基準法に違反する例は?
保育士がほかの職員や後輩に対して、適切に休憩を与えなかったり、有給休暇を取得させなかったりした場合は、労働基準法に違反する可能性があります。また、保育士が36協定に違反して長時間労働をさせられたり、残業代を支払われなかったりした場合も労働基準法違反です。保育士は役職に付くとシフトや有給の管理などを任される可能性があるため、労働基準法を正しく理解し違反しないように注意しましょう。
まとめ
保育士が土曜出勤した分の代休は、職場の労働時間制度や就業規則によって決まります。労働基準法や就業規則に則った休みが取れていれば、土曜出勤した分の代休がない場合もあります。
毎週月〜土曜日まで働き、日曜日が休みという働き方をしても、週1日または4週間に4日休めば労働基準法には違反しません。割増賃金の支給により、土曜出勤分の代休がないこともあります。また、変形労働時間制を取り入れている職場では、1ヶ月または1年の勤務時間が平均週40時間になるようにシフトが調整されるでしょう。
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執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。