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保育士の派遣とパートの違いとは?それぞれの仕事内容や時給、働くメリット

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保育士として働く中で「派遣とパートの違いは何か」と思う方もいるのではないでしょうか。また、「自分には派遣とパートどちらで働くのが合っているのか」と考えている方がいるかもしれません。派遣とパートには、雇用形態や働き方に違いがあります。 この記事では、派遣とパートの仕事内容や時給の違いなどを解説します。ほかにも、派遣とパートのメリット・デメリットや向いている人の違いも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人

A

「レバウェル保育士」編集部

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保育士の派遣とパートの違いとは

保育士の働き方には幅広い選択肢があります。派遣やパートもその1つです。その中でも、派遣とパートは混同されやすい働き方といえるでしょう。派遣には、無期雇用派遣や紹介予定派遣などいくつかの種類がありますが、ここでは、一般的な登録型派遣をピックアップし、パートと比較して違いを解説します。

派遣とパートで働く保育士にはどのような違いがあるのでしょうか。基本的な違いは、以下のとおりです。

派遣 パート・アルバイト
雇用主 派遣会社 保育園の運営元
給与の支払元 派遣会社 保育園の運営元
就業先 派遣先の保育園 保育園
雇用期間 有期雇用(上限3年) 有期雇用または無期雇用

参照:厚生労働省「派遣で働く皆さまへ新規タブリンク

派遣とパートの大きな違いは、雇用主です。派遣の場合、雇用主は派遣会社であり、派遣先の保育園で働きます。パート勤務の場合、勤務先の保育園と直接雇用契約を結ぶため、園が雇用主になるのが特徴です。そのため給与の支払元は、派遣保育士の場合は派遣会社、パートの場合は勤務先の保育園となります。

派遣は契約期間が決まっており、契約満了時に更新するかどうか判断されます。更新がない場合は、次の派遣先を探す必要があるでしょう。また、派遣では同じ事業所において3年以上は勤務できません。パートも有期雇用が一般的ですが、園によっては無期雇用の場合もあるようです。

出典

厚生労働省「労働者派遣事業について新規タブリンク」(2025年8月7日)

派遣とパートの仕事内容の違い

契約や園によっても異なりますが、保育士として勤務するうえで派遣とパートの仕事内容には大きな違いはないでしょう。どちらの雇用形態であっても、正社員の補助業務や子どもたちのサポートを任されるのが一般的です。以下は、派遣とパートで勤務する保育士の主な業務内容の一例です。

  • 子どもたちの見守り

  • 食事や排泄の介助

  • 午睡(お昼寝)のサポート

  • 制作活動の準備

  • 保育室の清掃

  • 簡単な書類業務

基本的に、派遣とパートで業務内容が大きく異なることはありません。ただし、どちらも園によって異なります。派遣はサポート業務が中心となることが多いために比較的負担が少なく、補助業務に専念できるのが特徴です。派遣の場合、契約によって業務内容や責任の範囲はパートよりも明確な傾向にあります。一方、パートは派遣よりも業務内容が幅広い傾向にあるようです。

保育士の派遣とパートの時給・待遇の違い

派遣とパートの保育士は、どちらも時給制が一般的です。派遣保育士の時給は1,200〜1,800円とされています。一方、パートの保育士を見ていきましょう。政府統計の総合窓口e-Statの「令和6年賃金構造基本統計調査新規タブリンク」によると、短時間労働者として勤務する保育士1時間当たりの所定内給与額は1,370円とされています。一般的に、派遣保育士のほうが高めの時給に設定される傾向にあるようです。

派遣保育士は契約が決められており、基本的に昇給がなく、賞与は期待できない傾向にあります。福利厚生は派遣会社の制度が適用されるのが特徴です。
一方、パートの保育士の場合、昇給や賞与の有無や金額は園によって異なります。厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査新規タブリンク」によると、短時間労働者として勤務する保育士の年間賞与その他特別給与額は、9万1,700円とされています。また、福利厚生は勤務先の保育園の制度が適用されます。

出典

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計新規タブリンク」(2025年8月7日)

派遣保育士とパート保育士のメリットの違い

保育士として働く際、派遣とパートにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、それぞれのメリットを解説します。

派遣保育士のメリット

派遣保育士は契約更新のタイミングで、その職場を続けるかどうか選ぶことができます。そのため、職場の人間関係や環境が合わない場合は契約を更新せず、別の派遣先を探すことができます。「実際に働いてみたら合わなかった」「思っていた雰囲気と違った」という場合、「引き続き同じ職場で働くかどうか」「別の職場を探すか」を選べるのがメリットといえるでしょう。また、派遣保育士は職場での悩みや困りごとを派遣会社の担当者に相談できるという点もメリットです。派遣保育士が保育園に話しにくいことも、派遣会社が間に入って調整してくれる場合もあります。

また、派遣保育士は比較的自由度の高い働き方ができ、週3日勤務や短時間勤務など自分のライフスタイルに合わせやすいのが特徴です。派遣保育士は柔軟な働き方が可能なため、子育てや家庭との両立がしやすいという魅力があります。

パートの保育士のメリット

派遣には契約において原則3年という上限が設けられていますが、パートの保育士は長期間にわたり勤務する傾向にあります。同じ職場で働き続けると、職員として信頼を得やすく、人間関係を築きやすいのが魅力の1つです。長期間勤務すると園の子どもたちや保護者との関わりも深くなり、仕事のやりがいを感じやすい場合もあるようです。

パートの保育士として同じ園で長く勤務すると、園の方針や保育の流れを理解しやすくなり、より主体的に保育に関われる機会があるのもメリットといえるかもしれません。また、園によっては、パートの保育士に昇給制度がある場合も。そのため、パートの保育士は、経験を積むことで時給アップの可能性もあるでしょう。

派遣保育士とパート保育士のデメリットの違い

保育士が派遣とパートどちらの働き方が自分に合っているかを考える際には、それぞれのデメリットも理解しておくことが重要です。ここでは、派遣とパートのデメリットを解説します。

派遣保育士のデメリット

派遣の場合、契約期間が限られているため、契約満了後に新しい派遣先がすぐに見つからないこともあるようです。また、派遣会社が次の職場を紹介してくれても、自分の希望に合う園がすぐに見つかるとは限りません。次の派遣先が決まらないと、間が空いてしまうケースもあります。契約期間が限られているため、定期的な昇給が期待しにくい傾向にあるといえます。収入が不安定になりやすい点は、派遣保育士のデメリットといえるでしょう。

また、長年働いている職員が多い中に、自分だけが派遣保育士として新しく入職するケースも。その場合、同じ立場の人がいないため、正社員の保育士との壁を感じて最初のうちは「馴染みにくい」と感じる方もいるようです。

パートの保育士のデメリット

パートの保育士は長く働くうちに、責任のある業務を任されることが増えてくる可能性があります。たとえば、園によっては行事の準備や保護者の対応、クラス運営の一部をパートの保育士が担当する場合もあるようです。時給は大きく変わらず業務の負担が増えていくケースがあるため、「補助的な仕事をしたい」と考えているパートの保育士にとっては負担になるかもしれません。

また、パートの保育士は園の都合によって、自分が希望するシフトが通らない場合もあるようです。園児の人数が減ったり、正社員の保育士が増えたりすると、シフトが調整されて働く時間が減ってしまうこともあるのは、パートのデメリットと感じる方もいるようです。

派遣とパートに向いている保育士の違い

保育士として働く際、派遣とパートで向いている人が異なります。ここでは、それぞれの働き方に向いている人の特徴をまとめました。

派遣に向いている人

前述しましたが、派遣保育士はパートに比べて時給が高い傾向にあり、契約期間が限られています。そのため、「特定の期間で効率的に収入を得たい」「決められた期間である程度の収入がほしい」「次の仕事が見つかるまで勤務したい」という方には向いています

また、派遣保育士は契約によって業務内容が決められています。派遣会社が勤怠を管理しているため、突発的な残業は発生しにくい環境です。「残業や持ち帰り仕事を避けたい」という方にも向いているでしょう。ほかにも、契約期間があるため「いろいろな保育園で働いて経験を積みたい」という方も向いているといえます。

パートに向いている人

パートの保育士は、「同じ園で腰を据えて働きたい」「子どもや職員と長く関わりたい」という方に向いています。パートの保育士は一度職場に馴染めば、人間関係が大きく変わる可能性は低い傾向にあります。新しい環境に慣れるのが苦手な方は、パートの保育士として働くのがおすすめです。
また、パートの保育士は勤務時間や日数の相談をしやすいため、「子どもが小さいうちは短時間勤務、成長したらフルタイムに変更する」というように、ライフステージに合わせて働き方を調整したい方にも適しているでしょう。

保育士が派遣とパートで働く際の注意点

保育士が派遣やパートで働く際には、注意点を確認しておくと、働き始めた後にトラブルが発生するのを防げる可能性があります。ここでは、派遣保育士とパートの保育士の働く際の注意点を解説します。

派遣保育士として働く場合の注意点

派遣保育士の時給は、同じ仕事内容でも派遣会社によって違います。ほかにも、派遣会社によって社会保険や研修制度など福利厚生の内容も異なるため、慎重に選択しましょう。派遣会社を選ぶときは、時給の高さだけでなく、福利厚生の充実度も考慮して選ぶのがポイントです。

派遣保育士は、契約が終了する前に「更新するか」「それとも次の職場をどうするか」と考える必要があります。派遣先の都合で契約が更新されないこともあるため、契約満了後にどうするかを早めに考え、必要に応じて派遣会社に相談しましょう。

パートの保育士として働く場合

パートの保育士として働く場合は、希望する勤務時間や勤務日数で働けるかどうか、希望する収入を確保できるかを事前に確認しましょう。パートの保育士に昇給の機会があるかどうかも聞いておくと、収入の見通しを立てやすくなります。

また、パートで働く場合、勤務時間によっては社会保険に加入できない可能性があります。自分が社会保険に加入する必要があるかどうかを確認し、加入条件を満たせる働き方ができるかチェックしておくことが重要です。

保育士の派遣とパートの違いに関してよくある質問

ここでは、保育士の派遣とパートの違いに関してよくある質問に、Q&A形式で回答します。

パートの保育士より派遣保育士の時給の方が高い理由は?

パートの保育士より派遣保育士の時給が高い理由は、保育園は派遣保育士を活用することで柔軟な労働力の確保や採用コストの削減につながるためです。保育園にとって急な人手不足や短期間の人員補充に対応できる派遣保育士は、即戦力として期待されます。そのため、短期間の場合も働いてもらいやすくするために、時給を高めに設定されている傾向にあります。
保育園が直接パートを採用する場合、求人広告の掲載や面接、採用手続きにかかる時間と費用が発生します。保育園が派遣保育士を活用すると、採用活動にかかる負担が減り、必要なときにすぐ人材を確保できるため、時給を高く設定するようです。そのほかにも、賞与がない分時給に反映されていたり、交通費込みで時給が高く設定されているケースもあります。

派遣保育士とパートの保育士の悩みに違いはある?

派遣保育士とパートの保育士は働き方が異なるため、抱えやすい悩みも違う傾向にあります。派遣保育士は派遣という立場上、保育の中心的な役割を任されにくく、正社員との壁を感じて話の輪に入りにくいと感じる場面もあるようです。また、契約終了後に仕事が見つかるかどうか不安といった悩みを持つこともあります。
パートの保育士は、長く働いて業務の幅が広がると、責任の範囲や業務の負担が大きくなることに悩む場合も。シフトの融通が利かない園では、希望どおりに勤務できないと悩む方もいるようです。派遣保育士とパートの保育士のデメリットは、本記事の「派遣保育士とパート保育士のデメリットの違い」で詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてください。

ブランクがある保育士は派遣とパートのどちらを選べば良い?

ブランクがある保育士が働く際は、希望する働き方によって、派遣とパートのどちらを選ぶと良いかが変わります。決められた期間で保育の感覚を取り戻したい場合や、仕事の悩みを外部の派遣会社に相談しながら働きたい方には派遣保育士がおすすめです。派遣保育士は契約期間があるため、まずは短期間で働いてみて、続けられそうなら長く働くことを考えたいという方に向いています。派遣会社が仕事の紹介やサポートをしてくれるため、「保育士としてブランクがあり不安」という方には安心できる働き方といえるでしょう。
パートの保育士は、「ブランクがある分、ゆっくりと職場に慣れながら仕事をしたい」という方に適している可能性があります。パートの保育士は周囲の職員と一緒に働きながら少しずつ慣れていけるため、長く働きたい方にはおすすめです。

派遣保育士は時給2,000円で働くことも可能?

派遣保育士が時給2,000円で働くことは可能ですが、一般的な水準よりも高いため、特別な資格を所有する保育士を募集していたり、短期間で即戦力として働ける人材を求めている可能性が高いでしょう。時給2,000円という派遣保育士の求人には多数の応募者が集中する可能性が高いので、すぐに問い合わせるなど早めに行動するのがおすすめです。

まとめ

保育士が派遣やパートで働く場合、それぞれの雇用形態や待遇に違いがあります。派遣保育士は契約期間が定められており、時給が高めに設定されているのが特徴です。しかし、契約期間が決まっているため、次の仕事を早めに探す必要があります。

パートの保育士は同じ職場で長く働く傾向にあります。園によっては、昇給や賞与がある場合も。ただし、シフトの調整が難しい場合や業務負担が増えることもある点に注意が必要です。派遣保育士は決められた期間である程度の収入を得たい方に向いています。一方、パートの保育士はじっくりと職場に馴染みたい方に向いているでしょう。

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執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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