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「保育士はやめとけ」といわれるのはなぜ?理由やブラック保育園の避け方
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保育士として勤務している方や目指している方のなかには「保育士はやめとけ」といわれる理由が気になる方もいるのではないでしょうか。保育士は業務量の多さや責任の重さから、「やめとけ」といわれることもあるようです。 この記事では、「保育士はやめとけ」といわれる理由を解説。保育士のメリットや向き不向き、ブラック保育園の特徴も紹介します。「保育士はやめとけ」という意見に流されず、良い面と悪い面の両方を把握し、自分に合った働き方を検討して判断しましょう。
目次
保育士はやめとけといわれる主な理由
労働時間の長さや責任の重さなどにより、「保育士はやめとけ」といわれることもあるようです。ここでは、「保育士はやめとけ」といわれる主な理由を5つ紹介します。
残業があり労働時間が長い
園によっても異なりますが、とくに人手不足の場合、保育士の労働時間は長い傾向にあります。そのため、「保育士はやめとけ」といわれるケースもあるようです。行事やイベントが開催される時期は準備で忙しく、残業することも。また、保護者のお迎えが遅れたりすると、残業で対応する場合もあります。
子どもの命を預かる責任が重い
保育士は子どもの命を預かる責任が重い仕事であるため、「やめとけ」といわれることも。子どもの安全を守るためには、細心の注意を払ったり神経を使ったりするため、精神的にきついと感じる場合もあります。
また、子どものケガや体調の急変により、応急処置や救急車の要請をする場面があるかもしれません。保育士の不注意や判断ミスが大きな事故につながるケースもあるため、責任が重いと感じる場合もあるでしょう。
人手不足による負担が多い
保育園によっては、人手不足により業務の負担が多い場合もあります。人手不足の現場では、事務作業や行事の準備などが後回しになり、残業で対応しなければいけないケースもあるようです。人手不足により業務負担が多いと、精神的にも体力的にもきついと感じるでしょう。
人間関係で働き辛さを感じることがある
保育士は、人間関係で働き辛さを感じる方もいるようです。厚生労働省の「保育士の現状と主な取組 (p.24)」によると、過去に保育士として就業した方が退職した理由で一番多いのは、人間関係(33.5%)です。保育士はほかの職員と連携し、コミュニケーションをとりながら業務を行います。また、保育士以外にも、保護者と関わります。そのため、保育士という仕事は、人との関わりが多く発生する仕事といえるでしょう。
また、保育園は職員の数や入れ替わりが少なく、閉鎖的な環境になる場合もあります。職場に馴染めなかったり人間関係で問題が起きたりして退職した場合、「保育士はやめとけ」という方もいるかもしれません。
出典
厚生労働省「保育の現場・職業の魅力向上検討会(第5回)」(2025年7月23日)
業務量や責任の重さに対して給料が合わない
保育士は、「業務量や責任の重さに対して給料が合わない」と感じる場合もあるようです。厚生労働省の「保育士の現状と主な取組 (p.24)」によると、過去に保育士として就業した方が退職した理由では、「給料が安い(29.2%)」が二番目に多い結果となっています。
業務量が多く、責任の重い仕事を担っているにもかかわらず給料に反映されないと、モチベーション維持が難しくなる場合もあるでしょう。
出典
厚生労働省「保育の現場・職業の魅力向上検討会(第5回)」(2025年7月23日)
大変なことばかりではない!保育士に就職するメリット
保育士の仕事を続けるか悩んでいる方や、目指すかどうか検討している方は「やめとけ」という言葉に流されず、良い面と悪い面の両方を把握して検討しましょう。ここでは、保育士のやりがいや魅力など、働くメリットを紹介します。
国家資格のため全国でスキルが通用する
保育士は国家資格のため、全国でスキルが通用する点はメリットです。引越やパートナーの転勤などにより住む場所が変わっても、保育士資格を活かせば仕事を探しやすいでしょう。保育士資格は更新の必要がないため、取得すれば一生涯有効です。
機械やAIに仕事を奪われる可能性が低い
保育士の仕事は、機械やAIに奪われる可能性が低い点はメリットです。事務作業は機械やAIで効率化されることもありますが、子どもの保育や教育、保護者のサポートなど、人にしかできない業務が多くあります。
機械やAIが発展すると、人にしかできない保育業務の価値や需要がより高まる可能性もあるでしょう。
今後の処遇改善に期待できる
保育士の重要性は改めて見直され、人手不足であることから今後も処遇改善される場合も。厚生労働省の「保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ (p.1)」によると、保育士がキャリアアップ研修を受け役職に就くと処遇改善加算により給与アップされる可能性があります。
また、厚生労働省の「保育士の働く環境は?3つの改善」によると、令和4年2月から収入を3%程度(月額9,000円)引き上げるための措置を実施し、保育士の待遇がより良くなるような仕組みづくりや制度が推進されています。処遇が改善されれば人材確保だけでなく保育の質の向上にもつながるため、保育士が働きやすい環境につながるでしょう。
出典
厚生労働省「保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ」
「保育士の働く環境は?3つの改善」(2025年7月23日)
働き方の選択肢が広い
保育士は正規雇用だけでなく、パートや派遣などの非正規雇用でも働けるため、働き方の選択肢が広い点はメリットといえるでしょう。職場によっては子育ての期間はパートで働き、将来的に正社員を目指すなどのキャリアを叶えられることもあります。プライベートの事情を考慮して、転職により雇用形態を変えることもできるでしょう。
また、出産や子育て、介護などによりブランクがあっても、保育士資格があれば復職しやすい点もメリットといえます。
保育士の仕事を向き不向きから続けられるか判断してみよう
保育士の仕事を続けるか悩んでいる方や、目指すかどうか検討している方は向き不向きから判断する方法もあります。向き不向きの傾向を参考にして、判断してみましょう。
保育士に向いている傾向にある人
以下の傾向にあてはまる方は、保育士に向いている可能性が高いでしょう。
子どもと関わる保育業務が好き
コミュニケーションが得意
体力に自信がある
子どもと関われる仕事はほかにもありますが、生活全般をサポートしたり多くの時間を一緒に過ごせたりするのは保育士ならではの特徴です。また、コミュニケーションスキルや体力は保育士にとって重要な能力となるため、自信がある方は活躍できる可能性があるでしょう。
保育士に向いていない傾向にある人
体力的な問題がある方は、保育士の仕事を続けることに悩む可能性があります。保育士は体力が必要な場面が多い仕事です。そのため、体力が落ちていたり持病があったりする場合は続けられるか不安になることがあるかもしれません。
また、臨機応変な対応やコミュニケーションが苦手な方は、働き辛さを感じる可能性も。保育士はマルチタスクで、子どもや保護者と関わるうえで多様なスキルが求められます。
向いていないからといってすぐに保育士をやめるのではなく、雇用形態を変更したり、ほかの園に転職するなどで解決できないかも検討してみましょう。
これから保育士を目指す方は、自分から積極的に話しかけてコミュニケーションを磨いたり、毎日軽く運動するなどして体力をつけるのがおすすめです。
保育士として働く際に避けたいブラック保育園の特徴
保育園のなかには、「時間外手当が支給されない」「職員の連携が取れていない」など職場環境が整っていない場合もあるようです。ここでは、ブラック保育園の特徴を5つ紹介するので、転職先を検討する際の参考にしてください。
時間外手当が支給されていない
時間外手当がきちんと支給されていない保育園は避けましょう。手書きの出勤簿、タイムカード、勤怠管理システムなど勤務時間を管理する方法はさまざまです。「この方法ならば安心」ということはありません。勤務時間はどのように管理しているのか、残業はどれくらいあるのかなど、面接時に必ず確認しましょう。
職員の連携が取れておらず雰囲気が暗い
「職員同士の連携がとれていない」「コミュニケーションが不足している」「雰囲気が暗い」などの場合は、働き辛さを感じる可能性があります。コミュニケーションが不足していると、事故やトラブルに発展することもあるため注意が必要です。
職場の人間関係は入職してみないとわからない部分もありますが、可能であれば実際に職場見学をさせてもらい職員の雰囲気を確認してみましょう。
保育士の入れ替わりが多い
保育士の入れ替わりが多い園は、職場環境が整っていなかったり、働き辛かったりするために入職してもすぐに退職している可能性があります。働く環境が整っていれば、保育士は長く働き続けたいと思うのがその理由です。離職率は公開されている場合もあるため、公式のホームページや求人情報などで確認してみましょう。
家族経営で身内以外の待遇が悪い
家族経営で身内以外の待遇が悪かったり公私混同していたりする保育園は、注意が必要です。身内以外の待遇が悪いと、キャリアアップが望めないケースも。また、同じ業務や責任を負っているのに身内とそのほかの職員で待遇に差がある場合は、仕事へのモチベーションが下がる可能性もあります。
もちろん、職場環境が整備されて働きやすい家族経営の保育園もあるため、待遇やキャリアアップなど気になる点を確認して検討しましょう。
衛生管理がきちんとされていない
衛生管理がきちんとされていない保育園は、職員の連携体制が整っていなかったり人手不足だったりする可能性があります。保育補助がいたり人手に余裕があったりする場合は、掃除や片付けなどの業務が円滑に進み、保育環境が整備されている可能性が高いといえます。一方で人手不足の保育園では、細かいところまで手が回らない場合もあるでしょう。
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「保育士はやめとけ」という意見によくある質問
保育士は「やめとけ」という以外に「なるもんじゃない」「いい人ほど辞める」などといわれる場合もあるようです。ここでは、「保育士はやめとけ」という意見に関連する質問を紹介します。
「保育士にはなるもんじゃない」といわれるのはなぜ?
残業による労働時間の長さや責任の重さから、「保育士にはなるもんじゃない」という方もいるようです。また、職場によっては人手不足により業務負担が多かったり人間関係で働き辛さを感じたりする場合も。ただし、保育士の仕事は子どもの成長を見守れるというやりがいもあるため、良い面と悪い面の両方を把握して判断しましょう。
保育士を辞める理由として挙げられるものは?
「保育士はやめとけといわれる主な理由」でも紹介しましたが、厚生労働省の「保育士の現状と主な取組 (p.24)」によると、過去に保育士として就業した方が退職した理由には、職場の人間関係や給料の安さ、労働時間の長さなどが挙げられています。また、結婚や出産、健康上の問題など、プライベートの事情も退職に関係しているようです。
出典
厚生労働省「保育の現場・職業の魅力向上検討会(第5回)」(2025年7月23日)
保育士は「いい人ほど辞める」って本当ですか?
保育士の仕事に対してまじめで誠実、責任感が強い方は悩みがあっても1人で抱え込んでしまう傾向にあります。また、完璧主義の方が多いようです。そのため「自分が頑張らなければ」と思って限界まで我慢してしまい、退職してしまう場合が少なくありません。
しかし、完璧にこなすのは誰でも難しいものです。保育士という仕事の場合、人との関わりが多く、思うように進められない場合があるかもしれません。完璧主義の方は自分が「できなかったこと」に目を向ける傾向にあります。「できなかったこと」ではなく、「できたこと」に目を向けましょう。悩みやストレスがある場合、1人ですべて抱えこまず、信頼できる人に早めに相談するようにしてください。
まとめ
労働時間の長さや責任の重さなどにより、「保育士はやめとけ」といわれることもあるようです。また、業務量や責任の重さに対して給料が安く感じる部分や人間関係による働き辛さも、「やめとけ」といわれる理由になるでしょう。
「保育士を続けるか悩んでいる」「保育士を目指すか検討している」という方は、魅力や向き不向きを把握して判断するのがおすすめです。保育士資格は国家資格であるため、仕事が見つけやすい傾向にあること、機械やAIに仕事を奪われにくい点はメリットといえます。また、体力に自信がある方やコミュニケーションスキルがある方は、保育士として活躍できる可能性があるでしょう。
保育士が働きやすい環境を選ぶためには、ブラック保育園の特徴を把握しておくのがおすすめです。「時間外手当が支給されていない」「保育士の入れ替わりが多い」など職場環境が整っていない保育園では、将来的に働き辛さを感じる可能性があります。
「保育士はやめとけ」といわれたときは、その意見に流されず良い面悪い面の両方を把握したり、働き方を変えてみたりしたうえで慎重に検討しましょう。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。