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保育士の手当は?保育園・国・自治体別の種類や手厚い求人を探す方法
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保育士のなかには、どのような手当が支給されるか知りたい方もいるのではないでしょうか。保育士は、国や自治体、職場などから各種手当を受給できる可能性があります。 この記事では、保育士向けに支給される手当の種類を、職場・国・自治体別に解説します。手当が厚い職場に転職したい保育士の方は、該当の求人を探す方法も参考にしてみてください。
目次
保育士に支給される手当の種類
保育士向けの手当の支給元は大きく分けて、「職場」「国」「自治体」の3つです。職場から支給される手当は、賞与や資格、通勤手当などが挙げられるでしょう。国からは、処遇改善手当が支給される可能性があります。自治体によっては保育士の人材確保を目的に独自の支援を実施しており、手当がもらえる場合もあるようです。
各種手当には、支給条件が設けられていたり、状況に応じて金額が変動したりします。保育士が転職で求人を探す際は、給与だけでなく、どのような手当が受けられるのかも確認することが大切です。
保育園(職場)から支給される保育士向けの手当
ここでは、保育士が職場から支給される手当について解説します。以下の例を参考にしつつ、勤務先の契約書や就業規則、求人情報などで詳細を確認しましょう。
賞与・ボーナス
賞与(ボーナス)は一般的に年2回、夏と冬に支給されます。賞与は、基本給の2〜3ヶ月分が相場とされており、勤続年数や勤務態度、人事評価などが反映され支給額が決まるでしょう。なお、政府統計の総合窓口(e-Stat)の「令和6年賃金構造統計基本調査 一般労働者 職種(表番号1)」によると、保育士の平均ボーナス額は74万1,700円です。
賞与の有無は職場によって異なり、正社員は支給対象、パートやアルバイトは対象外となることもあるでしょう。公立保育園の公務員保育士は、一般的に期末手当と勤勉手当として賞与が支給されます。公務員のボーナスは、民間企業の賞与をもとに調整されたり、業績に影響されたりしないため、手厚いボーナスが支給されやすいようです。
出典
政府統計の総合窓口(e-Stat)「令和6年賃金構造基本統計調査」(2025年7月2日)
資格手当
資格手当は、保育士資格に対して支給される手当です。資格手当がある場合は、月5,000円〜1万5,000円ほど支給される可能性があります。また、保育士資格と幼稚園教諭免許の両方を持っている場合、手当が増額されることもあるようです。看護師や栄養士などの有資格者には、別途手当が支給されることがあります。また、これから資格を取得する場合は、テキスト代や試験料の手当がもらえる場合もあるため確認してみましょう。
通勤手当
通勤手当は、自宅から職場までの交通費を補助するための手当です。一般的に、公共交通機関を利用する場合は実費が、自家用車や自転車を使用する場合は距離に応じた金額が支給されるでしょう。国税庁の「通勤手当の非課税限度額の引上げについて」によると、通勤手当には非課税枠があります。交通機関または有料道路を利用する場合は月15万円まで、自動車や自転車を利用する場合は通勤距離に応じて最大3万1,600円まで非課税です。
出典
国税庁「通勤手当の非課税限度額の引上げについて」(2025年7月2日)
残業手当
残業手当は会社が定めた所定労働時間外に働いた場合、支給されます。1日8時間、週40時間の基準を超えた場合に支給されるのは、時間外手当です。通常の賃金の25%以上の割増賃金が、時間外手当として発生します。
たとえば、所定労働時間が1日7時間の場合、8時間までは法定内残業となり残業手当が支払われますが、割増賃金は発生しません。9時間以降は、時間外手当として割増賃金が発生します。保育士が働く職場によっては「みなし残業代」として、基本給に一定時間分の残業代を含める場合もあるようです。
役職手当
役職手当は、主任保育士や副主任保育士、リーダーなどの役職に就いている保育士に対して支給される手当です。役職が上がるほど責任も増すため、手当の支給額も比例して高くなる可能性があるでしょう。
厚生労働省の「保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ(p.1)」によると、自治体の研修を受け職場で役職に就くと、処遇改善加算の対象となります。支給額は職場によって決められますが、職務分野別リーダーになると月5,000円、副主任または専門リーダーになると月4万円の手当がもらえる可能性があるでしょう。なお、役職手当のない園では、役職に応じて基本給自体が高く設定されていることもあります。
出典
厚生労働省「保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ(p.1)」(2025年7月2日)
扶養・家族手当
扶養手当・家族手当は、配偶者や子どもなどの家族がいる保育士に対して支給される手当です。一般的には、家族の人数や続柄によって支給額が設定されます。保育士が働く職場によっては、「配偶者手当」を廃止し、「子ども手当」を充実させている場合もあるようです。公立保育園で働く公務員保育士の扶養手当は、自治体の規定に基づいて支給されます。扶養手当は、経済的な支援となり、保育士の生活を安定させる役割を果たすでしょう。
特別・特殊業務手当
特別業務手当・特殊業務手当は、行事の準備やイベントの運営など、通常業務に加えてかかる負担への対価として支給されます。特別業務手当や特殊業務手当など、職場によって名称が異なることもあるようです。特別業務手当は、行事やイベントのある月に支給されたり、すでに基本給に含められていたりする場合があります。行事やイベントによる業務負担の対価は、固定残業代やみなし残業代として支払われることもあるでしょう。
被服手当
保育士には、業務で着用する服やエプロン、靴の購入や洗濯にかかる費用として、被服手当が支給されることがあります。保育士は、動きやすい服が必要になったりエプロンが汚れたりすることが多いため、被服手当により経済的な負担を軽減できるでしょう。職場によっては、被服手当ではなく制服やエプロンなどの現物が支給される場合もあるようです。また、制服やエプロンを園が用意して貸与することもあります。
家賃補助・住宅手当
保育士が働く職場によっては、家賃補助や住宅手当が支給されることもあるようです。首相官邸の「保育士宿舎借り上げ支援事業」を実施している自治体の保育園においては、最大で月額8万2,000円の手当が支給されています。また、自治体によっては、人材確保や家賃相場を考慮し、国の支給額に上乗せして家賃補助を充実させていることもあるようです。国の支援とは別に、保育園や自治体独自で住宅手当を展開している場合もあるため、勤務先に確認してみましょう。
出典
首相官邸「保育士宿舎借り上げ支援事業」(2025年7月2日)
給食費補助・食事手当
園児と一緒に保育士も給食を食べられる場合、職場から給食費を負担してもらえることもあるようです。保育園によっては福利厚生として、保育士の給食費が無料になることもあります。また、昼食代として食事手当が支給されることもあるようです。
給食費補助や食事手当があると、弁当を作ったり昼食を購入したりする手間が省けたり、金銭面での負担を軽減できたりします。なお、給食費が実費となる場合も、1食200~400円程度のため、自分で用意するより安く済む可能性があります。
奨学金返済支援の手当
保育士養成校の奨学金返済がある場合、職場によっては奨学金返済支援手当が支給される場合があります。保育士確保の一環として、奨学金返済支援の手当をアピールしている保育園もあるようです。たとえば、毎月一定額を奨学金返済支援手当がもらえたり、一定期間勤務後に奨学金の一部または全額を園が負担してくれたりする場合があります。奨学金の返済に悩んでいる保育士は、支援制度がある園を探してみると負担を減らせるでしょう。
国から支給される保育士向けの処遇改善加算
処遇改善加算は、国が保育士の賃金を引き上げるために設けられた制度です。この制度では、保育園に対して処遇改善のための加算が支給され、それを保育士の給与に反映させる仕組みになっています。こども家庭庁の「公定価格の処遇改善等加算Ⅰ~Ⅲの一本化について(p.5)」によると、処遇改善加算は以下の3種類です。
処遇改善加算I:保育園で働いている保育士の平均経験年数やキャリアパスによって加算される手当
処遇改善加算II:保育士のキャリアアップを支援し、保育の質を上げるための手当
処遇改善加算III:保育士の賃金の改善を目的とした月額9,000円の手当
処遇改善加算の具体的な支給方法は園によって異なり、毎月の給与に上乗せされる場合もあれば、一時金として年に数回まとめて支給される場合もあります。
出典
こども家庭庁「第5回 子ども・子育て支援等分科会」(2025年7月3日)
自治体から支給される保育士向けの手当
ここでは、自治体別に保育士向けの手当についてまとめました。自治体によっては、保育士の人材確保や就業促進を目的に、手厚い支援や手当が実施されています。
【東京都】大田区の保育士向け手当
「令和6年度保育士応援手当の概要及び制度フロー」によると、東京都大田区では、経験年数に応じた保育士応援手当が実施されています。概要は以下のとおりです。
若年層(応援手当) | 中堅・ベテラン層(一時金) | |
支給要件 | 満5年未満の常勤保育士 | 満10年以上の常勤保育士 |
支給対象者 | 区内に所在する次の保育施設に勤務する保育士(私立認可保育園・区立民営保育園・小規模保育所・東京都認証保育所・定期利用保育専用施設※区が認定した施設に限る | 左記と同様 |
支給額 | 年12万円(6万円×2回) | 年10万円 |
支給期間 | 前期:4月~9月、後期:10月~翌3月 | 経験年月数が満10、15、20、25、30、35または40年のいずれかに達した年度の翌年度に1回支給 |
常勤の条件は、「1ヶ月に勤務すべき時間数が120時間以上」または「1日6時間以上かつ月20日以上の勤務」です。年度によって制度が見直されることがあるため、手当を受ける際は最新の情報を確認しましょう。
出典
大田区「令和6年度保育士応援手当の概要及び制度フロー」(2025年7月3日)
大田区「大田区内で働く保育士の皆様へ~令和6年度 大田区保育士応援手当及び一時金~」(2025年7月3日)
【千葉県】船橋市の保育士向け手当
「ふなっしーも応援!船橋市内の保育園で働きませんか?~保育士さん向け支援をご紹介~」によると、千葉県船橋市では、保育士向けに毎月の給与に加えて賞与にも上乗せされる「ふなばし手当」や「家賃補助」があります。ふなばし手当の概要は、以下のとおりです。
支給要件 | 船橋市内の私立保育園などで働く保育士 |
支給対象者 | 正規職員・フルタイムのパートタイマー職員(1日6時間以上かつ月20日以上勤務) |
支給額:月額 | 4万5,100円 |
支給額:賞与(2回分) | 9万7,560円 |
月額と賞与の手当により、最大で年間63万8,760円の補助金が支給されます。職場においてボーナス自体の支給がない場合は、賞与の手当は対象外です。なお、船橋市では、保育士向けに以下のような家賃補助も実施されています。
支給要件 | 私立保育園などが保育士のために借り上げた市内の賃貸住宅 |
支給対象者 | 1日6時間以上かつ月20日以上勤務している常勤の保育士・勤務する保育園での採用から5年度以内である |
支給額(月額) | 6万9,000円 |
船橋市では、上記以外にも保育士資格取得を目指している方向けに、修学資金の貸し付けや保育士試験による資格取得支援事業補助金などが実施されいてます。保育士資格取得から保育士として働くまで、手厚いサポートが受けられるでしょう。
出典
船橋市「ふなっしーも応援!船橋市内の保育園で働きませんか?~保育士さん向け支援をご紹介~」(2025年7月3日)
【埼玉県】さいたま市の保育士向け手当
「就業後の手厚い支援」によると、埼玉県さいたま市では、民間の保育施設で働く保育士向けに以下のような手当や補助金が支給されています。
手当・補助金 | 概要 |
給与への上乗せ補助 | 常勤保育士向けに月額1万500円・期末手当年額6万7,500円を支給 |
さいたま保育士応援手当 | 経験年数11年目までの常勤保育士向けに年額2万1,000円 |
保育士宿舎借り上げ支援事業 | 常勤保育士で対象施設に採用されてから6年以内の方が職場が借り上げた賃貸に済む場合、月額上限7万2,000円 |
保育士奨学金返済支援事業 | 市内私立保育所等に保育士として採用された方向けに、1人あたり年額上限18万円
・最長5年間補助金 |
保育料の一部貸付事業 | さいたま市内の保育所に勤務することが決定した未就学児を持つ保育士、産休育休から復職する保育士向けに保育料の一部を無利子で貸付・保育料の半額(月額最大2万7,000円) |
参照:さいたま市「就業後の手厚い支援」
給与への上乗せ補助とさいたま保育士応援手当を合わせると、最大年間21万4,500円の手当が受けられます。支給条件の詳細については、勤務先や自治体のWebサイトで確認してみましょう。
出典
さいたま市「就業後の手厚い支援」(2025年7月3日)
【神奈川県】横浜市の保育士向け手当
横浜市の「保育士宿舎借り上げ支援事業」によると、保育士向けに家賃補助が実施されています。概要は以下のとおりです。
支給要件 | 横浜市内の認可保育所、認定こども園、小規模保育事業、移行計画書の承認を受けた横浜保育室、事業所内保育所、家庭的保育事業が保育士向けに借り上げた住宅 |
支給対象者 | 補助対象事業者の雇用開始日が属する会計年度から起算して、10年目の会計年度末まで、月120時間以上保育に従事、保育士宿舎借り上げ等に類する事業を利用したことがないの条件を満たした常勤保育士 |
支給額(月額) | 8万2,000円※補助基準上限額 |
参照:横浜市「保育士宿舎借り上げ支援事業」
「横浜市潜在保育士等への就労奨励金交付事業」によると、横浜市では、かながわ保育士・保育所支援センターで就労支援を受け、横浜市内の私立保育園や教育施設に就職した場合、5万円の奨励金が支給される制度もあります。
出典
横浜市「保育士宿舎借り上げ支援事業」(2025年7月3日)
横浜市「横浜市潜在保育士等への就労奨励金交付事業」(2025年7月3日)
【茨城県】つくば市の保育士向け手当
つくば市の「保育士等処遇改善助成金」によると、市内の私立保育所などに勤務する常勤の保育士は月額3万円の助成金がもらえます。対象者の要件は、以下のとおりです。
対象施設 | 私立の認可保育所・認定こども園・小規模保育事業所・一時預かり事業所・病児保育事業所 |
職種 | 保育士・保育教諭・助保育教諭・幼稚園教諭・幼稚園助教諭 |
雇用形態 | 無期雇用、常勤(所定労働時間が1日6時間以上で、1カ月に20日(=週5日)以上勤務)、賃金が月額制、乳幼児の保育業務に常時あたっている(園長、副園長等の役職者以外)、法人や設置者等の役員でない、のすべてを満たす方 |
参照:つくば市「保育士等処遇改善助成金」
つくば市では、最大月額2万円の家賃補助も受けられます。「つくば市保育士等処遇改善助成金・つくば市保育士就労促進助成金(p.2)」によると、家賃補助の対象者は以下のとおりです。
市内の私立保育所などに常勤で勤務していて、前年度の4月1日以降に雇用された
つくば市に住民登録があり、前年度の4月1日以降に市内に転入した
本人が契約する賃貸住宅に居住している
つくば市税を滞納していない方
家賃補助を受けるためには、上記すべての条件を満たさなければいけません。勤務先などから住宅手当を支給されている場合は、家賃月額から当該手当を控除したうえで助成金額が算出されます。
出典
つくば市「保育士等処遇改善助成金」(2025年7月3日)
つくば市「つくば市保育士等処遇改善助成金・つくば市保育士就労促進助成金」(2025年7月3日)
【北海道】札幌市の保育士向け手当
札幌市では、人材確保を目的に、保育士として働いている方や新卒で働き始める方向けに手当を支給しています。札幌市の「札幌市保育人材確保に向けた一時金給付事業費補助金交付要綱」によると、保育士向けの手当の概要は以下のとおりです。
対象施設 | 認可保育所、認定こども園、地域型保育事業所、札幌市一時預かりを実施している幼稚園 |
対象者 | 雇用契約の労働時間が1日につき6時間以上、かつ月20日以上と定められている・保育所などにおいて現に保育士などとして勤務・勤続年数の要件を満たしている |
支給のタイミング | 3年給付金(3年以上4年未満)・6年給付金(6年以上7年未満)・9年給付金(9年以上10年未満) |
支給額 | 各年目ごとに10万円 |
参照:札幌市「札幌市保育人材確保に向けた一時金給付事業費補助金交付要綱」
札幌市の「札幌市保育人材就職支度手当補助事業費補助金交付要綱」によると、新卒者や転職者向けの手当は以下のとおりです。
対象施設 | 認可保育所、認定こども園、地域型保育事業所、札幌市一時預かりを実施している幼稚園 |
対象者 | 保育士資格または幼稚園免許状を取得した、初めて保育士として就職する、雇用契約の労働時間が1日につき6時間以上かつ月20日以上、勤務開始後6か月以上雇用継続する条件を満たした方 |
補助金の交付額 | 就職支度手当の支給額×2分の1(5万円が上限) |
参照:札幌市「札幌市保育人材就職支度手当補助事業費補助金交付要綱」
就業支度手当は、札幌市内の保育施設が入職者に対して支給する手当がある場合、札幌市がその一部を補助する制度です。勤務先によって手当の有無が異なるため、入職時に確認する必要があるでしょう。
出典
札幌市「(3)札幌市保育人材確保に向けた一時金給付事業」(2025年7月3日)
札幌市「(4)札幌市保育人材就職支度手当補助事業」(2025年7月3日)
【大阪府】大阪市の保育士向け手当
大阪市の「大阪市保育士定着支援事業交付金交付要綱」によると、市内の民間保育施設に勤務する保育士は決められた年次ごとに一時金が交付されます。概要は以下のとおりです。
常勤保育士 | 短時間勤務保育士 | |
支給対象者 | 1か月に勤務すべき時間数が120時間以上、または月20日以上かつ1日6時間以上の勤務 | 月40時間以上の勤務を要する者として直接雇用されている |
支給のタイミング | 1~7年目、10年目、15年目、20年目、25年目 | 左記と同じ |
支給金額 | 20万円 | 10万円 |
参照:大阪市「大阪市保育士定着支援事業交付金交付要綱」
直接雇用であれば、短時間で働く保育士にも一時金が交付されます。合計5回支給のタイミングがあるため、常勤保育士であれば最大100万円の一時金がもらえることになり、生活費の負担を減らしたり貯蓄に回したりできるでしょう。
出典
大阪市「大阪市保育士定着支援事業交付金交付要綱」(2025年7月3日)
【福岡県】福岡市の保育士向け手当
福岡市の「福岡市のサポート事業」によると、賃借人として賃貸借契約を締結し、家賃を負担している正規保育士に対し月額最大1万円の家賃の補助を行っています。家賃補助の概要は、以下のとおりです。
対象施設 | 保育所、認定こども園、地域型保育事業所、企業主導型保育施設 |
対象者 | 保育士として保育を行う方(法人の役員、施設長などの職員は対象外です)・正規職員(無期雇用の常勤職員であっても、就業規則等において正規の職員として位置付けられていない職員は対象外)・賃借人として賃貸借契約を締結し、家賃を負担し当該住居に居住している(福岡市外の居住は対象外) |
補助額 | 家賃から住居手当を控除した額(上限1万円)×年度間に勤務する月数 |
参照:福岡市「福岡市のサポート事業」
上記の家賃補助は、勤務先を通じて申請します。勤務先からの住宅手当と併せて利用できるため、家賃の負担を大きく減らせる場合もあるでしょう。
保育士向けの手当が厚い求人を探す方法
ここでは、保育士が転職する際、手当が充実している求人を探す方法を解説します。情報収集や求人探しのコツについて、参考にしてみてください。
自治体のWebサイトで情報収集する
働きたい地域が決まっている場合は、自治体のWebサイトでどのような保育士向けの手当や支援制度があるのかを確認しましょう。手当の充実度や支給額は自治体によって差があるため、支援制度の内容で勤務希望地を決めるのも手です。また、自治体によっては保育士向けの就職相談会や支援センターを設置していることもあるため、利用時に自治体独自の手当や支援制度に関する情報も聞いてみましょう。
求人サイトの検索機能で条件を絞る
保育士専門の求人サイトでは、手当の有無や種類で絞って検索できる機能があります。「住宅手当あり」「資格手当あり」などの条件で絞り込むと、希望に合った求人を効率よく探せるでしょう。手当が厚い求人を探すためには、賞与の有無と何ヶ月分支給されるかもチェックするのがおすすめです。なお、手当があったとしても支給条件によっては対象外になることもあるため、応募時や面接時など事前に確認する必要があります。
保育士向けの転職エージェントを利用する
保育士向けの転職エージェントに希望する手当の種類や支給額を伝えると、条件に合った求人を紹介してもらえます。保育士向けの転職エージェントでは、手当の相場も把握しているため、ほかと比べて充実しているかアドバイスをもらえるでしょう。希望条件を伝える際は、「家賃補助が対象になる求人を探したい」「賞与が◯万円以上」など、具体的な条件を提示することが大切です。また、手当の厚さだけに捉われず、通勤時間や園の方針などの条件も伝えて総合的に判断しましょう。
手当の支給条件や手当込みの年収を確認するには?
求人を探している際、手当が充実している職場があっても、自分が支給対象になるとは限りません。求人サイトだけでは、手当の支給条件や支給額などの詳細が分からないこともあるため、保育士向けの転職エージェントを利用するのがおすすめです。
レバウェル保育士では、あなたに代わって求人の掲載元に連絡し、手当の詳しい情報についてお調べします。手当込みの年収額も査定し、給料以外の条件とのバランスも考えたうえで、あなたに最適な職場をご提案。手当の条件や金額に不満を感じて転職を考えている方は、お気軽にご相談ください。
保育士の手当に関するよくある質問
ここでは、保育士の手当に関するよくある質問と回答をまとめました。処遇改善手当について解説するので、参考にしてみてください。
パートの保育士は処遇改善手当をいくらもらえる?
こども家庭庁の「公定価格の処遇改善等加算Ⅰ~Ⅲの一本化について(p.7)」によると、処遇改善等加算Ⅰにより、パート保育士向けには月額1万2,000円~3万8,000円ほどの範囲で手当が支給されるようです。ただし、パートを含む保育士への支給額は職場が決めるため、実際いくらもらえるかは勤務先によって異なります。処遇改善手当ついては、この記事の「国から支給される保育士向けの処遇改善加算」でも解説しているので、参考にしてみてください。
出典
こども家庭庁「第5回 子ども・子育て支援等分科会」(2025年7月3日)
処遇改善手当をもらえない保育士はいる?
保育士の処遇改善手当は、認可保育園で働く保育士が対象であるため、認可外保育園で働いている場合は対象外です。また、試用期間中や短時間勤務などの場合も、条件を満たせないことから対象外となる可能性があります。処遇改善手当の対象になるかどうか気になる場合は、勤務先に確認してみましょう。
保育士の処遇改善手当は年度末に支給される?
保育士の処遇改善手当は、年度末にまとめて支給されることもあります。職場によっては、毎月の給与に上乗せされたり、数ヶ月に一度まとめて支給されたりすることもあるでしょう。支給方法が年度末の一括支給になっている場合、年度途中で退職すると支給額が減額されたり、支給されなかったりすることもあるため注意が必要です。雇用契約時に支給方法を確認しておきましょう。
まとめ
保育士に支給される手当の支給元は、職場、国、自治体の3つです。職場からは、賞与や資格手当、通勤手当などの基本的な手当のほか、役職手当や特別業務手当など、職場独自の手当も支給される可能性があります。支給額は、賞与が基本給2〜3ヶ月分、資格手当は月5,000〜1万5,000円程度が一般的です。
国からは処遇改善加算として、経験年数やキャリアアップに応じた手当が支給されます。また、自治地独自の住宅手当や給与へ上乗せする補助金が支給されることもあるでしょう。手当の充実した職場を見つけるには、自治体のWebサイトで制度を確認したり、求人サイトで条件を絞り込んだりする方法があります。保育士向けの転職エージェントを利用すると、支給条件や支給額など詳細な情報が得られる可能性があるため、おすすめです。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。