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保育士は未経験から目指せる?転職方法や志望動機を作成するコツを解説
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「保育士として働きたいけど未経験なので不安」という方もいるのではないでしょうか。しかし、保育士は未経験から目指せる仕事です。保育士資格を取得したり、適切な準備を進めたりすれば、保育士として新しいキャリアをスタートできるでしょう。 この記事では、未経験から保育士を目指す方法や転職時に求められるスキルを解説します。未経験から保育士を目指す際の志望動機作成のコツや心構えも紹介するので、ぜひチェックしてください。
目次
保育士は未経験から挑戦できる!
保育士は、未経験からでも挑戦できます。保育士資格があれば実務経験がない人も応募できる求人もあります。そういった保育園で働けば、未経験者も保育を学びながら成長できるでしょう。未経験であっても、「子どもと真摯に向き合って成長を支えていきたい」という思いがあれば、保育士として活躍できる可能性は十分にあります。中には異業種から保育士に転職している方もいます。
未経験から保育士になりたいという強い思いがある方は、ぜひ挑戦してみましょう。
保育士に未経験から転職する方法
保育士として働くには保育士資格が必須です。所有していない場合は保育士資格を取得する必要があります。また、保育士に転職する際は、自分の希望に合う求人を見つけるのも重要です。
ここでは、保育士に未経験から転職する方法を解説します。
保育士資格を取得する
保育士は専門性の高い仕事のため、保育士として働くには、保育士資格の取得が必須です。厚生労働省の「保育士になるには」によると、保育士資格を取得するには主に2つの方法があります。
1つ目は、指定保育士養成施設を卒業する方法です。この施設は、保育士として必要な知識や技術を学べる学校で、主に専門学校・短期大学・大学があります。指定保育士養成施設を卒業すると、保育士試験を受けずに保育士資格を取得できるため、効率的に資格を取得したい方におすすめです。
2つ目は、保育士試験を受験する方法です。指定保育士養成施設以外の学校を卒業した人も、受験資格を満たせば、保育士試験を受験できます。保育士試験は筆記と実技に分かれています。合格するためにはしっかりとした準備が必要ですが、独学や通信講座を利用して働きながら試験勉強をすることも可能です。自分のライフスタイルや学習方法に合う選択をして、保育士資格の取得を目指しましょう。
出典
厚生労働省「保育士になるには」(2025年6月6日)
自分の希望に合う求人を見つける
未経験から保育士に転職する際は、自分がどのような保育園で働きたいのかを明確にしましょう。私立保育園や公立保育園、小規模な保育園や大規模な保育園など、保育施設の種類や規模は多岐にわたります。ほかにも、正社員やパートタイム、残業の有無や福利厚生の充実度など保育士の働き方の条件も重要です。自分にとって譲れないポイントをリストアップして求人を探しましょう。
未経験者が保育士を目指す際に求められるスキル
未経験から保育士になるにはどのようなスキルが必要になるのでしょうか。ここでは、未経験者が保育士を目指す際に求められるスキルを解説します。
コミュニケーション能力
保育士にとって、コミュニケーション能力は重要なスキルの1つです。保育士は子どもたちだけでなく、保護者や同僚とも密接に関わります。保育士が子どもたちとコミュニケーションをとる際には、わかりやすく優しい言葉で、安心感を与えられるように接するのが重要です。また、子どもの行動や表情を観察して気持ちを汲み取る力が、保育士と子どもとの信頼関係を築くために必要でしょう。保育を円滑に行うには、同僚間で報告・連絡・相談(報連相)が不可欠です。保育士が保護者に対して、子どもの様子や成長に関する報告する際は、丁寧かつ的確に伝える力が求められます。コミュニケーション能力は、日常の対話や観察を通じて磨いていくことが大切です。
基本的な保育に関する知識や安全管理力
保育士として働くには、基本的な保育に関する知識と安全管理力が不可欠です。未経験から保育士になった場合も、子どもの発達段階や年齢ごとの特徴について基本的な知識が求められます。そのため、子どもの発達段階に応じた接し方や遊び方、活動内容を知っておくことが大切です。
また、安全管理力も保育士にとって欠かせないスキルの1つです。保育園の遊具や教室内の環境整備、緊急時の対応など、子どもの命を守るためには必須だといえます。これらの知識は指定保育士養成施設のほか、保育に関する資料から独学でも理解を深められるでしょう。
臨機応変な対応力
保育の現場では、予測できない事態が起こる可能性があるため、保育士には臨機応変な対応力が求められます。保育士は子どもの体調の変化やケガなど突発的な問題に対し、状況を素早く判断して冷静に対処する力が必要です。また、子ども一人ひとりに合わせた対応が求められるため、柔軟な考え方も重要だといえます。未経験から保育士になった場合、これまでに予測外の事態に対処した経験を振り返り、保育の現場で活かせる場面を考えてみましょう。
チームワークを発揮する力
保育士の仕事は1人で完結するものではなく、同僚との連携が重要です。未経験から保育士になった場合でも、同僚と連携し、情報を共有する大切さを理解していることが期待されるでしょう。保育の現場では、業務の分担や子どもの情報共有、保護者への対応などを連携して行う必要があります。
保育園全体の運営を円滑にするためには、保育士は自己主張だけでなく他者の意見を尊重する姿勢も大切です。これまでにチームで協力して仕事をした経験がある場合は、保育士に転職後もチームワークを発揮して活躍できるかもしれません。
基本的なパソコンスキル
連絡帳や保護者へのお知らせ、子どもの成長記録などでパソコンを活用している保育園もあります。保育士には、WordやExcel、簡単なメール作成といった基本的なパソコンスキルが求められる場合があるでしょう。保育士が未経験の場合も、業務でパソコンを使用した経験があれば、事務仕事で即戦力として評価されやすくなります。業務でパソコンを使用した経験がない場合は動画や講座で学ぶなど、基礎を身につけておくのがおすすめです。
【年代別】保育士に未経験から転職するポイント
未経験から保育士を目指す際、転職するコツがあります。ここでは、保育士に未経験から転職するポイントを年代別で解説します。
20代~30代で未経験から保育士に転職する場合
20代で未経験から保育士に転職する場合、柔軟性を活かしたアプローチをするのが効果的だといえます。20代は未経験の場合も新しい知識やスキルを吸収しやすく、保育現場での成長を期待される傾向にあります。自分の保育への熱意を採用担当者に明確に伝えるのが大切です。
30代から保育士に転職する際は、前職での社会人経験が強みとなる場合もあります。たとえば、営業職で培ったコミュニケーション能力や接客業での対人スキルを、保育士として保護者の対応や同僚とのチームワークに活かせるとアピールするのも1つの手です。
20代〜30代の人は長期的にキャリアを積めるため、未経験でも保育業界に受け入れられやすく、保育士に転職する理想的なスタート時期でしょう。
40代~50代で未経験から保育士に転職する場合
40代〜50代で未経験から保育士に転職する場合、これまでの経験や成熟した対応力を活かすのが重要です。40代〜50代では、子育ての経験や長年の社会人経験が強みとして評価されやすくなります。子育ての経験があれば、子どもの心理や保護者の悩みに寄り添える機会もあるでしょう。また、長年の社会人経験からさまざまな状況に対して冷静に対応し、重宝される可能性もあります。
40代〜50代で保育士を目指すのは、体力面での不安や未経験からの挑戦にハードルが高いと感じる方がいるかもしれません。保育士の正職員としてフルタイムで勤務するのに不安を感じる場合は、短時間勤務し、徐々に慣らしていくのも1つの選択肢です。
40代〜50代で保育士に転職する際は「新しいことに挑戦する姿勢」や「長く働く意欲」を伝えると、採用担当者に信頼感を与えられる可能性が高まります。
未経験の潜在保育士を対象とした自治体支援はある?
自治体によっては、未経験の潜在保育士を支援している場合もあります。希望する勤務地がある自治体に、潜在保育士への支援があるかどうか確認するのがおすすめです。ここでは、未経験の潜在保育士が就職するための自治体支援をピックアップして紹介します。
東京都の取り組み
東京都福祉局の「魅力ある保育」によると、東京都では未経験の潜在保育士に向けて、以下のような取り組みをしています。
保育士就職支援研修・就職相談会
保育士就職支援セミナー・保育実習
再就職支援資金を貸付(40万まで)
保育所復帰支援資金を一部貸付
子どもの預かり支援資金を一部貸付
未経験の方も研修や保育実習を通じて、保育の知識を深められます。研修では、実際の保育現場の話を聞ける機会もあるようです。
出典
東京都福祉局「魅力ある保育」(2025年6月6日)
大阪府大阪市の取り組み
大阪市役所の「大阪市内で保育士として働く方を支援します」によると、大阪市では潜在保育士を対象として、就職準備金40万円を上限に無利子で貸付する制度を設けています。貸付を利用した保育士が、就職後2年以上継続して働いた場合は返還免除になるようです。
出典
大阪市役所「大阪市内で保育士として働く方を支援します」(2025年6月6日)
埼玉県さいたま市の取り組み
さいたま市役所の「潜在保育士向け」によると、さいたま市でも要件を満たした潜在保育士を対象に、保育士としての就職準備金に40万円を上限に無利子で貸付する制度があります。さいたま市内の保育所等で2年以上勤務した場合は、貸付金の返還が免除となるようです。
出典
さいたま市役所「潜在保育士向け」(2025年6月6日)
未経験で保育士の志望動機を作成するコツ
未経験から保育士に転職する場合、志望動機の中で保育士になりたい理由を説明しましょう。ほかにも、保育士の仕事に活かせるこれまでに培ったスキルや積極的に学ぶ姿勢を、志望動機に含めてアピールするのもおすすめです。ここでは、未経験の方が保育士の志望動機を作成するコツを解説します。
保育士に転職したい理由を伝える
志望動機を作成する際は、なぜ保育士を目指すのかを明確にするのが重要です。「子どもが好きなので保育士になりたい」という漠然とした理由だけでなく、具体的なエピソードを交えてアピールするようにしましょう。また、保育に関する目標や理想を伝えたり、志望先の保育園が掲げる理念と共感できる部分を記載したりするのも有効です。未経験から保育士に転職したい理由に具体性を持たせて、他の応募者との差別化を図りましょう。
保育士の仕事に活かせるこれまでの経験をアピールする
未経験の場合は、過去の経験がどのように保育士に活かせるかがポイントです。たとえば、接客業や事務職で培ったコミュニケーション能力や正確に作業する力は、保育士の仕事でも保護者の対応や日々の保育記録の作成に活かせるでしょう。また、忙しい環境でのスケジュール管理や周囲と協力して課題を解決した経験なども保育士の業務に役立つでしょう。
このようなスキルや経験を具体的なエピソードを交えて説明すると、採用担当者はあなたが保育士として成長するイメージを抱きやすくなります。自分の経験から得た強みを保育士の業務にも応用できるのを伝えられると、未経験であっても即戦力として期待できるという印象を採用担当者に与えられる可能性が高まります。
積極的に学ぶ姿勢を見せる
未経験から保育士に転職する際の志望動機では、学ぶ姿勢を強くアピールするのが重要です。保育士という仕事について理解し、努力を惜しまない覚悟があるのを伝えましょう。保育に関する資格取得に向けて勉強していたり、育児・教育に関する書籍を読んでいることなど、現在取り組んでいる学びの具体例を志望動機に盛り込むと効果的です。志望先の保育園で必要とされるスキルや知識について事前に調べ、それをどのように身につけたいかを述べると、採用担当者に意欲が伝わりやすくなります。
未経験から保育士を目指すときの心構え
未経験から保育士を目指す場合は「面接対策を行う」「保育の方針が自分の価値観に合う園を選ぶ」「未経験者歓迎の求人を探す」のがポイントです。ここでは、未経験者から保育士を目指すときの心構えを解説します。
採用面接で聞かれやすい質問の対策する
未経験から保育士を目指す際、採用面接で「なぜ保育士を選んだのか」や「子どもと関わる仕事をした経験はあるか」などを質問される場合があります。こうした質問に備えて自分の経験を交えて答える準備をしておきましょう。ボランティア活動や家庭における子どもとの関わりを通じて得た気づきを話すのも効果的でしょう。
ほかにも、「どのような保育士になりたいか」「苦手分野の克服方法」など、採用面接で質問される内容を予想して自己分析を深めるのも重要です。志望先の保育園が求める人物像をホームページなどで調べ、園のニーズに合わせて回答を準備すると、採用面接で説得力のある受け答えができるでしょう。
保育の方針がマッチする保育園を選ぶ
保育士として長く働くには、自分の考えや価値観が保育園の方針と一致しているのが重要です。保育方針や教育理念は、保育園によって大きく異なります。応募する前に園のホームページや説明会を通じて情報を収集し、自分が共感できる方針かどうか見極めましょう。
保育方針が自分の価値観に合致していない園を選ぶと、保育士として入職後にミスマッチが発生し、ストレスの原因となる可能性があります。保育に関する考えを明確にし、自分の価値観に基づいて保育園を選択するのが大切です。
未経験歓迎の求人を探す
未経験から保育士に転職する際には、「未経験者歓迎」の求人を探すのがおすすめです。「未経験者歓迎」と求人に記載のある保育園は、未経験者の受け入れに理解があり、周囲のサポートを受けやすい職場環境という可能性が高いでしょう。求人情報を確認し、未経験者に対するフォロー体制や研修制度の有無など、どのようなサポートを受けられるのか把握しておくのも大切です。
保育士に未経験から転職する際によくある質問
ここでは、保育士に未経験から転職する際によくある質問に、Q&A形式で回答します。
保育士資格がない人が保育士を目指すにはどうすれば良い?
まずは保育士資格を取得する必要があります。保育士資格は指定保育士養成施設を卒業するか、保育士試験に合格すると取得できます。詳しくは本記事の「保育士資格を取得する」を確認してください。
未経験で保育士に転職するのはきつい?
未経験から保育士に転職することは簡単ではありませんが、意欲があれば転職できる可能性はあります。保育士の仕事は、専門的な知識が必要なうえに、体力やコミュニケーション能力も求められるので、慣れるまではきついと感じる場合もあるでしょう。ただし、「未経験者歓迎」で研修が整った保育園を選べば、スムーズに保育士の業務を学べます。
未経験の場合、最初から完璧な保育士を目指すのではなく、現場で経験を積みながら焦らずに知識やスキルを身につけていくのが大切です。面接を受ける際には、自分の強みやこれまでの経験を活かして、「保育士として志望先の保育園にどのように貢献できるか」を採用担当者にアピールすれば、未経験の場合も採用される可能性は十分にあります。
本記事の「【年代別】保育士に未経験から転職するポイント」で、保育士に転職するコツを紹介しているので、ぜひチェックしてください。
子育て経験がなくても、未経験から保育士を目指せる?
子育て経験がなくても、未経験から保育士を目指せます。保育士に求められるのは、子どもを思いやる気持ちや成長を見守る姿勢です。保育士に求められるスキルは、子育て経験の有無に関わらず、学習することで身につきます。子育て経験がない場合も、保育に関する専門的な知識やスキルを習得すると、保育士として活躍できるでしょう。
また、これまでの社会経験や他分野で学んだスキルが保護者の対応や運営に役立つ可能性もあります。子育て経験がないことを不安に感じる必要はなく、自分の強みを活かして保育士を目指しましょう。
未経験から正社員の保育士に転職できる?
未経験から正社員の保育士に転職することは可能です。未経験者歓迎の正社員求人を出している保育園も存在します。正社員として保育士を目指す場合は、採用面接で、保育士として働く意欲や長期的なキャリアプランをしっかりと伝えるのが大切です。
まずは、未経験者歓迎と明記している保育園の正社員求人をリサーチし、自分に合った職場を見つけるのが重要だといえます。
主婦が未経験からパートで保育士になるのは可能?
保育士資格があれば、主婦が未経験からパートの保育士として働くのは十分可能です。保育園によっては、家庭と両立しやすい短時間勤務のパート求人もあります。子育て経験がある主婦の場合は、その経験から得たスキルをアピールするのも効果的です。また、コミュニケーション能力や子育てで学んだ点などを採用担当者に伝えると、採用される可能性が高まるでしょう。
まとめ
未経験の場合も子どもを思いやる姿勢や学ぶ意欲があれば、保育士としてのスタートを切れる可能性は十分にあります。保育士として第一歩を踏み出すには、情報収集を怠らず、未経験歓迎など自分に合った求人を探すのが大切です。面接に向けて、自分が保育士になりたい理由を明確にしておくのも重要だといえます。
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執筆者

「レバウェル保育士」編集部
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