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保育士3年目で転職を考える理由は?悩みの対処法や退職時の注意点も解説
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3年目の保育士の中には、仕事に慣れて視野も広がり、自分の働き方を見直したり転職を考え始めたりする方もいるのではないでしょうか。実際、3年目の保育士は現場経験を積んだ即戦力として、市場でも評価されやすい傾向にあります。 この記事では、3年目の保育士が転職を考える理由や転職の注意点、成功のコツなどを解説します。転職に迷ったときの対処法も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
保育士が3年目で転職を考える理由
保育士3年目は、仕事に慣れて自信もついてくる時期ですが、一方でさまざまな悩みが出てきて、転職を考える人も少なくありません。ここでは、保育士が3年目に転職を考える主な理由について、詳しく見ていきましょう。
給料や待遇への不満
3年目の保育士の中には、給料や待遇に対する不満から仕事への意欲が低下し、転職を考える人もいます。自身の経験や能力が向上しているにもかかわらず、給与の伸びが期待通りでなかったり、「残業代が適切に支払われない」「昇給のペースが遅い」といった状況であったりすると、モチベーションを維持するのが難しくなるでしょう。また、有給休暇の取得しにくさや福利厚生の不十分さも転職を考える要因となります。
責任や精神的な負担の大きさ
責任の重さや精神的な負担からストレスが蓄積し、転職を考える保育士もいます。保育士は子どもたちの安全と健康を守り、成長を支援する大きな責任を伴う仕事です。特に3年目になると、子どもたちの事故やケガのリスクに気を配るだけでなく、保護者対応や行事の企画・運営など、より高度なスキルも求められるようになります。そのため、日々の業務に大きなプレッシャーを感じてしまう人もいるようです。
仕事とプライベートの両立の難しさ
3年目の保育士の中には、仕事とプライベートとの両立が難しく、ワークライフバランスを見直したいと転職を検討する人もいます。十分な休息や趣味の時間が取れず、日々の生活にゆとりが感じられない状態が続くと、「この働き方で良いのだろうか」と疑問を抱くこともあるでしょう。
また、3年目は仕事に慣れてプライベートのことを考える余裕が出てくる時期でもあるため、結婚や出産といったライフイベントを見据え、より働きやすい環境を求めて転職を考えることもあります。
職場内の人間関係や保護者対応の悩み
同僚や上司との人間関係や保護者対応の悩みが原因で、転職を考える3年目の保育士もいます。保育の現場では、同僚や上司との良好な関係が欠かせません。そのため、価値観の違いや意見の相違、仕事の分担に対する不公平感などで悩みを抱えることもあるようです。
また、子育ての価値観が多様化する中、保護者からの要求や苦情に適切に対応することは、経験を積んだ3年目の保育士にとっても大きなストレスとなります。
キャリアアップに対する不安や葛藤
保育士の3年目は、自分のキャリアについて真剣に考え始める時期です。中には、今の職場で自分の成長や将来のビジョンを描けず、新たなキャリアを模索して転職を考える保育士もいます。
主任や園長への道筋が見えにくかったり、専門性を高めるための研修機会が少なかったりすると、キャリアパスが不透明で将来への不安が強まるでしょう。また、給与面でのキャリアアップが期待できないことも、3年目の保育士が葛藤を抱える要因の一つです。
保育士以外の職種への興味
保育士として3年間働く中で、自身の適性や興味が変化し、ほかの職種に魅力を感じるようになる人もいます。たとえば、子どもに関わる仕事を続けながらより専門的な支援に携わりたいと考え、児童心理士や特別支援教育に関わる職種に進むこともあるでしょう。
また、中には全く異なる分野にチャレンジしたいという思いから、新たな可能性を求めて保育とは無関係の職種に転職する人もいます。
3年目は保育士が転職しやすいタイミング
保育士3年目は、基本的なスキルや経験を積み、さらなる成長が期待される時期のため、転職市場でも評価されやすいタイミングです。以下で詳しく見ていきましょう。
即戦力として経験を評価されやすい
3年間の実務経験は、保育の現場で即戦力として活躍できる証になります。子どもたちとの接し方や保護者対応、日々の保育業務の流れなど、基本的なスキルを身につけていることの裏付けになるためです。
また、年齢別の保育計画の立案や子どもの発達段階に応じた適切な対応、行事の企画・運営、緊急時の対応など、実践的な経験も評価のポイントになります。これらの経験は、新しい職場でもすぐに活かせるため、採用側から高く評価されやすいでしょう。
将来性や柔軟性に対する期待が高い
3年目の保育士は、若く柔軟性がある点が魅力です。新しい環境や方針にも適応しやすく、さらなる成長が期待できる段階といえるでしょう。
また、キャリアの初期段階にあるため、採用する側としても長期的な視点で育成しやすいというメリットがあります。新しい保育方法や技術を学ぶ意欲が高く、職場の新たな取り組みにも積極的に参加できる人材として、歓迎される傾向にあるでしょう。
保育士が3年目に転職する際の注意点
3年目の保育士が転職するときは、人間関係や保育園の方針・体制の変化に適応する必要があります。転職の注意点について詳しく説明します。
新しい人間関係を一から築く必要がある
転職後は、新しい職場で人間関係を一から築き直す必要があります。これまでの3年間で築いた信頼関係やチームワークは一旦リセットされるため、最初のうちは戸惑いや苦労を感じることもあるかもしれません。同僚や上司との関係づくりに加えて、その職場ならではの暗黙のルールを理解するのにも一定の時間がかかるでしょう。
特に、保育の現場ではチームワークが重要であり、良好な人間関係の構築は仕事の質にも直結します。そのため、積極的にコミュニケーションを取り、新しい環境に溶け込む努力が求められるのです。
保育方針や行事を覚え直す必要がある
転職先の園がこれまでと異なる保育方針や独自の行事を取り入れている場合は、その変化に柔軟に対応する必要があります。
年間行事の内容や準備の進め方をはじめ、書類作成の方法や保護者との連絡方法など、細かな業務手順も変わる可能性があるでしょう。新しいやり方を理解して実践するには、ある程度の時間と労力が必要なことをあらかじめ覚悟しておくことが大切です。
保育士が3年目の転職を迷ったときの対処法
転職は大きな決断のため、不安や迷いが生じるのは自然なことです。ここでは、転職を迷っている保育士3年目の方に向けて、実践したい対処法を紹介します。
将来も今の職場で働けそうか検討する
3年目の保育士が転職すべきか迷ったときは、現在の職場でどのような将来を描けるかを冷静に評価することが大切です。5年後や10年後の自分の姿を想像しながら、「キャリアアップの機会があるか」「園の方針や運営スタイルが自分の価値観に合っているか」といった点を総合的に考えましょう。
また、職場の安定性や成長性、園の規模拡大や新しい取り組みの予定があるかどうかも、重要な判断材料となります。
働き方と条件面のバランスを見つめ直す
現在の働き方や待遇を客観的に見直すことも、3年目の保育士が転職を考える上で重要な要素です。給与や勤務時間、休暇の取りやすさ、福利厚生などをほかの園と比較し、転職が必要かどうかを検討しましょう。また、仕事とプライベートのバランスが取れているかもポイントです。
そのうえで、自分の理想とする働き方と現状のギャップが大きいと感じた場合は、転職を前向きに考えるタイミングかもしれません。働き方に不満がある人は、ほかの園と自分の園の条件を比較するために、求人情報などを見てみると良いでしょう。
やりたい保育や学びたい領域を考える
自分が本当にやりたい保育や、学びたい分野について深く考えるのも有効です。たとえば、「特別支援教育に興味がある」「英語教育を取り入れた保育を行いたい」「自然体験を重視した保育を行いたい」など、具体的な目標や興味が明確になると進むべき方向性が見えてくることもあります。
そのうえで、現在の職場で目標を実現するのが難しい場合は、転職を考えるのも一つの手といえるでしょう。
信頼できる人にアドバイスを求める
一人で悩みを抱え込まず、信頼できる人に相談することも大切です。保育士の友人や先輩、家族といった周囲の意見を参考にしてみましょう。また、転職に関する専門的なアドバイスを受けたい場合は、保育業界に詳しいキャリアアドバイザーに相談するのも効果的です。
最終的な決断は自分自身で行うことが重要ですが、他者の視点を取り入れることで、自分では気づかなかった選択肢や考え方に出会える可能性があります。
上司や園長に現状を改善できるか相談する
転職を決断する前に、現在の職場で改善できることがないか、一度見直してみると良いでしょう。待遇面や保育方針、スキルアップ・キャリアアップの機会など、今抱えている悩みや課題を上司や園長に相談すると、あっさり問題が解決するケースもあります。
改善の可能性を探ることで、新しい保育方法の導入や自己啓発の機会の増加など、具体的な提案を受けられるかもしれません。職場の対応次第では、転職せずに現在の環境で成長できる可能性もあるでしょう。
心身の不調がある場合は健康を優先する
3年目の転職を考える背景に心身の不調がある場合は、健康を最優先に考えてください。健康を損なってしまっては、どのような職場でも十分なパフォーマンスを発揮することが難しくなります。
ストレスや疲れが限界に近いと感じたら、無理をせずしっかりと休養を取りましょう。必要に応じて、産業医や専門の医療機関に相談することも大切です。心と体の状態を整えることで、冷静な判断もしやすくなるはずです。
保育士3年目が転職を成功させるコツ
3年目の保育士が転職を成功させるためには、計画的なアプローチが重要です。以下のポイントを参考に、理想の職場環境を見つけてスムーズな転職を実現させましょう。
求人の希望条件や優先順位を明確にする
3年目の保育士が転職活動を始める際は、自分が求める条件や優先順位を明確にすることが大切です。給与や勤務時間、休日、保育方針、園の規模、通勤時間などの条件を整理し、それぞれの重要度を決めましょう。キャリアアップの機会や研修制度が充実しているかも、転職先選びのポイントです。
これらを考慮することで、自分に合った求人を効率よく見つけられ、ミスマッチを防ぐことにつながります。
余裕を持って転職活動を進める
保育士3年目の転職活動は、早めに情報収集を始めることで気持ちに余裕を持って進めることができます。半年以上の準備期間を確保し、複数の園を比較・検討すると安心でしょう。
保育園では、秋ごろに次年度の勤務希望を確認する意向調査が行われる傾向にあるため、それより前に動き出すのがおすすめです。内定をもらう前に退職すると、収入が一時的に途絶える可能性があるため注意しましょう。
見学や面接で職場の雰囲気をチェックする
保育士3年目の転職活動では、見学や面接を通して職場の雰囲気を確認することが大切です。子どもたちの様子や職員同士の関わり方、園の設備や環境などをよく観察しましょう。また、職員が笑顔で元気に挨拶しているかどうかもポイントです。
その園で働く自分の姿をイメージしながら、自分の価値観や理想とする保育環境に合っているかを見極めることが転職成功のカギになります。
退職理由は前向きな内容に変換する
3年目の保育士が転職活動の面接を受ける際は、退職理由をそのまま伝えるのではなく、前向きな表現に言い換えて伝えるようにしましょう。
たとえ人間関係や給与に不満があっても、「多様な保育経験を積みたい」「キャリアアップを目指している」というように前向きな姿勢を示すことで、好印象を与えやすくなります。あわせて現在の職場への感謝の気持ちも添えると、より丁寧な印象になるでしょう。
退職のタイミングは年度末に設定する
3年目の保育士が退職するタイミングは、年度末(3月末)がおすすめです。4月からの新年度に合わせて人員配置を調整しやすく、新しい職場にとって受け入れやすいタイミングといえます。また、現在の職場での年間行事も一区切りを迎え、業務の引き継ぎもスムーズに行えるでしょう。
ただし、心身の不調や転居などやむを得ない事情がある場合は、年度末を待たずに早めに上司へ相談することが大切です。
保育士の3年目の転職に関してよくある質問
ここでは、保育士の3年目の転職に関してよくある質問を紹介します。
保育士3年目で仕事ができないと転職は難しいですか?
保育の仕事は経験を重ねることで少しずつ上達していきます。そのため、「3年目なのにまだ仕事が思うようにできない…」と悩んでいても、それだけで転職が難しくなるわけではありません。転職市場では、スキルだけでなく伸びしろや学ぶ姿勢も重視されます。自分の課題を正直に認め、それを乗り越えようとする前向きな姿勢があれば、向上心がある人として評価されるでしょう。
保育士3年目で目標が見えない場合は転職を考えるべきですか?
目標が見えないことは必ずしも悪いことではないため、すぐに転職を考える必要はありません。一度立ち止まって、なぜ目標が見えないのかをじっくり自己分析してみましょう。また、先輩や園長にキャリアの相談をしたり、現在の職場で新しい役割に挑戦したりして、視野を広げるのもおすすめです。それでもなお「目標が見つからない」と感じる場合は、転職も選択肢の一つといえます。
まとめ
保育士3年目は、即戦力としての経験と柔軟性を兼ね備えており、転職市場でも評価されやすいタイミングです。とはいえ、新しい職場では人間関係を一から築いたり、これまでとは異なる保育方針に対応したりと、環境の変化による負担も少なからずあります。そのため、転職活動を進める際は、複数の園を比較・検討したり、見学や面接で職場の雰囲気を確認したりしながら、焦らずに自分に合った職場を見つけましょう。
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執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。