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保育士は何歳からなれる?資格取得方法別の働き始める年齢や平均年齢を解説
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「保育士は何歳からなれる?」と、資格取得や働く年齢に不安を感じている方もいるかもしれません。保育士になれる年齢は資格の取得方法によって異なり、一般的には20〜22歳ごろです。 この記事では、保育士は何歳からなれるかについて、資格取得方法ごとに働き始める年齢を紹介します。保育士の平均年齢や年齢層、働き始めた後のキャリアパスもまとめました。保育士を目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
保育士は何歳からなれる?
一般的には20〜22歳から、保育士として働き始められます。保育士に年齢制限はありません。ただし、保育士資格の取得方法によって、働き始められる年齢がある程度決まります。
保育士の資格を取る方法は大きく分けて2つで、「保育士養成校である専門学校・短大・大学のいずれかを卒業する」または「保育士試験を受験して合格する」です。専門学校や大学の卒業や保育士試験合格までを加味すると、20〜22歳から保育士として働くことになります。
出典
こども家庭庁「保育士になるには」(2025年4月22日)
保育士は何歳から何歳まで働ける?
保育士は資格取得後の20歳ごろから、定年の60歳ごろまで働けます。保育士資格があれば、就職時の年齢制限はありません。18歳で高校卒業後、専門学校または短大の2年制の学科で保育士資格を取得し、20歳から働くのが最短の方法です。
また、何歳まで働けるかは、職場の定年制度や体力によります。総務省の「地方公務員法の一部を改正する法律案の概要」によると、公務員保育士(地方公務員)は定年の60歳を達した後、本人から希望があれば65歳まで働けるように再雇用の年齢が段階的に引き上げられているようです。私立保育園で働く場合は職場の就業規則によりますが、60歳を定年として、再雇用で延長できることもあります。
出典
総務省「地方公務員法の一部を改正する法律案の概要」(2025年4月22日)
【資格取得方法別】保育士として働き始める年齢
ここでは、資格取得方法別に保育士として働き始める年齢を紹介します。保育士資格の取得方法によって、働き始める年齢が前後するため参考にしてみてください。
専門学校・短大で保育士資格を取得する場合
満18歳で高校卒業後、2年制の専門学校または短大で保育士資格を取得した場合、働き始める年齢は20〜21歳です。4年制大学に比べると、2年早く働き始められます。保育士資格が取れる専門学校は、3年制の場合もあるようです。3年制の場合は、21~22歳から保育士として働くことになります。
4年制大学で保育士資格を取得する場合
保育士養成校である4年制の大学に入学し卒業した場合は、22〜23歳から保育士として働けます。専門学校や短大に比べると働き始めるのは遅くなりますが、4年間かけて保育の知識を深めたり、保育以外の分野も幅広く学べたりする点はメリットです。また、専門卒や短大卒に比べて、大学卒のほうが初任給が高く設定されていることもあります。
保育士試験を受ける場合
保育士試験を受ける場合は、最終学歴によって働き始める年齢が変わります。ここでは、最終学歴別に保育士試験で資格取得後、保育士として働き始める年齢をまとめました。
保育士養成施設以外の専門学校・短大・大学卒業者
満20歳で保育士養成校以外の2年制専門学校・短大を卒業した場合、保育士試験の受験と合格に1年かかるとすると、22〜23歳から働き始められます。保育士養成校以外の4年制大学を卒業した場合、保育士試験受験と合格に1年かかるとすると働き始められる年齢は、24〜25歳です。
専門学校や大学在学卒業後に保育士試験を受けるためには、在学中に試験勉強をしておく必要があります。保育士試験は筆記試験の勉強だけでなく実技試験の練習も必要なため、試験対策に半年程度かかることもあるようです。
高卒者
高卒者が保育士試験を受ける場合、保育士として働き始めるのは22〜23歳ごろです。高卒の場合は、受験資格に実務経験の条件があります。高卒者が保育士試験を受けて働き始めるまでの流れと年齢は、以下のとおりです。
満18歳:高校卒業
19~20歳:児童福祉施設で実務経験2年かつ総勤務時間数2,880時間以上の受験資格をクリア
21歳:保育士試験受験と合格に1年かかる
22~23歳:保育士として働き始める
保育士試験の勉強や合格までにかかる期間によって、保育士として働き始める年齢は変わります。
出典
一般社団法人全国保育士養成協議会「高等学校卒業」(2025年4月22日)
中卒者
中卒者が保育士試験で資格を取得する場合、23〜24歳ごろから働き始められます。中卒者が保育士試験を受けて働き始めるまでの流れと年齢は、以下のとおりです。
満15歳:中学校卒業
16~21歳:児童福祉施設で実務経験5年かつ総勤務時間数7,200時間以上の受験資格をクリア
22歳:保育士試験受験と合格に1年かかる
23~24歳:保育士として働き始める
中卒の方は、高卒認定試験に合格後、保育士資格が取れる専門学校や短大、大学への入学を目指す方法もあります。保育士養成施設に2年間通う方法を選べば、高卒認定試験の合格後、最短3年ほどで保育士になれるでしょう。
出典
一般社団法人全国保育士養成協議会「中学校卒業」(2025年4月22日)
保育士の平均年齢と年齢層
職業情報提供サイトjobtag「保育士」によると、保育士の平均年齢は38歳です。また、厚生労働省の「保育士の現状と主な取組(p.28)
」によると、年齢層別の割合で一番多いのは30歳未満で32.9%となっています。
年齢 | 構成割合 |
30歳未満 | 32.9% |
30歳代 | 25.6% |
40歳代 | 20.5% |
50歳代 | 14.4% |
60歳代 | 5.7% |
70歳代以上 | 0.7% |
参照:厚生労働省「保育士の現状と主な取組(p.28)」
割合は低いですが、60歳代や70歳代以上で活躍している保育士の方もいます。保育士資格は一生有効なため、体力や働き方によっては長く続けられる可能性がある職種です。
出典
職業情報提供サイトjobtag「保育士」(2025年4月23日)
厚生労働省「保育士の現状と主な取組」(2025年4月23日)
保育士として働き始めた後のキャリアパス
保育士として働き始めた後は、保育園でキャリアを積んだり、キャリアアップを目指して転職したりします。ここでは、保育士のキャリアパスについて紹介するので、将来的な働き方のプランをを考える際の参考にしてみてください。
保育園で実務経験を積み役職を目指す
保育園で実務経験を積むと、勤続年数や職場の評価などにより役職に就ける可能性があります。保育園におけるキャリアパスの例は、以下のとおりです。
1.初任者の保育士:初任者として研修を受けたり、先輩と一緒に働いたりして実務経験から知識やスキルを身につける
2.クラス担任の保育士:一般的には経験1年以上、職場によっては1年未満で任される可能性もある
3.職務分野別リーダー:経験年数おおむね3年以上。自治体の研修を受け、乳児保育リーダーや障害児保育リーダーなど特定分野のリーダーを任される
4.専門リーダー・副主任保育士 :経験年数おおむね7年以上。自治体で4つ以上の分野の研修を受け、専門リーダーを任される
5.主任保育士:平均勤続年数21年
6.園長:平均勤続年数24年
厚生労働省「保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ(p.1)」によると、保育士がキャリアアップしやすいように、若手や中堅向けに自治体で研修を実施しています。自治体の研修を受け職務分野別リーダーや専門リーダー、副主任保育士になると、処遇改善の手当が受けられるため、給与アップにつながるかもしれません。
出典
厚生労働省「保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ」(2025年4月23日)
キャリアアップを目指して転職する
保育士のなかには、キャリアアップを目指して転職する方もいます。職場によっては勤続年数が長い人が多く、経験やスキルがあっても役職に空きがないためキャリアアップしにくいこともあるようです。転職先によっては、スキルや経験が評価され役職に就ける可能性もあります。
役職に就くと、スキルを磨けたり給与アップにつながったりする点がメリットです。「なかなか役職に就けない」「正当な評価が受けられない」などと悩む場合は、保育士のキャリアパスの1つとして転職も検討してみましょう。
保育士として働く年齢に不安を感じている方は、保育業界専門の転職支援サービス「レバウェル保育士」をご相談ください。レバウェル保育士は、保育業界に特化した転職支援サービスで、年齢を問わず幅広い求人情報を提供。経験豊富なアドバイザーが、あなたの経歴や希望に合った職場を丁寧にご紹介し、年齢を活かしたキャリアプランの相談にも対応します。
「保育士は何歳からなれる」に関するよくある質問
保育士を目指している方のなかには、年齢制限や年齢層について気になるかもしれません。ここでは、「保育士は何歳からなれる」に関するよくある質問に答えます。
保育士の年齢で最年少は?
保育士資格を取得して働き始める年齢は、早くて20歳です。高校卒業後に、保育士資格が取れる2年制の専門学校や短大を卒業すると、20歳から働き始められます。保育士として働き始める年齢については、この記事の「【資格取得方法別】保育士として働き始める年齢」を参考にしてみてください。
保育士試験の年齢層は?
保育士試験を受ける方の年齢層は、30代以上が多い傾向になっています。東京都福祉局の「令和4年度東京都保育士実態調査結果(p.31)」によると、保育士試験による資格取得者で割合が高い年齢層は、女性が50代以上(60.7%)、男性が30代以上(80.9%)です。20代までは専門学校や短大、大学での保育士資格取得が多くなっていますが、30代以上になると保育士試験による資格取得者の割合が高くなっています。
出典
東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査結果」(2025年4月24日)
保育士の年齢制限は?
保育士資格があれば、働くうえでの年齢制限はありません。何歳まで働けるかは、職場の定年や再雇用制度によります。60歳を定年として、その後も再雇用で働き続けられることもあるようです。保育士は一生ものの資格であるため、体力や働き方によっては年齢を重ねても活躍できます。
まとめ
保育士資格取得後、働き始められる年齢は早くて20〜22歳ごろです。保育士として働き始める年齢は、学歴や資格の取得方法によって決まります。満18歳で高校卒業後、保育士資格が取れる2年制の専門学校または短大を卒業した場合は20〜21歳、4年制大学を卒業した場合は22〜23歳です。
保育士試験を受ける場合、高卒者は2年、中卒者は5年ほど実務経験を積み受験資格を満たす必要があります。高卒者が保育士試験を受ける場合、保育士として働き始めるのは22〜23歳ごろです。中卒者の場合は、23〜24歳ごろから保育士として働き始められます。
保育士の平均年齢は38歳です。また、年齢層別の割合で一番多いのは30歳未満となっています。年齢層の割合は低いですが、60歳代や70歳代以上で活躍している保育士の方もいます。保育士資格は一生有効なため、体力や働き方によっては長く続けられる可能性がある職種です。
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執筆者

「レバウェル保育士」編集部
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