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園内研修の目的とは?よくある実践方法や保育士が学ぶテーマを紹介
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園内研修について知りたい方もいるのではないでしょうか。園内研修は、保育の質を高め、子どもたちにより良い環境を提供するために欠かせない取り組みです。専門的な知識や技術を深め、チーム全体で成長することで、日々の保育に自信を持って取り組めるようになるでしょう。
目次
園内研修とは?
園内研修とは、保育の質を向上させることを目的に、保育士同士が意見交換や情報共有をしながら学ぶ研修のことです。園全体で学びを深めるのが特徴といえるでしょう。
研修の頻度や形式は園によって異なり、月に1〜2回程度実施する園もあれば、年間を通して大きなテーマに取り組むケースもあります。
ここでは、園内研修のメリットや得られる知識など、それぞれ詳しく解説します。
園内研修を実施するメリット
園内研修を実施する最大のメリットは、各園の状況に応じて自由に日程や内容を設定できることです。職員が参加しやすいタイミングで実施されるため、無理なく学びを深められるでしょう。また、園の課題や方針に合わせたテーマを選ぶので、実践的な学びにつながるのも魅力です。
研修を通じて保育士同士が悩みを共有し合い、解決策を見出す機会にもなるため、スキルアップだけでなく、チームの結束力向上にも役立つでしょう。
園内研修を通じて得られるスキルや知識
園内研修の内容はさまざまですが、子どもの発達段階に応じた関わり方や遊びの工夫、適切な援助の方法など、保育の専門性を高めるためのスキルや知識を学べるものもあります。
また、保護者と信頼関係を築くためのコミュニケーション技術や、トラブル対応のポイントを学べる研修ではより円滑な保育環境をつくる手助けにもなるでしょう。
ほかにも、事故防止や救命救急といった安全管理の知識、チーム保育をスムーズに進めるための研修を受講すると、リーダーシップやマネジメントスキルの向上も期待できます。研修を通じて新しい知識を吸収し、それを現場で実践することで、保育の質をさらに高められるでしょう。
園内研修と外部研修の違い
保育士が受講する研修には、大きく分けて園内研修と園外研修の2種類があります。
園外研修は、外部の研修機関や団体が主催し、いろいろな保育園の保育士が参加します。普段の職場を離れて新たな視点を得られるのが特徴で、他園の取り組みや成功事例を学び、保育の幅を広げる機会となります。また、保育士同士の交流を通じて情報交換ができるため、自身の課題解決やスキルアップにもつながるでしょう。
園内研修は、園が独自に実施する研修で、所属する保育士のみが参加します。園の方針や課題に沿った内容で研修を企画できるため、現場で直面している悩みや課題を解決するのに役立つでしょう。
園内と外部研修はどちらもそれぞれのメリットがあります。状況に応じて上手に活用すると、より実践的な学びを得られるでしょう。
なぜ園内研修が必要なのか
園内研修は、保育の質を高めるために欠かせない取り組みといえます。ここでは、園内研修が必要とされる理由について詳しく解説します。
現場の課題を解決してより良い保育を目指すため
園内研修は、保育現場で直面する具体的な課題を解決し、より良い保育を実践するために重要といえるでしょう。たとえば、「子ども同士のトラブル対応に悩んでいる」「保護者の対応が上手くできない」など、現場の声をもとに研修テーマを設定すると、実際の業務に直結する学びが得られます。研修を通じて解決策を共有し、職員全体で取り組むことで、保育の質を向上させられるでしょう。
保育士のスキルアップとキャリア形成に役立つため
園内研修で年齢ごとの発達段階に応じた子どもとの関わり方や、遊びを通じた学びの提供方法などを学ぶと、日々の保育の質が向上するでしょう。
また、研修で得た知識や経験は、保育士としての成長にとどまらず、主任保育士や園長など、より高いポジションへのステップアップにも役立つ可能性があります。専門的な知識を深めると、保育現場でのリーダーシップを発揮し、より効果的な指導ができるようになる場合もあるでしょう。
継続的に学びを深めると、自信を持って保育に取り組めるようになり、より良い環境づくりにもつながる可能性があります。
保護者対応や職場のチームワーク向上にもつながるため
研修を通じて保護者の対応やコミュニケーション方法を学べるため、信頼関係を築く助けとなる可能性があります。
また、職員同士で意見交換を行うことにより、お互いの考えやアプローチを理解しやすくなる場合もあるでしょう。これによってチームワークの向上につながり、保育士間でより円滑に連携を取りやすくなるケースもあるようです。
最新の保育知識やトレンドを学び実践力を高めるため
保育の現場では、子どもの発達や保育方法に関する新しい知識が常に更新されています。そのため、研修を通じて時代に合わせた知識を学び、実践力を高める必要があるでしょう。
たとえば、新しい保育理論や指導法、ICTの活用、アレルギー対応、防災対策などについて学べる研修もあります。研修で保育に関する新しい知識やトレンドを学ぶと、子どもたちにとってより良い環境を整え、保護者からの信頼を高めることにもつながるでしょう。
園内研修における4つの方法
園内研修には公開保育やディスカッションなどさまざまな方法があります。ここでは、保育士が実践的に学び、成長するために取り入れられている4つの研修方法を紹介します。
公開保育
公開保育は、保育士が自分の保育をほかの職員に公開し、その対応を見学してもらう研修です。実際の保育の現場でどのように子どもたちと接し、どのように対応しているのかをほかの職員が見学し、保育の方法や工夫を共有し合うことができます。
見学した後にはフィードバックが行われるため、参加者は自分の保育に対する気づきを得られる可能性があります。また、実践的な知識やアイデアを深められるため、現場での対応力を高められるでしょう。
ディスカッション
ディスカッションは、特定のテーマに関して職員同士で意見を交換しながら、理解を深める研修です。子どもたちの発達段階に応じた接し方やトラブルの対処方法など、実際の保育現場で直面する課題をテーマに話し合う機会が多いようです。ディスカッションでは、職員が自分の経験や考えを自由に話します。ディスカッションにより、保育や対応方法の違いを知る機会になるでしょう。また、園全体で保育・対応方法を統一し、質を上げる助けとなることもあります。
講義
講義は印刷した資料やスライドを使用し、保育の専門的な知識や理論を学ぶ研修方法のことをいいます。子どもの発達心理学や保育における法律・制度など、講義は座学中心で行われることが多いようです。広範囲の情報を効率的に学べるのが魅力ですが、「聞いているだけ」というように一方通行になる傾向も。そのため、適宜質疑応答を入れるなどの工夫が必要でしょう。
外部講師による研修
専門家や講師を招いて実施する研修では、普段施設で学べない新しい視点や知識を得られるのが魅力です。外部講師は、ほかの保育施設や教育機関での経験を持つ専門家や、特定の分野で深い知識を持つ人々が多いため、職員にとって新鮮な学びの場となるでしょう。
最新の教育方法や子どもの心理に関する特別な知識、ほかの保育施設での成功事例など、外部から得られる知識は貴重であり、外部の専門家と交流するのは、職員のモチベーション向上にもつながる可能性があります。
園内研修の主なテーマ例
園内研修では、保育士が日々の業務をより良く遂行するために、さまざまなテーマが取り上げられています。ここでは、園内研修でよく取り扱われる主なテーマについて紹介します。
子どもとの関わり方を学ぶ研修
子ども一人ひとりの個性を理解し、より良い関わり方を学ぶことを目的とした研修です。研修では、子どもの気持ちに寄り添うための傾聴の姿勢や、信頼関係を築くコミュニケーション技術を身につけられる可能性があります。また、感情のコントロールが未熟な子どもへの適切な対応方法や、自己肯定感を育む関わり方についても学び、日々の保育の中で実践できるよう理解を深めます。
発達段階に合わせた適切な保育方法を学ぶ研修
この研修では、身体的・認知的・社会的発達の特徴を学び、それに応じた適切な関わり方を身につけるのが目的です。乳児期における愛着形成の重要性や、幼児期の社会性を育む遊びの工夫など、子どもの発達段階に関する基礎知識のほか、応じた保育方法について理解を深めます。
保護者対応・支援を強化する研修
子どもの成長を支えるパートナーとして信頼関係を築き、保護者と円滑にコミュニケーションを取るための研修です。保護者の相談に適切に応じる方法や、保育園と家庭が連携しやすい環境づくりについて学びます。ほかにも、保護者のクレームやトラブル時の対処法について対応するスキルを身につけます。
運動遊びや表現活動を取り入れる研修
子どもたちの健やかな成長を支えるため、運動遊びや表現活動を取り入れた研修です。楽しみながら体を動かし、運動能力や創造力を育む指導方法を学びます。実践を交えた内容で、日々の保育にすぐに活かせるアイデアを身につけられるでしょう。
安全管理やリスクマネジメントに関する研修
この研修では、事故を未然に防ぐための環境整備や、万が一の際の応急処置の知識を学びます。保育現場では、子どもたちの安全を最優先に考えた環境づくりが必須といえるでしょう。
災害時の対応マニュアルの確認や、不審者対応の実践的な訓練を通じて、危機管理能力を高めるのを目的としています。日々の保育において冷静かつ迅速に対応できるよう、定期的に研修を実施し、安全意識を維持することが大切です。
保育士のメンタルケア・ストレスマネジメント研修
この研修では、ストレスの要因を理解し、適切に対処する方法を学びます。リラックスできる呼吸法や気持ちの切り替え方、職場での相談やサポート体制の活用方法など、実践的なストレスマネジメントの手法を身につけられるでしょう。メンタルケアを実践すると、ストレスが軽減し、働きやすい環境を整備できる可能性が高まります。
保育士が園内研修を進めるときのコツ
園内研修を有意義な時間にするには、参加者が積極的に意見を交換する機会を設けるなどがポイントといえます。ここでは、保育士が園内研修を円滑に進めるためのコツを紹介します。
楽しい研修となるよう意見を交換する場を設ける
園内研修を有意義な時間にするためには、参加者が意見を交換する場を設けるのがポイントといえます。園内研修では質問や意見が出にくい場合もあるようです。そのため、園内研修の責任者は参加者が意見を交換する場を設け、積極的に話し合う機会を設けるなどをする必要があるでしょう。積極的に意見を交換すると、新たな気づきが生まれ、学びが深まる可能性が高まります。
和やかな雰囲気をつくると、発言しやすくなり、活発な意見交換につながる場合もあります。互いに学び合いながら、楽しく研修を進めることを心がけましょう。
3年間計画に基づいて主体的に学ぶ
園内研修は、継続的に学びを深めることが重要です。3年間の研修計画に沿って段階的に学ぶと、知識やスキルが修得しやすいでしょう。各研修の目的を理解し、自らの課題を意識しながら取り組むと、より実践的な学びにつながる可能性があります。
園内研修についてよくある質問
ここでは、園内研修についてよくある質問に回答します。ぜひ参考にしてください。
園内研修は勤務時間内に行われるの?
多くの園では、園内研修は勤務時間内に実施されることが多いようです。しかし、研修内容や園の方針によっては、業務後や休日に行われる場合もあります。勤務時間外に実施される研修については、手当の支給の有無や勤務扱いとなるかなど、園の規定を事前に確認しておくのがおすすめです。
園内研修はどのくらいの頻度で行われますか?
園内研修の頻度は園によって異なりますが、一般的には月に1回や年に数回の頻度で実施されることが多いようです。定期的に研修を行う園もあれば、必要に応じて随時開催する場合もあります。研修の内容や園の方針により、実施のタイミングや回数が異なるため、園の研修計画を確認しておきましょう。
まとめ
園内研修とは、保育の質を向上させることを目的としており、保育士が意見交換や情報共有をしながら学びます。園内研修は公開保育やディスカッション、講義形式、外部から講師を招いて実施するなどさまざまな方法があります。園内研修のテーマは子どもとの関わり方や保護者対応・支援を学ぶもの、安全管理やリスクマネジメントを修得するものなどがあり、園の課題などにより選択します。園内研修を有意義にするには、参加者が意見交換を行う場を設ける、和やかな雰囲気づくりを心がける必要があるでしょう。
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執筆者

「レバウェル保育士」編集部
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