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自由保育とは?一斉保育との違いや保育士のメリット・デメリットを解説

保育士や幼稚園教諭のなかには、「自由保育って何?」と気になる方もいるかもしれません。自由保育とは、子どもが主体的に遊びや活動を選択できる保育方法です。 この記事では、自由保育と一斉保育の違いやメリット・デメリット、実施する際のポイントを解説します。自分に合った自由保育の保育園や幼稚園に転職するコツもまとめました。
目次
自由保育とは
自由保育とは、子どもたちが主体的に活動を選び、自分のペースで遊びや学びを進める保育方法です。保育士は活動内容を決めず、子どもの「やりたい」という気持ちを尊重し、それぞれの興味や関心に合わせて遊べる環境を整えます。自由保育の特徴は、子どもの自主性や創造性を重視することです。保育士は直接指導するのではなく、見守りながら必要に応じてサポートします。自由保育では、一人ひとりの発達段階や興味に合わせた活動ができるため、個性を伸ばしやすい環境を作れるでしょう。
自由保育と一斉保育(設定保育)の違い
自由保育と一斉保育(設定保育)の違いは、活動の選択方法や保育士の関わり方です。自由保育では、子どもたち自身が「何をするか」選び、保育士は環境を整えたり遊びを見守ったりする役割を担います。一方、一斉保育とは、保育士の計画のもと、クラス全員が同じ活動や遊びに取り組む保育方法です。一斉保育では、保育士が子どもに指導することもあり、集団行動を身につけられたり協調性を学べたりするメリットがあります。保育園や幼稚園によっては、午前中は一斉保育で共通の活動をし、午後は自由保育で好きな遊びをするなど、両方の良さを取り入れている場合もあるようです。
子どもにとっての自由保育のメリット
自由保育は、自主性を伸ばせたり好きなことに打ち込めたりするメリットがあります。ここでは、子どもにとっての自由保育のメリットを紹介します。
自由な発想力や自主性を伸ばせる
自由保育では、子どもたちが「自分でやりたいこと」を選び取り組むことで、発想力や自主性が育まれます。たとえば、空き箱や廃材を使って「何を作ろうか」と考え、試行錯誤しながら作品を完成させる過程では発想力を養えるでしょう。
また、自分で遊びを選び進めていくなかで、「次は何をしよう」「どうやったら上手くいくだろう」と考える習慣も身につきます。自由保育では、保育士が答えを教えるのではなく、子ども自身が考え決断する機会を大切にすることで、子どもの主体性を伸ばしやすくなるでしょう。
好きなことや関心のあることに打ち込める
自由保育のメリットは、子どもたちが各々の好きな遊びや関心のある活動に打ち込めることです。製作が好きな子は時間をかけて丁寧に作品を仕上げたり、積み木が好きな子は複雑な構造物を作り続けられたりします。自分の「好き」を深く追求できる自由保育では、子どもの集中力や探究心が育まれやすいでしょう。
また、子どもの「いま興味があること」に合わせた活動ができるため、その子の発達に適した学びが自然と生まれやすくなります。「夢中になる体験」からは、学ぶ楽しさや充実感も味わえるでしょう。
友だちとの関わりから学び成長できる
自由保育では、子どもたちが自然な形で友だちとの関わりをもつため、他者から学び成長するチャンスを作れます。たとえば、ままごと遊びでは、「お母さん役」「お父さん役」「子ども役」など役割を決めて遊ぶなかで、相手の気持ちを考えたり、自分の思いを伝えたりする練習になるでしょう。
また、遊びのなかで起こる小さなトラブルも、子どもたち同士で解決する経験を通して、問題解決能力や社会性が身についていきます。自由保育では、保育士が必要以上に介入せず見守ることで、子どもたち自身で人間関係を築いていく力を身につけられるでしょう。
自由保育の保育園で働く保育士のメリット
保育士は自由保育を通じて、子どもの興味関心に理解を深めたり観察力が身についたりするメリットがあります。ここでは、自由保育を行っている保育園で働く保育士のメリットを紹介するので、参考にしてみてください。
子どもの性格や興味関心に理解を深めやすい
保育士が自由保育を行うメリットは、子どもたちが自ら選んだ活動に取り組む姿を見られ、一人ひとりの性格や興味関心をより深く理解できることです。「この子はどのような遊びを好むのか」「どのような場面で生き生きとするのか」など、子どもの本来の姿を自然な形で観察できる機会になります。
たとえば、集団活動では前に出ない子であっても、好きな遊びのなかでは積極的にリーダーシップを発揮するかもしません。自由保育では、子どもの多面的な姿を知りやすくなるため、その子に合った声かけや援助の方法も考えやすくなるでしょう。
観察力が身につきやすい
子どもたちに適切なタイミングで援助する必要性があることから、自由保育に携わる保育士は観察力を身につけられます。「どのタイミングで声掛けが必要か、見守るべきか」といったプロセスを繰り返すと、子どもの微妙な表情の変化や行動のサインを読み取る力が養われるでしょう。
また、子どもの成長や変化に気づきやすくなるため、一人ひとりの発達に合わせたサポートを考えやすくなるかもしれません。細やかな観察と適切な関わりは、保育の質を高め、子どもたちの健やかな発達の支えになります。
自由保育のデメリット
自由保育では、線引きの難しさや能力の偏りといったデメリットを感じることもあるかもしれません。ここでは、自由保育のデメリットをまとめました。
自由の線引きが難しい
自由保育では、子どもの自主性を尊重する一方で、どこまでを「自由」とするか、線引きが難しい面もあります。完全な自由を認めると、危険な行動やほかの子どもに迷惑をかける行為を放置することになりかねません。かといって、制限が多すぎると自由保育の本来の意義が失われてしまいます。自由保育では、安全面や集団生活のルールを考慮しながらも、子どもの自由な発想や行動を尊重するバランス感覚が求められます。
子どもたちの間で問題が起きやすい
自由保育では子どもたち同士の自然な関わりを大切にしますが、そのぶん、トラブルが発生しやすいデメリットもあります。人気のおもちゃの取り合いや遊びのルールを巡るもめごとなどが、頻繁に起こるかもしれません。また、一部の子どもが遊びを独占してしまう場合もあるため、すべての子どもが平等に参加できる環境づくりが必要になります。子ども同士の関わりから学ぶ機会を大切にしながらも適切な支援ができるように、保育士には観察力や判断力が求められるでしょう。
経験や能力が偏りやすい
自由保育では、子どもたちが自分の好きな遊びや活動を選べる反面、興味のあることばかりに取り組み、経験や能力が偏りやすくなる恐れがあります。たとえば、製作活動や絵本など室内遊びを好む子は、外遊びの経験が少なくなり体力低下につながるかもしれません。また、苦手なことや初めての活動には自分から挑戦しにくいため、自由保育では新しい経験の機会を逃してしまう側面もあるでしょう。
小学校入学に向けた集団行動に慣れにくい
自由保育では、「全員で同じことをする」経験が少ないため、小学校入学に向けた集団生活の練習になりにくいことがデメリットです。保育園や幼稚園によっては、就学に向けて「静かに話を聞く」「順番を待つ」「指示に従う」などの練習をすることもあります。集団行動はクラス全員で動いたり決められたルールを守ったりするなかで慣れていくため、自由保育がメインの環境だと身につけにくい可能性があるでしょう。
保育園や幼稚園で実践されている自由保育
一口に自由保育といっても、ねらいや活動内容は園によって多種多様です。ここでは、保育園や幼稚園で実践されている自由保育を紹介します。
自発的な遊びから成長を促す例
子どもの自発的な遊びや活動を重視するため、カリキュラムを決めずに好きなところで遊べる自由保育を実施している園もあります。たとえば、園庭では遊具や砂場、虫探しなど、子どもたちが自分の興味を持った遊びに取り組むことで、探究心や体力が自然と育まれていくでしょう。室内においては、保育室での遊び以外に、図書室で好きな本に触れ合える環境を作っている園もあります。
個性を尊重し愛着形成を促進する例
愛着形成の促進を目的に、子どもたちの個性を尊重する自由保育を実施している保育園もあります。好きなことや興味のあることを受け入れてもらえる環境では、自分が大切にされていると感じやすくなるでしょう。また、自由保育を通じて保育士と子どもたちの信頼関係が深まると、愛着形成の促進につながります。自由保育を通してのびのびと過ごせる環境は、子どもたちとって安心できる場所になるでしょう。
子どものやりたいことを尊重する例
子どものやりたいことを尊重するために、基準より多い保育士を配置して自由保育を実施している保育園もあります。人手がいれば、子どもがはさみを使って製作したかったり外に出たかったりするときに、誰かがついて安全面を見守ることが可能です。やりたいことが尊重される環境では、子どもの自己肯定感が高まります。子どもたちが自由に活動できる環境を作るためには、保育士の人数や配置、連携体制などに工夫が必要です。
自由保育を実施する際の具体的な方法
自由保育の方法には、コーナー遊びや室内と外に分けた遊びなどがあります。ここでは、自由保育を実施する際の具体的な方法を紹介するので、参考にしてみてください。
コーナーを区切って遊びを展開する
自由保育では、「ままごとコーナー」「ブロックコーナー」のように保育室をいくつかのコーナーに区切って遊びを展開する方法があります。コーナー保育のメリットは、同じ興味を持つ子ども同士が自然とグループになり、協力して遊べることです。また、静かな遊びと活発な遊びが混在しても、空間が区切られているため互いの活動を妨げにくくなります。
保育士は各コーナーを巡回しながら、子どもたちの様子を見守り、必要に応じてサポートすることになるでしょう。
外遊び・室内遊びに分けて遊びを展開する
自由保育では、「外遊び」と「室内遊び」を選択できるようにする実施方法もあります。外では鬼ごっこや砂遊びなど全身を使った活動が展開され、室内では製作活動・絵本・ブロックなどの遊びが選べる自由保育の形です。元気いっぱい体を動かしたい子は外で思い切り遊び、落ち着いた環境で集中したい子は室内で過ごすなど、その日の気分に合わせた選択ができます。なお、雨や猛暑などで外遊びができないときは、室内遊びのなかでも、身体を動かせるスペースとゆっくり絵本を読めるスペースなどに分けて展開する方法も挙げられるでしょう。
保育士が自由保育を実施するポイント
保育士が自由保育をするときは、ねらいを明確にしたり安全面に細心の注意を払ったりすることが大切です。ここでは、保育士が自由保育を実施するときのポイントをまとめました。
目標やねらいを明確にする
自由保育では、ただ単に子どもたちのやりたいように遊ばせるのではなく、目標やねらいを明確にしたうえで取り組むことが大切です。たとえば、「協調性を育てたい」という目標を立てたら、複数人で遊びやすい道具を用意したり、広い環境を整備したりします。
自由保育のねらいを明確にすれば、「どのような言葉かけが適切か」「ほかに足りていないものはないか」といった判断基準ができ、保育の質を高められるかもしれません。また、保育後の振り返りも具体的に行えるようになり、次の保育計画に活かせるというメリットもあります。
放任せず状況に応じて遊びや活動に介入する
自由保育中は、子どもの様子を見守りながらフォローが必要な場面を見極め、状況に応じて遊びや活動に介入することがポイントです。自由保育では子どもの自主性を尊重する姿勢が基本ですが、「見守ること」と「放任すること」は異なります。
たとえば、子どもたちが活動に飽きてきたときは、新たな素材や道具を提案したり、「こんな風にしてみたら?」と少しヒントを与えたりすることで、遊びの質が高まるかもしれません。また、集団に馴染めていない子どもには、声掛けやフォローが求められる場面もあるでしょう。
安全面には細心の注意を払う
自由保育では子どもたちが思い思いに活動するため、安全面に細心の注意を払いましょう。自由保育を始める前は、ケガにつながる物がないか確認し、コーナー同士の動線を考えて配置するなど、事故を未然に防ぐ工夫をします。「はさみを使うときは座る」「保育室のなかでは歩く」など、事前に安全な使い方や約束事を子どもたちと確認することが大切です。
また、自由保育中は常に全体を見渡せる位置に立ち、危険を伴う活動をする際は保育士が付き添います。マット運動や平均台などの身体を使う遊びは、安全を確保しつつも、子どもの挑戦を見守る姿勢が必要です。
子どもの様子を細かく把握して保護者に伝える
保育士が自由保育に携わるときは、子どもたち一人ひとりの様子を細かく観察し記録することが大切です。「今日は何をして遊んだのか」「どのような成長があったのか」「友だちとどう関わったのか」など、具体的なエピソードを捉えておきましょう。これらの情報は、保護者に園での子どもの様子を伝える材料になります。自由保育中の様子や成長などを具体的に伝えれば、保護者の安心感や信頼感につながるでしょう。
自由保育に向いている保育士の特徴
物事を肯定的に捉えられたり、臨機応変な対応が得意だったりする人は、自由保育に向いている可能性があります。ここでは、自由保育に向いている保育士の特徴を紹介するので、参考にしてみてください。
物事を肯定的に捉えられる人
子どもたちの予想外の行動や発想が次々と生まれる自由保育には、物事を肯定的に捉えられる人が向いている傾向にあります。言動に対して、保育士が「面白い発想が出てきた」「新しい可能性が広がった」と肯定的に捉えてくれれば、子どもたちの自主性が育まれやすくなるでしょう。
たとえば、子どもたちが折り紙をちぎり始めたときに「後片付けが大変になる」と考えるのではなく、「紙吹雪で遊べるかも」と発想を広げられると、子どもの創造性を尊重しながら活動を展開できます。自由保育を行うときは、物事の可能性を広く捉え、子どもの行動の意味や背景を理解しようとする姿勢が求められるでしょう。
臨機応変・柔軟な対応が得意な人
子どもたちのやりたい気持ちや興味関心を大切にして臨機応変な対応ができる人は、自由保育に向いているでしょう。たとえば、園庭で遊んでいるときに雨が降り始めたら、「室内で体操をしよう」「窓から見える雨の様子を絵に描いてみよう」というように、自由保育のなかでも状況に合わせた提案力が求められます。子どもたちが予想外の発見や質問をしたときは、「一緒に調べてみよう」と子どもの興味に寄り添える柔軟さがあると、学びの機会を広げられるかもしれません。
変化を敏感に察知できる人
自由保育では子どもたちの興味関心や行動が刻々と変化するため、敏感な察知ができる人に向いているでしょう。「このブロック遊びに飽きてきたかな」「あの子は何か言いたそうにしている」など、子どもたちの表情や行動から次の展開を予測できると、適切なタイミングで必要な環境を整えたり声をかけたりすることが可能です。
また、クラス全体の雰囲気や子ども同士の関係性の変化にも敏感になる必要があります。遊びのなかで起こる小さなトラブルの芽を早めに察知したり、新しい友人関係が生まれそうな場面を見逃さなかったりすれば、適切なサポートを実現できます。
自分に合った自由保育の保育園・幼稚園に転職するコツ
自由保育を行う保育園や幼稚園へ転職するときは、園の方針を確認したり園を見学したりして自分の保育観や条件に合っているか確認することが大切です。ここでは、保育士や幼稚園教諭向けに、自分に合った自由保育を行う保育園・幼稚園に転職するコツを紹介します。
園の理念や方針と自分の保育観を照らし合わせる
同じ「自由保育」を掲げていても園によって考え方は異なるため、自分の保育観を照らし合わせながら転職先を探すことがポイントです。たとえば、「子どもの主体性を育てる」という点では共通していても、どこまで見守るか、どのタイミングで介入するかなどの判断基準は園や保育者によって違いがあります。理念や方針が自分の価値観が合っている園であれば、やりがいを感じながら長く働き続けられるでしょう。
自由保育の内容を理解できるか確認する
転職先の候補である保育園や幼稚園の情報を収集するときは、実践している自由保育の内容を具体的に理解することが大切です。保育園や幼稚園のWebサイトでは、1日の流れや力を入れている活動から自由保育の内容について情報収集できる場合もあります。
これまで一斉保育中心の園で働いていた方は、自由保育への転換に戸惑いを感じることもあるかもしれません。「自分がこれまで経験してきた保育方法との違いは何か」「新しい環境で自分は適応できるか」といった点も確認してみると、ミスマッチを防ぎやすくなります。
園見学で自由保育の様子を見させてもらう
転職を考えている園が職場見学に対応していれば、実際の保育の様子を自分の目で確かめてみましょう。園見学では、子どもたちがどのように遊んでいるか、保育士がどのように関わっているか、環境はどのように整えられているかなどを見られる傾向にあります。自由保育を行っている保育園や幼稚園の見学で押さえておきたいポイントは、以下のとおりです。
子どもたちは生き生きと遊んでいるか
保育士と子どもの関係は温かみがあるか
活動の選択肢は豊富か
安全面への配慮はどうか
園見学の際には、疑問に思ったことを質問する機会も大切にしましょう。「この活動はどのようなねらいがあるのか」「トラブルが起きたときの対応は」など、具体的な質問をすれば、園の考え方をより深く理解できます。
転職エージェントを使って情報収集する
給料や勤務時間をはじめとした労働条件と、やりたい保育のバランスを取りながら転職先を探したい場合は、保育業界に特化した転職エージェントの利用がおすすめです。転職エージェントでは、具体的な保育内容や職場の雰囲気、平均残業時間など、詳しい情報を得られる可能性があります。業界に詳しいキャリアアドバイザーから手厚いサポートが受けられるため、安心して転職活動を進められるでしょう。
自由保育を行う保育園や幼稚園への転職を考えている保育士や幼稚園教諭の方は、レバウェル保育士にご相談ください。レバウェル保育士では、保育業界に精通したキャリアアドバイザーが、希望条件を丁寧にヒアリングし、あなたに合った求人をご紹介します。「自由保育が自分に合っているか」といった、キャリア相談も可能です。登録・相談はすべて無料なため、お気軽にお問い合わせください。
自由保育に関するよくある質問
ここでは、自由保育に関するよくある質問に答えます。自由保育で後悔することやモンテッソーリ教育との違いなどを、参考にしてみてください。
自由保育の保育園で働いて後悔することは?
自由保育の園で働いて後悔する可能性があるのは、自分の保育観と園の方針にギャップがある場合です。「ある程度の枠組みや指導が必要だと思うのに、園は完全な自由を重視している」「子どもの自主性を大切にしたいのに、実際は形だけの自由保育になっている」といった価値観の違いが生じると、仕事へのモチベーションが下がるかもしれません。
また、自由保育は子どもたちの活動が多岐にわたるため、安全面を見守る難しさを感じることもあるでしょう。後悔を防ぐためには、園の理念や方針、具体的な保育内容を確認し、自分の保育観と照らし合わせることが大切です。
自由保育とモンテッソーリ教育の違いは?
自由保育とモンテッソーリ教育は、子どもの主体性を尊重する点は似ていますが、具体的な取り組みに違いがあります。自由保育では子どもたちがやりたい遊びや活動を選択できる環境を作る一方、モンテッソーリ教育ではブロックやカードなど特定の道具を使って成長を促すのが特徴です。
また、モンテッソーリ教育では、整理整頓や礼儀作法などの「日常生活の練習」を重視しています。自由保育ではより自由な発想や表現が尊重されるため、正解にこだわらない活動がメインになるでしょう。
まとめ
自由保育とは、子どもたちが自分で遊びや活動を選べる保育方法で、子どもの自主性や創造性を伸ばせる環境が作れるのが特徴です。保育士は子どもたちが興味や関心に合わせて遊べる環境を整えながら、必要以上に介入しない姿勢が求められます。自由保育を行うメリットは、子どもたちが好きなことに打ち込めて発想力を育てられたり、自然な形で友だち関係を築けたりすることです。一方、小学校入学に向けた集団行動に慣れにくいことや、経験・能力に偏りが出やすいことにデメリットを感じるかもしれません。
それぞれの良い面を取り入れるために、一斉保育と自由保育の両方を取り入れている保育園や幼稚園もあります。自由保育では、保育士が子どもの様子を細かく観察し、安全面に気を配りながら適切なタイミングで関わることが必要です。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。