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一斉保育とは?メリット・デメリットや活動例、自由保育との違いを解説

園児と遊んでいる保育士のイメージ

「一斉保育ではどんな活動をするの?」「取り組むうえでの心構えは?」と気になる保育士もいるのではないでしょうか。一斉保育とは、保育士が計画した指導案を基に、子どもたち全員が同じ活動をする保育法です。 この記事では、一斉保育の具体例やメリット・デメリット、自由保育との違いについて解説します。一斉保育を実践するためのポイントや、向いている保育士の特徴も紹介するので、就職・転職時にお役立てください。

この記事のまとめ

  • 一斉保育では、保育士が内容を計画してクラス全員で同じ活動を行う

  • 一斉保育の活動は、年齢に合わせた内容や小学校入学に向けた内容で実施する

  • 幅広い活動を平等に経験でき、集団行動を通じて協調性を身につけられる

この記事を書いた人

A

「レバウェル保育士」編集部

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一斉保育とは

一斉保育(設定保育)のイメージ

一斉保育とは、保育士が決定した指導案に基づき、子どもたち全員が同じ時間に活動する保育法です。1日のおおまかなスケジュールが決まっており、クラス単位やグループ単位で計画を立てます。園によっては、認定保育や計画保育と呼ばれることもあるようです。

運動で身体能力を伸ばしたり、製作活動で手先の器用さを育んだりと、具体的なねらいをもって活動するのが一斉保育の特徴といえます。一斉保育を導入している保育園は、全国で幅広く存在しているでしょう。

一斉保育の具体的な活動例

ここでは、保育園や幼稚園で行われている一斉保育の具体例を紹介します。「一斉保育ではどのような活動をするの?」と気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。

年齢別の興味関心に合わせた活動

一斉保育では、年齢別の興味関心に沿って活動内容を決めることがあります。たとえば、「0〜1歳児クラスは感触を楽しむ粘土」「2〜3歳児クラスは指先を使ったシール貼り」「4〜5歳児クラスは季節を表現する絵」など、発達段階に合わせた活動を計画するでしょう。保育園によっては、外部から講師を招き、専門的な知識を持っている方に指導を依頼することもあるようです。

就学に向けた集団での活動

幼児クラスの一斉保育では、小学校入学を見据え、当番制の行動やクラス全体での話し合いを実施するところもあります。集団での行動を通じて「自分の所有物を管理する」「時間の進み具合を意識する」「自分の気持ちを言葉で伝える」などを身につけ、小学生として生活するための基盤をつくるのが特徴です。文字への興味を育んだり、英語教室を開催したりと、教育的な活動を取り入れている場合もあるでしょう。

クラスの状況に合わせた活動

一斉保育では、クラス担任が子どもたちの状況に合わせて活動内容を検討する場合もあります。たとえば、友人関係のトラブルが増えてきたクラスでは、協調性が実感できるような集団ゲームを積極的に取り入れることがあるようです。一斉保育によってクラスに一体感が生まれると、子どもたちの社会性が育まれやすくなるでしょう。

一斉保育で行われる遊び

一斉保育で行われる遊びには、制作活動やリズム遊び、運動などが挙げられます。下記では、それぞれの内容についてまとめました。

作業を楽しむ製作活動

一斉保育では、作業そのものを楽しむ製作活動を行います。春は桜や菜の花をイメージした製作、冬はクリスマスや温かさを感じられる製作など、季節に合わせた作品づくりをするのが定番です。

全体で製作に取り組めば、子どもたちの集中力が養われたり、周囲に刺激されて創造力が湧いたりすることに期待できます。はさみやのり、絵の具などを用いるため、道具の使い方を少しずつ習得できるのもポイントです。

音楽を活かしたリズム遊び

一斉保育では、音楽や楽器を使ったリズム遊びも提供します。具体的には、保育士の伴奏に合わせて歌う、発表会に向けて合奏をする、運動会で披露するダンスの練習をするなどが挙げられるでしょう。

集団でのリズム遊びでは、子どもたちの情緒面の発達につながったり、友達と一緒に表現する楽しさを味わえたりします。音楽に合わせて全員が同じ動きをすれば、達成感を得ることも可能です。

身体を使う運動

一斉保育では、子どもたちの体力や身体能力の向上を目的とした運動を行います。具体的には、かけっこや障害物競走、ボールを使った遊び、リトミックなどです。

雨の日は新聞紙や風船を使って体を動かすなど、室内の限られたスペースでクラス全体が取り組める運動遊びを提供します。集団で運動に取り組めば、ルールの遵守を意識できるようになったり、勝ち負けによって心の成長を促せたりするでしょう。

一斉保育のメリット

一斉保育は、保育士にとって指導がしやすかったり、子どもたちに幅広い体験を平等に与えられたりします。以下の内容を参考に、一斉保育のメリットを確認してみましょう。

活動のねらいが明確で指導しやすい

一斉保育では活動ごとにねらいや計画を立てるため、子どもたちに指導しやすくなるメリットがあります。集団に向けて説明をするので、個別に活動内容を伝えるよりも負担を軽減できるかもしれません。特に大人数を管理する保育園では、全体を見渡せるため安全面にも配慮しやすいでしょう。保育計画を立てることで時間管理がしやすくなり、1日の流れが掴みやすいのもポイントです。

幅広い活動を平等に経験できる

一斉保育なら、子どもたちにバランスよく平等な体験を与えることが可能です。製作や音楽、運動などの幅広いジャンルの活動を用意しているため、子どもの興味関心を問わず新しいことにチャレンジしやすい環境をつくれます。活発な子が絵を描くのが好きだと気づけたり、初めてのダンスに楽しさを実感できたりと、子どもたちの可能性を広げられるでしょう。

小学校入学前に協調性を身につけられる

一斉保育をすれば、子どもたちが小学校へ入る前に協調性や社会性を育めます。集団で同じ時間に同じ行動を取ることに慣れておくと、指示通りに物事を進められたり、自然と周囲を気遣えたりするでしょう。ときには我慢が必要になる場面で忍耐力がつき、協力して作業する場面では同じ目標に向かって努力する達成感が得られます。

発達段階の違いを把握しやすい

クラス単位やグループ単位で同じ活動に取り組むことで、物事の理解度や集中力、身体能力などの違いを観察することが可能です。子どもたちの得手不得手が把握できると、個性を伸ばすための手伝いができたり、フォローが必要な場面でサポートにつなげられたりします。担当する子どもたちの発達段階をしっかりと理解していれば、次の活動計画のヒントになるかもしれません。

一斉保育のデメリット

一斉保育には、メリットだけでなくデメリットもあります。自分が実現したい保育法かどうかをしっかりと分析したうえで、就職・転職先の園を選ぶ際の参考にしましょう。

主体性の育成につながらないリスクがある

一斉保育は活動内容を保育士が決定するため、子ども自身が「何をしたいのか」を考える機会が限定される場合があります。指示を出されることに慣れてしまうと、自分で考えて行動する主体性や興味をもって取り組む自主性が育ちにくい可能性も考えられるでしょう。保育士は、子どもたちが率先して動ける場面を意識的に設ける必要があります。

集団行動が苦手な子もいる

集団行動が苦手な子どもにとっては、一斉保育の活動内容が大きな負担になる場合も考えられます。活動のテンポが合わなかったり、人の多さや騒音に敏感だったりすると、活動本来の楽しさと学びを実感できないかもしれません。次第に自己表現を控えるようになってしまう可能性もあるため、個々の子どもの特性や状態に配慮する姿勢が求められるでしょう。

一斉保育をする際に保育士が大切にしたいこと

保育士が一斉保育をする際は、目的を明確にしたり状況に合わせて臨機応変に対応したりすることが大切です。ここでは、保育士が押さえておきたい一斉保育のポイントを紹介します。

活動のねらいを明確にして保育計画を立てる

一斉保育を効果的に行うには、活動のねらいや目的を明確にすることが重要です。「何のためにこの活動をするのか」「子どもたちにどのような経験をしてほしいのか」を具体的に考え、やる気が引き出せるような目標を設定しましょう

計画を立てる際は、準備するものや時間配分、声かけのポイントなども具体的に考えておくと、スムーズな進行につながります。活動中に困りそうなことや危険・トラブルの種を予測し、一斉保育において適切な環境を整えましょう。活動後は、「子どもたちはどう反応したか」「ねらいは達成できたか」を評価し、次の計画に活かすことが大切です。

子どもたちの行動を観察して臨機応変に対応する

一斉保育では、計画通りに進めることにこだわりすぎず、子どもたちの様子を見ながら臨機応変に対応することが大切です。たとえば、子どもたちが思うように興味を示さなかったり、予想よりも疲れが見えたりする場合は、その場で計画を変更する柔軟さが求められます。

状況によっては、関心を抱きやすい工夫に努めたり、別の活動に切り替えたりする判断も必要です。反対に、活動に熱中している場合は、計画よりも時間を延長することも検討しましょう。

一斉保育と自由保育の違い

一斉保育と自由保育の違いのイメージ

自由保育とは、子ども自身がどこで何をするか、誰とどのように遊ぶかを考え、それぞれのペースで活動できる保育法を指します。一斉保育で協調性やマナーが身につくのに対し、自由保育では自主性や想像力を育みやすいのが主な違いといえるでしょう。

自由保育を行っている園では、子どもたちの意思決定を尊重し、選択した活動内容に取り組めるよう保育士がサポートします。また、一斉保育と自由保育それぞれの良い点を取り入れるため、「午前中は一斉保育、午後は自由保育」と混合保育を行っているところもあります。どちらか一方ではなく、それぞれのメリットを汲み取ることで、バランスの良い保育を実践することが可能です。

一斉保育に向いている保育士の特徴

この項では、一斉保育に向いている保育士の特徴を紹介します。「自分は一斉保育の園で活躍していける?」と疑問に感じている方は、向き不向きを判断する参考にしてみてください。

計画的に物事を進められる人

一斉保育の活動では教材の準備や時間配分が必要なため、計画的に物事を進める能力が求められます。週案や月案を綿密に立て、使用するものをリストアップするなど、段取り良く保育を行える人は、一斉保育に向いているでしょう。

計画性のある保育士なら、活動の見通しを持って保育を進めることが可能です。計画・実行・評価・改善というサイクルを大切にできれば、より質の高い一斉保育を提供できます。

リーダーシップがある人

一斉保育を取り入れている保育園では、クラス全体をまとめるリーダーシップのある人に向いている傾向があります。一斉保育に取り組む保育士は、子どもたちの注目を集め、分かりやすい言葉で説明し、活動への期待を高めることが重要です

子どもたちにとって「先生と一緒だから頑張れる」という存在になれば、保育の質の向上にもつながります。また、保育士自身が活動を楽しむ姿勢も、子どもたちの意欲を引き出すリーダーシップとなるでしょう。

子どもたちと一体感を味わいたい人

クラス全体で同じ目標に向かって努力する一体感を味わいたい方は、一斉保育の場面で子どもたちの心に残る体験を提供できるでしょう。子どもたちのできることが増えたり、苦手なことを克服したりする瞬間に立ち会えることも、一斉保育の醍醐味です。運動会の演技が成功したときの喜び、協力して壁面製作を完成させた達成感のように、子どもたちと一緒に感動を共有できる人は、一斉保育に向いているといえます。

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一斉保育に関してよくある質問

ここでは、一斉保育に関するよくある質問にQ&A形式で答えます。一斉保育を行っている保育園に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

一斉保育と自由保育の保育園はどちらが働きやすい?

一斉保育と自由保育の園、どちらが働きやすいかは保育士の性格や保育観によって異なります。一斉保育の園は、目標やねらいが明確なため、計画性のある人やリーダーシップを発揮できる人は働きやすいかもしれません。
一方、臨機応変な対応が得意な人や子どもの主体性を伸ばしたい人は、自由保育の園のほうが向いている可能性もあります。一斉保育の園に興味がある方は、この記事の「一斉保育に向いている保育士の特徴」も参考にしてみてください。

一斉保育は古いって本当?

一斉保育は一般的な保育方法として広く展開されており、決して古いわけではありません。自由保育を積極的に行っている園であっても、社会性や協調性を身につけるために一斉保育の時間を設けているところもあります。どちらかの保育法が優れているのではなく、それぞれに特徴とメリット・デメリットがあるため、目標やねらいに合わせて実施することが大切です。

一斉保育の保育園で働いて後悔することはある?

子どもたちを厳しく管理・指導する一斉保育の園に入職した場合は、後悔する可能性もあり得ます。園によっては、食事中のマナーや集団行動のルールなどに関して、細かく指導しているところもあるかもしれません。ただし、「一斉保育=自由がない」というわけではないので、一概に否定するのは控えるようにしましょう。

一斉保育で子どもの主体性を引き出すのは難しい?

子どもたちが「やってみたい!」と思えるような機会を設ければ、一斉保育で主体性を育めるでしょう。たとえば、活動の計画段階で「次はどんな遊びがしたい?」と問いかけることで、子どもたちが積極的に意見する機会を設けられます。「動物をつくろう」というテーマで製作活動をするなら、「どの動物をつくるか」「何の材料を使うか」を選択できるようにすると、そのなかで主体性を発揮できるようになるでしょう。

まとめ

一斉保育とは、保育士が計画した活動をクラス全体で行う保育法です。運動・製作・リズム遊びなどを通じて、子どもたちの協調性や社会性を育めます。子どもたちが平等に幅広い活動を体験できたり、集団生活におけるルールやマナーを学べたりするのが、一斉保育の特徴です。小学校入学前の準備として、年中・年長児のクラスで積極的に取り入れていることもあります。

一斉保育は活動のねらいが明確なため、指導やトラブルの予測をしやすいメリットがあるでしょう。保育士が一斉保育に取り組むときは、計画性やリーダーシップを発揮しながらも、子どもたちの様子を見守りながら活動内容を柔軟に調整していくことが大切です。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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