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認定こども園は保育士資格のみだと働けない?幼保連携型の経過措置や特例

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「認定こども園は保育士資格のみで働けるのか」と知りたい方もいるのではないでしょうか。認定こども園の種類や担当するクラスによっては、保育士資格のみで働ける可能性があります。 この記事では、認定こども園で働く際に必要な資格を紹介します。ほかにも、保育士資格のみ保有している方が幼稚園教諭免許状を取得する際に利用できる特例を解説。保育士資格のみ保有する方が幼稚園教諭免許状を取得するメリットや、認定こども園で働くメリット・デメリットも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人

A

「レバウェル保育士」編集部

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認定こども園は保育士資格のみだと働けない?

以下のように、認定こども園は4つの種類があります。ここでは、施設の特徴と働く際に必要な資格を解説します。

認定こども園の種類 施設の特徴 働く際に必要な資格
幼保連携型 幼稚園と保育園両方の機能をあわせ持つ施設 保育教諭(幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方を保有する者)を配置。ただし、一定の経過措置により、いずれか一方のみで働けることがある
幼稚園型 認可幼稚園が保育時間を確保するなど、保育園的な機能を備えている 満3歳以上:幼稚園教諭と保育士資格を両方を有している保育教諭が望ましい

満3歳未満:保育士資格が必要

保育所型 保育が必要な子ども以外の子どもも受け入れるなど、認可保育園に幼稚園的な機能を備えている 満3歳以上:幼稚園教諭と保育士資格を両方を有している保育教諭が望ましい

満3歳未満:保育士資格が必要

地方裁量型 幼稚園・保育園いずれの認可もない地域の教育・保育施設が認定こども園として必要な機能を果たしている 満3歳以上:幼稚園教諭と保育士資格を両方を有している保育教諭が望ましい

満3歳未満:保育士資格が必要

認定こども園のうち、幼保連携型を除く幼稚園型・保育所型・地方裁量型で満3歳未満を担当する場合、保育士資格のみで働けます。満3歳以上を担当する場合は、幼稚園教諭と保育士資格を両方を有している保育教諭が望ましいとされています。
一方、幼保連携型の認定こども園では、保育士資格と幼稚園教諭免許状の両方を保有する保育教諭のみが働けると定められています。

ただし、職場によって必要な資格が異なる可能性もあるため、転職する際は募集要項を確認しましょう。

出典

こども家庭庁「認定こども園概要新規タブリンク」(2025年9月1日)
e-GOV法令検索「幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準新規タブリンク」(2025年9月1日)

幼保連携型の認定こども園勤務に関する資格の経過措置とは

幼保連携型の認定こども園で働く際には、原則として保育士資格と幼稚園教諭免許状を保有し、保育教諭になることが必要です。しかし、両方を保有する者に限ると人材を確保するのが難しいため、2030(令和12)年3月31日までは、幼稚園教諭免許状または保育士資格のいずれかを保有していれば、幼保連携型の認定こども園で勤務できるとされています。

出典

保育士資格のみの人向け幼稚園教諭免許状取得時の特例

以下の条件を満たすと、保育士資格を保有している方は特例を利用して幼稚園教諭免許状を取得できます

免許状の種類 基礎資格 保育士の実務経験 大学で修得が必要な最低単位数
幼稚園教諭一種免許状 学士の学位(4年制大学卒業)および保育士資格を有している 3年かつ4,320時間以上 8単位

(左記の実務経験に加え、幼保連携型認定こども園での保育教諭などとしての2年かつ2,880時間以上の実務経験を有する場合は、6単位)

幼稚園教諭二種免許状 保育士資格を有している 3年かつ4,320時間以上 8単位

(左記の実務経験に加え、幼保連携型認定こども園での保育教諭などとしての2年かつ2,880時間以上の実務経験を有する場合は、6単位)

上記の特例を利用すれば、幼稚園教諭免許状の取得にかかる時間や費用の負担を軽減できます。

前述しましたが、保育資格のみを保有している場合、2030(令和12)年3月31日が過ぎると、幼保連携型の認定こども園で働けなくなる可能性があります。現在、保育士資格のみを保有し、幼保連携型の認定こども園で勤務している方は、経過期間中に幼稚園教諭免許状を取得しておくと安心でしょう。

出典

保育士が幼稚園教諭免許状を取得するメリット

保育士が幼稚園教諭免許状を取得するメリットは、活躍できる幅が広がることです。保育士資格と幼稚園教諭免許状の両方を保有していると、保育園以外にも認定こども園や幼稚園などで働ける可能性があります。転職時に選べる求人の幅が広がり、希望条件にあった職場を探しやすくなるでしょう。

また、幼稚園教諭免許状を取得した時には、幼児教育や教員の役割などを学べるため知識を深めたりスキルアップにつながる点もメリットといえます。

保育士資格のみの人が認定こども園で働くメリット

保育士資格のみを保有する方が認定こども園で働くメリットは、幼児教育のスキルが身につき、保育園とは違った経験を積める可能性がある点です。ここでは、保育士資格のみの人が認定こども園で働くメリットを2つ紹介します。

幼児教育の知識やスキルが身につく

認定こども園で働くと幼児教育の知識を深め、スキルを身につけられる可能性がある点はメリットといえます。認定こども園によっては幼児教育に力を入れていたり、独自の教育法を取り入れたりする場合もあります。そのため、興味がある幼児教育や活動を実施している認定こども園を選ぶのも1つの方法です。幼児教育の知識や指導方法を身につけられれば、スキルアップに役立つでしょう。

保育園にはない行事やイベントを経験できることもある

認定こども園では、保育園にはない行事やイベントを経験できる場合もあります。たとえば、親子参加のイベントや地域との交流行事などがその例です。保育園ではなかった行事やイベントを経験できれば、新たな知識やスキルを身につけられる場合があります。

保育士資格のみの人が認定こども園で働くデメリット

ここでは、保育士資格のみの人が認定こども園で働くデメリットを2つ紹介します。デメリットも把握したうえで、認定こども園で働くかどうか検討しましょう。

行事やイベントの仕事量が増える

認定こども園で働くと、行事やイベントの仕事量が増える可能性があるのはデメリットといえるかもしれません。認定こども園は幼稚園の機能も備えているため、保育園に比べ行事やイベントの開催が多いこともあるようです。
行事の準備や運営などの業務を任される可能性もあり、保育園と比べて仕事量が多いと感じる可能性もあるでしょう。

経過措置後も働き続ける場合は幼稚園教諭免許状が必要

現在は人材を確保するために経過措置が設けられており、保育士資格または幼稚園教諭免許状のどちらかを保有していれば、幼保連携型の認定こども園で勤務可能です。しかし、経過措置が終わると、どちらかのみでは働けなくなる可能性があります。

そのため、保育士資格のみを保有している方が幼保連携型の認定こども園で働き続けるためには、経過措置の期間内に幼稚園教諭免許状を取得するのがおすすめです。
ただし、特例制度を利用すると取得にかかる負担を軽減できるものの、働きながら単位を取得するのは大変」と感じる方もいるかもしれません

保育士が認定こども園へ就職・転職する3つのコツ

保育士資格のみを保有している方が認定こども園へ就職・転職を目指す場合は、選考で幼児教育への理解を示したり、幼稚園教諭免許状を取得するのに前向きな姿勢を示すのがコツといえます。また、エージェントに相談するのもおすすめです。

ここでは、保育士のみを保有している方が認定こども園へ就職・転職するコツを3つ紹介します。

1.認定こども園の運営方針や幼児教育への理解・興味を示す

保育士資格のみを保有している方が認定こども園への就職・転職を目指す場合は、選考で運営方針や幼児教育への理解・興味をアピールしましょう。園によっては、幼児教育の指導ができる人材を探している場合があるためです。

保育士資格のみの場合は、幼児教育に携わった経験や知識が浅い点を懸念される可能性もあるため、理解や興味、意欲を示すのが重要といえます。認定こども園のホームページや求人情報などから運営方針や実施している幼児教育などを確認し理解を深め、選考対策の参考にしましょう。

2.幼稚園教諭免許状を取得する前向きな姿勢を示す

保育士資格のみの方が認定こども園の選考を受ける場合は、面接や応募書類などで幼稚園教諭免許状を取得する意欲を示しましょう。幼保連携型の認定こども園では、保育士資格のみだと経過措置が終了した後に働けなくなることがあるかもしれません。そのため、幼稚園教諭免許状を取得する意思がないと判断された場合、採用されない可能性があります。

幼稚園教諭免許状を取得するかどうか面接で聞かれることもあるため、前向きな姿勢や意欲を伝えられるように準備しましょう。

3.保育業界専門の就職・転職エージェントを利用する

保育士資格のみで働ける認定こども園の求人は探しにくい可能性もあるため、保育業界専門の就職・転職エージェントを利用するのもおすすめです。保育業界専門の就職・転職エージェントを利用すれば、希望条件をもとに求人を紹介してもらえるため、転職活動を効率的に進められるのがメリットといえます。

認定こども園の求人を探したい方は、保育業界専門の転職支援サービス「レバウェル保育士」へご相談ください。地域に特化した専任のアドバイザーが、希望条件をもとに求人をご紹介します。
取材訪問などを通じて運営方針や職場の雰囲気も情報収集しているため、初めて認定こども園で働く方も安心です。サービスはすべて無料のため、ぜひお気軽にご登録ください。

認定こども園に関するよくある質問

ここでは、認定こども園に関するよくある質問にQ&A形式で答えます。働く際に必要な資格について参考にしてください。

認定こども園でパートとして働く場合、必要な資格は?

求人によって必要な資格は異なりますが、パートやアルバイトなど非正規雇用の場合は無資格で働ける場合もあります。一般的に非正規雇用の場合はクラス担任や役職に就くことなく、保育補助などサポート的な役割が多いようです。もちろん、保育士資格や幼稚園教諭免許状を保有していれば、選考で有利になる可能性があるでしょう。

認定こども園の資格経過措置はいつまでに延長された?

2030(令和12)年3月31日までに延長されました。今後も変更される可能性があるため、厚生労働省や文部科学省などのホームページで常に最新情報を確認してください。

まとめ

認定こども園の種類や担当するクラスによっては、保育士資格のみで働けます。たとえば、幼稚園型や保育園型、地方裁量型の認定こども園において3歳未満の担当であれば、保育士資格のみで働ける場合もあります。また、幼保連携型の認定こども園においては、2030(令和12)年3月31日までであれば、保育士資格または幼稚園教諭免許状のいずれかを保有していれば働ける場合があります。

保育士資格のみの方は、条件を満たすと特例制度を利用して幼稚園教諭免許状を取得できます。特例を利用すると、幼稚園教諭免許状の取得にかかる時間や費用などの負担を減らせるのがメリットです。

保育士資格のみ保有する方が認定こども園で働くメリットは、幼児教育の知識やスキルを身につけられる可能性がある点といえます。ただし、認定こども園によっては、保育園よりも行事やイベントが多く、仕事量が多いと感じる場合もあるようです。

保育士資格のみで認定こども園への就職・転職を目指す場合は、選考で幼稚園教諭免許状を取得する意欲を示したり、転職エージェントに相談したりしてみましょう。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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