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児童指導員の資格はなくなるって本当?需要や将来性について解説!

  • #児童指導員
学習支援をする女性の画像

「児童指導員の資格がなくなる」という噂を耳にして、不安に思っている方もいるかもしれません。もし、資格がなくなってしまったら、今の仕事や将来のキャリアはどうなるのか、心配になりますよね。この記事では、噂の真偽や、なぜそのような誤解が広まったのかを解説します。児童指導員の需要や将来性についても触れるので、現在資格をお持ちの方はもちろん、これから取得を目指す方も、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を書いた人

A

「レバウェル保育士」編集部

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児童指導員の資格がなくなるって本当?

ここでは、「児童指導員の資格がなくなる」という噂の真相について解説します。誤解が広まった背景や現行制度の概要にも触れるので、ぜひお役立てください。

児童指導員の任用資格が廃止される予定はない

児童指導員とは、主に児童福祉施設で子どもたちの日常生活や成長を支え、自立を援助する専門職です。一部で「児童指導員の任用資格が廃止される」との誤った情報が広まっていますが、2025年8月現在、資格は有効であり、制度の廃止も予定されていません

今後も児童福祉分野で重要な役割を担う職種として存続が見込まれているので、安心してください。ただし、将来的に制度が見直される可能性も否定できないため、最新情報はこまめに確認することをおすすめします。

出典

職業情報提供サイト(job tag)「児童指導員新規タブリンク」(2025年8月27日)

配置加算の廃止により誤解が生まれたと考えられる

「児童指導員の資格がなくなる」という誤解が生じたのは、2021年度の障害福祉サービス等報酬改定による加算制度の見直しが原因と考えられます。このとき、「児童指導員等配置加算」が廃止され、「児童指導員等加配加算」の一部が見直されました。

この制度改正の内容が十分に伝わらず、資格制度そのものがなくなると誤解されてしまったようです。実際には、報酬の仕組みに関する見直しであり、児童指導員の資格制度の廃止とは関係ありません。報酬改定は、より良いサービスを提供し続けるために定期的に行われているものです。

出典

厚生労働省「令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の概要新規タブリンク」(2025年8月27日)

児童指導員の資格がなくなると現場はどうなる?

児童指導員は、子どもたちの日常生活の援助や自立支援などを担う、社会にとってなくてはならない存在です。児童指導員の資格がなくなった場合、児童福祉施設などの運営に悪影響が出る可能性があります。たとえば、障がいのある子どもや支援が必要な子どもを受け入れる体制が不十分になったり、支援の質が低下したりすることが考えられるでしょう

ただし、繰り返しになりますが、現時点で児童指導員の資格制度が廃止される予定はありません。むしろ、児童福祉の現場ではより高い知識や技術が求められており、児童指導員の重要性は増しています。

児童指導員の資格が今後も必要とされる4つの理由

ここでは、児童指導員の資格がなぜこれからも求められるのか、4つの理由に分けて解説します。児童指導員を取り巻く現状や社会のニーズの変化について知りたい方にも参考になるはずです。

1.児童指導員の需要は増え続けているため

子どもや家庭を取り巻く環境が複雑化している中、児童指導員の需要は着実に高まっています。こども家庭庁の「障害児支援施策について(p14)新規タブリンク」によると、放課後等デイサービスや児童発達支援の利用者数は年々増加しており、人材の確保が課題となっています。

実際、職業情報提供サイト(job tag)「児童指導員新規タブリンク」では、ハローワーク求人統計データの有効求人倍率(2024年度)が4.88倍と非常に高く、児童指導員がいかに求められているかが分かるでしょう。

出典

こども家庭庁「障害児支援施策について新規タブリンク」(2025年8月27日)
職業情報提供サイト(job tag)「児童指導員新規タブリンク」(2025年8月27日)

2.施設によっては配置が義務化されているため

児童養護施設・障害児入所施設・児童発達支援センターなどの児童福祉施設や、放課後等デイサービスといった福祉サービスでは、児童指導員または保育士の配置が法律で義務づけられています。これらの配置基準は児童福祉法に基づくもので、時間をかけて議論されるため、簡単に変更されるものではありません。法的に配置が必要とされている以上、児童指導員の資格が完全になくなるとは考えにくいでしょう

3.2024年度の報酬改定で評価体制が見直されたため

2024年度の障害福祉サービス等報酬改定により、児童指導員の評価方法が大幅に見直されました。これまでは一律に評価されていた「児童指導員等加配加算」が、配置形態(常勤・非常勤など)や経験年数に応じて評価する体制へと変更されたのです。

この背景には、経験豊富な人材を適切に評価・活用し、より専門性の高い支援体制を構築する狙いがあります。算定要件が変わったことで、事業者側も児童指導員が長く働けるような環境作りに力を入れ、より安定した事業運営を目指すようになるでしょう。

出典

厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要新規タブリンク」(2025年8月27日)

4.AIでは代替が難しい専門的な仕事のため

近年、AI技術の急速な進歩により、「人の仕事が奪われるのではないか」という不安の声も聞かれるようになりました。あらゆる分野でAIの導入が進んでいますが、児童指導員の仕事はAIでは簡単に代替できない専門性の高い職種です

確かに、AIを活用して事務作業を効率化するなど、一部の業務を補助させることは可能でしょう。しかし、児童指導員には、子ども一人ひとりの状況やニーズを的確に理解し、柔軟に対応する力が求められます。子どもとの信頼関係を築き心に寄り添うためには、高いコミュニケーション能力や共感力が必要です。こうした人間特有の力は、AIには再現が難しく、代替するのは現実的ではないと考えられます。

児童指導員の任用資格を取得する方法

職業情報提供サイト(job tag)「児童指導員新規タブリンク」によると、児童指導員として働くには、以下のいずれかの条件を満たし、任用資格を取得する必要があります

1 4年制大学や通信制大学などで社会福祉学・心理学・教育学・社会学を専修する学部・学科を卒業すること
2 社会福祉士・精神保健福祉士のいずれかの資格を取得していること
3 高校もしくは中等教育学校を卒業し、2年以上児童福祉事業に従事すること
4 3年以上児童福祉事業に従事し、厚生労働大臣または都道府県知事から認定されること
5 幼稚園教諭・小中学校・高等学校の教員免許を所有しており、厚生労働大臣または都道府県知事から認定されること

参照:職業情報提供サイト(job tag)「児童指導員新規タブリンク

任用資格を取得したあとは、希望する施設の採用試験に合格するか、自治体などが運営する施設で働く場合は公務員試験に合格することで児童指導員として勤務できます。また、無資格から応募できる求人を探し、補助的な立場で現場経験を積みながら、任用資格の取得を目指すのも手です。

出典

職業情報提供サイト(job tag)「児童指導員新規タブリンク」(2025年8月27日)

将来性を考えるなら保育士資格の取得もおすすめ

資格の汎用性や将来性を考えるなら、保育士資格の取得を視野に入れるのもおすすめです。児童指導員は任用資格であり、実際に施設で勤務している間しか名乗れません。一方、保育士は国家資格のため、一度取得すれば資格を継続して保有できます。保育士になると児童福祉施設に限らず、保育関連施設も就職・転職の選択肢に入るため、活躍の場が広がりやすいといえるでしょう

子どもに関わる仕事に就くためには、児童指導員や保育士のほかにも複数の資格や方法があります。自身の適性や将来像を踏まえ、自分にぴったりの道を見つけることが大切です。

「児童指導員の資格はなくなるの?」と気になる人によくある質問

ここでは、「児童指導員の資格はなくなるの?」と気になる人によくある質問を紹介します。

児童指導員の給料が今後改善される見込みはありますか?

現在、政府は福祉・介護分野の人材確保を目的に、処遇改善に向けた施策を進めています。「福祉・介護職員等処遇改善加算」では、制度の一本化や加算率の引上げといった見直しが行われており、現場に広く浸透すれば、給与の底上げにつながる可能性があるでしょう。ただし、施設によって労働環境には差があるので、就職や転職を検討する際は、職場の内部事情を十分に把握することが大切です。

出典

児童指導員に向いていないのはどのような人ですか?

児童指導員は、子どもたちとの信頼関係を築くために、一人ひとりに寄り添う柔軟性や長い目で見守る忍耐力が求められる仕事です。そのため、「子どもとの関わりに苦手意識がある」「決まったやり方でないと不安を感じる」「感情の波が大きい」「すぐに結果を求める」「自己の成長や学びに消極的」などの特徴がある場合は、難しいと感じられるかもしれません。

児童指導員と指導員の支援内容に違いはありますか?

児童指導員と指導員の仕事内容に明確な違いはありません。ただし、児童指導員は任用資格が必須であるのに対し、指導員は資格や経験がなくても働けます。そのため、未経験者が指導員として採用され、児童指導員の補助を行うこともあるようです。就職・転職活動では、児童指導員の資格を持つほうが有利な傾向にありますが、人材確保の観点から資格の有無を問わず広く募集している事業所もあります。

放課後等デイサービスや児童養護施設での仕事内容を教えてください

放課後等デイサービスで働く児童指導員は、障がいのある子どもたちに対して、放課後や休日、長期休暇中に個別支援計画に基づいた発達支援を提供します。一方、児童養護施設で働く児童指導員は、保護者に代わって子どもたちの生活全般を支え、日常生活の支援や学習指導などを通じて自立をサポートすることが主な役割です。

まとめ

「児童指導員の資格がなくなる」という情報は誤りであり、2025年8月現在、制度廃止の予定はありません。むしろ、児童指導員の役割はますます重要になっており、支援の質を高めるために、経験豊富な人材を正しく評価・活用できるような環境作りが進められています。AIでは代替が難しい専門性の高い職種であることからも、児童指導員は今後も社会から必要とされるでしょう。

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執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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