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子持ちの保育士正社員はきつい…抱えやすい悩みと負担を軽減する働き方
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子持ちの正社員保育士として働くなかで、「仕事と育児を両立できるか不安」と感じる方もいるのではないでしょうか。子どもの急な体調不良や送迎の調整、家庭との両立に頭を悩ませる日々に、限界を感じてしまうこともあるかもしれません。この記事では、子持ちの正社員保育士が抱えやすい悩みと対策、働きやすい職場の特徴や見極め方について解説します。今後のキャリアを見直したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
子持ちの正社員保育士が育児との両立で抱えやすい悩み
子持ちの正社員保育士は、仕事と子育ての両立において、さまざまな悩みに直面する場合があるでしょう。代表的なものとしては、以下のような悩みが挙げられます。
自分の子どもを預けられない問題
子どもの急な発熱で休むときの罪悪感
仕事の多忙で家事・育児に手が回らない
仕事でも家庭でも保育に追われる日々
子どもの送迎と合わないシフト勤務
職場ではプロとしての責任を求められ、家庭では親としての役割があり、どちらも手を抜けない状況に「きつい」と感じることもあるでしょう。長く保育の現場で活躍するためには、自分の考えや環境に合った働き方を模索することが必要です。
子持ちの正社員保育士が負担を軽減する方法
仕事と子育てを両立させるためには、無理をし過ぎず、自分に合った働き方を見つけることが大切です。ここでは、子育て中の保育士が負担を減らし、長く仕事を続けるための具体的な方法を紹介します。
家族のサポートを得る
頼れる家族やパートナーがいる場合は、一人で抱え込まずに協力を得ることも大切です。たとえば、「今週の夕食づくりは担当するから、お風呂や寝かしつけはお願いね」「今週は早番だから、朝の準備と保育園の送りを任せるね」のように、家事や育児の役割分担について話し合ってみましょう。「子育てのチーム」としてお互いに協力し合うことで、自身の負担を軽減することができます。
職場にシフトを調整してもらえないか相談する
子育てと仕事を両立するためには、勤務先の園に協力を得ながら、自分に合った働き方を考えて希望に近づけることが大切です。ライフスタイルに合ったシフトに調整できるか、まずは勤務先の園に相談してみましょう。
たとえば、子どもの登園・降園のタイミングと勤務時間が被らないように調整してもらえれば、気持ちにゆとりを持って働けます。保育士の仕事はシフト制が多いため、自分の子どもの送迎時間と勤務時間が合わないという悩みを抱えやすいですが、園に相談することで解決できる場合もあるでしょう。また、保育園選びの段階で「シフト相談可」の求人を優先的に探すのも、ミスマッチを防ぐ方法の1つです。
子どもの病気時に病児保育サービスを活用する
子どもの急な発熱や体調不良の場合に備え、病児保育やファミリーサポートなどのサービスを事前に登録しておくのもおすすめです。病児保育やファミリーサポートは、子どもが病気で通常の保育施設に預けられない際に一時的に預けたり、送迎を依頼できたりするサービスです。
仕事を休まずに子どもの看病ができる体制を整えておくことで、急な事態にも落ち着いて対応できるようになります。居住先の市区町村がどのようなサポート制度を設けているのか、事前に調べておきましょう。
ベビーシッターや家事代行など外部サービスを頼る
家事や育児を一人で抱え込まず、ベビーシッターや家事代行といった外部サービスを頼ることも大切です。「苦手なこと」や「手が回らないこと」はプロに任せて効率化を図るという選択肢もあります。
たとえば、ベビーシッターに子どもを預けて自分の時間をつくったり、家事代行サービスを利用して掃除や料理の負担を減らしたりできます。外部サービスを活用することで時間や心にゆとりが生まれ、仕事や育児に対して前向きに取り組めるようになるでしょう。
時短家電や便利グッズで家事の時間を短縮する
毎日の家事の負担を減らすために、時短家電や便利なグッズを積極的に導入するのも1つの方法です。たとえば、食洗機や乾燥機付き洗濯機、ロボット掃除機などを活用すれば、家事にかかる時間を削減できます。
子育てと仕事に追われるなかで、家事の負担まで抱え過ぎてしまうと、心身に余裕がなくなりストレスも溜まりがちです。家のことすべてを一人で抱え込まず、実践できる工夫で負担を軽減しながら、子どもと触れ合う時間や自分自身のリフレッシュの時間をつくりましょう。
完璧を目指さず余裕を持って対応する
完璧にこなそうと頑張り過ぎず、「できる範囲でやる」と気持ちに余裕を持つことが大切です。たとえば、手作りの食事を用意するのが難しい日はレトルトや冷凍食品に頼る、部屋の隅に少しほこりが溜まっていても気にしないようにするなど、ときには手抜きをすることも必要だと考えましょう。
仕事や家事、育児のすべてを完璧にこなそうとすると、やがて心身の疲労につながってしまいます。多少手を抜いても良いという考え方を持つことで、気持ちが楽になり、子どもや家族に優しく接することができるようにもなるでしょう。「家庭で頑張り過ぎない」工夫をすることで、オンオフの切り替えが円滑になり、仕事により集中できるというメリットもあります。
子持ちの保育士が正社員で働きやすい職場の特徴
働く保育士ママさんの悩みに理解があり、サポート体制が整っている園であれば、心にゆとりを持って仕事に取り組めます。ここでは、子持ちの保育士がフルタイムで働きやすい園の特徴をまとめました。
保育士の配置に余裕がある
子持ち保育士が働きやすい園は、保育士の配置に余裕があることが多いです。たとえば、保育士が基準より多く配置されている園では、子どもの都合で急に休むことになっても、シフトを代わってもらったり、ほかの先生に業務をカバーしてもらったりしやすいでしょう。
人手が比較的充足している園なら、「自分が休むとほかの先生に迷惑をかけてしまう」といった罪悪感も軽減できるかもしれません。また、フリー保育士や保育補助を雇用しているかどうかも、余裕のある体制が整っているかを見極めるポイントの1つです。
持ち帰り仕事が禁止されている
子育て中の保育士が働きやすい園は、持ち帰り仕事が禁止されている傾向にあります。一般的に正社員はパートより業務範囲が広いため、持ち帰り仕事が発生することもあるでしょう。勤務時間内に仕事が終わる環境であれば、退勤後すぐに家庭に気持ちを切り替えられ、子どもとの時間をしっかり確保できます。
また、持ち帰り仕事をなくすために、複数担任制を取って業務を分担したり、ICTツールを導入して書類作成を効率化したりと、さまざまな工夫をしている園もあります。業務効率化を意識している園であれば、心にゆとりを持って仕事にも育児にも取り組めるでしょう。
育児と仕事を両立している保育士が多い
実際に育休から復帰し、仕事と子育てを両立している保育士が多く在籍している職場は、子育への理解が深いといえます。お互いの状況を理解しているため、子どもの急な発熱でも「お互い様」という雰囲気で助け合えるからです。そのような園では、勤務時間やシフトについても相談しやすいでしょう。また、子育ての悩みを共有できる仲間がいることは、子持ちの保育士にとって精神的な安心感にもつながります。
自宅から近い
子持ちの保育士が働きやすい園として、自宅から近いという特徴も挙げられます。通勤時間が短いほど、家事や育児、自分のために使える時間を確保しやすいでしょう。たとえば、片道30分の通勤が10分になれば、往復で40分の時間を節約できます。その時間を夕食の準備や子どもとの触れ合いにあてることで、家庭も仕事も充実しやすくなるでしょう。
園児や保護者と自宅の近くで出くわす可能性はありますが、時間を効率よく使いたい方にとっては適しています。
自分の子どもを預けられる
園によっては福利厚生として、自分の子どもを預けられる場合もあります。勤務先の園に子どもを預けられれば、送迎にかかる時間がなくなり、時間を効率よく使えるのはもちろん、常に子どもの様子を把握できるので安心です。
また、子どもの急な体調不良、怪我などが発生した際は、職場と連携をとりながらスムーズに対応できるというメリットがあります。正社員として長く働き続けたいと考える保育士にとって、重要なポイントといえるでしょう。
子持ちの保育士が働きやすい職場を見極める方法
仕事と家庭を無理なく両立させるためには、職場の制度だけでなく、実際の働きやすさや雰囲気も大切です。ここでは、子持ちの保育士が柔軟に安心して働ける職場を見極めるポイントについて、詳しく解説していきます。
面接・保育園見学で職場の雰囲気を直接確認する
子育てと仕事を両立できる園かどうか、面接や園の見学で職場の雰囲気を直接確認してみるのも良い方法です。求人票の情報だけでは、子育てへの理解度や実際の働きやすさまでは分かりません。働いている保育士の表情に余裕があるか、子育て中の保育士がいるかなどを確認してみましょう。職員同士がお互いの状況を理解し、協力し合う園であれば、いざというときも安心して頼れます。
また、面接の際には「子どもの急な発熱時の対応」や「子育て中の先生の働き方」について、具体的に質問してみるのも良いかもしれません。
転職エージェントに職場の情報を聞く
一人で情報収集するのが難しい場合は、転職エージェントを利用するのも1つの方法です。転職エージェントは、多くの園と頻繁にやり取りをしているため、求人票には載っていない職場の雰囲気や人間関係といった多くの情報を取り扱っています。
また、希望するシフトや勤務時間といった条件交渉を、代わりに行ってくれる場合もあります。子育てに配慮してくれる園もあるので、応募する前に転職エージェントに一度相談してみてはいかがでしょうか。
子持ちの保育士には正社員・パート・派遣どの働き方がベスト?
正社員・パート・派遣にはそれぞれ異なる特徴があり、どの働き方がベストかは、ライフスタイルやキャリアプランによって変わります。ここでは、それぞれの働き方のメリット・デメリットを比較し、自身に合った働き方を見つけるためのヒントをみていきましょう。
正社員保育士
正社員保育士は、一般的にフルタイム勤務であり、長期雇用が前提となる働き方です。パートや派遣に比べて給与やボーナスが高く、安定した収入やキャリアアップを目指せる点がメリットといえるでしょう。また、担任を受け持つことが多く、主任や園長といった役職へのキャリアアップを目指すことも可能です。
一方で、パートや派遣に比べると、時間的・精神的な負担が大きくなる傾向にあります。早番・遅番などのシフト勤務や残業、持ち帰り仕事が発生しやすく、プライベートの時間を十分に確保できない場合もあるでしょう。業務の責任が大きくなるため、勤務時間外でも仕事のことを考えてしまい、心身ともに休まらない状況に陥りやすいというデメリットもあります。経済的な安定を重視し、キャリアアップを目指したい人や、責任ある仕事にやりがいを感じる方におすすめです。
パート保育士
パート保育士は、勤務時間や勤務日数を柔軟に調整しやすい働き方です。たとえば午前中だけ、あるいは週に数日など、自分のライフスタイルに合わせて勤務時間や勤務日数を調整しやすい点がメリットでしょう。
一方で、パート保育士は正社員のような安定した収入や福利厚生、キャリアアップは望みにくいというデメリットもあります。担任を持つ機会が少なく、仕事内容も正社員の補助が中心となるため、「やりがいが足りない」と感じる人もいるかもしれません。子育てや家事と両立したい人、扶養内で働きたい人、ブランクから少しずつ現場に慣れていきたい人におすすめです。
派遣保育士
派遣保育士は、派遣会社に雇用され、基本的に契約期間が決まっている働き方です。パートと比較すると時給が高い傾向があり、派遣会社の担当者が間に入ってくれるため、保育園の人間関係に深く関わらずに働きたい方にとってメリットといえるでしょう。
一方、ボーナスがない場合も多く、年収は正社員より低くなる傾向があります。また、厚生労働省の「派遣で働くときに特に知っておきたいこと(p.4)」によると、同じ職場で働ける期間は原則として最長3年と定められています。長期的なキャリア形成を目指す方にとっては、デメリットに感じるかもしれません。色々な園を経験したい人、人間関係に悩まず働きたい人、ワークライフバランスを重視したい人におすすめです。
出典
厚生労働省「労働者派遣事業について」(2025年8月15日)
子持ちの保育士正社員についてよくある質問
ここでは、子持ちの保育士正社員に関する質問にお答えします。ぜひ参考にしてみてください。
子育てをしながら保育士の仕事を続けるのは、やっぱり辛いですか?
子育てをしながら保育士の仕事を続けるのは、正社員であってもパートであっても、きついと感じる場面も少なくありません。仕事でも家庭でも子どもと向き合う生活は、心身ともに疲れてしまうこともあるでしょう。
しかし、仕事で得た知識が自分の子育てに役立ったり、子どもたちの成長から元気をもらえたりと、やりがいを感じる瞬間もたくさんあります。「働き方を見直す」「リフレッシュする時間を設ける」といった工夫次第で、改善できる場合もあるでしょう。
「保育士なのに自分の子育てが下手」と感じてしまいます。
「仕事と家庭は別物」と割り切ることも大切です。仕事では正社員という責任もありプロとして冷静に対応できても、自分の子どもにはつい感情的になってしまい、落ち込むこともあるかもしれません。
しかし、家庭と仕事では環境も心の余裕も違うため、落ち込み過ぎる必要はないでしょう。完璧を目指し過ぎず、つらいときには家族や外部サービスに頼ったり、自分を甘やかす時間をつくったりしながら、少しずつバランスを取っていきましょう。
まとめ
子育てをしながら正社員として働く保育士は、急な休みや子どもの送迎に不安を感じるかもしれません。子育てと仕事の両立をするには、子育てへの理解があり、保育士の配置に余裕がある園を選ぶことが大切です。そのような環境なら、急な休みでも周りのフォロー体制が整っているため、安心して働けるでしょう。また、家族の協力を得たり、病児保育などの外部サービスを活用したりすることもおすすめです。
福利厚生が充実している正社員は、経済的な安定やキャリアアップを目指せる魅力的な働き方ですが、完璧を目指し過ぎず、自身に合ったペースで働くことが、長く保育士を続ける秘訣といえるでしょう。
「子育てと両立できる園が見つからない」「子持ちでも本当に正社員としてやっていけるのか不安」という方は、保育士専門の転職エージェントであるレバウェル保育士にご相談ください。レバウェル保育士では、子育て中の状況を丁寧にヒアリングし、勤務時間や通勤距離など、希望に合った求人をご紹介します。家族との時間を大切にしながら、安心して働ける環境を一緒に見つけましょう。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。