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ワークライフバランスに悩む保育士必見!仕事と生活を両立する方法を紹介
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「保育士の仕事は好きだけど、プライベートな時間が少ない…」と、ワークライフバランスに悩んでいませんか?不規則なシフト勤務や残業、持ち帰り仕事の常態化により、仕事と私生活の両立が難しいと感じている方は少なくありません。この記事では、保育士がワークライフバランスを保ちにくい理由や対策を紹介します。業務効率化の工夫、働きやすい職場を見つけるためのポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
保育士がワークライフバランスを保ちにくい背景
保育士は園児対応だけでなく書類作成や行事準備などの事務業務も多く、持ち帰り業務が発生してしまう場合も少なくないでしょう。ここでは、保育士がワークライフバランスを保ちにくい背景について解説します。
不規則な勤務シフト
保育士の勤務時間は施設によって異なり、延長保育や夜間保育を行う園では不規則なシフト勤務が多い傾向があります。早番や遅番などのシフト制により、生活リズムが安定しにくく、身体への負担が大きくなってしまうこともあるでしょう。
また、シフトが直前まで確定しないケースもあり、プライベートの予定が立てにくい場合も多いです。友人との約束や家族行事など、個人の生活を充実させるための時間確保が難しくなったり、睡眠リズムが乱れやすくなったりすることもあります。こうした不安定な勤務形態が、保育士のワークライフバランスを難しくしている要因の1つといえるでしょう。
残業・持ち帰り仕事の常態化
保育記録の作成や翌日の準備、行事の計画立案といった保育士の仕事は、子どもたちが帰った後も続きます。そのため、勤務時間外の残業や自宅への持ち帰り仕事が常態化しやすい環境です。
また、行事前は準備に追われ、製作物の作成や練習のための環境づくりなど、目に見えない仕事が増加する傾向にあります。行事の事前準備は子どもたちがいない時間に行うことが多いため、残業が発生しやすく、仕事を自宅に持ち帰るケースも珍しくありません。
休暇が取りづらい環境
保育の現場では、「自分が休むと他の人に迷惑がかかる」「ただでさえ人手不足なのに休みづらい」といった気持ちから、体調不良や私用で休暇を取ることに罪悪感を覚える保育士も少なくありません。
特に小規模な保育施設では、限られた人数で業務にあたっているため、急な休みが取りにくい環境にあります。有給休暇があっても消化できなかったり、リフレッシュ休暇が形だけになってしまったりすることも珍しくありません。さらに、「保育士は子どもが好きで当然」「献身的であるべき」といった固定観念から、自分の時間を大切にすることに後ろめたさを感じる風潮も一部残っているでしょう。こうした心理的・環境的な要因が重なり、十分な休息が取りづらい状況が生まれてしまうようです。
家庭・育児との両立の負荷
保育士自身が自分の子育てをしながら働く場合、業務以外の負担が増してワークライフバランスを保つことが難しくなります。日中はほかの子どもたちを保育する仕事に全力を注ぎ、帰宅後は自分の子どもの育児を担うという、二重の責任が生じるためです。
保育園の勤務時間と自分の子どもの送迎時間が重なることも多く、家族のサポートがなければ働き続けるのが難しいケースもあります。また、子どもが急に熱を出したとき、仕事を休むことに職場の理解を得にくいと、常に緊張感を抱えながら働くことになるでしょう。こうした状況が、保育士のワークライフバランスをさらに難しくしているといえます。
ワークライフバランスが乱れると生活にどんな影響が出るの?
仕事とプライベートのバランスが崩れ、長時間労働が続くと、保育士の生活にはさまざまな悪影響が出てしまいます。ここでは、ワークライフバランスが乱れた際に起こりうる影響を見ていきましょう。
心身の健康を損なう
ワークライフバランスが崩れ、仕事中心の生活が続くと、心身の健康を損なう可能性があります。身体面では、慢性的な疲労感や睡眠不足、頭痛や肩こりといった症状が出やすいです。抱っこや体を使う遊びなど身体的な負担も大きいため、肩こりや腰痛の症状が出る方もいるでしょう。精神面では、常に時間に追われる状況が続くことでストレスがたまり、イライラや不安感、集中力の低下につながります。
また、リラックスする時間がなく、常に仕事のことを考えている状態が続くと、脳がリフレッシュする機会を失ってしまいます。そうなると、創造性や問題解決能力も低下しかねません。心身の健康は保育の質にも関わるため、適切な休息と気分転換は保育士にとって必要不可欠といえるでしょう。
家庭生活に悪影響が出る
同居している家族がいる場合、ワークライフバランスの乱れは、家庭生活にも影響を及ぼします。家事や育児、介護の負担がパートナーに偏ってしまうと、それが不満やトラブルの原因になり、家庭内の雰囲気が悪化してしまうことも。家族と過ごす時間が減ることで、コミュニケーションが不足し、お互いの関係が希薄になってしまう恐れもあるでしょう。
また、子育て中の保育士にとっては、自分の子どもと向き合う余裕がなくなり、「ほかの子どもの面倒は見ているのに、自分の子どもにはイライラしてしまう」という罪悪感に苦しむこともあります。長期的には、「仕事と家庭のどちらも中途半端」という自己評価の低下につながり、精神的な負担がさらに増すという悪循環に陥りやすくなります。
キャリアの継続が難しくなる
ワークライフバランスが乱れた状態が続くと、長期的には保育士としてのキャリア継続自体が難しくなる可能性も。心身の疲労がたまると、保育への情熱や子どもとの関わりを楽しむ余裕が失われ、「この仕事を続けられるだろうか」という不安や迷いが生じるでしょう。
また、現状をこなすだけで精一杯になり、成長する機会を逃してしまうことでキャリアに影響を及ぼす場合もあります。結果として、「やりがい」よりも「負担感」が上回り、保育の仕事から離れる人も少なくありません。保育士不足が深刻な現在、経験豊富な保育士が現場を去ることは、業界全体の損失にもつながります。ワークライフバランスを維持することは、個人の問題だけでなく、保育の質と持続可能性を支える課題の1つともいえるでしょう。
保育士がワークライフバランスを守る方法
保育士の仕事はやりがいがある一方で、心身ともに大きな負担がかかることがあります。ここでは、ワークライフバランスを守り、無理なく働き続けるための方法をまとめました。
業務を効率化して残業を減らす
まずは日々の業務を洗い出し、時間がかかっている作業を特定しましょう。業務の優先順位を明確にして計画を立てたり、「今日中に必ずやるべきこと」と「明日に回せること」を区別したりする習慣も大切です。毎日のToDoリストを作成し、完了したタスクをチェックしていくことで、仕事の見通しが立ちやすくなります。
また、連絡帳の記入は「アプリを活用する」「あらかじめ定型文を用意する」といった工夫で時間短縮できます。製作物の準備はシンプルなものを選び、子どもたちと一緒に作る時間を増やすのもおすすめです。さらに、同僚と協力して「得意・不得意」を共有し、互いの強みを活かした役割分担をすることで、チーム全体の効率が上がります。「一人で抱え込まない」という意識を持ち、保育士同士で助け合える職場環境づくりを心掛けましょう。
生活習慣を整えて自由時間を増やす
仕事の効率化と並行して、プライベートの時間の質も高める工夫が必要です。仕事が忙しいと、業務時間外はついなんとなく過ごしてしまいがちですが、意識的に時間を管理することで、プライベートの充実度を高められます。
たとえば、起床時間と就寝時間を一定に保って心身のバランスを整えたり、休日の予定を立てて気分をリフレッシュしたりするのも効果的です。朝の時間を有効活用して、「自分のための時間」を作るのも良いでしょう。また、月に一度は自分へのご褒美デーを設け、好きなことに時間を使う習慣をつけると、仕事へのモチベーションも上がります。
家族に家事や育児の面で協力してもらう
パートナーや家族に家事や育児の支援を相談して協力してもらいましょう。特に子育て中の保育士にとって、家庭内での役割分担は重要です。「保育のプロだから家のことも完璧にこなすべき」という考えは捨て、助けを求めることも大切なスキルだと捉えましょう。
また、子どもが小さい場合は、一時保育やファミリーサポートなどの外部サービスの活用を検討するのもおすすめです。日常の中でほんの少しでも「自分の時間」を確保できるようになると、家族と過ごす時間も、より充実したものになります。
今の職場でパートへの切り替えを検討する
現在の職場でワークライフバランスに悩んでいるなら、正社員からパートへの切り替えを検討するのも1つの方法です。勤務時間や日数を減らしたり、固定シフトにしてもらったりすることで、心身の負担を軽減できます。慣れた職場で働き方を調整できれば、人間関係や業務内容に悩むことなく、無理なく仕事を続けられるでしょう。
現職場でのパート転換を希望する場合は、まずは園長や主任に相談してみましょう。自分の状況を率直に伝え、「保育士としてのキャリアを続けたい」という意思を示すことで、園側も柔軟な対応を検討してくれる可能性があります。
ワークライフバランスを取りやすい保育園へ転職する
現在の職場では働き方の改善が難しいと感じるなら、ワークライフバランスを重視している保育園への転職も視野に入れてみましょう。近年は保育士不足を背景に、職員の働きやすさに配慮した園も増えています。転職を検討する際は、以下のポイントに注目して求人を探してみてください。
残業の有無や持ち帰り仕事の状況
有給休暇の取得率
産休や育休の取得実績
ICT化の導入状況
行事の規模や頻度
また、可能なら職場見学も行いましょう。実際に働いている保育士の表情や雰囲気から、職場環境を判断しやすくなります。
転職によって通勤時間が短縮されたり、持ち帰り仕事が減ったりすることで、生活の質が向上するケースも少なくありません。自分らしく長く働き続けるための環境を積極的に探してみましょう。転職エージェントなどを活用すれば、希望に合った働きやすい園をさらに見つけやすくなります。
保育士がワークライフバランスを確保しやすい職場の特徴
仕事とプライベートのバランスを保ちながら、保育士として長く活躍したいと考えるなら、ワークライフバランスを重視している職場を選ぶことが大切です。ここでは、働きやすい保育園を見極めるためのポイントを紹介します。
勤務時間が徹底的に管理されている
ワークライフバランスを守るためには、まず勤務時間の管理や有給休暇の取得に対する意識が高い園を選ぶことが重要です。タイムカードや勤怠システムで勤務時間をしっかり管理し、過度な残業や持ち帰り仕事をしないよう、園全体で取り組んでいるか確認してみましょう。中には、持ち帰り仕事を原則禁止している園もあります。
さらに、「ノー残業デー」の設定や、18時以降の会議を行わないなどのルールを明確にしている園もあるようです。こうした取り組みは、「暗黙の残業」や「サービス残業」といった慣習を防ぎ、メリハリのある働き方を実現してくれます。保育士が自分の時間を確保しやすく、長期的に働き続けられる環境が整っているといえるでしょう。
ICTの導入で業務の効率化が進められている
ICT(情報通信技術)を積極的に導入している園は、業務効率化への意識が高いといえるでしょう。登園・降園記録のシステム化、連絡帳のアプリ化、書類テンプレートの活用など、手書きで行っていた事務作業がデジタル化されていると、保育士の事務負担は軽減されます。
このようなICT化により、書類に追われていた時間を保育や子どもとの関わりに充てることが可能になり、保育の質も自然と向上します。また、職員間での情報共有や保護者との連絡がスムーズになることで、チームワークや信頼感も高まるでしょう。
行事やイベントが少ない
年間行事が少ない園は、行事の準備にかかる業務が少ない分、業務量が比較的少ない傾向にあります。運動会やお遊戯会といった大きなイベントがない、あるいは簡略化されている園は、残業や持ち帰り仕事になりにくいため、ワークライフバランスを保ちやすいといえるでしょう。
たとえば、運動会と発表会を隔年で実施したり、季節の行事をシンプルな内容にまとめる工夫がされていたり、業務時間外の作業を減らしたりする取り組みを行っている園もあります。さらに、保護者参加型の行事を平日の短時間で実施するなど、働く保護者にも配慮したスケジュール設定も、職員の負担軽減につながります。
年間休日数が多い
求人票に記載されている年間休日数をしっかりチェックし、プライベートな時間を確保できる環境かを見極めましょう。「自分が休むと他の人に迷惑がかかる…」と、休暇の取得を遠慮してしまう保育士は少なくありませんが、年間休日数自体が多ければ、罪悪感を感じることなく休みやすいといえます。厚生労働省の「令和6年就労条件総合調査の概況(p.7)」によると、令和6年の年間休日総数の労働者1人平均は116.4日となっています。良好な職場環境を持つ園では、一般的な保育園よりも休日数が多く設定されている傾向があり、120日以上の休日を確保している園も少なくありません。
また、休暇の取得しやすさも重要なポイントです。有給休暇の計画的付与制度を導入し、職員が確実に休みを取れるよう配慮している園や、夏季・冬季の特別休暇を設けている園もあります。余裕のある休日設定は、職員の心身の健康維持だけでなく、モチベーションの向上や離職防止にもつながります。求人情報で年間休日数をチェックし、可能であれば実際の有給取得率も確認してみると、職場の本当の状況が分かるでしょう。
出典
厚生労働省「令和6年就労条件総合調査 結果の概況」(2025年7月28日)
保育士の表情や対応に余裕がある
求人票やホームページだけでは分からない職場の雰囲気は、見学に行った際の保育士の様子から感じ取れます。実際に働いている保育士が疲弊していないか、明るく余裕のある表情で子どもたちと関わっているかなど、ぜひ自身の目で確かめてみてください。ワークライフバランスの取れた園では、保育士が笑顔で子どもと関わり、保護者対応にも余裕が感じられます。また、職員同士のコミュニケーションが活発で、アドバイスや相談が自然に行われている様子も見られるでしょう。見学時には現場の保育士に質問し、実際の働き方や職場の雰囲気について聞いてみることをおすすめします。
パートや派遣の保育士として働く
雇用形態を変えることで、ワークライフバランスを改善する方法もあります。たとえば、パート保育士では勤務時間・日数を自分のライフスタイルに合わせやすく、担任を任されることは少ないため、正社員に比べて責任の重さが軽くなる傾向にあります。業務範囲が限られることで、仕事と家庭・育児との両立もしやすくなるでしょう。
また、派遣保育士は時給がパートより高い傾向にあり、正社員より残業や持ち帰り業務が少ないというメリットがあります。契約時に勤務条件を明確に設定できるため、定時で働きたい方や子育て中の方には適した働き方といえるでしょう。ただし、派遣の場合は同じ職場で3年を超えて勤務することは基本的にできません。「限られた期間で集中して働きたい」「保育士としてさまざまな職場を経験したい」といった希望がある方にはおすすめです。
ワークライフバランスを取れる保育士求人に詳しいのは転職エージェント
保育士専門の転職エージェントを利用することで、ワークライフバランスの取れた職場を効率的に見つけられます。エージェントは多数の保育園と取引があり、求人票には載っていない職場の内情や雰囲気を把握していることが多いです。「残業の実態」「休暇取得の状況」「職員間の人間関係」など、実際に働いてみないと分からない情報を提供してもらえます。
また、自分の希望を詳しく伝えたうえで、条件に合った求人を紹介してくれるため、自分では見つけられなかった好条件の職場と出会える可能性が高まります。たとえば土日休み・残業なし・転勤なしといった条件でも、エージェントを通じて見つかる場合もあるでしょう。さらに、面接対策や履歴書の添削、給与交渉のサポートまで受けられるため、転職活動がスムーズに進みます。保育士として長く働き続けるために、自分に合った環境を見つけるサポートを受けることも、ワークライフバランスの実現につながります。
保育士のワークライフバランスに関する質問
ここでは、保育士のワークライフバランスに関する質問にお答えします。ぜひ参考にしてみてください。
有給休暇を使うと「わがまま」と思われませんか?
有給休暇を取得することは、法律で認められた労働者の当然の権利であり、「わがまま」ではありません。心身をリフレッシュさせて質の高い保育を続けるために、有給休暇は不可欠です。職場の雰囲気を心配する気持ちも大切ですが、有給をきちんと取得することは、長く働き続けるために必要なことです。有給の取得を奨励している園も増えているので、安心して取得しましょう。
取得が不安な場合は、業務への影響を最小限にする調整や早めの申請など、職場との配慮あるコミュニケーションを心掛けると良いでしょう。自分の時間を確保しながら、安心して休みを取れる環境づくりにもつながります。
転職を考えているけど、どんな条件に注目すればいい?
転職を検討する際、まず重視したいのは「通勤時間」「勤務日数」「勤務時間」です。実際に多くの保育士がこれらを重要視しており、自分の生活リズムに合った園を選ぶことが、仕事と私生活の両立につながります。また、「給与や賞与」「雇用形態」は求人票でも明記されていることが多いので、事前にしっかり確認すると良いでしょう。気になる園では職場見学を申し込み、実際の環境をチェックするのがおすすめです。
派遣という働き方が気になっています。メリットや注意点は?
派遣保育士には、勤務時間や勤務地、時給などの希望条件を細かく設定できるメリットがあります。また、担任を持たない働き方が多く、責任の重さが軽減されるのも魅力です。一方で、同じ職場で働ける期間に制限があったり、ボーナスやキャリアアップの機会が正規雇用者より少ない点には注意してください。自分のライフスタイルに合わせて働き方を選びましょう。
まとめ
保育士にとってのワークライフバランスは、「仕事と私生活の両立」以上の意味を持つ重要なものです。心身ともに健康で元気に働くことが、子どもたちへの質の高い保育につながるでしょう。現在の職場環境に課題を感じる場合は、転職を検討するのも1つの選択肢です。
「このまま働き続けても、状況は変わらないかも…」と将来に不安を感じている方は、ぜひレバウェル保育士にご相談ください。レバウェル保育士では、年収や待遇を改善できる求人、福利厚生が手厚い職場など、あなたの希望に合った働きやすい園を多数ご紹介しています。「今の経験やスキルで、どんな働き方ができるのか知りたい」という方も、保育業界に精通したキャリアアドバイザーが、一人ひとりの状況に合わせて丁寧にサポートします。将来を見据えてキャリアを前向きに見直したい方は、ぜひ一度ご相談ください。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。