保育の仕事

最終更新日:

40代保育士が辞めたい理由とは?退職後のキャリア選択と転職のコツを解説!

  • #悩み
  • #保育士
頭を抱える保育士の画像

40代で「保育士を辞めたい」と悩んでいる方もいるかもしれません。体力的な負担や仕事のストレス、ライフステージの変化など、辞めたい理由はさまざまですが、40代で退職後のキャリアに悩む方も少なくないようです。 この記事では、40代保育士が辞めたい理由や、辞める前に考えておきたいポイント、転職を成功させるコツを解説します。自分に合った働き方や新たなキャリアに向けてのヒントを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士のお仕事探しならレバウェル保育士 登録する バナー

40代保育士が辞めたいと考える理由とは?

40代の保育士が転職を考える理由はさまざまです。転職のきっかけは人それぞれ異なりますが、代表的な理由を通じて「なぜ多くの40代保育士が辞めたいと考えるのか」を見ていきましょう。

体力の限界

40代になると、保育士の仕事において体力的な衰えを実感する場合もあるようです。保育士は長時間立ちっぱなしで動き回ったり、子どもたちを抱えたり、話す際にしゃがんだりして、足腰に負担がかかる場面も多いといえます。そのため、40代になると腰痛が悪化するケースも。若い頃は気力で乗り切れたことも、年齢を重ねるとつらく感じる場面があるようです。

最近では、フルタイム以外にも柔軟な働き方ができる選択肢が増えており、短時間勤務や派遣保育士など、自分の体力やライフスタイルに合わせた方法を探すことも可能です。現在保育士として正社員で働いている場合、パートで勤務するなど無理なく続けられる働き方を模索するのも1つの方法だといえます。

精神的な負担

40代の保育士が転職を考える理由の1つに、精神的な負担の増加が挙げられます。正職員として長年働いている場合、役職が上がり、管理職に近い立場に立つケースも増えるでしょう。上司や部下、ほかの保育士から寄せられる不満や意見にも対応しなければならないため、板挟みになり心身ともに疲弊してしまう場合もあるようです。
40代になると、こうした精神的なストレスが積み重なり、職場でのモチベーションが低下する場合も少なくありません。精神的に疲れると、仕事への情熱やエネルギーが奪われ、精神的な負担が大きくなり、転職を検討する原因になるケースも多いようです。

家庭や育児の両立

40代で保育士として勤務している場合、結婚や出産を経て育児やパートナーの転勤、親の介護など、さまざまな状況に直面することもあるでしょう。その結果、フルタイムでの勤務を続けるのが難しく、家庭とのバランスをとれなくなるケースも。
子育てや介護が重なると、保育士の仕事と家庭の両立が非常に難しくなり、生活の中で時間的な制約や精神的な負担が大きくなる場合もあります。こうした状況の中で退職したり、家庭やプライベートの変化に柔軟に対応できる職場環境を探し、転職を選択するケースは少なくありません。

人間関係の悩み

厚生労働省が発表した「保育士の現状と主な取組新規タブリンク」によると、保育士の約32.9%が30歳未満、25.6%が30代となっており、約6割を占めています。40代になると、園によっては自分が少数派となり、年齢差による疎外感や孤立感を感じるケースもあるようです。
また、年齢が上がるにつれて自分の役割や立場が変化し、若い世代とどう接するかに悩みを抱く場合も。自分の経験やスキルを尊重してほしい一方で、若い世代が主導する雰囲気や意見が強く反映される職場で働くことにストレスを感じる場合もあるでしょう。こうした環境に長く身を置くと、自然と人間関係での不満やストレスが積み重なり、転職を考えるきっかけになることも少なくありません。

出典

厚生労働省「保育士の現状と主な取組新規タブリンク」(2025年7月28日)

給料の停滞

保育士の給与は、他の業界と比べて高いとはいえません。新卒時は平均的な水準でも、昇給率が低い傾向にあるため、年齢を重ねて40代になり、給与の伸びに不満を感じる場合もあるでしょう。近年では、保育士の待遇を改善する制度「保育士等キャリアアップ研修」が導入されているものの、期待には応えきれていないケースも。仕事を続けるうえで給与は大きなモチベーションの1つとなりますが、期待したように給与が上がらない状況が続くと、転職を考えるきっかけとなるケースも少なくありません。

40代保育士が仕事を辞める前に考えたいポイント

退職を決断する前に、転職後に生活環境や家庭の状況などがどう変わるかをしっかりと考える必要があります。ここでは、仕事を辞める前に考えたいポイントについて解説します。

現在の勤務条件を見直す

40代の保育士が仕事を辞める前にまず考えるべきポイントは、「現在の勤務条件を見直すこと」です。給与や勤務時間、休日、仕事内容など、無理なく続けられる働き方に変更できないか、まずは現職で改善できる点を探りましょう。
勤務時間の短縮やパートタイム勤務への変更、職務の見直し、サポート体制の充実を求めると、今の仕事を続けやすくなる場合もあります。転職を決断する前に、まずは現状を改善する可能性を探ると、悩みが解決するケースもあるようです。

自分のキャリアプランを整理する

40代の保育士が仕事を辞める前に考えたいポイントとして「自分のキャリアプランを整理すること」が挙げられます。これまでの保育士としての経験を振り返り、今後どのようなキャリアを築きたいのかを明確にしましょう。
「保育士としてのスキルをさらに活かしたい」「異業種に転職したい」「ライフスタイルを重視して短時間勤務や在宅ワークを希望したい」など、自分の目指す方向性を明確にすると、転職先の選択肢が具体化するだけでなく、転職・退職するべきなのかを見極められるでしょう。

休職という選択肢も検討する

40代で保育士を辞めたいと感じるのは、長年仕事に打ち込んできたために、心身ともに疲労が蓄積しているのかもしれません。このような場合、辞職を急ぐのではなく、まずは求職を検討してみるのも有効です。

一時的に仕事から離れてしっかり休息を取り、リフレッシュしたり、家族と過ごす時間を増やしたり、自分の趣味や新たな興味に時間を充てたりすると、新しい視点や意欲が生まれる可能性もあります。休職期間を活用して今後のキャリアについてじっくり考えると、最適な道が見えてくるでしょう。

40代保育士が退職を決意したときのステップ

スムーズに退職を進めるためには、上司や園への報告から退職手続き、引き継ぎ業務など、適切なステップを踏むことが大切です。
また、職場や保護者との良好な関係を維持するためにも、感謝の気持ちを伝える姿勢を忘れないようにしましょう。ここでは、退職を決意した際に押さえておきたい基本的な流れを詳しく解説します。

ステップ1:上司や園への報告

「退職は何ヶ月前に伝えるべきか」と悩む方もいるかもしれませんが、法律上は民法の規定により退職の申し出をしてから原則14日経過すれば退職可能です。つまり、2週間前の申し出でも法律上は問題ありません。
しかし、保育士の場合、業務の引き継ぎや後任の採用に時間がかかるため、3ヶ月~半年ほど前には退職の意思を伝えるのが理想です。また、退職の意思を伝える際は、業務が落ち着く時間帯に人が少ない場所で行いましょう。

正式に決まっていない段階で保護者や他の職員に情報が漏れると、不安を与える可能性もあるので注意してください。トラブルを避けて円滑に退職するためにも、十分な準備期間を確保できるタイミングで退職を報告しましょう。

ステップ2:必要な退職手続き

退職が正式に決まったら、退職手続きを進めます。各種保険や年金の手続き、源泉徴収票の受け取りなど、忘れがちな事務手続きを確認しておきましょう。必要書類や提出期限については、事前に管理部門や上司に相談するとスムーズです。また、退職時に園に返却する必要があるものや、交付してもらうものについても事前に担当者に確認しておくと良いでしょう。

以下は、保育園に返却するものの一例です。

  • 健康保険証(職場で加入している場合)

  • 業務資料(マニュアルや個人情報が含まれる書類)

  • 社員証(IDカードなど)

  • セキュリティ関連(セキュリティーカードや鍵など)

  • 制服やエプロン(園から支給されている場合)

  • 備品関係(園から借りているパソコンやタブレットなど)

以下は、保育園から交付してもらうものの一例です。

  • 雇用保険被保険者証(転職先で必要)

  • 健康保険被保険者資格喪失証明書(国民健康保険に加入する際に必要)

  • 離職票(失業保険を申請する場合に必要)

  • 年金手帳または基礎年金番号通知書(再就職や手続き時に必要)

  • 源泉徴収票(確定申告や転職先で必要)

  • 退職証明書(必要な場合のみ)

これらを事前にリストアップし、返却漏れがないようにしましょう。

ステップ3:後任者への引き継ぎ

退職までの期間中は、後任者への引き継ぎを丁寧に行いましょう。引き継ぎ事項として、担任クラスの子どもの情報や保護者とのやり取りの記録、業務の進行状況などをまとめておくと、後任者に引き継ぎする際に役立ちます。40代保育士の場合、長年の経験を活かして後任者にアドバイスやサポートをするのも職場への貢献となるでしょう。

ステップ4:職場の指示に従って挨拶

退職日が近づいたら、最後にお世話になった同僚や保護者、子どもたちに感謝の気持ちを伝えましょう。保護者への挨拶は、お迎えの時間を利用して直接伝えるのが望ましいですが、難しい場合は連絡帳や手紙で対応するのも良いでしょう。
また、子どもたちにはわかりやすい言葉で話し、安心感を与えるよう心がけましょう。挨拶の内容やタイミングは、事前に園長や主任に相談し、職場のルールに従うと円満な退職につながります。

保育士を辞めたい40代が転職する際の選択肢

40代で保育士を辞めた後、「これから何をして過ごせばいいのか」と不安に感じる方も少なくありません。これまで長年続けてきた仕事を辞めると、生活リズムや自己の在り方が変わるため、次のステップをどう進めるべきか悩む場合もあるようです。ここでは、保育士を辞めた後に考えられる過ごし方や選択肢を紹介します。

保育園以外の職場で保育士資格を活かす

保育士資格を活かし、保育園以外の職場で働く選択肢を検討してみましょう。保育士資格は幅広い分野で需要があり、保育園以外の職場でも十分に活用できます。
たとえば、乳児院や児童養護施設、放課後等デイサービスや児童発達支援施設という環境では、これまでの保育経験を活かしながら新しい職場で働ける可能性も。保育園とは異なる働き方や子どもたちとの関わり方が求められるため、新たなやりがいやスキルの習得が期待できるでしょう。
また、市区町村の子育て支援センターや保育士養成学校の講師など、行政機関や保育関連の教育機関で働くと、保育士としての知識を地域や次世代に還元できるという魅力もあります。

異業種へ挑戦する

異業種への挑戦を検討するのも1つの選択肢です。異業種に転職すると、新しいことにチャレンジできる機会が増え、これまでとは違った目標ややりがいを見つけられるというメリットがあります
一方、40代での異業種転職は未経験者を歓迎する求人が限られている場合があり、経験者と比べて採用のハードルが高いと感じることもあるでしょう。自分がこれまで培ってきた保育士としての経験やスキルをどのように異業種で活かせるかを考えながら、応募先を慎重に選ぶ必要があります。新たな挑戦には不安も伴いますが、視野が広がり、次のキャリアにつながる可能性が高まります。

40代で転職を成功させるコツは?

40代での転職は、これまでの経験やスキルを最大限に活かすチャンスでもあります。一方では、挑戦に対して不安を感じる方も少なくないでしょう。ここでは40代で転職を成功させるコツについて解説します。

次の仕事に求める条件に優先順位をつける

年齢を重ねるごとに応募可能な求人が狭まる傾向にあるため、40代での転職では条件を絞り過ぎると選択肢がさらに限られてしまう場合も。そのため、「残業が少ない」「給与水準を維持する」など、自分にとって絶対に譲れない条件を明確にするのが大切です。すべての希望を叶えようとするのではなく、優先順位をつけると現実的な選択肢が見えてきます。そのうえで柔軟な姿勢を持つと、自分に合った転職先を見つけやすくなるでしょう。

転職サイトや転職エージェントを活用する

転職活動を効率よく進めるためには、転職サイトや転職エージェントを活用するのも有効です。求人情報を幅広く扱っており、時間が限られる中でも効率的に希望に合った職場を見つけられるでしょう。

保育士で転職を検討している方は、保育業界専門の転職支援サービス「レバウェル保育士」がおすすめです。「レバウェル保育士」は取材訪問を通じて、運営方針から職場の雰囲気まで情報を収集しているため、職場のリアルがわかり安心です。面接や履歴書の準備なども専任のアドバイザーがトータルでサポートします。サービスはすべて無料で利用できるので、ぜひお気軽にご相談ください。

40代で保育士を辞めたい場合によくある質問

ここでは、40代で保育士を辞めたい場合によくある質問を紹介します。ぜひ参考にしてください。

保育士から幼稚園教諭になるメリットは?

保育士から幼稚園教諭になると、「勤務時間が比較的短い」「春休みや夏休みなど長期休暇が取りやすい」などのメリットがあります。
また、幼稚園では1人担任になることが多いため、自分のペースで仕事を進められる傾向にあり、人間関係の負担も軽減される可能性があります。ただし、園によっては延長保育や満3歳児クラスを導入している場合もあるため、事前に確認してください。

40代保育士が退職相談するタイミングは?

退職相談をするタイミングは、職場の状況や自身の負担を考慮し、繁忙期は避けるようにしましょう。とくに年度末や行事が集中する時期は忙しく、退職相談が受け入れられにくい場合があります。
しかし、精神的な負担が大きかったり、職場環境に問題があったりする場合は、なるべく早めに上司や園長に相談しましょう。早めに相談すると、悩みが解決したり、気持ちが楽になり退職を思いとどまる場合があるかもしれません。また、退職する場合も早めに相談すると、引き継ぎや退職準備に十分な時間が確保され、対応に余裕が生まれます。その結果、スムーズに引き継ぎを行い、円満に退職できる可能性が高まります。

勤めている保育園が辞めることを許してくれない場合は?

40代のベテラン保育士は、保育園にとって貴重な存在であるため、退職を申し出ても引き止められる可能性があります。円満な退職を望んでいる場合でも、園側が退職を引き延ばす可能性も。そのため、退職の意思をはっきりと伝え、明確な期限を設定しましょう。感謝の気持ちを伝えつつも、自己の決断に対して毅然とした態度を取ることが必要です。

まとめ

40代の保育士が退職を決断する理由は、体力や精神的な負担、人間関係の悩みなどさまざまあります。長年勤めた保育園への愛着や責任感から、退職することに躊躇する場合もあるでしょう。しかし、退職や転職は必ずしも悪い選択ではありません。

転職活動が不安な方は、転職サイトを利用するのも1つの方法です。自分に合った求人を効率よく探せるだけでなく、履歴書や面接準備もサポートしてもらえるため、よりスムーズに転職活動を進められる可能性があります。理想とする働き方を実現するために、次のステップに進んでいきましょう。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

この記事をシェアする

  • Facebookでシェアする
  • Xでポストする
  • LINEで送る
  • はてなブックマークでブックマークする

保育士・幼稚園教諭の転職なら

レバウェル保育士
  • 非公開
    求人あり

  • LINEで
    気軽に相談

  • 面接対策
    ・条件交渉

転職サポートを受けてみる