保育の資格

最終更新日:

保育士試験に必要な実務経験とは?受験資格の条件を満たす方法を解説

  • #保育士試験
男女の保育士のイメージ

保育士を目指す際に「実務経験が必要かどうか」気になる方もいるのではないでしょうか。卒業した学校により、保育士試験の受験資格を満たすためには、実務経験が必要です。 この記事では、保育士試験の受験資格にある実務経験の条件、対象施設を解説。実務経験が積める求人の探し方も紹介します。実務経験を証明する書類についても解説するので、保育士試験の受験を検討している方は参考にしてください。

この記事を書いた人

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士のお仕事探しならレバウェル保育士 登録する バナー

保育士になるために必要な実務経験とは

保育士資格を取得するには、「指定保育士養成施設の専門学校や短大、大学を卒業する」または「保育士試験に合格する」という2つの方法があります。

指定保育士養成施設の専門学校や短大、大学などを卒業して資格を取得した場合、実務経験の必要はなく保育士として働けます。また、保育以外の学部・学科でも学校教育法に基づいた専門学校・短大・大学を卒業していれば、実務経験がなくても保育士資格を受験できます。その後、保育士資格に合格すれば、保育士として勤務できます。 一方、高卒と中卒で保育士を目指す場合、実務経験が必要です。

ここでは、高卒者と中卒者に分けて保育士試験における実務経験の条件を紹介するので、参考にしてください。

高卒者向け実務経験の条件

一般社団法人全国保育士養成協議会の「勤務経験新規タブリンク」によると、高卒者が保育士試験を受験できる実務経験は以下のとおりです。

  • 勤務期間2年以上の勤務

  • 総勤務時間数2,880時間以上の勤務

  • 児童などの保護または養護に従事

上記のすべてを満たした実務経験を積んでいる場合は、保育士試験の受験が可能です

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「勤務経験新規タブリンク」(2025年5月28日)

中卒者向け実務経験の条件

一般社団法人全国保育士養成協議会の「勤務経験新規タブリンク」によると、中卒者の保育士試験における実務経験の条件は以下のとおりです。

  • 勤務期間5年以上の勤務

  • 総勤務時間数7,200時間以上の勤務

  • 児童などの保護または養護に従事

上記のすべてを満たしている場合は、保育士試験の受験が可能です。中卒者は高卒者と比べて、実務経験の勤務期間と総勤務時間数が長くなっています。なお、受験資格を満たしているか迷う場合は、「保育士試験事務センター新規タブリンク」に問い合わせて確認しましょう。

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「勤務経験新規タブリンク」「保育士試験事務センター新規タブリンク」(2025年5月28日)

保育士資格取得に向けて実務経験を積める施設

高卒・中卒で保育士を目指す方はどのような施設で実務経験を積めば良いのでしょうか。ここでは、実務経験の条件を満たす施設について解説します。

受験資格に該当する施設

一般社団法人全国保育士養成協議会の「勤務経験新規タブリンク」によると、児童福祉法第7条に基づく児童福祉施設で前述した条件を満たす実務経験を積むと、保育士試験を受けられます。対象施設は、以下のとおりです。

  • 保育所(利用定員20名以上)

  • 保育所型認定こども園

  • 幼保連携型認定こども園

  • 児童厚生施設(児童館)

  • 児童養護施設

  • 助産施設

  • 乳児院

  • 母子生活支援施設

  • 障害児入所施設

  • 児童発達支援センター

  • 児童心理治療施設

  • 児童自立支援施設

  • 児童家庭支援センター

保育所(保育園)だけでなく、助産施設や児童発達支援センター、児童心理治療施設などでの実務経験でも受験資格を満たせます。

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「勤務経験新規タブリンク」(2025年5月28日)

受験資格認定基準に該当する施設・事業

一般社団法人全国保育士養成協議会の「勤務経験新規タブリンク」によると、以下のような施設でも認定基準に該当する施設・事業として受験資格を得られる可能性があります。

  • 認可外保育施設(認証保育園、認定保育園などを含む)

  • 小規模保育事業(小規模認可保育所など)

  • 幼稚園型認定こども園

  • 地域裁量型認定こども園

  • 幼稚園(特別支援学校幼稚部を含む)

  • 家庭的保育事業(保育ママなど)

  • 居宅訪問型保育事業

  • 事業所内保育事業

  • 放課後児童健全育成事業(学童クラブ・放課後児童クラブ・学童保育など)

  • 一時預かり事業

  • へき地保育(特例保育)

  • 小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)

  • 障害児通所支援事業(保育所訪問支援事業を除く)

  • 一時保護施設

  • 放課後等デイサービス(児童デイサービス)

  • 院内保育

  • 企業主導型保育事業

上記の施設や事業での実務経験がある場合、受験資格認定(知事認定)を受けると受験資格の認定証が交付されます。なお、上記の施設に該当しても、必ず受験資格が認められるわけではありません。申請に必要な書類や注意事項は、一般社団法人全国保育士養成協議会の「受験資格認定申請の主な必要書類 (p.4)新規タブリンク」で確認できます。

上記はあくまで一例として掲載されています。勤務する施設が条件を満たしているかどうかわからない場合は、「保育士試験事務センター新規タブリンク」に問い合わせてみましょう。

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「勤務経験新規タブリンク」「受験資格認定申請の主な必要書類新規タブリンク」「保育士試験事務センター新規タブリンク」(2025年5月28日)

保育士になるための実務経験を積める求人の探し方

保育士試験の受験資格を満たせる実務経験を積むためには、無資格で働ける児童福祉施設の求人を探す必要があるでしょう。ここでは、保育士になるための実務経験が積める求人の探し方を解説します。

無資格で働ける保育補助や職員の求人を探す

保育園や子ども園、児童館などの児童福祉施設では、無資格で働ける求人もあります。たとえば保育園の場合、保育補助であれば無資格で働ける場所もあるでしょう。 実務経験の条件に雇用形態の指定はないため、勤務期間と総勤務時間数、「児童などの保護または養護に従事」を満たせば受験資格を得られます。

保育業界専門の転職エージェントに相談する

保育士になるための実務経験を積める求人は、保育業界専門の転職エージェントを利用して探す方法もあります。保育業界専門の転職エージェントであれば、実務経験を満たせることを条件に求人探しをサポートしてもらえるでしょう。 また、転職エージェントでは応募書類の添削や模擬面接なども受けられるため、選考対策もできます。

保育士を目指して求人を探している方は、保育業界専門の転職支援サービス「レバウェル保育士」へご相談ください。「レバウェル保育士」では、保育補助の求人も扱っています。求人紹介や選考対策などサービスはすべて無料のため、保育士を目指している方はお気軽にお問い合わせください。

保育士試験受験のための実務経験を証明する書類とは

ここでは、実務経験を証明する書類の発行やダウンロード方法を紹介します。

実務経験を証明する書類はどこでもらえる?

一般社団法人全国保育士養成協議会の「各種様式ダウンロード新規タブリンク」によると、児童福祉施設勤務証明書が実務経験を証明する書類に該当します。児童福祉施設勤務証明書は、勤務先の施設が記入・発行します。本人記入不可となっているため、必ず施設側に記入してもらいましょう。

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「各種様式ダウンロード新規タブリンク」(2025年5月28日)

児童福祉施設勤務証明書のダウンロード方法

児童福祉施設勤務証明書の記入フォーマットは、一般社団法人全国保育士養成協議会の「各種様式ダウンロード 新規タブリンク」に掲載されています。紙に印刷したうえで、施設に記入をお願いしましょう。

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「各種様式ダウンロード新規タブリンク」(2025年5月28日)

保育士の実務経験に関する質問

ここでは、保育士の実務経験に関する質問にQ&A形式で答えます。

保育士になるための実務経験が免除されることはある?

保育系の学校を卒業していない方が保育士試験を受験するにあたって、実務経験が免除される制度はありません。 なお、専門学校や短大、大学などの保育士養成施設で保育士資格を取得する場合、実務経験は必要ありません。専門学校や短大、大学などでは必要な科目の履修や保育実習などを修了し卒業すると、資格が取得でき保育士として働けます。

保育士試験受験に必要な実務経験は2年?

高卒者の場合、「勤務期間2年以上」かつ「総勤務時間数2,880時間以上」勤務するのが保育士試験を受験する条件となっています。勤務期間が2年あっても、総勤務時間数によっては条件を満たせない場合があるため注意しましょう。 なお、中卒者の場合は、「勤務期間5年以上」かつ「総勤務時間数7,200時間以上」勤務するのが条件となっています。

実務経験なしで保育士になる方法は?

保育士資格が取得できる専門学校や短大、大学などを卒業すると、実務経験なしで保育士になれます。専門学校や短大であれば、最短2年で保育士資格の取得が可能です。なお、専門学校や短大、大学は入学費や授業料がかかるため、費用面も考慮したうえで検討しましょう。

放課後等デイサービスの実務経験で保育士試験の受験は可能?

放課後等デイサービスでの実務経験がある場合、受験資格認定(知事認定)を受けると受験資格の認定証が交付される可能性があります。 なお、一般社団法人全国保育士養成協議会の「{受験資格認定基準に該当する施設について (p.7)}」によると、児童発達支援センター内の放課後等デイサービスで、児童福祉法7条に基づく児童福祉施設の勤務として認められる場合、受験資格認定は不要です。

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「{受験資格認定基準に該当する施設について}」(2025年5月28日)

バイトの実務経験で保育士試験の受験資格は満たせる?

実務経験の条件に雇用形態の指定はないため、バイトやパートなどの非正規雇用であっても受験資格を満たせます。なお、バイトやパートなどの非正規雇用のなかには、契約期間が短く受験資格の条件を満たせない場合もあるため注意が必要です。 勤務日数や時間を満たすためには、バイトやパートであっても長く働ける求人を探す必要があるでしょう。

まとめ

保育系の学校を卒業しておらず保育士試験で資格を取得する場合、まずは受験資格を満たすために実務経験を積まなければいけません。実務経験の条件は高卒者の場合、「勤務期間2年以上」かつ「総勤務時間数2,880時間以上」です。中卒者は、「勤務期間5年以上」かつ「総勤務時間数7,200時間以上」となっています。いずれも、児童などの保護または養護に従事した実務経験が必要です。

なお、保育系の専門学校や短大、大学などを卒業して資格を取得した場合、実務経験の必要はなく保育士として働けます。

保育士試験を受けるためには「児童福祉法第7条に基づく児童福祉施設」、たとえば、保育所(利用定員20名以上)や保育所型認定こども園、児童発達支援センターなどで実務経験を積まなければいけません。施設によっては、受験資格認定(知事認定)によって受験資格の認定証が交付される可能性があります。

高卒・中卒の方が実務経験を積む場合、無資格で働ける児童福祉施設の求人を探す必要があるでしょう。実務経験の条件に雇用形態の指定はないため、勤務期間と総勤務時間数、「児童などの保護または養護に従事」を満たせば受験資格を得られます。 保育園であれば、保育補助やパート、アルバイトなどの非正規雇用の求人を探してみましょう。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

この記事をシェアする

  • Facebookでシェアする
  • Xでポストする
  • LINEで送る
  • はてなブックマークでブックマークする

保育士・幼稚園教諭の転職なら

レバウェル保育士
  • 非公開
    求人あり

  • LINEで
    気軽に相談

  • 面接対策
    ・条件交渉

転職サポートを受けてみる