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働くなら認可保育園?認可外保育園?違いやメリット・デメリットを解説

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本をもって悩む保育士の画像

保育士として働く場所を選ぶ際、認可保育園と認可外保育園のどちらが良いか迷う方もいるでしょう。自分に向いている職場を探す際は、施設ごとの特徴を把握したうえで、どちらが希望条件にあっているのかを検討することが重要です。 この記事では、認可保育園と認可外保育園の主な違いやメリット・デメリットを紹介します。それぞれに向いている人の特徴や求人探しのポイントにも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。

働くなら認可保育園と認可外保育園どちらが良い?

認可保育園と認可外保育園のどちらで働くと良いのかは、応募者の希望条件によって異なります。仕事探しを行う際は、施設ごとの特徴を理解したうえで、保育士としてどのように働きたいのかを明確にすることが重要です。認可保育園と認可外保育園のどちらで働くか迷った場合は、以下のような流れで検討してみましょう。

  • 1.希望条件を明確にする

  • 2.施設の特徴や違いを理解する

  • 3.働くうえでのメリット・デメリットから比較検討する

  • 4.向いている人の特徴から検討する

  • 5.求人を探して保育園ごとの特徴を把握する

保育方針や実現できる働き方は職場によって異なるため、各園ごとの情報収集も必要です。この記事でまとめている内容を参考に、自分が認可保育園と認可外保育園のどちらを選択するのが望ましいかを考えましょう。

認可保育園と認可外保育園の違い

認可保育園と認可外保育園は、指導監督の基準や職員の配置、施設設備などに違いがあります。具体的な違いは、以下のとおりです。

認可保育園 認可外保育園
指導監督基準 国(児童福祉法) 各自治体
職員の配置 保育士1人に対して、0歳児3人、1・2歳児6人、3・4歳児15人、5歳児25人 認可基準で定める数以上であること
職員の資格 保育士資格 保育に従事する者のおおむね3分の1以上は保育士または看護師の資格を有する者
開園時間 一般的には、月~土曜日・1日11時間 施設により異なり、夜間保育や24時間保育を実施している場合もある
施設・設備 満2歳児未満は1人あたり、乳児室1.65㎡、ほふく室3.3㎡。満2歳児以上は1人あたり、保育室1.98㎡、遊戯室1.98㎡、屋外遊戯場3.3㎡ 保育室の面積は、おおむね乳幼児1人あたり1.65㎡以上
主な施設 公立保育園・私立保育園・認定こども園・地域保育事業 企業主導型保育所・院内保育園・事業所内保育施設・ベビーホテル・ベビーシッター・認証保育園

認可保育園で働く場合、保育補助であれば無資格で働けることもありますが、基本的に保育士資格が必要です。一方、認可外保育園では、保育士資格を持たない方も働きやすい職員配置基準が設けられています。施設設備はより詳細な認可基準が設けられているため、認可外保育園に比べ認可保育園のほうが整えられている可能性があります。

出典

e-GOV法令検索「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準新規タブリンク」(2025年5月15日)
内閣府「保育の現状新規タブリンク」(2025年5月15日)
文部科学省「認可外保育施設指導監督基準新規タブリンク」(2025年5月15日)

認可・認可外保育園で働く際のメリット・デメリット

認可保育園と認可外保育園は、働くうえでのメリット・デメリットも異なります。以下の内容を参考に、自分が活躍できるかどうかのイメージを掴んでみましょう。

働くうえでのメリット 働くうえでのデメリット
認可保育園 給与や待遇が安定している・自治体から手当や補助を受けられる・国の認定基準を満たし適切に運営されている・園児を集める業務負担が軽減される・働きやすい環境が整備されている・スキルアップやキャリアアップする環境が整っている 公立保育園は採用ハードルが高い・行事やイベントの業務負担が大きい職場もある
認可外保育園 給与や待遇が良い職場もある・専門的なスキルを磨ける可能性がある・園児が少なく働きやすい職場もある 夜間保育や24時間保育で不規則な生活になる・国からの支援がないため給与や待遇が不安定になりやすい・園児集めの広報活動が業務負担になる

認可保育園は自治体からの補助金で運営されているので、保育士の給料や待遇が安定しやすい点がメリットです。また、職員の配置や保育室の広さなどの保育環境が整いやすいことから、保育士の働きやすさにもつながるでしょう。ただし、公立保育園の公務員保育士を目指す場合、雇用の安定性による人気や募集人数の少なさから競争率が高くなる可能性があることはデメリットです。

認可外保育園のなかには、院内保育や企業内保育などがあります。運営元の病院や企業の経営が好調な場合は、保育士の給与や待遇がよくなることもあるようです。職場によっては、英語教育やリトミック教育などに力を入れており、専門的なスキルを磨ける可能性もあります。なお、夜間保育や24時間保育を実施している場合、日によって昼間や深夜など勤務時間が変わるため、不規則な生活になることはデメリットです。

認可・認可外保育園に向いている人の特徴

認可保育園と認可外保育園では、働く側の適性が異なる場合があります。ここでは、それぞれの保育園で働くのに向いている人の主な特徴について解説します。

認可保育園で働くのに向いている人の特徴

認可保育園は、安定志向やスキルアップを目指したい人に向いている可能性があります。ここでは、認可保育園で働くのに向いている人の主な特徴をまとめました。

安定志向の強い人

認可保育園での勤務は、安定した働き方を叶えたい人に向いている可能性があります。運営に関しては国から補助金が出ている認可保育園では、保育士の雇用や給与、待遇などが安定しやすいようです。また、認可保育園で働く保育士は、住宅補助や就職支援金の対象となる場合もあります。手当や補助の対象となれば、生活面での負担を減らせるでしょう。

公立保育園の公務員保育士として働けば、雇用や給与、福利厚生の安定性がより高まります。安定した環境で長期的にキャリアを築きたい人にとって、認可保育園は魅力的な選択肢となるでしょう。

出典

首相官邸「保育士宿舎借り上げ支援事業新規タブリンク」(2025年5月16日)
こども家庭庁「令和7年度保育関係予算概算要求の概要新規タブリンク」(2025年5月16日)

スキルアップやキャリアアップを目指したい人

保育士としての専門性を高めたい人は、認可保育園で働くのに向いているかもしれません。厚生労働省の「保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ新規タブリンク」によると、認可保育園で働く保育士は、各自治体で開催される研修に参加できます。この研修を受ければ、役職に就くために必要な知識を身につけることが可能です。

また、研修を受けると職場で職務分野別リーダーや副主任保育士などの役職に就ける可能性があります。研修の受講条件は各自治体で決められており、「東京都保育士等キャリアアップ研修新規タブリンク」のように、認可されていることを受講料免除の条件にしている場合もあるようです。

幅広い子どもたちと関わたい人

認可保育園での勤務は、多様な家庭環境や文化的背景を持つ子どもと関わりたい人にも向いている傾向があります。認可保育園で受け入れている子どもの共通点は、基本的に「保育が必要」ということだけです。施設にもよりますが、認可保育園では0歳から就学前まで、幅広い年齢層の子どもたちと関われるでしょう。

また、園によっては、障がいのある子どもを受け入れている場合もあります。多様な性格や発達状況、興味関心をもつ子どもを保育するため、保育士の経験値をアップしやすくなるでしょう。

認可外保育園で働くのに向いている人の特徴

認可外保育園で働くのに向いている人の特徴は、「高い収入を得たい人」や「専門的なスキルを磨きたい人」などです。ここでは、認可外保育園で働くのに向いている人の主な特徴を紹介します。

高い収入を得たい人

保育士として高収入を目指したい人は、認可外保育園で働くのに向いている可能性があります。認可外保育園のなかには、夜間保育や24時間保育を実施している施設もあり、深夜や早朝に働くと手当により給与が高くなるようです。厚生労働省の「法定労働時間と割増賃金について教えてください。新規タブリンク」によると、午後10時から午前5時までの間に働いた場合、25%以上の割増賃金が支払われます。

認可外保育園のなかには院内保育や企業内保育などもあり、病院に勤める医療従事者や企業の社員と同等の手当や福利厚生が受けられる場合もあるようです。評価制度が整っている職場では、頑張った分が収入に反映されやすいといえるでしょう。。なお、高い収入が得られるかは認可外保育園によっても異なるため、待遇や評価システムを確認することが重要です。

出典

多角的なスキルを磨きたい人

保育分野で多角的なスキルを追求したい人は、認可外保育園で働くのに向いている場合があります。認可外保育園のなかには、英語教育やモンテッソーリ教育など、特定の教育プログラムに力を入れている施設もあるからです。また、障害児保育に特化した園では、特別支援教育のスキルを学べます。

興味のある保育方針や幼児教育、保育内容がある保育士の方は、力を入れている認可外保育園で働き専門性を高めると、保育士としての強みになるかもしれません。

少人数保育をしたい人

認可外保育園での勤務は、少人数保育をしたい人にも向いている傾向があります。認可外保育園は、院内保育や病児保育、企業内保育など認可に比べ受け入れ定員が少ない施設もあるからです。院内保育や病児保育は、定員が少なく日によって預かる子どもの人数が変わることもあります。

少人数保育では、子ども一人ひとりに対して、より丁寧で個別的な対応が可能です。家庭的な雰囲気のなか、一人ひとりの子どもに寄り添って保育したい方は、小規模な認可外保育園の求人を探してみましょう。

認可と認可外保育園のどちらで働きたいか決めたら?

認可保育園と認可外保育園のどちらで働きたいかが決定したら、次のステップは具体的な求人探しです。ここでは、自分に合った求人を見つけるためのポイントについて解説します。

希望条件を明確にしたうえで求人を探す

自分に合った求人を探すためには、認可か認可外かだけでなく、給与や待遇、働き方などのより詳細な希望条件を明確にする必要があります。たとえば、以下のような条件について検討してみましょう。

  • 勤務地:通勤時間や地域の特性を考慮し、希望する勤務地を決める

  • 給与条件:希望する年収や給与体系(月給制、時給制など)を決める

  • 勤務時間:希望する勤務時間帯や残業の許容範囲を設定する

  • 休日・休暇:希望する年間休日数を決める

  • 園の規模:大規模園か小規模園か決める

  • 保育方針:自分の保育観を検討する

  • 福利厚生:社会保険や退職金、住宅手当などの希望を決める

  • キャリアアップの機会:希望する役職やキャリアプランを決める

  • 職場の雰囲気:チームワークを重視するか、個人の裁量を重視するかなど、希望する職場環境を考える

これらの条件を整理し優先順位をつければ、自分にとって譲れない条件と妥協可能な条件が明確になります。希望条件を明確にしたうえで求人を探せば、より効率的に自分に合った職場を見つけられるでしょう。

求人や保育園のWebサイトで情報収集する

希望条件を決めたうえで求人を探し、気になる職場があれば保育園や自治体のWebサイトで情報収集しましょう。情報収集する際には、以下のような点を確認し、自分の希望条件と合っているか照らし合わせます。

  • 園の理念や保育方針

  • 施設の様子や設備

  • 保育内容や年間行事予定

自治体のWebサイトには、保護者向けではあるものの保育園の施設や設備、子どもの定員などの情報が掲載されている可能性があります。また、可能であれば園見学をさせてもらい、保育環境や職場の雰囲気を確認してみるのも手です。より多角的な視点から求人に関する情報を集めると、自分に合った職場を見つけやすくなります。

保育士向けの転職エージェントに相談する

自分に合った職場は、保育士向けの転職エージェントに相談して見つける方法もあります。保育士向けの転職エージェントでは、保育業界に精通したコンサルタントから、スキルや希望条件に合った求人を紹介してもらうことが可能です。応募書類や模擬面接など、選考対策もサポートしてくれるため、安心して転職活動が進められるでしょう。

認可保育園と認可外保育園のどちらで働くべきか悩んでいる方は、レバウェル保育士にご相談ください。レバウェル保育士では、保育業界に精通したアドバイザーが希望条件や適性を丁寧にヒアリングし、あなたにぴったりの求人をご紹介します。扱っている求人は、給与や福利厚生、職場の雰囲気など詳しい情報をお伝えすることが可能です。求人紹介やキャリア相談、選考対策などはすべて無料で利用可能なため、お気軽にお問い合わせください。

保育士が求人選びで迷った際によくある質問

ここでは、保育士が求人選びで迷った際によくある質問に答えます。認可外保育園に関する質問について回答しているので、参考にしてみてください。

認可外保育園で働くのはやめたほうがいい?

認可外保育園で働くのをやめたほうがよいかは、叶えたい働き方や労働環境にもよります。認可外保育園のなかには、企業が経営していて給与や待遇が良かったり、独自の教育プログラムで保育の質が高かったりする施設もあるからです。

転職を決意した場合は希望条件を明確にしたうえで、求人情報を調べましょう。保育業界に特化した求人サイトや転職エージェントを活用すれば、効率的な仕事探しが可能です。

認可外保育園は保育士資格なしで働ける?

認可外保育園における職員の配置状況によっては、保育士資格なしで働けることもあるようです。文部科学省「認可外保育施設指導監督基準(p.3)新規タブリンク」によると、認可外保育園では「保育に従事する者のおおむね3分の1以上は、保育士または看護師の資格を有する者であること」とされています。保育士または看護師の配置基準を満たしている認可外保育園では、無資格の方を採用する場合もあるでしょう。

まとめ

認可保育園と認可外保育園のどちらで働くか迷ったら、それぞれの特徴や働く際のメリット・デメリットを把握したうえで検討しましょう。認可保育園は国の基準に従って運営されているため、施設設備が整い働きやすい点がメリットです。安定志向の強い人やスキルアップを目指したい人は、認可保育園のほうが働く環境が合っているかもしれません。

認可外保育園のメリットは、給与や待遇が良い職場があったり専門的なスキルを磨けたりすることです。夜勤で高収入を得たい人や英語教育やモンテッソーリ教育など特定分野のスキルを磨きたい人は、認可外保育園で働くのに向いている可能性があります。

認可保育園や認可外保育園は、施設によっても特徴やメリット・デメリットに違いがあるため、気になる求人があれば園のWebサイトや園見学で情報収集することが重要です。求人探しや情報収集に関しては、保育業界専門の転職支援サービスレバウェル保育士をご利用ください。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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