保育士は休憩時間を取れないって本当？不満を抱える理由や確保の方法を解説

保育現場では、対応する業務の多さや子どもたちを見守る大変さから、十分な休憩時間を確保できないという声もあります。以下では、保育士が「休憩を取れない」と感じる具体的な理由をまとめました。

本来休憩であるはずの時間に、書類作成や連絡帳の記入といった業務をこなさなければならないことから、保育士が「休憩を取れない」と悩む場面があります。子どもたちと過ごしている日中は事務作業を行う時間の捻出が難しいため、やむを得ず休憩時間を利用している状況があるようです。結果として、休憩時間で心身のリフレッシュができず、疲労が蓄積する要因となってしまいます。

子どもたちの午睡時間は、保育士の休憩時間と重なっている傾向にあります。午睡中は乳幼児突然死症候群（SIDS）のリスクがあるため、安全を確保するための見守りが必要です。

保育士は交代で見守りを行い、寝つけない子どもをあやしたり、体調不良になった子どもの対処をしたりします。また、子どもたちの仰向けの体勢をキープし、窒息につながりそうなものを遠ざけるなど、細心の注意を払わなくてはなりません。午睡中の対応が長引いたり、交代後も子どもたちの様子が気になったりすることから、思うように休めないという保育士もいます。

一部の保育園では、子どもたちと給食を食べる時間を、休憩とカウントしている場合があります。保育士は、誤嚥がないかをチェックしたり、食べづらそうにしていたらサポートしたりと、子どもたちの様子を見逃さないようにしなくてはなりません。食事中の対応の多さから、休憩にならないと感じている保育士もいるのではないでしょうか？

しかし、子どもたちの介助や見守りをしながら食事をする時間は、本来は労働時間に該当します。保育士がゆっくりと食事や休憩を取ったうえで、交代で子どもたちの相手をする場合は問題ありませんが、給食の時間を休憩とみなす行為は違法です。

保育園によっては、休憩時間があっても心身を休めるためのスペースが確保されていない場合があります。たとえば、狭い休憩室が1つしかないと、同じ時間に休む職員に気を遣ったり、疲れていても会話に入らないといけなかったりすることもあるでしょう。職員室で休めたとしても、業務連絡や電話対応が気になって自分から手伝ってしまう方もいます。休憩に適した場所がなければ、リラックスして休むのは難しいといえます。

保育園によっては、子どもたちの安全確保や緊急時の対応に備え、休憩時間の外出を制限していることがあります。外出が許可されている職場であっても、ほかの職員や保護者の目が気になって、思うように気分転換ができない場合もあるようです。また、外出時に保護者から急な連絡が入ったり、園から呼び出されたりすることもあるため、外出をためらう保育士も少なくありません。

園内で過ごす時間が長くなると常に仕事のことが頭をよぎるため、精神的なストレスがかかります。休憩時間を自由に使えないことに不満を抱える保育士もいるでしょう。