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保育士の転職時期はいつがベスト?理想のスケジュールや退職理由の例文も
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保育士の転職時期はいつがベストなのかと悩む方もいるのではないでしょうか。一般的には、新年度が始まる4月や、求人が増え始める10月が良いタイミングとされています。 この記事では、保育士の転職に最適なタイミングを踏まえた理想的なスケジュールや円満に退職するための理由を解説します。転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
保育士におすすめの転職時期とタイミング
転職活動をスムーズに進めるためには、保育園の繁忙期を避けたり、求人が増える時期を狙うことがポイントです。ここでは、保育士に適した転職時期やタイミングについて詳しく解説します。
新年度が始まる4月
保育士が転職を考える際には、新年度が始まる4月がベストなタイミングといえます。年度末の3月に退職すれば、引き継ぎや人事調整がスムーズに進むため、今の職場にも迷惑をかけにくいでしょう。
4月の転職ならばクラス担任の交代も自然に受け入れられるため、子どもや保護者の不安を軽減できます。また、この時期は多くの保育園が新しい年度に向けて求人を出しており、自分の希望条件に合った職場を見つけやすいのが特徴です。採用面接でも前向きな印象を与えやすい4月は、保育士にとって理想的な転職時期といえるでしょう。
求人が増える10月
求人が増え始める10月も良いタイミングです。こども家庭庁「保育士の有効求人倍率の推移(全国)」によると、保育士の求人は10月から徐々に増加し、1月から2月にかけてピークを迎える傾向があります。この時期に多くの保育園が新年度に向けた職員確保を進めるため、希望条件に合う求人を見つけやすいでしょう。
また、保育園では秋頃から職員面談を通じて退職や異動希望を確認するため、10月以降に新しい求人が動き出すのが一般的です。転職を希望しているのであれば、10月から早めに行動しましょう。
出典
こども家庭庁「保育士の有効求人倍率の推移(全国)」(2025年5月15日)
保育園が年度途中で転職することは可能?
「保育士が年度途中で転職できるのか」と疑問を抱く方もいるでしょう。結論を言えば、年度途中での転職は十分可能です。人手不足に悩む保育園では年度途中でも求人を出していることがあり、タイミングが合えば採用される可能性もあります。ただし、年度途中での入職にはいくつか注意点も伴います。
たとえば、すでに形成された職場の人間関係に飛び込むため、孤独感を覚えやすかったり、園のルールや方針を十分に教えてもらえない場合があるかもしれません。 一方では、新設保育園への入職であれば全員が同じスタートラインに立つため、人間関係の悩みは比較的少ない可能性も。年度途中で転職する際にはさまざまな点を考慮し、検討しましょう。
保育士の転職を効率良く進めるための理想的なスケジュール
ここでは、保育士が効率良く転職を進めるための理想的なスケジュールを紹介します。転職活動をスムーズに進めるためには、計画的な準備が大切です。今回は、4月に転職するのを例として、各時期にやるべきことをわかりやすく解説します。
7~9月:準備を始める時期
保育士の求人が増えるのは10月以降ですが、転職準備は7~9月から始めるのがおすすめです。この期間にしっかり準備を整えておくと、スムーズに転職活動を進められるでしょう。以下は、転職活動を行う事前準備の一例です。自身の状況や希望に合わせて、必要な準備を進めていきましょう。
転職の理由を整理する:なぜ転職したいのか、自分の気持ちや目標を明確にする
希望条件を決める:勤務地や給与、保育方針など、自分が重視する条件を書き出す
履歴書・職務経歴書を準備する:時間がかかる場合もあるので早めに着手する
転職サイトに登録する:求人情報を早めにチェックして、希望に合う職場を探す
この時期に準備を進めておけば、求人が増える10月以降の転職活動をスムーズにスタートできるでしょう。
10〜11月:本格的な転職活動の開始
いよいよ本格的に転職活動をスタートする時期です。仕事を続けながら転職を進める場合は、無理のないペースで取り組みましょう。この時期に進めたい具体的な活動は以下のとおりです。
希望条件に合う保育園の求人を探す
転職フェアやイベントに参加して情報を収集する
気になる保育園を見学する
応募する保育園の候補を絞り込む
応募書類を準備し、求人に応募する
面接対策をしっかり行い、面接に挑む
この時期は求人情報が増えるタイミングなので、積極的に行動して理想の職場を見つけましょう。
11月〜翌年1月:内定と退職準備
10月から始めた転職活動の成果が出て、この頃には内定が出るケースが多いでしょう。
現在の職場にはできるだけ早めに退職の意向を伝えるのがマナーですが、遅くとも12月中には伝えておくことが理想的です。引継ぎや退職手続きには十分な時間を確保し、職場に迷惑をかけないよう配慮しましょう。この時期は、新しい環境への準備を進めつつ、現職での業務をしっかりと全うすることが大切です。
2〜3月:引き継ぎと新しい職場への準備
退職が正式に決まったら、後任への引き継ぎを丁寧に行いましょう。子どもたちの性格や家庭環境、アレルギー情報、保護者との関わり方など、必要な情報を漏れなく伝えることが大切です。また、クラス運営以外の業務内容や行事の進め方なども、改善点や注意点をノートにまとめておくとスムーズに進みます。
並行して新しい職場への入職準備も進めましょう。必要な書類を確認し、新たな環境での心構えを整え、気持ちよくスタートが切れるように準備を進めていくことが重要です。
職場に退職を伝える際の注意点
退職の意思を職場に伝えるのは「とても緊張する」という方も多いのではないでしょうか。民法上では「退職日の2週間前までに退職の意思を伝えればよい」とされていますが、タイミングによっては引き止められる可能性もあるでしょう。
スムーズに退職手続きを進めるためには、どのような点に注意するべきなのでしょうか。
ここでは、退職を伝える際の注意点と、実際に活用できる例文を紹介します。
退職予定の半年~3ヶ月前には伝える
保育士の場合、退職する予定の3ヶ月から半年前には伝えるようにしましょう。保育園では、通常2月頃には次年度のクラス編成や担任が決定されます。そのため、その後に退職を伝えると、新たに担任の割り振りや人員調整が必要になる可能性があります。年度途中で退職を希望する場合でも、後任の保育士を採用したり、しっかりと引き継ぎを行う時間を確保するために、最低でも3ヶ月前には退職の意志を伝えることが望ましいでしょう。
感情的にならず前向きな理由を話す
退職理由を伝える際は感情的にならず、できるだけ前向きな言葉を使いましょう。
たとえば、給与や待遇に不満がある場合は「自分のスキルや経験が評価される職種に挑戦したい」と伝えると、ポジティブな印象を与えることができます。
人間関係が理由の場合は「この園で得た経験を活かし、さらにスキルアップを目指したい」といった言い方をすると、前向きな気持ちを示せるでしょう。園を責めるような言い方を避け、前向きな意図を伝えると、円満退職が実現しやすくなります。
退職理由の例文
ここでは、保育士の退職理由の例文を紹介します。以下の例文を参考にし、状況に合わせてアレンジしてみてください。
お忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。この度、退職を決意いたしました。これまで大変お世話になり、感謝の気持ちでいっぱいです。
退職する理由ですが、これまで積み重ねてきた経験を活かしてさらに専門的な知識を深め、成長できる新しい環境に挑戦したいと考えたからです。
発達支援や特殊支援教育に興味があり、この分野で更なるスキルを身につけ、保育士としての幅を広げたいと考えています。後任の引き継ぎはきちんと行い、3月末で退職させていただきたく存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます
お忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。突然の申し出となり、大変申し訳ございませんが、3月末で退職いたします。来年度から新しい職場で働くことになりました。現職で培った経験をさらに活かし、障害のある子どもたちへの支援に力を入れた保育を行っている施設で自分の力を試したいと思っています。退職に際しては後任への引き継ぎをしっかりと行い、円滑に業務が引き継がれるよう努めてまいります。3月末まで何卒よろしくお願い申し上げます
お忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。この度、家庭の事情により転居することとなり、退職を決断いたしました。夫の転勤に伴い、私も一緒に引っ越すことになり、今後の生活を支えるためには転職が必要だと判断しました。
転居先でも引き続き保育士としての仕事を続ける予定ですが、現職での引き継ぎをしっかり行い、子どもたちとの時間を大切にしたいと思っております。退職日は〇月×日を予定しておりますので、ご理解いただければ幸いです
このように、感謝の気持ちを表現しつつ、ポジティブで将来を見越した退職理由を伝えることで、上司にも前向きに受け止めてもらいやすくなるでしょう。
保育士が転職時期を選ぶ際のポイント
転職のタイミングを考えることは大切ですが、それと同じくらい自分自身の健康や将来を優先することも重要です。ここでは、転職を考えるタイミングとして押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
自身の健康状態を最優先に考える
3月末に退職して4月から転職するのがベストだと紹介しましたが、無理して体調を崩してしまっては元も子もありません。今の職場での人間関係や労働環境に悩んでいると、3月末まで続けるのは辛いと感じる方も多いのではないでしょうか。もし今の職場を続けるのが辛いと感じるのであれば、年度途中で退職するという選択もあります。無理せず、有給休暇を使って少し休んだり、退職後に失業手当をもらいながら、焦らず自分のペースで転職活動を進めていくのも1つの方法です。自分の健康を最優先にして転職活動を進めましょう。
次の職場を決めてから退職する
転職を考えている保育士の中には、「今の職場を辞めてから転職活動をしよう」と考える方もいるかもしれませんが、退職後に転職活動を始めることにはリスクが伴います。
失業後に雇用保険の支給を受けるまでに時間がかかり、最低でも2ヶ月以上待たなければなりません。この間、貯金を切り崩して生活することになるため、経済的に不安定な状況が続くケースも考えられます。退職前に転職活動を進め、次の職場を決めてから退職する方が経済面でも安心して転職を進められるでしょう。
将来を見越したタイミングを選ぶ
転職を検討する際には、年齢や将来の働き方を見据えてタイミングを選ぶことが大切です。
たとえば、20代は新しい環境に柔軟に対応できるため、即戦力としての期待が高く、比較的自由に転職先を選べる傾向があります。一方で、30代になるとこれまで培った経験が評価され、主任や園長候補としての役割を期待されるケースも増えるでしょう。
また、結婚や出産、育児といったライフステージの変化によって、働き方を見直す必要が出てくることもあるでしょう。転職時期を決める際は「今後どのような働き方をしたいのか」をしっかり考え、自分のライフプランやキャリアビジョンに合ったタイミングを選ぶことが大切です。
転職時期に悩む保育士の相談先はどこ?
転職時期に悩んでいる方におすすめなのが、転職エージェントです。プロのアドバイザーがあなたの希望条件に合う求人を提案してくれるため、忙しくても効率的に転職活動を進めることができます。
「レバウェル保育士」は、保育業界に特化した転職支援サービスで、運営方針や職場の雰囲気など、取材訪問を通じてリアルな職場情報を収集しています。条件のヒアリングから模擬面接まで、転職活動を一貫してサポートしてくれるのも魅力の1つです。サービスは無料で利用できるため、お気軽にご相談ください。
保育士の転職時期に関するよくある質問
ここでは、保育士の転職時期についてよくある質問を紹介します。ぜひ参考にしてください。
転職時期によって面接で注意することは?
特に年度途中で転職活動を行う場合、面接で退職理由を詳しく聞かれる可能性が高いため、明確で前向きな回答を準備しておきましょう。「スキルアップのために新しい環境で挑戦したい」「ライフスタイルの変化に合わせて働き方を見直したい」などポジティブな理由に言い換えると、面接官に好印象を与えられるでしょう。
また、前職での経験をどのように次の職場で活かせるかを具体的に伝えることも大切です。退職理由に関する質問には真摯に答えつつ、自身の意欲や強みをアピールしましょう。
異業種への転職でも保育士経験は活かせますか?
保育士として培った経験は、異業種でも十分に活かせます。コミュニケーション能力や観察力、柔軟な対応力は、多くの業界で求められるスキルです。
保育士特有の「相手の気持ちに寄り添う力」や「冷静に問題を解決する力」は、どの職種でも強みとして評価されるでしょう。自分の経験を具体的に振り返り、どのように異業種の業務に応用できるか考えることで、転職活動をよりスムーズに進められます。
働きながらの転職活動は大変ですか?
仕事をしながら転職活動を進めることは大変ですが、十分可能です。ただし、時間の確保や精神的な負担を感じる場合もあるため、効率的な方法を意識することが大切です。
在職中の転職活動には、収入が安定しているため焦らず求人を選べるというメリットがある一方で、業務と転職準備を両立するためのスケジュール管理が課題となることもあるでしょう。転職活動を成功させるためには、希望条件に優先順位をつける、転職エージェントを活用するなど効率的な手段を取り入れるのがおすすめです。
まとめ
保育士の転職において、4月の新年度は新しい職場でスタートが切りやすく、現在の職場や子どもたちにも負担をかけにくい理想的な時期です。このタイミングを目指すなら、10月頃から具体的な転職活動を始め、余裕をもって準備を進めましょう。
特に、履歴書や職務経歴書の準備、希望条件の整理、面接のスケジュール調整などは時間がかかる場合もあります。早めの7月~9月頃に準備を始めると、より具体的な目標を立てられるでしょう。
「どんな職場が自分に合うのか分からない」「スケジュールを組む余裕がない」という方は、保育士専門の転職支援サービスを活用するのもおすすめです。1人で悩まず、頼れるサポートを受けながら、無理せず自分のペースで進めていきましょう。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。