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保育士試験に合格したらすること!資格登録手続きや就職活動の流れを解説
- #保育士試験

「保育士試験に合格したらすることは?」と悩む方もいるでしょう。保育士試験合格後、保育士として働くためには保育士登録と就職活動が必要です。 この記事では、保育士試験に合格したらすることとして、保育士登録と就職活動の流れを紹介。保育士試験合格後に自分に合った求人を探すコツも解説します。保育士としての入職がスムーズにいくように、登録手続きと就職活動の流れを把握しておきましょう。
目次
保育士試験に合格したらすること
保育士試験に合格したらすることは、「保育士登録」と「就職活動」です。保育士として働く際は、保育士登録の手続きにより交付される「保育士証」が必要になります。就職先が決まったら、保育士証のコピーを提出するのが基本です。保育士試験合格後の流れは、以下のようになっています。
1.保育士試験に合格する
2.登録事務処理センターで保育士登録をする
3.保育士証が交付される
4.保育士としての就労が可能なる
登録事務処理センターの「3月卒業(修了)見込申請者の取りまとめのお願い」によると、保育士証が発行されるまでは、最短でも2ヶ月かかります。保育士試験の合格後は、保育士登録の手続きと就職活動を同時進行すると、入職がスムーズにいくでしょう。
出典
登録事務処理センター「3月卒業(修了)見込申請者の取りまとめのお願い」(2025年4月17日)
【保育士試験に合格したら】資格登録手続きの流れ
ここでは、登録事務処理センター「保育士登録申請手続き(新規登録)」をもとに、保育士試験合格後の登録手続きの流れを紹介します。保育士試験に合格したら、自分で登録手続きしなければ保育士として働けないため、流れを確認しておきましょう。
1.保育士登録の手引きを取り寄せる
保育士試験に合格したら、保育士登録に必要な申請書や記入例がセットされている「保育士登録の手引き」を登録事務処理センターから取り寄せます。保育士登録の手引きを取り寄せるために必要なものは、以下のとおりです。
返信用封筒:1枚 角形2号(A4用紙が折らずに入るサイズ)
返信用封筒に貼る切手:請求部数に応じた郵便料金 1部の場合は基本料金(角形2号封筒)180円
返信用封筒を送るための送信用封筒:1枚
送信用封筒に貼る切手:必要金額分
手続きを円滑に進めるためにも、不備のないよう用意しておきましょう。
「保育士登録の手引き」を取り寄せるための手順は、以下のとおりです。
送信用封筒の宛先に「〒102-0083 東京都千代田区麹町1-6-2 登録事務処理センター」と記入し、必要金額分の切手を貼る
送信用封筒と返信用封筒に、赤字で「保育士登録の手引き○部」と請求部数を明記する
返信用封筒に自分の住所、郵便番号、氏名を記入し、請求部数に応じた郵便料金の切手を貼る
切手を貼った返信用封筒を、送信用封筒に入れる(返信用封筒は折りたたんで入れても問題ない)
送信用封筒に封をし、郵便ポストまたは郵便窓口から郵送する
宛名の書き方や郵送料金などの詳細は、登録事務処理センターのWebサイトで確認しましょう。
2.手数料を払い込む
保育士登録の手引きが届いたら、同封されている専用の払込用紙を使って手数料を払い込みます。登録手数料は1人当たり4,200円です。手数料は、以下の手順で払い込みます。
専用の手数料払込用紙に、氏名(3箇所)、申請者本人の住所を記入する
郵便局の窓口で払込手続きをする(手数料は払込用紙1枚につき1人分払い込む)
振替払込請求書兼受領証(払込用紙の真ん中の部分)と、振替払込受付証明書(払込用紙右側の部分)を受け取り、両方に郵便局の日付入り受付印が押印されていることを確認する
ATMでの払込手続きは、不可となっています。郵便局ではATMでの手続きを案内されることもありますが、必ず窓口で手続きしましょう。
なお、振替払込受付証明書は、申請手続きで必要になります。振替払込請求書兼受領証は、証明として必要になる可能性もあるため、保育士証が発行されるまで大切に保管しておきましょう。
3.申請に必要な書類を準備する
続いて、保育士登録の申請に必要な書類を準備します。具体的な書類の種類は下記にまとめました。
保育士登録申請書(保育士登録の手引きに同封されている)
振替払込受付証明書(保育士登録の手引きに同封されている手数料払込用紙のうち、右端の部分を保育士登録申請書の裏面に全面糊付けする)
保育士となる資格を証明する書類の原本
現在の戸籍抄本(戸籍の個人事項証明書)
保育士となる資格を証明する書類の原本は、以下のいずれか1つの書類が必要になります。
保育士(保母)資格証明書(平成15年11月28日までの資格取得者に交付されていた書類)
指定保育士養成施設卒業証明書(平成15年11月29日以降の資格取得者に交付される書類)
保育士養成課程修了証明書(平成15年11月29日以降の資格取得者に交付される書類)
保育士試験合格通知書(保育士試験合格者に送付される通知書)
平成17年度までに交付された以下の書類のうち、連続した3年間で全科目合格していることが確認できるもの(保育士試験一部科目合格証明書・保育士試験一部科目合格通知書)
書類によっては、別の証明書と似ていたり所定の印が必要だったりするので注意が必要です。提出書類の注意事項についても、よく目を通しておきましょう。
4.申請書類を郵送する
前述した申請書類が揃ったら、都道府県の委託を受けた登録事務処理センターに郵送します。提出先は、「〒102-0083 東京都千代田区麹町1-6-2 登録事務処理センター」です。
書類を提出する際は、必ず郵便局の窓口で簡易書留郵便を利用してください。申請書類の不着や郵便事故の場合、郵便局窓口で発行される書留郵便物受領書が必要となるため、保育士証が届くまで大切に保管しておきます。
なお、申請書類に不備がある場合は、保育士証の交付が遅れることもあるため、記入漏れや書類の不足がないかチェックしてから郵送しましょう。
5.保育士証が交付・郵送で届く
申請書類の郵送後は、申請先の都道府県による審査を経て保育士登録され、保育士証は登録事務処理センターから簡易書留郵便で郵送されます。申請の受け付けから保育士証交付までの期間は、およそ2ヶ月程度です。
申請書類の郵送から3ヶ月以上経過しても、書類不備の連絡や保育士証の郵送がなければ、登録事務処理センターに問い合わせます。問い合わせする際は、手数料払い込み時の「振替払込請求書兼受領証」や申請書類郵送時の「書留郵便物受領書」が必要となるため、大切に保管しておきましょう。
出典
登録事務処理センター「保育士登録申請手続き(新規登録)」(2025年4月17日)
【保育士試験に合格したら】就職活動の流れ
保育士試験に合格したら、保育士登録の手続きと同時進行で就職活動を始めましょう。就職活動は準備や選考で何かと時間がかかるため、登録手続きと同じタイミングで進めたほうが効率的です。
ここでは、保育士試験合格後の就職活動の流れを紹介します。
1.自己分析をする
保育士として働くための就職活動を始める際には、まず自己分析しましょう。自己分析により自分の強み・弱みを知ったりキャリアを棚卸したりすれば、どのような職場で働きたいか希望条件につながります。自己分析の方法には、たとえば以下のようなものがあります。
自分史を作成する:幼少期から現在までの経験を振り返る
長所・短所を書き出す:自分史のエピソードをもとに考える
将来像やキャリアプランを書き出す:どのような保育士になりたいか、何を得たいかなどを掘り下げる
自分史を作成するときは、ワークシートや自己分析ツールを使うと分かりやすくまとめられます。これまでのキャリアで積んだ経験や身につけたスキルなども書き出してみると、選考でアピールする強みやスキルが明確になるでしょう。
2.就職・転職の軸や希望条件を決める
保育士として働くための自己分析をしたら、就職・転職の軸や希望条件を決めます。就職・転職の軸とは、求人を選ぶ際に最も重視する条件や優先順位のことです。就職・転職の軸や希望条件を決めるためには、以下のようなことを書き出してみましょう。
保育士を目指した理由・きっかけ
就職先で活かしたいスキル
保育士として叶えたいこと
働き方や待遇などの労働条件
たとえば、保育士を目指した理由が「小さい子どもが好き」であれば、乳児保育に関われる小規模保育園に希望条件を絞るのも手です。また、「ピアノのスキルを活かして働きたい」のであれば、音楽活動に力を入れている保育園が就職・転職の軸になるでしょう。
通勤時間や勤務時間、給与などの労働条件には優先順位を付けておくと求人を選びやすくなります。就職・転職の軸や希望条件の優先順位は、求人を選ぶ際の判断基準になるでしょう。
3.保育士向けの求人サイトやエージェントに登録する
求人を探す際は、保育士向けの求人サイトや就職・転職エージェントを利用しましょう。保育士向けの求人サイトや就職・転職エージェントでは、保育業界に特化した情報収集や求人探しができます。
保育士向けの求人サイトでは、保育園や認定こども園、児童発達支援施設など、保育士資格が活かせる職場に絞った求人探しが可能です。また、就職・転職エージェントでは、保育業界に詳しいプロに相談しながら、求人紹介や選考対策などの手厚いサポートが受けられます。
保育士向けの求人サイトやエージェントは、求人検索機能やサポート内容をもとに使いやすいサービスを選びましょう。また、幅広い求人を検討するために、求人サイトとエージェントを併用するのも手です。
4.志望先の情報収集をする
気になる求人を見つけたら、選考対策のために情報収集をしましょう。園の求める人物像に合った志望動機にするためには、志望先のWebサイトで保育理念や方針を確認しておくことが重要です。
また、ミスマッチが起きないように、保育士として必要なスキルや経験、労働条件もよく確認しましょう。志望先の情報収集には、就職・転職エージェントも協力してくれます。就職・転職エージェントでは、保育士求人の詳しい情報を教えてもらえたり、疑問点を代理で質問してくれたりすることもあるでしょう。
5.エントリーや応募書類の提出をする
志望先が決まったら、求人情報に従ってエントリーや応募書類の提出をしましょう。求人によっては応募者が多く、早めに求人掲載が終了する可能性もあります。そのため、志望先が決まったら、早めに履歴書や応募書類の作成に取り掛かることが重要です。
履歴書や応募書類には不備がないように、誤字脱字がないかチェックしたり、就職・転職エージェントに添削してもらったりしましょう。
6.採用試験や面接を受ける
保育士が求人応募から内定をもらうまでのプロセスには、書類選考や適性検査、採用試験、面接などがあります。採用までの流れは保育施設によって異なるため、エントリー後の案内に従って準備しましょう。
初めて保育施設で働く場合は、スキルを確認するために、ピアノや絵本の読み聞かせ、製作などの採用試験が実施されることもあります。また、小論文や作文などの提出が求められることもあるでしょう。
保育施設によっては、実技試験はなく書類選考や面接のみの場合もあります。保育施設で働いた経験がない場合は、社会人経験で身につけたスキルや人柄、意欲をアピールすることが大事です。
7.内定後、入職の手続きをする
志望先から内定が出て、承諾する場合は入職の手続きをします。保育士の内定後の主な流れは、以下のとおりです。
1.内定通知書や労働条件が記載された書類を確認する
2.内定への承諾を返答する(保留・辞退の場合も返答する)
3.雇用契約を交わす
4.入職日を確定させる
内定承諾の返答期限は、メールや書類などに記載されています。なるべく早めに回答したほうが、入職の手続きがスムーズにいくでしょう。なお、ほかに選考を受けている保育施設があり承諾するか迷う場合は、いつまで内定保留が可能か相談してみます。
入職日は、保育士登録手続きの状況も加味して職場と決めましょう。
保育士試験合格後に自分に合った求人を探すコツ
ここでは、保育士試験へ合格後、自分に合った求人を探すコツを紹介します。保育士求人は数が多く迷う可能性もあるため、情報収集しながら慎重に検討しましょう。
保育士向けの合同説明会や転職フェアに参加する
保育施設で初めて働く場合は、保育士向けの合同説明会や転職フェアで情報収集しましょう。合同説明会や転職フェアでは、1日で複数の保育施設に関する情報収集ができます。まずは、さまざまな保育施設をみることで、自分に合った職場を絞っていけるでしょう。
合同説明会や転職フェアは、目的があいまいだと何となく参加して終わってしまうこともあります。事前に話を聞きたい保育施設をチェックしておいたり質問事項を考えたりして、積極的に情報収集する姿勢が求められるでしょう。
複数の求人を比較検討する
就職・転職活動をスムーズに進めるためには、複数の求人を比較検討しましょう。志望先を1社だけに絞ると、イメージと違った場合や選考で落ちたとき、また一から求人探ししなければいけません。
2~3つ程度の求人であれば、日程を調整しながら同時進行で選考を受けられます。複数の求人をみれば労働条件や職場環境などを比較しながら、自分に合った職場かどうかを判断しやすくなるでしょう。
園見学をさせてもらう
気になる職場がある場合は園見学をさせてもらうと、自分の目で職場環境や雰囲気を確認できます。実際に働いている人や子どもたちの状況、施設の設備などに着目すれば、自分が働くイメージを膨らませられるでしょう。
保育施設によっては、求人情報に「園見学できます」と記載している場合もあります。園見学できるか分からない場合は、エントリーする際や面接の前に聞いてみましょう。
保育業界専門の転職エージェントに相談する
自分に合った求人は、保育業界専門の転職エージェントに紹介してもらえる可能性があります。保育業界専門の転職エージェントは、プロから求人紹介や選考対策のアドバイスを受けられるのが魅力です。
保育業界専門の転職エージェントを利用すると手厚いサポートが受けられるため、不安や疑問を解消しながら転職活動を進められるでしょう。
保育士求人を探している方は、保育業界専門の転職支援サービス「レバウェル保育士」にご相談ください。レバウェル保育士では、地域に特化したプロのアドバイザーがあなたにあった求人をご紹介。応募書類の添削や模擬面接など、選考対策もサポートします。
保育士試験合格後の就職活動の進め方についても、ぜひお気軽にお問い合わせください。
保育士試験の合格後によくある質問
ここでは、保育士試験の合格後によくある質問にQ&A形式で答えます。
保育士試験の合格後に保育士登録しないとどうなる?
保育士試験の合格後、保育士登録をしなくても資格を失うことはありません。ただし、保育士として働くためには、登録手続きをして「保育士証」の交付が必要です。
保育士登録には最短でも2ヶ月程度かかります。保育士登録後は更新の必要もないため、あらかじめ申請しておくと入職時の手続きがスムーズにいくでしょう。
保育士試験合格後、保育士登録の期限はありますか?
保育士試験に合格している場合、保育士登録の期限はありません。保育士登録ができる状態になっていれば、いつでも申請可能です。ただし、登録事務処理センターの「保育士登録ができない場合(欠格事由)」に記載されている事項に該当する場合は、保育士としての登録ができないのでご注意ください。
出典
登録事務処理センター「保育士の登録と罰則規定」(2025年4月17日)
保育士試験に合格したら、いつから働ける?
保育士試験に合格したら、最短でおよそ2ヶ月後から働けます。保育士として働くために必要な登録には、申請書類の受け付けから保育士証の交付まで、おおよそ2ヶ月程度かかります。就職活動は、1~3ヶ月程度かかるようです。保育士登録と就職活動を同時進行して、入職がスムーズにいくようにしましょう。
まとめ
保育士試験に合格したら、保育士として働くために登録手続きと就職活動をします。保育士として働くためには、保育士登録の手続きにより交付される「保育士証」が必要です。保育士証の発行には最短でも2ヶ月かかるため、保育士登録と就職活動は同時進行しましょう。
保育士証を発行するためには、「保育士登録の手引き」を登録事務処理センターから取り寄せます。保育士登録する際は、手数料の払い込みや申請書類の郵送が必要です。申請書類に不備があると保育士証の発行が遅れることもあるため、記入漏れや書類の不足がないか注意しましょう。
保育士試験に合格後、自分に合った保育施設を探すためには、自己分析をしたり希望条件を決めたりします。転職フェアや園見学などに行き、積極的に情報収集することも大事です。1人での求人探しや選考対策に不安な場合は、保育業界専門の転職エージェントでプロに相談してみましょう。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。