障害児保育に役立つ資格15選！支援に必要なスキルや向き不向きも解説

ここでは、就職や転職が有利になる障害児保育の資格について詳しく解説します。どのような資格があるのか、自分に向いている資格は何かをチェックしてみましょう。

保育士とは、児童の保育や保護者への支援・指導を行う国家資格です。保育園をはじめ、児童発達支援事業所や放課後等デイサービス、児童発達支援センターといった障害児保育の現場でも幅広く活躍しています。

障害のある子どもに対する支援では、日常生活のサポートに加え、遊びや集団活動を通じて一人ひとりの発達を促す専門的な関わりが大切です。保育士は、子どもの特性に合わせた支援を行う観察力・柔軟な対応力に優れており、療育現場でも欠かせない存在といえるでしょう。なお、児童発達支援センターでは「保育士が1名以上」、児童発達支援センター以外では「児童10名に対し、保育士か児童指導員児童が2名以上」の配置が定められていることから、採用時のアピールにつなげられます。

社会福祉士は、障害や家庭環境などの理由で生活に困難を抱える人々の相談支援を行う国家資格です。ソーシャルワーカーとも呼ばれ、福祉全般に関する幅広い知識と実践力で子どもの支援を担います。

精神保健福祉士は、心の病や精神障害をもつ人への支援を専門とする国家資格です。精神面での配慮が必要な子どもや家庭への支援、メンタルケアの観点からも注目されており、保育施設や医療・教育現場などでニーズが高まっています。どちらも、障害児やその家族を多方面から支える力となる資格で、就職・転職を有利に進められるでしょう。

児童指導員任用資格は、「児童指導員」として働くために必要な資格です。児童指導員は、障害児入所施設や児童養護施設など、多くの児童福祉施設で配置が義務付けられています。生活支援や発達支援、学習支援などを通じて子どもたちの健やかな成長を支える重要な職種です。

児童指導員任用資格を得るには、所定の学歴や職歴、資格などの要件を満たす必要があります。試験や研修は設けられておらず、任用資格の証明ができれば各事業所に配置されている期間に児童指導員と名乗ることが可能です。

作業療法士は、子どもの「生活」や「遊び」といった日常の活動（＝作業）を支援する国家資格です。障害児保育の現場では、発達に課題を抱える子どもが日々の活動でつまずく理由を、身体機能や認知面、環境要因など多角的な視点で分析し、支援の手立てを考えます。

また、子どもだけではなく、「うまく支援できない」と悩む保育者に対して、専門的な視点からの助言を行える存在です。多様な支援力は児童発達支援や放課後等デイサービス、特別支援学校などさまざまな分野で評価されるでしょう。

理学療法士は、歩行や姿勢の維持、体の使い方など「運動機能」に課題を抱える子どもを対象に専門的なリハビリ支援を行う国家資格です。特別支援学校や医療機関はもちろん、近年では運動療育を重視する児童発達支援施設や放課後等デイサービスでのニーズも高まっています。子ども一人ひとりの発達段階や障害特性に応じて、遊びや日常動作の中にリハビリ要素を取り入れながら、「できた！」という成功体験を積ませる支援は、子どもの自信や意欲にもつながります。

言語聴覚士は、発語の遅れや言葉の理解・表現の難しさ、嚥下（えんげ）障害など、言語や食べる機能に課題を抱える子どもを支援する国家資格です。障害児保育においては、子どもが自分の気持ちや意思を伝えられるよう、保育士と協力しながら「言葉の発達」を促します。言語の発達に関する障がいは早期の療育が求められていることから、事業所側も言語聴覚士を積極的に配置しているようです。

手話通訳士は、聴覚障がいのある子どもと周囲との円滑なコミュニケーションを支える公的資格です。療育施設や障害児保育の現場では、子どもが安心して自分の思いや感情を表現できるようサポートする存在として活躍できます。また、保護者やスタッフとの情報共有を円滑に行う橋渡し役としても重宝されるようです。個々のニーズに応じた支援が重視される障害児保育の現場では、専門スキルを活かした転職に有利な資格といえるでしょう。

臨床心理士や公認心理師は、発達の遅れや行動面での困難を抱える子どもたちの心に寄り添い、心理検査・カウンセリング・行動観察などを通じて、個々に適した支援方法を導き出す専門職です。臨床心理士は民間資格で、公認心理師は国家資格となっています。子どもたちの言動や感情に着目して心理面のサポートができるだけでなく、保育士を対象にしたカウンセリングも可能なことから、障害児保育の現場でスキルを発揮しやすいでしょう。