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保育士の仕事の将来性は?業界の課題や働くメリット、キャリアを解説!

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保育士の将来性について、気になっていませんか?共働き世帯の増加や、多様な保育ニーズの拡大により、保育士の需要は高まっています。 この記事では、保育士の仕事に需要がある理由や、保育業界の課題を解説します。保育士として働くメリットやキャリアアップの方法も紹介するので、長く働き続けたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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「レバウェル保育士」編集部

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保育士は将来性がある職業!

少子化が進んでいるといわれる現代ですが、保育士の需要は高まっています。ここでは、保育士の仕事に将来性がある理由を見ていきましょう。

共働きの家庭が増加して保育の需要が高まっている

共働き家庭の増加に伴い、保育サービスへの需要は着実に高まっています。厚生労働省の「図表1-1-3 共働き等世帯数の年次推移新規タブリンク」によると、2000年に約940万世帯だった共働き家庭は、2022年には約1260万世帯になっており、約20年間で320万世帯も増加しているのが現状です。共働き家庭の増加に比例して、子どもを預ける場所も必要になります。

少子化で子どもの総数は減少傾向にありますが、厚生労働省の「保育を取り巻く状況について(p.11)新規タブリンク」によると、保育園を利用する子どもの数は平成24年からの約10年間で増加しています。保育の需要が高まる傾向は今後も続くと予想されるので、保育士は将来性のある仕事といえるでしょう。

保育の担い手は必要数に足りていない

こども家庭庁の「保育士の有効求人倍率の推移(全国)新規タブリンク」によると、令和7年4月の保育士の有効求人倍率は2.58倍です。これは全職種平均の1.18倍と比較すると2倍以上の値であり、保育の担い手が不足していることが分かります。

保育業界は慢性的な人手不足が続いているので、保育士は重宝されやすい仕事です。保育士は国家資格のため、資格を活かして全国どこでもキャリアを継続しやすい点も強みになります。こうした状況から、保育士は安定した高い需要が見込める、将来性のある職業といえそうです。

出典

こども家庭庁「保育新規タブリンク」(2025年9月8日)

保育はAIで代替できない仕事

保育の仕事は人と人の関わりが本質なので、AI化が難しい分野です。保育園での事務作業の効率化にAIが活用されることはあっても、保育業務そのものは人の手でしか行えません。

保育現場では、子どもの表情や行動から感情を読み取ったり、一人ひとりの個性や発達に合わせた対応が求められたりします。子どもの創造性を育み、社会性を身につけさせるには、子どもたちへの深い理解と温かな触れ合いが必要です。複雑な対人スキルを要する保育をAIが代替することは考えにくく、将来にわたって保育士の仕事は存在し続けるでしょう。

国が保育士の処遇改善を進めている

保育士の仕事は、国の処遇改善策によって、将来的に待遇面の向上が見込める職種といえます。。こども家庭庁の「令和7年度以降の処遇改善等加算について(p.5)新規タブリンク」によると、国は2013年度以降、継続的に保育士の処遇改善を進めており、給与が年々増加傾向にあります。

年度 きまって支給する現金給与額 年間賞与その他特別給与額
2020 24万9,800円 74万7,400円
2021 25万6,500円 74万4,000円
2022 26万6,800円 71万2,100円
2023 27万1,400円 71万2,200円
2024 27万7,200円 74万1,700円

参照:政府の統計総合窓口e-Stat「賃金構造基本統計調査新規タブリンク

保育士の処遇改善は、保育士不足を改善し、質の高い保育サービスを安定的に提供するための重要な取り組みです。保育士の給与が上がれば、専門職としての魅力が増し、新たな人材の確保や定着につながることが期待されています。

出典

こども家庭庁「子ども・子育て支援制度新規タブリンク」(2025年9月8日)
厚生労働省「賃金構造基本統計調査新規タブリンク」(2025年9月8日)

保育の多様化で活躍の場が広がっている

保育士の活躍の場は、保育園だけにとどまりません。たとえば、以下のような施設においても、保育士の資格や経験が活かせます。

  • 認可保育園

  • 認定こども園

  • 学童保育

  • 放課後デイサービス

  • 事業所内保育園

  • 院内保育所

  • 託児所

保育士は幅広い施設で働けるので、自分の適性やライフスタイルに合わせて働く場所を選べ、長く働き続けやすいのがメリットです。異なる施設での経験は専門性を高め、将来的にキャリアの幅を広げることにもつながるでしょう。

保育業界の課題

保育士の将来性を考える際は、良い面だけでなく課題も知っておくことが大切です。ここでは、保育業界の課題を解説します。

給与水準が全産業と比べて低いこと

保育士の給与水準は、改善傾向にあるものの、全産業平均と比較するとまだ低い状況です。政府の統計総合窓口e-Statの「賃金構造基本統計調査新規タブリンク」より、保育士と民営事業所の産業計を以下にまとめました。

職種 きまって支給する現金給与額 年間賞与その他特別給与額 想定年収
保育士 27万7,200円 74万1,700円 406万8,100円
民営事業所の産業計 35万9,600円 95万4,700円 526万9,900円

参照:政府の統計総合窓口e-Stat「賃金構造基本統計調査新規タブリンク

保育士の平均年収は、民営事業所の産業計より約120万円低いです。理由として、保育園は限られた資金で運営していることが多い点や、職業柄個人の業績が給与に反映されにくい点などが挙げられます。

ただし、こども家庭庁の「令和7年度以降の処遇改善等加算について(p.3)新規タブリンク」によると、令和6年度には保育士の人件費について10.7%の改善を補正予算として計上しました。処遇改善加算を行っていない事業所もあるので、業界全体に賃上げが浸透するには時間がかかりますが、確実にベースアップの動きは進められています。保育士の待遇は徐々に改善されつつあり、将来性に明るい兆しが見えているといえそうです。

出典

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況新規タブリンク」(2025年9月8日)
こども家庭庁「子ども・子育て支援制度新規タブリンク」(2025年9月8日)

業務量が多く負担が大きいこと

保育士の仕事は子どもの保育だけでなく、保護者対応や書類作成、行事準備など業務の幅が広いのが特徴です。人手不足も相まって、保育士一人あたりの負担が大きくなる場合もあります。業務量の多さから、十分な休憩時間を取れなかったり、残業や持ち帰り仕事が増えたりすることも珍しくありません。

保育士の業務負担が大きい問題に対し、業務改善の取り組みを進めている保育園もあります。たとえば、保育日誌や連絡帳のICT化など、事務作業の効率化を図る園もあるようです。また、持ち帰り仕事や残業を禁止する方針の園もあります。業界全体で働きやすさを向上させる動きが広がっており、将来的には保育士の労働環境も改善されていくかもしれません。

保育士として働くメリット

保育士の仕事は、子どもとの関わりでやりがいを感じられたり、柔軟な働き方がしやすかったりする点が魅力です。ここでは、保育士として働くことで得られるメリットを紹介します。

子どもの成長に大きなやりがいを感じられる

保育士の魅力は、子どもたちの成長に直接関わり、その発達を間近で見守れることです。最初は一人で歩けなかった子が走り回れるようになったり、言葉を話せなかった子が自分の気持ちを伝えられるようになったりすると、保育士は大きなやりがいを感じられるでしょう。

子どもたちの「できた!」という瞬間に立ち会い、成長を保護者と共有できることは、保育士ならではの特別な経験です。子どもの笑顔や成長する姿から得られる充実感は、保育士を支える原動力となります。

ライフステージが変わっても柔軟な働き方ができる

保育士の資格は一度取得すれば、更新の必要がなく生涯にわたって有効です。そのため、結婚や出産、家族の転勤など、人生の節目で働き方を変えたいときもスムーズにキャリアを継続できます

たとえば、子育て中の方は時短勤務の正社員として働いたり、家庭との両立を優先してパートや派遣を選んだりすることも可能です。フルタイムでの勤務から、自分のライフスタイルに合わせた働き方へと柔軟に変更できるのが、保育士のメリットになります。保育士の仕事は家庭とキャリアの両立を目指す人にとって、魅力的な選択肢といえるでしょう。

キャリアアップすれば年収が上がる

国が推進する保育士の処遇改善加算制度により、一定の要件を満たすことで年収が上がります。こども家庭庁の「令和7年度以降の処遇改善等加算について(p.30)新規タブリンク」によると、処遇改善加算の区分3は、副主任保育士や専門リーダーに昇格すれば月額4万円以内の処遇改善手当が支給される仕組みです。職務分野別リーダーは、月額5,000円以内の処遇改善手当が支給されます。

保育士は、専門性を高めて責任ある立場になることで、経済的にも安定したキャリアを築けるでしょう。

出典

こども家庭庁「子ども・子育て支援制度新規タブリンク」(2025年9月8日)

幅広い年齢の子どもと関わり多様なスキルが身につく

保育士は、乳児から幼児までの幅広い年齢層の子どもと関われるのがメリットです。0歳児や1歳児との非言語コミュニケーションや、幼児期の創造性を育む遊びの展開方法など、年齢ごとに必要な対応スキルを習得することが可能です。幅広い対応力を身につけると、保育士としてキャリアの選択肢も広がります。

レバウェル保育士は保育園以外にも、学童保育や放課後等デイサービスセンターなど、より幅広い年齢の子どもと関われる転職先を紹介することが可能です。新たなキャリアに挑戦してみたい方は気軽にご相談ください。

保育士がキャリアアップする方法

保育士として長く働き続けるためには、キャリアアップの視点も大切です。ここでは、保育士としてスキルアップし、より専門性を高めるための方法を解説します。保育士としての将来像を描く参考にしてみてください。

保育士等キャリアアップ研修を受講する

保育士のキャリアアップには、保育士等キャリアアップ研修の受講がおすすめです。保育士等キャリアアップ研修は、専門性を高め、リーダー的人材の育成を目的としています。こども家庭庁の「保育士等キャリアアップ研修の実施について(p.3)新規タブリンク」によると、以下8つの分野があるのが特徴です。

  • 乳児保育

  • 幼児保育

  • 障がい児保育

  • 食育、アレルギー対応

  • 保健衛生、安全対策

  • 保護者支援、子育て支援

  • マネジメント

  • 保育実践

各分野15時間以上の受講が必要で、修了すると修了証が交付されます。必要な研修を受ければ、副主任保育士や専門リーダー、職務分野別リーダーなどに就ける可能性があり、処遇改善にもつながります。

出典

こども家庭庁「保育新規タブリンク」(2025年9月8日)

資格を取得して専門性を高める

保育士としてのキャリアをさらに発展させるには、追加で資格を取得するのが効果的です。リトミック指導員や絵本専門士といった資格を取得することで、独自の専門性を身につけられます。

たとえば、リトミック指導員の資格があれば、保育活動に音楽と動きを取り入れた独自のプログラムを導入できるかもしれません。また、絵本専門士の資格を活かせば、子どもたちの感性を育む質の高い読み聞かせを実践できるでしょう。専門性を高め保育の幅を広げれば、通常の保育士よりも高い待遇を得られる可能性もあります。

保育士の将来性に関してよくある質問

ここでは、保育士の将来性に関してよくある質問にお答えします。長期的にキャリアを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

少子化が進んでいるけど保育士の今後の需要はどうなる?

少子化が進んでいたとしても、保育士の需要は当面高い状態が続くと予想できます。こども家庭庁の「令和7年度保育関係予算案関連資料新規タブリンク」によると、2024年度から保育士の職員配置基準の見直しが実施されているようです。これは保育の質を向上させるための重要な取り組みであり、保育士の増員が不可欠になります。こうした要素から、今後も保育士の需要が高い状態が続くと考えられます。

出典

こども家庭庁「保育対策関係予算の概要新規タブリンク」(2025年9月8日)

保育士は将来余る可能性がある?

将来、保育士が大幅に余る可能性は低いと考えられます。現在の保育士不足の状況を考えると、供給が需要に追いついていない状態です。また、保育士の活躍の場は従来の保育園だけでなく、学童保育や放課後デイサービス、子育て支援センターなど多様化しています。こうした状況から、保育士資格を持つ人材が大幅に余るという事態は当面考えにくいでしょう。

まとめ

保育士は、共働き世帯の増加や保育ニーズの多様化により、将来性のある職業です。少子化は進んでいますが、保育を必要とする子どもの割合は増えており、有効求人倍率の高さからも保育士の需要の高さが分かります。

保育はAIで代替できない「人対人」の仕事です。また、国による保育士の処遇改善も進んでいます。保育士の活躍の場は保育園だけでなく、幅広い施設に広がっているので、自分のライフスタイルに合わせた働き方が可能です。

保育士の仕事は、「給与水準が低い」「業務負担が大きい」といった課題もありますが、保育士等キャリアアップ研修の受講や専門資格を取得することで、より良い待遇を得るチャンスがあるでしょう。保育士は社会に必要とされる専門職として、これからも重要な役割を担い続けると考えられます。

保育士の将来性に不安を感じている方は、保育専門の転職エージェント「レバウェル保育士」にご相談ください。「レバウェル保育士」なら、処遇改善に積極的な保育園や、ワーク・ライフ・バランスの取りやすい職場など、あなたの希望に合った求人をご紹介します。給与面の不安やキャリアプランについても、キャリアアドバイザーが丁寧に対応するので、安心してご登録ください。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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