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児発管(児童発達支援管理責任者)とは?必要な研修や資格、仕事内容を解説
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児発管(児童発達支援管理責任者)とは何か、仕事内容や役割について気になる方もいるのではないでしょうか。児発管とは、子どもの発達特性や障がいに応じて、支援計画を個別に作成し、関係機関や保護者との連携を担う仕事です。 この記事では、児発管の仕事内容や資格取得の方法、年収について解説。ほかにも、働くうえでのやりがいや向いている人の特徴、児発管を目指して転職する際のポイントも紹介します。児発管を目指したい方は、記事を参考にしてください。
目次
児発管(児童発達支援管理責任者)とは
児発管(児童発達支援管理責任者)とは、子どもの発達特性や障がいに応じて、個別支援計画の作成や関係機関との連携、保護者の支援などを行うのが仕事です。児発管は、障がい児をサポートする現場において、リーダーとして適切な支援を提供する体制を整える役割を担っています。
「児童福祉法 第五条」では、指定児童発達支援事業所において、児発管を1名以上配置することが定められています。
出典
e-GOV法令検索「児童福祉法 第五条」(2025年8月15日)
児発管の主な仕事内容
ここでは、児発管(児童発達支援管理責任者)の具体的な仕事内容について紹介します。児発管を目指している方は、仕事内容について理解を深めておきましょう。
利用者の個別支援計画作成
児発管(児童発達支援管理責任者)のメインの仕事ともいえるのは、個別支援計画の作成です。個別支援計画とは、児童一人ひとりが抱える課題に対して、現場でどのような支援を行うかの計画を具体的に定めた資料です。児発管は、個別支援計画の作成を通して支援の目標や目的、内容を明確にし、児童指導員が現場で適切かつ必要な支援を実施できるようにします。
個別支援計画を作成する主な流れは以下のとおりです。
個別支援計画作成の主な流れ | 具体的な作業内容 |
1.アセスメント(利用者の査定・評価) | 利用者(子ども)や保護者との面談で困っていること、今後の目標、得意不得意などについてヒアリング。行動観察や発達検査なども行う |
2.個別支援計画案を作成する | アセスメントの内容をもとに、支援方針や長期・短期目標を作成する |
3.個別支援計画会議を実施 | 現場の児童指導員とともに個別支援計画の内容をブラッシュアップする |
4.個別支援計画を交付 | 利用者(子ども)と保護者に個別支援計画の内容を説明して同意を得る |
5.支援開始 | 個別支援計画に沿って児童指導員が支援する |
6.定期的に個別支援計画を見直し・更新 | 6ヶ月に1回以上のペースで個別支援計画を見直したり更新したりする |
児発管は、個別支援計画の交付後にも、利用者の状況や、児童指導員・保護者からの相談に応じて個別支援計画を更新します。また、個別支援計画どおりに支援が進んでいるかを定期的に確認し、目標達成に向けた課題分析も行うのも、児発管の仕事です。
保護者の支援
児発管(児童発達支援管理責任者)は、保護者との面談や悩みに対する相談支援も行います。家庭での支援方法や関わり方に悩む保護者は少なくないため、保護者の不安に寄り添い、心身の負担を軽減する方法を一緒に考えることが重要です。
保護者への支援では、専門用語を使わずに分かりやすく伝えるスキルも求められます。日ごろから連絡ノートを通じて保護者と連携し、子どもの発達状況や課題について情報共有するのが大切です。
教育・医療機関・自治体などとの連携
サービスを利用する子どもが必要とする支援が受けられるように、児発管(児童発達支援管理責任者)が窓口となり教育機関や医療機関、自治体と連携する場合もあります。たとえば、子どもが通う保育園や小学校と情報交換や支援内容の調整などを行うこともあるでしょう。
指導員への技術指導
児発管(児童発達支援管理責任者)は個別支援計画に沿って支援が行われているか確認し、児童指導員への技術指導を行う場合もあります。児童指導員への技術指導を行うためには、豊富な知識とスキルが求められるでしょう。児童指導員とうまく連携し、子どもへの支援を進めていくことが重要です。
児発管とサビ菅・相談支援専門員との違い
ここでは、児発管(児童発達支援管理責任者)と混同しやすいサビ菅(サービス管理責任者)、相談支援専門員について紹介します。児発管との違いや、それぞれの仕事内容について参考にしてください。
サービス管理責任者(サビ管)とは
サビ管(サービス管理責任者)とは、障害福祉サービス事業所において個別支援計画を作成する職種のことです。サビ管も児発管(児童発達支援管理責任者)も、個別支援計画を作成する役割を担う点は同じですが、基づく法律や勤務する施設、利用者の対象年齢が違います。主な違いは下記のとおりです。
児発管 | サビ管 | |
法律 | 児童福祉法 | 障害者総合支援法 |
利用者の主な対象年齢 | 18歳未満 | 18歳以上 |
支援する主な事業所 | 児童発達支援/放課後等デイサービス/障害児入所支援施設(福祉型・医療型) | 就労移行支援/自立訓練/療養介護/ |
サビ管は障害者総合支援法に基づき、障害者福祉サービスを提供する施設で勤務し、18歳以上の障がいのある成人を対象としています。
一方、児発管は児童福祉法で定められた施設で働き、18歳未満の障がいがある子どもが対象です。
サビ管と児発管では対象年齢が異なるため、求められる知識や支援も異なるでしょう。
相談支援専門員とは
相談支援専門員とは、障がいのある方やその保護者から相談を受け、支援の全体計画を立てる仕事です。相談支援専門員は、支援のニーズや課題を洗い出し、適切な支援が受けられるように必要なサービスの組み合わせを考えます。これが「サービス等利用計画書」です。
児発管(児童発達支援管理責任者)との主な違いは、作成する計画の範囲です。相談支援専門員が総合的な課題を考えてサービス等利用計画を立てるのに対し、児発管はサービス等利用計画の目標を達成するために、自施設で提供する具体的な支援内容を考えます。どちらも相談・調整に関わる職種ですが、より現場に近いのが児発管であるといえるでしょう。
また、相談支援専門員は、障害福祉サービスの利用者全体が支援対象となるため、子どもに限らずに支援を行う点でも児発管と異なります。
児発管になるには?
児発管(児童発達支援管理責任者)になるには、支援業務の実務経験を積み、研修を受けて修了する必要があります。具体的には下記の流れで児発管を目指します。
支援業務または国家資格に基づく業務の実務経験を積む
基礎研修を受ける
障害福祉の現場で児発管業務のOJTを行う
実践研修を受ける
児発管として就職する
資格取得後は5年ごとに更新研修を受ける
必要な実務経験の年数は、保有資格やこれまでの経験によって変わります。最短で5年、無資格から目指す場合は8年かかるので、長期的に取り組む必要があります。
詳しくは「児発管になるには?必要な資格や実務経験、求人を探すポイントも解説」をご覧ください。
児発管になるのは難しい?
児発管(児童発達支援管理責任者)になるためには、最低でも5年以上かかり、実務経験や研修を通して多くのことを学ぶ必要があります。そのため、「難しい」と躊躇する方もいるでしょう。
ここでは、児発管になるために必要な年数や要件の緩和について紹介するので、ぜひ参考にしてください。
児発管になるには最低でも5年以上かかる
児発管(児童発達支援管理責任者)になるには、実務経験と研修を合わせて、最低でも5年は必要となります。そのうえ、基礎研修や実践研修は、希望するタイミングで開催されていなかったり、定員の上限で受講できなかったりする場合もあります。このような背景から、児発管になるには6年か、それ以上の年数がかかる場合もあるようです。
法改正により挑戦しやすくなっている
必要な経験年数は長いですが、児発管(児童発達支援管理責任者)の人員不足によって児発管の要件緩和が進められており、以前よりも児発管を目指しやすくなっています。
たとえば、2023年までは実務経験(OJT)期間は一律で2年とされていましたが、児発管の配置が困難になりました。そのため、すでに相談支援または直接支援に3~8年従事し、個別支援計画の原案作成などに従事する場合は、OJT期間が「6ヶ月以上」に短縮されました。
児発管の資格に関する法改正は今後も続く可能性があるため、取得前には最新の情報を確認しておきましょう。
児発管の主な就業先
主に、児発管(児童発達支援管理責任者)は発達の特性や障がいがある子どもが利用する施設で働きます。また、訪問型の支援を展開する事業所で働くことも可能です。ここでは、児発管の主な就業先について紹介します。
障害児通所施設
児発管の就業先の1つとして、障害児通所施設があります。障害児通所施設では、発達の特性や障がいのある子ども向けに、課題に応じた支援を実施します。事業所の種類は大きく分けて以下の4つです。
障害児通所施設の例 | 特徴 |
児童発達支援 | 障がいのある未就学児に対し、身体能力や言語能力、情緒が健全に発達するように支援する。また、規則正しい生活や社会性を習得できるように訓練を行う |
医療型児童発達支援 | 肢体不自由があり、医療的な支援が必要と認められた未就学児に対して、児童発達支援と治療を並行して行う |
放課後等デイサービス | 6~18歳の障がいがある子どもが、放課後や休日に通う施設。基本的な日常生活動作の習得や自立支援を通して、将来自立して地域社会で生活していけるように訓練する |
保育所等訪問支援 | 専門知識を持つ支援員が保育園や幼稚園、小学校などに派遣され、子どもが集団生活に適応できるように直接支援したり、保育士や教員に助言や提案を行う |
参照:厚生労働省「児童発達支援ガイドライン (p.11)」「放課後等デイサービスガイドライン (p.2)
」、こども家庭庁「保育所等訪問支援ガイドライン (p.5)
」、神戸市「医療型児童発達支援
」
出典
厚生労働省「児童発達支援ガイドライン」「放課後等デイサービスガイドライン
」(2025年8月18日)
こども家庭庁「障害児支援部会(第6回)}」(2025年8月18日)
神戸市「医療型児童発達支援」(2025年8月18日)
障害児入所施設
児発管(児童発達支援管理責任者)の就業先には、障害児入所施設もあります。障害児入所施設とは、重い障がいのある児童や虐待を受けている児童などを保護し、日常生活の指導や自活に必要な知識・技能の付与を行う施設を指します。障害児入所施設では、発達支援や自立支援、社会的養護、地域支援という4つの機能を担っています。
出典
厚生労働省「障害児入所施設運営指針」(2025年8月18日)
居宅訪問型児童発達支援
児発管(児童発達支援管理責任者)は、訪問型の支援を展開している居宅訪問型児童発達支援で働く場合もあります。居宅訪問型児童発達支援とは、医療的ケアや重度の障がいによって外出が困難な子どもに対して、日常生活における動作の指導や生活能力向上に向けた訓練や支援を行います。必要な支援に応じて児発管や保育士、作業療法士、言語聴覚士などが利用者の自宅に訪問して支援を実施する場合もあります。
児発管の働き方は?
ここでは、児発管(児童発達支援管理責任者)として働く1日の流れや勤務形態などを紹介します。就業先によって働き方は異なるため、1つの例として参考にしてください。
児発管の1日の流れ
一例として、放課後等デイサービスで働く児発管のスケジュールを紹介します。
1日の流れ | 仕事内容 |
午前10時 | 出勤後に、前日の指導記録や今日のスケジュールを確認し、ミーティングや事務連絡を行う |
午前11時 | 事務作業や教室内の清掃、プログラムの準備などを行う |
正午 | 昼休憩 |
午後1時 | 子ども(利用者)が通学する学校へ迎えに行く |
午後2時 | 体調確認後、自由時間として宿題や遊びを見守る |
午後3時 | おやつの提供 |
午後3時半 | 創作活動やレクリエーションなど、療育プログラムに取り組む |
午後5時 | 保護者に活動の様子を伝えたり、相談を受けたりする |
午後7時 | 清掃や明日の準備をした後、退勤 |
上記以外にも、定期的に子どもや保護者と面談を実施し、個別支援計画の見直しや修正をする業務も行います。
児発管の勤務形態
就業先によって勤務時間や日程は異なりますが、たとえば児童発達支援や放課後等デイサービスで働く場合、開所日は月〜土曜となるケースが多いようです。そのため、週休2日の場合、月〜土曜日のいずれか1日と日曜祝日が休みという働き方になるでしょう。
児発管の平均年収
厚生労働省の「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果 (p.76)」によると、児発管(常勤)の月額平均給与は40万5,480円で、これを年収に換算すると、486万5,760円となります。就業先別の児発管(常勤)の平均給与額は、以下のとおりです。
就業先 | 平均給与額(月額) |
児童発達支援 | 33万5,760円 |
放課後等デイサービス | 36万1,380円 |
保育所等訪問支援 | 38万8,280円 |
居宅訪問型児童発達支援 | 36万5,990円 |
福祉型障害児入所施設 | 47万3,440円 |
医療型障害児入所施設 | 42万1,920円 |
参照:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果 (p.84~)」
平均給与額は、基本給+手当+一時金(4〜9月支給金額の6分の1)により算出し、10円未満は四捨五入しています。なお、就業先によって基本給や手当を含めた給与は異なるため、参考程度におさえておきましょう。
出典
厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果」(2025年8月18日)
児発管のやりがい・大変なこと
児発管(児童発達支援管理責任者)は、子どもの成長を間近で感じられる仕事であるため、やりがいを感じる場面がたくさんあります。一方で、責任の重さが負担になることもあり、簡単な仕事ではないという側面もあります。やりがい・大変な部分の両面を把握して、さらに児発管の仕事の理解を深めましょう。
児発管の仕事でやりがいに感じること
児発管(児童発達支援管理責任者)のやりがいや魅力の1つは、子ども一人ひとりとじっくり向き合える点です。とくに個別支援計画を作成する際は、子どもや保護者と徹底的に向き合うことが求められます。作成した支援計画により適切な支援が受けられたり、子どもが成長する姿が見られたりしたときは、大きなやりがいにつながるでしょう。
また、子どもだけでなく保護者との連携がうまくいき、課題を解決できたときにもやりがいを感じられます。児発管は事業所や施設の管理者を兼務することもあるため、職場環境の整備や雰囲気づくりにやりがいを感じる方もいるようです。
児発管の仕事で大変に感じること
児発管(児童発達支援管理責任者)として個別支援計画を作成するときには、子どもや保護者と面談したり、職員と会議をしたりするため、仕事量が多く大変と感じる場合もあるようです。勤務先によっては、個別支援計画作成以外にも管理や事務などの作業を任されて負担になる可能性もあります。
どんなに入念に個別支援計画を作成しても、支援は必ずうまくいくとは限りません。長い目で子どもの成長を見守る必要がありますが、思うように支援が進まないと、責任やプレッシャーを感じる方もいるでしょう。
児発管の将来性
児発管(児童発達支援管理責任者)の仕事は、障がい児支援ニーズの高まりともなって需要が高まっています。厚生労働省の「障害児通所支援の現状等について (1p)」によると、障がい児向けの支援サービスの利用者数は毎年増加しています。単に利用者が増えただけでなく、母親の就業率の高まりによって保育や放課後等デイサービスの支援が求められているという背景もあるようです。そのため、児発管が活躍できるチャンスは広がっており、将来性もあるといえるでしょう。
出典
厚生労働省「障害児通所支援の現状等について」(2025年8月15日)
児発管になる主なメリット・デメリット
ここでは、児発管(児童発達支援管理責任者)になるメリット・デメリットを紹介します。
児発管になる主なメリット
児発管(児童発達支援管理責任者)になる主なメリットは、以下のとおりです。
障がい児支援の専門性を深められる
子どもの経過を個別に見守りながら長期的に支援できる
児童指導員よりも給与がアップする
転職先の選択肢が多い
児発管は、児童指導員と比べて深くまで支援に入り込めるため、専門性もやりがいも感じやすいでしょう。
児発管になる主なデメリット
児発管(児童発達支援管理責任者)になることで、下記のような負担を感じる可能性があります。
管理や事務作業の負担が増える
責任の大きさがプレッシャーになる
5年おきに更新研修を受けなければならない
児発管になると、仕事の裁量が大きくなる分、業務量や責任も多くなります。資格を取るまでに必要なステップも多く、簡単に取れる資格ではないので、キャリアプランを明確に立てたうえで、児発管を目指すかどうか検討してください。
児発管に向いている人の特徴
児発管(児童発達支援管理責任者)は施設や事業所の主導を任されることもあるため、責任感がある方に向いています。責任感があると、支援している子どもや保護者との信頼関係も築きやすくなるでしょう。
また、個別支援計画の作成は、客観的に考える能力がある方に向いています。子どもの発達特性や障がい、保護者からの悩み相談などを客観的に捉え、必要な支援を考えることが必要です。
子どもの成長や発達によって日々必要な支援は異なるため、臨機応変に対応できる方のほうがスムーズに対応できる傾向にあります。
児発管に向いていない人の特徴
主観的に物事を捉える方は、児発管(児童発達支援管理責任者)に向いていない可能性があります。「この子とは付き合いが長いから、支援を手厚くしたい」という主観的な感情は、個別支援計画作成時に弊害になることもあるからです。
また、児発管が相手にするのは子どもであり、予期せぬ事態が発生するケースも考えられます。柔軟な対応が苦手という方は、児発管になったあとに苦労する可能性があるでしょう。
児発管を目指して転職する際の4つのポイント
ここでは、児発管(児童発達支援管理責任者)を目指して転職する際の求人の選び方や選考対策のポイントを紹介します。児発管になる要件を満たすために、実務経験を積める転職先を選びたい場合は、以下の4つのポイントを参考にしてください。
1.児発管候補募集の求人を探す
児発管(児童発達支援管理責任者)を目指して実務経験が積める転職先を志望している方は、「児発管候補募集」の求人を探してみましょう。事業所によっては、人材確保のために児発管を目指している方を募集し、研修体制を整えている場合もあります。
児童発達支援における指導員や職員は、資格なしや未経験から応募できる求人もあります。これまで別の業界で働いていた方は、まずは児童指導員になり、それから児発管を目指す道もあるでしょう。
2. 児発管に活かせる経験が積めるか検討する
前述したように、児発管(児童発達支援管理責任者)になるためには要件を満たした施設で直接支援、または相談支援を経験する必要があります。そのため、転職先で児発管になるための要件を満たせるか、経験が積めるかをしっかりと確認しましょう。
なお、選考時に児発管を目指していることを伝えて、支援業務に携われるか確認しておくのも1つの方法です。
3.やりたい支援の軸を明確にして実現できる職場を選ぶ
児発管(児童発達支援管理責任者)として携わりたい分野や実施したい支援を明確にしたうえで、求人を選びましょう。一口に児発管といっても、就業先によって提供している支援や利用者はさまざまです。そのため、自分が目指す児発管の姿を明確にして転職活動したほうが、希望するキャリアプランを叶えやすくなるでしょう。
4.応募書類や面接の選考対策をする
児発管(児童発達支援管理責任者)を目指している方が転職する際は、選考時に「事業所を選んだ理由」や「入社後にしたいこと」を伝えるのがポイントです。志望理由や入社後にしたいことが明確であれば、意欲が伝わりやすくなるでしょう。
また、児発管の仕事で活かせる資格や経験がある方は、アピールすると評価につながりやすくなります。未経験から挑戦できる求人では、人柄や意欲、ポテンシャルが評価されやすくなるように意識することが大切です。
児発管を目指す方向けの求人を探す方法
求人サイトやハローワークを利用すれば、児発管(児童発達支援管理責任者)になるための実務経験が積める職場を探せるでしょう。また、1人での求人探しや選考対策が不安という方は、就職エージェントを利用するのがおすすめです。
求人サイトで検索する
求人サイトで探す際は、福祉や子ども関連の仕事を専門的に扱うサービスを利用するのがおすすめです。専門的な求人サイトを利用したほうが、条件を絞って効率よく求人探しができるでしょう。また、20代向けや転職者向けなど、自分の年齢や状況に合った求人サイトを利用するのも1つの方法です。
ハローワークを利用する
自宅周辺や地元の求人を探したい方は、ハローワークの利用がおすすめです。居住地を管轄するハローワークを利用すれば、地元企業や中小企業など幅広い求人を見つけられる可能性があります。ハローワークは誰でも利用可能で、窓口で求人探しについて相談したり、応募書類の添削をしてもらったりできます。なお、「ハローワークインターネットサービス」を利用すれば、来所しなくても求人を探せます。
出典
厚生労働省「ハローワークインターネットサービス」(2025年8月15日)
保育業界に特化した就職・転職エージェントを利用する
求人探しや選考対策に不安がある方は、就職・転職エージェントに相談するのがおすすめです。就職エージェントでは、プロから自分に合った求人を紹介してもらえたり、アドバイスを受けたりしながら選考対策を進められます。
福祉サービスや保育などの求人を専門的に扱う就職・転職エージェントを利用したほうが、児発管(児童発達支援管理責任者)を目指せる就職先を見つけやすくなるでしょう。
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児発管に関するよくある質問
ここでは、児発管(児童発達支援管理責任者)に関するよくある質問に、Q&A形式で答えます。児発管を目指す方は、みなし配置や最短ルートについて参考にしてください。
児発管のみなし配置とは?
事故や退職、直ちに後任を配置できないなどやむを得ない事由が認められた場合、一定の要件を満たしている場合、児発管をみなし配置できる制度であり、下記のように定められています。
実務経験要件を満たしている者を1年に限り児発管としてみなし配置できる
人員が欠如する前から事業所にて勤務している者で、実務要件を満たし、かつ欠如時に基礎研修を終了している場合、最長2年間(実践研修が終了するまで)みなし配置が可能
児発管は2012年に児童福祉法が改正され、新しく設置されました。今後も法律が改正される可能性があるため、動向に注目する必要があります。
出典
厚生労働省「サービス管理責任者等研修制度について」(2025年8月27日)
i茨城県「やむを得ない事由によるサービス管理責任者・児童発達支援管理責任者の配置について」(2025年8月27日)
児発管になる最短のルートは?
最短ルートは保有資格や経験にもよりますが、一例としては、児童福祉もしくは障がい者施設で3年働き、そのうち1年以上は相談支援業務に従事する方法です。その後、基礎研修から実践研修までスムーズに受講して修了すれば、5年ほどで児発管(児童発達支援管理責任者)になれる可能性があります。
保育士から児発管になれる?
保育士から児発管(児童発達支援管理責任者)を目指すことは可能です。かかる年数は、保育士としての経験によって異なります。たとえば、未経験の保育士から児発管になるには最短で5年かかります。詳しくは「保育士が児発管になるには?必要な実務経験や研修、転職後の給料を解説」をご覧ください。
まとめ
児発管(児童発達支援管理責任者)とは、子どもの発達や障がいに応じて、個別支援計画の作成や関係機関との連携、保護者の支援などの役割を担う仕事です。相談支援や直接支援などの実務経験における要件を満たしたうえで、基礎研修から実践研修まで修了した後、児発管としての資格が取得できます。
一口に児発管といっても就業先や支援対象は幅広いため、仕事内容について理解を深め、支援したい内容やキャリアプランを明確にしたうえで目指しましょう。
「レバウェル保育士」では、保育園だけでなく、子どもの発達支援を実施する事業所の求人紹介も行っています。求人探しや仕事内容の適性に不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。