30代保育士から転職は可能？資格が活かせる職場やおすすめの職種を解説

保育園以外にも、児童福祉施設や子育て支援センターなど、保育士が資格を活かして働ける場所があります。ここでは、30代の保育士が資格を活かせる転職先を解説します。

児童福祉施設とは、家庭での保育が難しい子どもの健全な育成を支援するための施設です。児童福祉施設には、児童養護施設や乳児院、児童発達支援センターなどがあります。児童福祉施設で働く保育士は子どもの生活支援や学習のサポート、情緒的なケアなど、子どものニーズに応じた支援が主な仕事です。児童福祉施設に転職し、多様な背景を持つ子どもたちと関わることで保育士としての視野を広げ、専門性をより高められるでしょう。

子育て支援センターとは、地域の子育て家族をサポートする拠点として、育児相談や親子の交流の場を提供しています。厚生労働省の「地域子育て支援拠点事業とは」によると、子育ての孤立化による保護者の不安感の解消や子どもが多様な人と関わる機会を設けることを目的として、地域子育て支援拠点が設置されました。子育て支援センターの基本事業は、以下の4つの事業です。

子育て支援センターで働く保育士は、保護者の悩みに寄り添ったアドバイスや、子どもの発達段階に応じた遊びの提案などを行います。ほかにも、保育士が子育てイベントの企画や運営を行う場合もあるため、多岐にわたる業務を担当すると、新たなキャリアパスを築ける可能性が高まります。

認定こども園は、保育所と幼稚園の機能を併せ持つ施設で、保育と教育の両面から子どもの成長をサポートします。こども家庭庁の「認定こども園概要」によると、認定こども園は「幼保連携型」「幼稚園型」「保育所型」「地方裁量型」の4つの種類に分かれているのが特徴です。
「幼保連携型」の認定こども園の場合、原則として保育士資格のほかに幼稚園教諭免許状が必要です。ただし、特例措置により2030（令和12）年3月31日までは保育士資格のみで勤務できます。

「幼稚園型」「保育所型」「地方裁量型」では、対象となる子どもが満3歳未満の場合、保育士資格が必要です。満3歳以上の場合は両方の免許・資格の所有が望ましいとされています。認定こども園に転職すると、保育士の経験を活かしつつ、教育的視点を取り入れた保育活動を展開することが求められるでしょう。

院内保育所とは、主に病院で働く医療従事者の子どもを預かる施設です。ただし、地域の子どもを受け入れている院内保育所もあります。院内保育所の保育士には、医療現場の勤務形態に対応した柔軟な保育サービスが求められます。院内保育所は少人数制が一般的なため、保育士は子ども一人ひとりに寄り添ったきめ細やかな保育が可能です。また、夜間勤務の保育士は、入浴の介助や寝かしつけを行う場合もあります。保育士が院内保育所に転職すると、保育の新たな視点や知識を得られ、専門性の向上につながるでしょう。