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学童保育指導員が続かない理由とは?悩みを解決するための方法を解説!
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学童保育は保護者が就労などによって放課後や長期休暇中に子どもを見守るのが難しい家庭を支援する施設です。放課後児童支援員の資格を保有せずに働く職員は、一般的に学童保育指導員と呼ばれています。「学童保育指導員は続かない傾向にある」といわれており、その理由が気になる方もいるのではないでしょうか。 この記事では、学童保育指導員の役割や仕事内容、続かないといわれる理由を解説します。学童保育指導員が続かない場合の解決策も解説するので、ぜひチェックしてください。
目次
学童保育指導員の役割や仕事内容
学童保育指導員は、保護者の代わりに放課後や長期休暇中などに小学生を見守るのが仕事です。学童保育指導員の主な仕事内容は以下のとおりです。
子どもの生活や遊びの支援
おやつの提供
安全管理・トラブル対応
清掃や備品管理
保護者対応
施設の運営・管理
このように、学童保育指導員は子どもの成長を支えながら、安心して過ごせる場所を提供する大切な役割を担っています。
学童保育指導員が続かない8つの理由
なぜ学童保育指導員は続かないといわれているのでしょうか。ここでは、学童保育指導員が続かない8つの理由を解説します。
1.給料と仕事内容が見合わない
学童保育指導員の給与水準は高くなく、パートや非常勤の雇用が多いため、収入が安定しにくい傾向にあります。そのため、学童保育指導員の業務内容や責任の重さに対して、十分な報酬が得られないと感じる方もいるようです。こうした待遇面の不満を理由に転職を考える方も少なくありません。給料アップを目指して、指導員として働きながら保育に関する資格を取得し、ほかの職種に転職する方もいます。
2.人手不足による業務負担が大きい
学童保育指導員は、人手不足の状態が続いています。職業情報提供サイト(job tag)の「学童保育指導員」によると、学童保育指導員の有効求人倍率は2.85倍と高く、1つの学童施設に対して十分な人数の職員を確保するのが難しいのが現状です。その結果、1人の学童保育指導員にかかる負担が大きくなり、業務量の多さに耐え切れず辞めてしまう方もいるようです。退職してしまうと、残った職員の負担がさらに増すという悪循環に陥る可能性もあるでしょう。
出典
職業情報提供サイト(job tag)「学童保育指導員」(2025年4月17日)
3.体力的な負担が大きい
学童保育指導員は子どもと一緒に動き回ることもあるため、体力的な負担が大きい仕事といえるでしょう。子どもの外遊びに付き添う場合は、炎天下や寒い日も活動することがあり、体力的に厳しいと感じる学童保育指導員もいるようです。小学生は活発な子どもも多いため、学童保育指導員は常に目を配りながら動き回る必要があり、終業後は疲労が蓄積しやすい傾向にあります。年齢を重ねるごとに体力的に厳しくなり、退職を考える方も少なくありません。
4.子どもへの指導が難しい
学童保育では、年齢や性格が異なる子どもたちが一緒に過ごします。そのため、子ども同士のトラブルや集団生活のルールを守ってもらうための指導が難しい場面があるようです。小学校低学年と高学年では行動や考え方に大きな差があるため、学童保育指導員が子どもたち一人ひとりに適した対応をするのは大変だといえるでしょう。
また、学童保育は学校とは異なり「放課後の居場所」であるため、子どもたちがリラックスし過ぎて指導が難しくなることもあるでしょう。学童保育指導員は指導方法に悩み、思うように子どもをまとめられない場合もあり、精神的な負担になりやすいようです。
5.保護者対応のストレスがある
学童保育では、子どもだけでなく保護者との関わりも重要です。学童保育指導員は、保護者からの相談に応じたり、子どもの様子を報告したりするのも仕事の1つといえます。
保護者の中には、過剰な要求をする人もいるため、ストレスに感じる場合も。たとえば、「うちの子どもをもっと見てほしい」「特定の子どもと遊ばせないでほしい」など、学童保育の方針や運営の枠を超えた要望が寄せられることもあります。
学童保育指導員は、子ども同士のトラブルに関して保護者からクレームを受ける場合もあり、対応の難しさから負担を感じる方も少なくありません。
6.子どもの命を預かる責任が重い
学童保育では子どもたちが遊ぶ時間が長いため、ケガや事故のリスクが高いのが特徴です。外遊びの時間では、子どもの転倒や衝突によるケガ、熱中症など危険が伴う場合もあります。学童保育指導員は子どもの安全を確保するために、常に気が抜けず、精神的なプレッシャーが大きいといえるでしょう。万が一、学童保育中に事故が発生した場合、学童保育指導員は保護者に報告し、対応する必要があります。このように、子どもの命を預かるという責任の重さから、学童保育指導員を長く続けられないと感じる方もいるようです。
7.勤務時間が不安定である
学童保育指導員の勤務時間は、子どもたちが学校に行く日と行かない日で変動するのが一般的です。たとえば、平日は午前10時から午後7時、土日や長期休暇中は午前8時〜午後7時という勤務時間になる場合が多いようです。このように、学童保育指導員の勤務時間は季節や学校のスケジュールに左右されるため、シフト制で勤務するケースが多い傾向にあります。勤務時間が不安定だと一定のリズムで働きにくく、生活リズムが整えにくかったり、プライベートや家庭との両立が難しかったりすることが学童保育指導員を辞めるきっかけの1つになるようです。
8.学童保育の方針が職場とマッチしない
学童保育の運営方針は、施設ごとに異なります。施設によって学童保育指導員に求める役割も変わるため、自分の考えと学童の方針が合わないと、仕事のやりがいを感じにくくなることもあるようです。こうした環境のミスマッチが、学童保育指導員の離職につながることも珍しくありません。
学童保育指導員が続かない場合の解決策
学童保育指導員を続けるか迷うときは、どうすれば良いのでしょうか。ここでは、学童保育指導員が続かない場合の解決策を紹介します。
放課後児童支援員の資格を取得する
学童保育指導員を続けるか迷ったら、放課後児童支援員の資格を取得するのも1つの方法です。資格を取得すると、学童保育に関する専門知識が身につくだけでなく、正規職員として採用されやすくなるというメリットもあります。
放課後児童支援員の資格は、都道府県が実施する放課後児童支援員認定資格研修を受講すると取得できます。東京都庁の「令和6年度東京都放課後児童支援員認定資格研修について」によると、研修の対象者は以下のとおりです。
保育士資格を持つ者
社会福祉士の資格を持つ者
高等学校を卒業(もしくは高等学校卒業相当の学歴)し、2年以上児童福祉事業に従事した者
教育職員免許法に規定する免許状を持つ者
大学または大学院で「社会福祉学」「心理学」「教育学」「社会学芸術学」「体育学」を専修する学科や課程を修めて卒業した者(外国の大学も含む)
高等学校を卒業しており、2年以上放課後児童健全育成事業に類似する事業に従事し、市町村長が適当と認めた者
5年以上放課後児童健全育成事業に従事し、市町村長が適当と認めた者
放課後児童支援員の資格を取得する過程で、子どもとの関わり方や保護者との連携、指導員に求められる役割などを学べるため実務での不安を軽減することにもつながります。研修の受講を希望する場合は、勤務先の学童施設または該当の都道府県に確認しましょう。
出典
東京都庁「令和6年度東京都放課後児童支援員認定資格研修について」(2025年8月6日)
ほかの職員と協力して業務を進める
学童保育はチームで運営するため、ほかの職員との連携が重要です。1人で業務を抱え込むと負担が大きくなり、精神的にも疲れやすくなります。指導員が周りの職員と相談しながら業務を進めると、負担を軽減することが可能です。たとえば、子ども同士のトラブル対応や保護者対応が難しいと感じたときは、経験のある職員にアドバイスをもらうのも1つの方法です。
また、業務中に職員同士で情報を共有するとスムーズに連携でき、働きやすい環境を作れる可能性が高まります。人手不足で業務量が多い職場の場合も、職員で役割を分担すると、効率よく仕事を進められるでしょう。
仕事とプライベートのメリハリをつける
学童保育指導員は、体力的・精神的に負担がかかる場面も少なくないため、適度にリフレッシュすることが重要です。仕事とプライベートの境界が曖昧になると、疲れがたまりやすくなり、結果的にモチベーションの低下につながる場合も。そのため、勤務時間外は仕事のことを考えず、趣味やリラックスできる時間を大切にしましょう。
休日にはしっかり休息をとり、心身をリセットすることも必要です。仕事とプライベートのメリハリを意識すると、気持ちを切り替えやすくなり、学童保育指導員として長く働き続けやすくなるでしょう。
転職を視野に入れる
現在の職場で働き続けるのが難しいと感じた場合は、転職を視野に入れるのも1つの選択肢です。学童保育指導員としての経験を活かして、別の学童施設に転職すると、より自分にあった環境が見つかるかもしれません。
学童保育の仕事自体が合わないと感じた場合は、保育園や児童福祉施設など、子どもと関わるほかの仕事を探すのも1つの方法です。無理に仕事を続けて心身の負担が大きくなる前に、より良い環境を求めて行動するのがおすすめです。
学童保育指導員が続かない理由に関してよくある質問
ここでは、学童保育指導員が続かない理由に関してよくある質問に、Q&A形式で回答します。
学童保育指導員の仕事にやりがいや楽しいことはある?
学童保育指導員は、子どもの成長を間近で見守れるというやりがいがあります。指導員は子どもたちが最初はできなかったことができるようになったり、自信を持って行動できるようになったりする姿を見ると、大きな達成感を得られるでしょう。また、子どもたちが笑顔で「先生、今日も楽しかった」といった言葉をかけてくれると、日ごろの疲れを忘れられるほどの喜びを感じられるかもしれません。
学童保育は子どもたちと一緒に遊ぶ機会があるため、自分も楽しみながら働けるのも魅力です。指導員は工作やスポーツ、カードゲームなどを通して子どもたちと関わるため、毎日が新鮮で飽きにくい仕事でもあります。学童保育では比較的自由な雰囲気の中で子どもと関わるので、子どもたちの素直な反応をダイレクトに感じられるのも、指導員のやりがいの1つといえるでしょう。
学童保育指導員をすぐ辞める人の特徴は?
学童保育指導員は、子どもと関わるのが苦手な方は長続きしにくいでしょう。学童保育指導員の仕事は子どもと遊んだり指導したりするため、苦手意識があるとストレスを感じやすいでしょう。
ほかにも、チームワークが苦手な方は学童保育指導員を続けにくいかもしれません。学童保育は、ほかの職員や保護者と連携しながら運営するため、コミュニケーション能力や協調性が求められます。そのため、自分の考えだけで仕事を進めようとすると、周囲と衝突しやすくなり、働きにくさを感じる場合があるでしょう。
学童保育指導員を長く続けたい場合は、本記事の「学童保育指導員が続かない場合の解決策」を参考にしてください。
まとめ
学童保育指導員は保護者に代わり、放課後や長期休暇中などに小学生が安全に過ごせるようサポートする仕事です。指導員は子どもたちの安全を見守りながら、日々の遊びや生活を通じて関われるため、大きなやりがいがあります。しかし、仕事量に対して給料が見合わないこと、人手不足により負担が大きいこと、体力的にきついことなどから退職する方もいるようです。
学童保育指導員は放課後児童支援員の資格を取得したり、職員同士で連携したりすると、負担を減らして長く働き続けられる可能性が高まります。また、仕事とプライベートのバランスを意識し、自分に合った職場を選ぶのも大切です。
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執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。