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保育士の目標設定とは?経験年数別の例文や自己評価のコツを確認しよう

  • #保育士
お散歩している保育士と園児

保育士として働くなかで、目標設定に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。目標設定はスキルアップを目指すうえで欠かせないだけでなく、日々の保育に前向きに取り組むための大きな支えにもなるでしょう。 この記事では、保育士が目標を設定する重要性やポイント、自己評価を通じて課題を見つけるポイントを詳しく解説します。経験年数別の目標例文も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

保育士が目標を立てる意味とは?

新年度が始まると、半年や1年の目標設定を行う園も多いでしょう。忙しいと目標設定を業務の一環としてこなす場合もあるかもしれません。しかし、目標設定は自己成長や園全体の発展に深く関わる重要な作業です。

ここでは、保育士が目標を立てる意味とその重要性について解説します。

仕事に対する達成感やモチベーションがアップする

目標設定は、仕事に対する達成感やモチベーションをアップさせる重要な要素といえます。保育士という職業は子どもたちの命を預かる責任が伴うため、不安やプレッシャーを感じる場合もあるでしょう。しかし、目標を設定すると達成したいことが明確になります。そして不安やプレッシャーを払拭し、モチベーションがアップしやすくなるでしょう。目標がないと何をして良いかわからず、ゴールが見えないため、やりがいや達成感を感じにくい可能性があります。

スキルを向上する指標として役立つ

保育士としてのスキルは、研修や経験を通じて身につきますしかし具体的に目標を立てると、スキルを向上する指標にもなるでしょう。目標を設定すると、自分がどの部分で成長したいのかが明確になり、スキルを伸ばせる可能性が高まります。スキルアップすると、自分が理想とする保育士像に近づけるはずです。

自己評価・人事考課の際に活用できる

保育士の仕事は、子どもたちの成長を支えながら気遣いや心配りを大切にする仕事であり、営業職のように業務を数値化することが難しい傾向にあります。

そのため、半年や1年などの目標を設定して上司に提出すると、自分の仕事に対する熱意や目的意識が伝わりやすくなり、自己評価や人事考課の際に役立つ可能性も。また、具体的に目標を描くと保育士として成長を実感しやすくなり、向上心をさらに育めるでしょう。

園のビジョンや方針を意識しながら働けるようになる

園の目標達成に向けて保育を行うには、自分がどのような取り組みをすべきかを具体的に考える必要があります。自分が取り組む点を具体的にすると、園全体のビジョンや方針が明確になり、日々の業務に活かせるようになるでしょう。これにより、保育士として一貫した方針のもとで勤務し、園の発展にも貢献できる可能性が高まります。

仕事の効率化を促し業務負担の軽減につながる

具体的な目標を設定すると、業務に優先順位をつけてどのように進めていくかが明確になります。これにより無駄な時間や労力を減らし、業務をスムーズに進行できるでしょう。

たとえば、日々の保育業務や行事準備などのタスクを分けると、効率的に取り組めるため、複数の業務が重なる時期に焦らず対応できます。

また、目標に向けて進捗をチェックすると、「何がうまくいっているか」「何を改善すべきか」を早期に把握することが可能です。また、業務を効率化するだけでなく、自己管理能力の向上やストレス軽減にもつながり、より質の高い保育を実現できるでしょう。

後輩指導や育成する際の指針となる

保育士として経験を積むと、後輩の指導を任される機会が増えるでしょう。そのようなときに目標設定は、後輩指導や育成する際の重要な指針となります。初めて指導する場合、何を伝えれば良いのか、どこまで成長を期待すればよいのかが分からない場合も少なくありません。

そこで、自分が新人時代に設定した目標を振り返ると、後輩が成長するために必要なプロセスや目標を明確にできる可能性があります。また、後輩に適切なサポートができ、先輩保育士の業務負担を減らせるでしょう。

保育士が目標を設定する際の5つのポイント

目標設定は自己成長や園の発展に直結する重要なステップといえるでしょう。ここでは、保育士が目標を効果的に設定するための5つのポイントを紹介します。

5つのポイントを参考に、具体的で実現可能な目標を設定し、日々の業務に活かしていきましょう。

1.自分の現在地を把握して必要なスキルを分析する

まずは自分の現状をしっかりと把握するのがポイントです。現在の役割や課題を見直し、どの部分ができているのか、どの部分がまだ改善が必要なのかを客観的に分析しましょう。子どもや保護者の対応、職員との連携、業務の効率性など、さまざまな角度から自分を振り返ると、目指すべき方向が見えてきます。

また、保育日誌や会議記録、行事後の反省会を再確認すると、課題が具体的にわかる可能性があります。

2.達成可能な現実的な目標を設定する

達成可能で現実的な目標を設定しましょう。あまりにも高過ぎる目標を設定すると、達成するのが難しくなってしまう場合もあります。そのため、実現可能な範囲で目標を設定し、少しずつステップアップしていきましょう。現実的な目標を設定すると、達成感を感じやすく、モチベーションを保ちやすくなります。

3.期限や数値を具体的に決めて達成しやすくする

目標を設定する際には、期限や数値を具体的に決めると効果的です。具体的な数字や期限を設定すると、目標がより明確になり、達成できているかどうかがわかりやすいのがメリットです。「◯個以上実行する」「◯週間続ける」「◯ヶ月で達成する」などで数値を取り入れると、進捗を確認しやすいでしょう。また、期限を決めると、計画的に行動しやすくなり、目標に向けて集中する力が高まります。過去の成果を振り返る際にも数値や期限が目安となり、自分の成長を実感しやすくなるでしょう。

4.園全体の方針やチームの目標と連携させる

目標設定を行う際には、園全体の方針やチームの目標と連携させることが重要です。自分個人の目標が園全体の方向性や方針と一致していないと、個々の努力がチーム全体の成果に結びつかなくなってしまう場合も。園の保育方針やビジョン、目標を理解し、それに沿った形で自分の目標を設定すると、個人がどのように園に貢献するのかが明確になり、やりがいを感じやすくなるでしょう。

5.上司や同僚のアドバイスを参考にする

目標を設定するのが自分だけでは難しい場合、上司や同僚からのアドバイスを参考にするのも効果的です。「先輩はどのように目標を決めているか」「私の強みや改善点は何か」と上司や同僚に質問を投げかけると、自分では気づきにくい部分を客観的に把握できる可能性があります。また、目標設定に関してほかの保育士と意見を交換すると、視野が広がる場合も。目標を設定するモチベーションが高まる可能性もあります。

【経験年数別】保育士の目標例文

保育士としての経験年数に応じて、目標設定の内容は変わります。ここでは、目標例を経験年数別に紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1年目の新人保育士が意識したい目標例

1年目は基本的な業務を覚え、新しい環境に慣れることが大切です。報連相(報告・連絡・相談)を意識し、社会人としてのマナーを身につけましょう。迷ったときは1人で悩まず、先輩に相談し、連携しながら保育に取り組む姿勢が求められます。

以下は、1年目の新人保育士を対象とした目標設定の例文です。

・保育業務の基本を習得し、日々の業務をスムーズにこなせるよう努力する
・わからないことを積極的に質問し、知識を増やし続ける
・報連相(報告・連絡・相談)を徹底し、信頼される職員を目指す
・社会人としての礼儀や言葉遣いを常に意識する
・子どもや保護者の名前を早期に覚え、安心感を与えられる存在になる
・園の理念や保育方針を理解し、それに沿った保育を心がける
・日々の業務を振り返り、改善点を見つけて成長につなげる

2年目のさらなるスキルアップを目指す目標例

2年目の保育士は、1年間の経験を振り返りながら、より具体的で実践的な目標を立てることが大切です。1年目で培った基本的なスキルをさらに磨き、子ども一人ひとりの性格や発達に合った関わり方を意識しましょう。また、もう一歩踏み込んで保育者とコミュニケーションをとるのもおすすめです。理想の保育士像を明確にして、それに近づけるように目標設定するのも良いでしょう。

以下は、2年目の保育士を対象とした目標設定の例文です。

・1年目の反省を活かし、日々の業務をよりスムーズにこなせるようにする
・子ども一人ひとりの個性や成長段階を理解し、適切な関わり方を意識する
・保護者との信頼関係を深め、日々のコミュニケーションを大切にする
・園全体の保育方針をより理解し、自分の保育に反映させる
・職員間での情報共有やサポートを心がけ、チームの一員としての役割を果たす
・保育記録や連絡帳の質を向上させ、的確な情報発信を目指す
・行事の準備や進行で積極的に役割を担い、責任感を持って取り組む
・子どもの安全を最優先に考え、危機管理能力を高める
・先輩保育士の指導を受けながら、自分なりの保育スタイルを模索する
・自己研鑽のために研修や勉強会に参加し、保育の知識や技術を向上させる

3~6年目の中堅保育士に求められる目標例

3~6年目の中堅保育士はクラス運営や後輩育成だけでなく、園全体の保育の質向上や働きやすい環境づくりへの貢献が求められます。経験を活かしながらも常に学び続け、チームとしての保育を意識し、キャリアアップを見通して行動するのが大切だといえます。

以下は、3~6年目の保育士を対象とした目標設定の例文です。

・後輩保育士の指導・育成に力を入れ、スムーズな業務継承を図る
・自分の保育方法を見直し、園全体の保育の質向上に貢献する
・チームとしての連携を強化し、クラス運営をより効率的に進める
・保護者との信頼関係を深め、園と家庭をつなぐ橋渡し役になる
・園の方針に基づいた保育計画を立案し、実践する力を高める
・保育者としてのスキルを深め、専門性をさらに磨く
・園内での課題解決に積極的に関与し、改善策を提案・実行する
・進行中のプロジェクトや行事のまとめ役として円滑な運営を行う
・自分のキャリアプランを明確にし、次のステップに向けた準備を始める
・園の雰囲気づくりに貢献し、職員間の協力体制をより強化する

7~10年目のベテラン保育士・リーダーとしての目標例

7~10年目のベテラン保育士・リーダーとしての目標設定では、キャリアアップを意識してスキル向上を図り、園全体の保育の質向上に取り組むことが重要です。

また、リーダーシップを発揮して職員間の連携を強化し、交流を促進して保育の質向上を図るのも大切だといえます。園の現状把握と職員とのコミュニケーションを大切にして、実行力のあるリーダーを目指しましょう。
以下は、7~10年目の保育士を対象とした目標設定の例文です。

・副主任へのキャリアアップを目指し、3ヶ月ごとに1分野のキャリアアップ研修を受講し、専門性を高める
・研修で得た最新の知識やスキルを日々の保育現場に取り入れ、即戦力として活用することを心がける
・現場の改善点を毎週1つ見つけてチームで共有し、より良い保育環境づくりに向けて意見を出し合う機会を設ける
・園全体を見渡し、困っている職員や体調が優れない職員に声をかけ、サポートする体制を整える
・子どもや保護者への対応に不安を抱える職員が気軽に相談できるよう、風通しの良い職場環境づくりを意識する
週に一度、若手・中堅保育士、主任や園長と現場の課題や園の方針について話し合う時間を設け、意識の統一を図る
・副園長へのキャリアアップを目指して外部研修に積極的に参加し、得た学びを園内で共有することで全体のスキル向上に貢献する
・園を検討している保護者に対して園の保育方針や魅力を丁寧に伝え、信頼してもらえる対応を心がける

保育士は目標管理シートで自己評価に取り組もう

目標を設定した後は、定期的に自己評価を行い、進捗を確認することが大切です。目標管理シートを活用し、具体的な期限や数値目標を設定すると、達成状況を明確に把握できるでしょう。ここでは、自己評価を行う目的や自己評価のポイントについて解説します。

目標設定後に自己評価を行う目的

目標設定後に自己評価を行う目的は、自分の成長を可視化し、次のステップを明確にすることです。目標管理シートを使って定期的に評価すると、進捗や達成度を確認し、少しずつ積み重ねてきた成果を実感できます。これにより、自分の強みや改善点を把握し、より良い保育を実践するためのヒントになるでしょう。

自己評価を効果的に行うポイント

自己評価を効果的に行うポイントは、目標に対する達成度を客観的に振り返ることです。定期的に自己評価を行い、成功したことや課題に感じたことをしっかりと書き出すと、次に取るべきアクションが見えてくるでしょう。

また、同僚や上司からのフィードバックを活かすと、自分の成長を実感しやすくなります。自己評価を通じて得た気づきをもとに新たな目標を設定し、次のステップに進んでいきましょう。

保育士の目標についてよくある質問

ここでは、保育士からの転職についてよくある質問を紹介します。ぜひ参考にしてください。

面接で保育士としての目標を聞かれたらどう回答すべき?

面接で保育士としての目標を聞かれた際は、自分が力を入れたい保育の分野を具体的に伝えることが大切です。「子どもの自主性を育む保育を実践したい」「保護者が安心して子育てできるよう、サポートにも力を入れたい」など、自分の保育観や目指す方向性を明確に伝えましょう。

また、「将来的には主任保育士として職員の育成や園全体の運営にも携わりたい」など、キャリアの目標を示すと、長期的な視点を持っているのをアピールできるでしょう。

具体的な目標が思いつかない場合はどうすればいい?

具体的な目標が思いつかない場合は、まず「自分がどんな保育士になりたいか」「今の仕事でやりがいを感じることは何か」を振り返ってみましょう。保育士として働くなかで楽しいと感じる瞬間や大切にしていることを思い出すと、目標が見えてくる場合があります。

また、先輩や同僚に目標を聞き、どのように取り組んでいるかを知るのも良いヒントになるでしょう。

まとめ

保育士として仕事のモチベーションを維持したりスキルアップするには、目標設定が欠かせません。目標管理シートを活用して自己評価を行うと、自分の現状を客観的に把握し、課題を見つけるきっかけにもなります。今回紹介した例を参考に、自分の保育観を振り返りながら、保育士としての成長につながる目標を設定してみましょう。

「設定した目標を達成したので、転職してステップアップしたい」という方は、転職エージェントを活用するのも1つの方法です。

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