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保育士がリーダー業務を苦手に感じる理由とは?不安を和らげる対処法も紹介

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パソコンの前で悩む保育士の画像

保育士の中には、リーダー業務に苦手意識を持つ方も少なくありません。リーダー経験が浅いと、「うまく指示が出せない」「判断に自信がない」「周囲の目が気になる」といった不安を感じやすいものです。リーダーとしてチームを円滑にまとめるには、周囲との信頼関係が不可欠です。この記事では、苦手意識の原因や克服のヒント、向いていないと感じたときの対処法を解説します。ぜひ今後の業務にお役立てください。

この記事を書いた人

A

「レバウェル保育士」編集部

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保育士がリーダーの役割を苦手に感じる4つの原因

ここでは、保育士がリーダー業務に苦手意識を持つ主な理由を4つ紹介します。自分に当てはまる点がないか、チェックしながら読み進めてみてください。

1.全体の前で自分の意見を言うのが怖い

保育士がリーダー業務に苦手意識を感じやすい場面の1つに、朝礼やミーティングなどで全体に向けて意見を述べるときがあります。自分よりも経験のある保育士を前にすると、「間違ったことを言ってしまうのではないか」と不安になり、発言をためらってしまうことがあるでしょう。

また、周囲からの期待や冷ややかな視線を感じると、プレッシャーが増して思うように話せなくなることも。リーダーとして現場に立つ以上、意見を求められる場面は避けられないため、こうした苦手意識が日々のストレスにつながることも少なくありません。

2.瞬時の判断と指示出しに難しさを感じる

保育士のリーダー業務で難しいのが、突発的な状況に対して素早く的確に判断し、指示を出すことです。保育現場では子どものケガや体調不良、トラブルなどが突然起こるため、その場で対応を決めなければなりません。また、保育の流れを把握しつつ、その日の活動予定の変更や人員配置の調整など全体を見渡した判断も必要です。

経験が浅いと、こうした瞬時の決断力や的確な指示に自信が持てず、苦手意識を感じやすくなります。「判断は正しかったのだろうか」「もっと良い方法はなかったか」と迷うこともあり、精神的な負担が大きくなりがちです。

3.職員間のコミュニケーションに戸惑うことがある

職員同士の調整や関係作りが苦手だと、リーダー業務のハードルが高く感じやすくなります。リーダーには、クラス運営をスムーズに進めるために職員間の意見をまとめたり、役割を分担したりする力が求められます。サブや雑を担当する保育士との連携がうまく取れない状況が続くと、「自分にはまとめ役は難しい」と不安を感じることもあるでしょう。また、自分より年上の保育士に意見を伝える場面では、気後れしてしまう人も少なくありません。

4.リーダー経験が浅く自信が持てない

保育士としてのリーダー経験が浅いと、現場にいること自体に萎縮してしまい、自分の未熟さに落ち込んだり、「周りに迷惑をかけているのでは」と後ろめたさを感じたりすることがあります

ローテーションでリーダーを担当する園では、新人保育士に役割が回ってくることもあり、自分よりも経験豊富な保育士をまとめることに戸惑う場面も少なくありません。ほかの保育士がリーダーをスムーズにこなしているのを見ると、「自分にはあんなふうにできない」と比較してしまい、自信を失う場合もあるでしょう。

保育士がリーダー業務の苦手意識を和らげる方法

ここでは、リーダー業務に苦手意識を持つ保育士に向けて、無理なく取り組める対策を紹介します。自分に合った方法を試して、不安や負担を軽くしていきましょう。

完璧なリーダーなんてほとんどいないと考える

リーダーを務める保育士が覚えておきたいのは、「完璧なリーダーはいない」ということです。ベテラン保育士も最初から完璧だったわけではなく、失敗を繰り返しながら少しずつ成長してきた経緯があります。マネジメントやチーム運営のスキルはすぐに身に付くものではないため、自分を追い詰め過ぎず、今できることに集中して最善を尽くしましょう。

「今日の活動はうまくいかなかったけれど、子どもたちは楽しそうだった」「指示が曖昧だったけれど、チームで助け合えた」など、失敗だけでなく良かった点にも目を向けることでリーダーとしての成長につながります。

サブや雑を担当する保育士との連携を強化する

保育現場のリーダーにとって大切なのは、一人で抱え込まずチーム全体で協力することです。サブや雑を担当する保育士と密に連携し、役割分担を明確にしましょう。

周囲にお願いするときは、「〇〇先生は子どもの様子をよく見ているので、気になることがあれば教えてほしい」「〇〇については先生のほうが詳しいので、その部分をお願いしたい」など、お互いの得意なことを認め合うのがポイントです。敬意を持って接し、感謝の気持ちを伝えれば、相手の「助けたい」という気持ちを引き出しやすくなります。

傾聴スキルを向上して周囲との信頼関係を築く

保育士がリーダーとして信頼される存在になるには、「聴く力」も重要です。相手の話にしっかり耳を傾け、思いや考えを受け止める姿勢は安心感や信頼につながります。「話を途中で遮らずに最後まで聞く」「頷きや相槌で関心を示す」「質問して理解を深める」などの基本的な傾聴の姿勢を意識してみましょう。

また、意見が合わない場面も、「なるほど、そういう考えもあるんですね」と一度受け止めたうえで、「では、こういう方法はどうでしょう?」と提案すると、前向きな話し合いがしやすくなります。周囲の考えや気持ちを的確に理解できるようになれば、リーダーとしての判断力や発言にも自信を持てるようになるかもしれません。

ゆとりのある時間設定を意識する

保育士がリーダー業務を落ち着いて進めるには、余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。保育の現場では予期せぬ事態が起こり得ます。たとえば30分の活動でも、45分の枠を確保しておけば、慌てず柔軟に対応できるでしょう。

加えて、自分自身の準備時間をしっかり確保することも重要です。必要な道具を前日までに用意したり、活動の流れをシミュレーションしたりしておくと、当日の不安や焦りを減らせます。「時間にも心にもゆとりがある」と感じられる状態で臨めば、冷静な判断やスムーズな対応がしやすくなるでしょう。

ほかのクラスのリーダーを観察する

リーダー業務に苦手意識があるときは、ほかのクラスのリーダーを観察して学ぶのも効果的です。特に尊敬できる先輩がいる場合は、その人がどのように指示を出し、職員間の調整をしているかに注目してみましょう。活動中の声掛けの内容やタイミング、トラブル時の対応などを観察のポイントにすると、具体的な行動のヒントが得られます。

また、余裕があるときは直接アドバイスを求めてみるのもおすすめです。「いつも落ち着いていて参考になります。何か心掛けていることはありますか?」といった質問をすれば、実践的なアドバイスが得られるかもしれません。

保育士が「リーダー向きじゃない」と悩んだときの対処法

リーダーとして頑張っていても、「やっぱり自分には向いていない…」と落ち込む保育士もいるかもしれません。ここでは、そのようなときに取り入れたい考え方や行動のヒントを紹介します。気持ちを整理しながら、前向きに次の一歩を考えてみましょう。

仕事の成果を振り返り自信につなげる

「自分はリーダーに向いていないかも…」と感じたときこそ、これまでの頑張りを振り返ってみましょう。「予定通りに一日を進められた」「いつもより子どもたちの表情や反応をじっくり見れた」といった日々のささやかな出来事も、立派な成果です。そうした積み重ねを意識することで、自分の成長を実感しやすくなります。

リーダーとしての不安ばかりにとらわれず、これまで保育士として培ってきた力や得意なことに目を配るのも、自信を育てる大きな一歩といえるでしょう。

成長の機会として前向きに捉える

保育士がリーダーを務める際は、「この経験が自分を成長させてくれる」と前向きに捉えることが大切です。リーダーとしての経験を積むと、広い視野や迅速な判断力、問題解決能力など多彩なスキルを身に付けられます。これらは将来、主任や園長といった役職を目指すうえで強みとなるでしょう。

今は苦労や不安を感じるかもしれませんが、長い目で見れば、自分の可能性を広げるステップになります。焦らず着実に取り組んでいきましょう。

正社員以外の雇用形態を視野に入れる

これまで紹介した対処法を試してもなお、リーダー業務を苦手に感じる場合は、雇用形態の変更を検討するのも1つの方法です。一般的にリーダーの役割は正社員が担う傾向にあるため、パートやアルバイトに切り替えれば、子どもたちとの関わりに専念できる可能性があります。

正社員からパートに切り替え、ワーク・ライフ・バランスを整えながら働く保育士も少なくありません。リーダー業務から離れた働き方を選べば、負担が軽くなり、より安心して保育に取り組めるでしょう。

リーダー業務が少ない保育施設に転職する

今の職場でどうしてもリーダー業務が負担に感じられたり、職場の雰囲気が自分に合わないと感じたりする場合は、転職を視野に入れるのも有効です。「何でも完璧にこなして当然」といった空気や、ミスが許されにくい緊張感のある職場では、努力していても思うように力を発揮できないことがあります。

保育の現場では、施設ごとに業務分担の方針が異なります。自分に合った環境を見つけるには、保育園以外の選択肢も含め、幅広く職場を検討することが重要です。「リーダー制度はどのようになっていますか?」「経験の浅い保育士へのサポート体制はありますか?」といった点を面接時に確認することで、安心して新しい環境に踏み出せるでしょう。

リーダー業務が苦手な保育士によくある質問

ここでは、リーダー業務が苦手な保育士によくある質問を紹介します。

複数担任制が嫌いな保育士が無理なく働く方法はありますか?

リーダー業務への苦手意識が原因で複数担任制が嫌に感じるのであれば、この記事の「保育士がリーダー業務の苦手意識を和らげる方法」を参考にしてみてください。それでも改善が難しく、つらさが続く場合は、一人担任制を採用している保育園への転職を検討するのも1つの選択肢です。転職エージェントを利用すれば、自分に合った保育園の体制や雰囲気を事前に知れるため、より自分らしく働ける職場を見つけやすくなります。

保育園でパートなのにリーダーを任されることはありますか?

クラスリーダーの役割は、基本的に正社員が担当する傾向にあります。パート勤務の保育士がリーダーを任されることはあまりないでしょう。しかし、人手不足が深刻な保育園では、パートであってもリーダーの役割を任されることがあります。もしパート勤務でありながらリーダーとしての役割を期待されている場合は、自身の勤務時間や責任の範囲が妥当かどうかをしっかり確認することが大切です。

リーダー週の保育士に必要な視点は何ですか?

リーダー週の保育士には、「全体を見渡す視点」と「先を見通す視点」が求められます。全体を見渡す視点では、その日の保育の流れや時間配分を把握し、子どもだけでなくクラス全体の雰囲気や職員の連携にも注意を払います。先を見通す視点では、一日の中で起こり得るリスクを予測し、あらかじめ対応策を考えておくことが大切です。これらの多角的な視点を持つことで、クラスをスムーズに運営できるでしょう。

まとめるのが苦手なタイプは保育士に向いていないですか?

まとめるのが苦手だからといって、保育士に向いていないわけではありません。保育士の仕事には、子どもとの関わりや環境作り、記録作成、保護者対応など、さまざまな役割があります。人をまとめるのが苦手であっても、子どもに寄り添う力や環境作りの工夫、細やかな観察力など、自分の得意な分野で活躍できる場面はあるでしょう。それぞれの保育士の強みを活かしてチーム運営をしている園に入職すれば、無理なく働き続けられるはずです。

まとめ

リーダー業務に苦手意識を持つのは、保育士にとって決して珍しいことではありません。周りと比べて落ち込むこともあるかもしれませんが、マネジメントやチーム運営の力は経験を重ねる中で徐々に身につけられます。リーダーとして大切なのは、自分の得意分野を活かしながら、周囲のサポートを素直に受け入れる姿勢です。サブや雑担当の保育士と連携を深めたり、ほかのクラスのリーダーの動きを参考にしたりしながら、焦らず一歩ずつ成長していきましょう。

それでもなお、リーダーの役割に大きな負担を感じる場合は、雇用形態の見直しや転職など自分に合った働き方を模索するのも1つの方法です。保育業界専門の転職支援サービスであるレバウェル保育士では、リーダー業務に関する悩みや改善策について専門のアドバイザーに相談できます。役割を避けたいという希望があれば、条件に合った職場の紹介も可能です。サービスはすべて無料なので、どうぞお気軽にご相談ください。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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