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認定病児保育スペシャリストとは?資格取得方法やメリット、就職先を解説

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「認定病児保育スペシャリストとは何か」と気になる方もいるのではないでしょうか。認定病児保育スペシャリストとは、病児や回復期の子どもを保育する際の知識やスキルを証明する病児保育士向けの資格です。 この記事では、認定病児保育スペシャリストの受験資格や費用、資格取得の流れを解説。資格を取得するメリット・デメリットも紹介します。病児保育士に興味がある方は参考にしてください。

この記事を書いた人

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「レバウェル保育士」編集部

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認定病児保育スペシャリストとは

認定病児保育スペシャリストとは、病児や回復期の子どもを保育する際の知識やスキルを証明する資格で一般社団法人日本病児保育協会が認定しています。病児・回復期の保育で実施するケアや体調管理、急変時の対応など知識・スキルを学びます。

認定病児保育スペシャリストの資格取得方法

ここでは、認定病児保育スペシャリストの受験資格や費用、資格取得の流れを解説します。

認定病児保育スペシャリストの受験資格・費用

認定病児保育スペシャリストの受験資格は、高校を卒業した18歳以上とされています。過去の例ですが、資格取得の費用は、Web講座の受講費が6万5,000円、実習費用が1万円(受験料込)。また、資格取得後は更新費用として1年ごとに5,000円かかります。費用は変更される可能性があるため、最新情報は一般社団法人 日本病児保育協会のホームページをチェックしてください。

認定病児保育スペシャリストの資格取得の流れ

認定病児保育スペシャリストの資格を取得する流れは、以下のとおりです。

  • 1.全13回のWeb講座を受講

  • 2.一次試験

  • 3.二次試験(認定試験)

  • 4.24時間以上の実習またはオンライン実習

認定病児保育スペシャリストの資格を取得するためには、試験だけでなく、Web講座を受講したり、実習をしたりする必要があります。なお、過去の例では試験や実習をオンラインで受けることも可能なようです。

認定病児保育スペシャリストは終了している?

認定病児保育スペシャリストの認定事業は、2022年時点で終了しました。しかし、一般財団法人 日本病児保育協会の「「認定病児保育スペシャリスト」資格講座再開のご案内新規タブリンク」によると、2024年より指定校において「認定病児保育スペシャリスト」資格講座および資格認定を再開しています。
また、個人受講に関しても2025年度より再開する見込みのようです。最新情報は一般財団法人 日本病児保育協会のホームページを確認してください。

出典

一般財団法人 日本病児保育協会「「認定病児保育スペシャリスト」資格講座再開のご案内新規タブリンク」(2025年7月16日)

認定病児保育スペシャリストになるメリット

ここでは、認定病児保育スペシャリストの資格を取得するメリットを解説します。認定病児保育スペシャリストの資格がどのように活かせるか、ぜひ参考にしてください。

病児保育士への就職・転職で活かせる

病児保育士として働きたい方は、認定病児保育スペシャリストの資格を取得すると就職・転職活動で役立つ可能性があります。認定病児保育スペシャリストは、病児保育士の実務経験がなくても挑戦できる資格です。
そのため、病児保育士を目指す場合、あらかじめ認定病児保育スペシャリストの資格を取得して知識やスキルを身につけておくと、実務経験がない点をカバーできるケースも。また、資格を習得すると、病児保育士として働く意欲をアピールできるでしょう。

病児保育士のスキルアップにつながる

認定病児保育スペシャリストの資格を取得する際には、Web講座を受講したり実習したりするため、病児保育士のスキルアップにつながる点もメリットといえます。認定病児保育スペシャリストの資格を取得すると、病児保育の知識・スキルを身につけ、実務で活かせるでしょう。
また、認定病児保育スペシャリストの資格を取得してスキルアップすれば、職場から評価され給与や賞与アップにつながる可能性もあります。

認定病児保育スペシャリストのデメリット

認定病児保育スペシャリストのデメリットは、資格を取得する時間や費用がかかる点です。病児保育士は、一般的に保育士や看護師の資格があれば働けます。
また、非正規雇用の場合は、資格が問われないことも。認定病児保育スペシャリストの資格がなくても、病児保育士として働ける可能性はあるため、時間や費用を無駄にしないためにも、資格取得の目的は明確にしてから目指しましょう。

認定病児保育スペシャリストの主な仕事内容

認定病児保育スペシャリストが病児保育士として働く場合、病児や病後の回復期の子どもを保育するのが仕事です。基本的に病気や病後の子どもは保育園で受け入れ不可となるため、看病できない保護者に代わって、病児保育士が病児保育施設や訪問などにより保育します。
病児保育士の主な仕事内容は、子どもの体調の見守りや検温、服薬や食事、排泄の介助などです。
なお、病児保育士が医療行為に携わることはできません。病状が急変した際には、救急や保護者に連絡することになるでしょう。

認定病児保育スペシャリストの主な就職先

ここでは、認定病児保育スペシャリストが病児保育士として働く際の主な就職先を紹介します。大きく分けると、認定病児保育スペシャリストの主な就職先は、病児保育施設または訪問型の病児保育サービスになるでしょう。

病児保育をしている施設

認定病児保育スペシャリストの主な就職先は、病児保育施設です。病児保育施設は以下のように、主に大きく分けて3つの種類に分類されます。

  • 医療機関併設型:病院などに併設された施設で病児保育を行う

  • 保育所型:保育園に併設された専用スペースや医務室で病児保育を行う

  • 単独型:病児保育専門の施設

保育所型には、地域の子どもを受け入れるオープン型と、保育園に通っている園児が発熱や体調不良になったときのみ対応する自園型に分かれます。

訪問型の病児保育サービス

認定病児保育スペシャリストは、訪問型の病児保育で働く場合もあるでしょう。病児保育には、訪問型の専用サービスを展開している企業もあります。また、ベビーシッターサービスのなかに、病児保育に対応するプランを展開している場合もあるでしょう。
訪問型の病児保育で働く場合は、利用者の自宅に行きます。自宅で病児保育ができるため、子どもにとっては慣れた環境で過ごせるのがメリットといえます。

認定病児保育スペシャリストの給料は?

認定病児保育スペシャリストが病児保育士として働く場合、保育士と給料に大きな差はないでしょう。厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査新規タブリンク」によると、保育士の全国平均年収は406万8,100円です。

訪問型の病児保育で働く場合は、ベビーシッターの平均年収が参考になるでしょう。職業情報提供サイト(job tag)の「ベビーシッター新規タブリンク」によると、ベビーシッターの全国平均年収は396万円です。
上記を比較すると、ベビーシッターよりも保育士の方が10万8,100円年収が多いといえるでしょう。

出典

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査新規タブリンク」(2025年7月16日)
職業情報提供サイト(job tag)「ベビーシッター新規タブリンク」(2025年7月16日)

病児保育士の仕事に活かせる資格

ここでは、認定病児保育スペシャリスト以外で病児保育士の仕事に活かせる資格を紹介します。国家資格と民間資格に分けて紹介するので、参考にしてください。

保育士・看護師などの国家資格

病児保育士には、保育士資格や看護師免許が活かせるでしょう。求人によっては、保育士または看護師の資格保有を条件としている場合もあります。
特に、正規雇用を目指す場合は、保育士や看護師の資格を保有している方が有利になるでしょう。

医療保育専門士・認定病児保育専門士などの民間資格

病児保育士に活かせる資格には、医療保育専門士や認定病児保育専門士もあります。それぞれの資格概要は、以下のとおりです。

資格名称 医療保育専門士 認定病児保育専門士
認定機関 一般社団法人日本医療保育学会 一般社団法人全国病児保育協議会
主な受験資格
  • 保育士資格を有し現職で保育している
  • 病児保育室や病院などで実務経験が1年以上ある
  • 学会正会員歴が1年以上あるなど
  • 病児や病後児保育室に勤務する保育士または看護師
  • 病児や病後児保育室に常勤として2年以上勤務している
  • 施設長から推薦を受けられるなど

参照:一般社団法人日本医療保育学会「医療保育専門士 資格認定実施要綱 (p.1)新規タブリンク」、一般社団法人全国病児保育協議会「認定病児保育専門士 資格認定実施要項」

医療保育専門士と認定病児保育専門士の資格を取得するためには、病児保育の経験が必要になります。また、学会の会員歴や施設長からの推薦なども必要となるため、受験資格の詳細は公式のホームページで確認しましょう。

出典

一般社団法人日本医療保育学会「医療保育専門士 資格認定実施要綱新規タブリンク」(2025年7月16日)
一般社団法人全国病児保育協議会「認定病児保育専門士 資格認定実施要項」(2025年7月16日)

認定病児保育スペシャリストの需要・将来性

病児保育は、利用者数が日によって異なるため経営が安定しにくいケースもあります。
しかし、こども家庭庁の「全国こども政策主管課長会議 (p.43 p.44)新規タブリンク」によると、病児保育事業について内容の充実や量の拡充が検討されています。つまり、病児保育士の処遇改善や運営にかかる事務費用の補助などが検討されているようです。共働きや核家族の増加などを背景に、今後も病児保育の需要はあるといえるでしょう。

出典

こども家庭庁「全国こども政策主管課長会議新規タブリンク」(2025年7月16日)

認定病児保育スペシャリストに関するよくある質問

ここでは、認定病児保育スペシャリストに関するよくある質問に、Q&A形式で回答します。ぜひ参考にしてください。

認定病児保育スペシャリストの過去問はありますか?

認定病児保育スペシャリストの過去問は販売していないようです。認定病児保育スペシャリストでは、資格を取得する際にWeb講座を受講します。そのため、Web講座の内容をもとに、試験対策をすることになるでしょう。

認定病児保育スペシャリストの資格は通信で取得可能?

過去の例では、試験や実習を受ける方法としてオンラインが選択できるようです。通信で試験や実習を受けられれば、働いている方も資格取得が目指しやすいでしょう。

まとめ

認定病児保育スペシャリストとは、一般社団法人 日本病児保育協会が認定する病児保育士向けの資格です。Web講座や実習を通じ、病児や回復期の子どもを保育する際の知識やスキルを学びます。
認定病児保育スペシャリストの受験資格は、高校を卒業した18歳以上とされています。資格を取得するには、Web講座の受講や試験、実習を受ける必要があります。

認定病児保育スペシャリストの認定事業は2022年に終了しました。しかし、指定校において2024年より「認定病児保育スペシャリスト」資格講座および資格認定を再開しています。

また、個人受講に関しても2025年度より再開する見込みのようです。最新情報は、一般財団法人 日本病児保育協会のホームページを確認してください。

認定病児保育スペシャリストの資格を取得すれば、病児保育士への就職・転職で役立つ可能性があります。ただし、一般的に病児保育士は、保育士や看護師の資格があれば働けます。資格を習得するには時間や費用がかかります。そのため目的を明確にしたうえで、資格を取得するか検討してください。

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執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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