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病児保育士になるには?資格や必要スキル・1日のスケジュールを解説
- #保育士

「病児保育士の仕事内容とは?」「なるにはどうしたら良い?」といった疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか。病児保育士は、病気や体調不良の子どもを専門的に保育するプロフェッショナルです。 この記事では、病児保育士の仕事内容や必要な資格、働くうえでのやりがいなどを紹介します。病児保育の現場で役立つ情報を総合的にまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事のまとめ
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病児保育士は、病気や体調不良の子どもたちを一時保育する仕事
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病児保育専門施設や医療機関・保育園の併設施設、依頼者の自宅で勤務する
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病児保育士になるには、観察力・判断力・コミュニケーション能力が必要
目次
病児保育士とは
病児保育士とは、病気や体調不良の子どもを対象に、一時的な保育をする保育士を指します。仕事を休めない保護者の代わりとなり、子どもたちが安心して過ごせる環境づくりを行うのが主な役割です。病児保育には、病児対応型・病後児対応型・体調不良児対応型・訪問対応型の4種類があります。
病児保育士は一般的な保育士とは違い、子どもの健康状態に配慮した預かりをすることが必要です。医療行為はできないため、急変時に保護者や病院に連絡が取れるよう、注意深く観察しながら適切な対応を取る姿勢が求められるでしょう。共働き家庭が増加している近年では、病児保育士のニーズが高まっていると考えられます。
病児保育士の仕事内容
病児保育士の仕事では、病児保育中の過ごし方を保護者と相談し、子どもの症状に合わせて保育計画を立てます。医療行為に該当しない検温や服薬介助を行うのも、病児保育士の業務の特徴です。検温は1日のなかで定期的に行い、体調に大きな変化がないか確認します。服薬は医師名・薬の種類・内服方法などが記載された与薬依頼表を受け取り、タイミングを適切に管理することが重要です。
遊びや活動は、絵本の読み聞かせやお絵かきのように、横になったままでも楽しめる内容を取り入れます。安静にしながらも退屈せずに過ごせる工夫を行うことが大切です。保護者が迎えに来たら、病児保育中の体調の変化や食事の摂取状況などを伝えます。詳細をしっかりと連絡しておけば、病院の受診や家での看病の際に役立てられるでしょう。
なお、病児保育中に子どもの症状が急変した際は、保護者への連絡や病院への付き添いが発生する場合もあります。
病児保育士の1日のスケジュール例
下記では、病児保育士の1日の流れを紹介します。実際のスケジュールは勤務先によって異なるため、あくまでも一例として参考にしてください。
| 8:00 | 出勤・利用者の確認・保育室の準備 |
| 8:30 | 受付・保護者に聞き取り対応・検温 |
| 9:00 | 年齢や症状に合わせた保育を実施 |
| 10:00 | 体調を考慮して簡単にできる室内遊びをする |
| 11:00 | 検温・昼食の提供 |
| 12:00 | おむつ交換・お昼寝の見守り |
| 14:30 | 保育の記録作成・事務作業 |
| 15:00 | 症状を考慮したおやつを提供 |
| 16:00 | 保護者のお迎え対応・保育中の様子を伝える |
| 18:00 | 保育室の片付けや消毒をする・退勤 |
病児保育士は、1日の業務を進めながら、保護者と離れて不安を感じている子どもに寄り添う必要があります。食事とおやつは、子どもの体調や食欲に合わせて量を調整することが大事です。感染症が発覚する可能性もあり得るため、室内やおもちゃの消毒は頻繁に行うようにしましょう。
病児保育士が活躍できる職場
病児保育士が就業する場所には、病児保育専門施設や医療機関・保育園の併設施設などがあります。訪問型の病児保育士として働く場合は、依頼者の家に訪問して保育することになるでしょう。
病児保育専門施設
病児保育専門施設では、病気や回復期で保育園での集団生活が難しい子どもを預かっています。保育士だけでなく、看護師も勤務しているのが特徴です。
子どもの受け入れ人数は施設や自治体によって異なりますが、1日あたりの定員を4~6人ほどに設定している傾向にあります。感染症対策にも力を入れており、地域の子育て支援の拠点となっている施設です。
医療機関の併設施設
医療機関の併設施設では、医師や看護師が近くにいることから、症状が重い子どもの受け入れを可能としている場合があります。急変時の連携もスムーズに進みやすいのが特徴です。
医療的な観点と保育的な視点の両方から、子どもをケアできます。医師や看護師と連携できる環境なので、医療に関する知識を身につけやすいでしょう。
保育園の併設施設
体調不良児対応型の保育園では、体調を崩した子どもを預かる専用スペースが設けられています。看護師が常駐しているので、体調不良の子どもについて相談しやすく、保護者も安心できるのが強みです。
普段通っている保育園に併設されているため、いつもの様子と比較がしやすかったり、変化に気づきやすかったりします。回復の状況によっては、通常の保育に戻りやすいのもポイントといえるでしょう。
依頼を受けた家庭
訪問型のサービスでは、病気や体調不良の子どもがいる家庭を訪問して保育を行います。子どもは住み慣れた自宅で過ごせることから、安心して保育を受けられるのが特徴です。
訪問型では病児保育士と子どもの1対1で対応するため、子どものペースに合わせたきめ細かいサポートが大切といえます。依頼の内容によっては土日や早朝、夕方以降に訪問する場合もあり、保護者の要望に合わせて柔軟に対応していく姿勢が求められるでしょう。
病児保育士のやりがいは?働くメリット
病児保育士として勤務する際は、少人数の子どもと向き合えたり身体的な消耗を抑えられたりするメリットがあります。ここでは、病児保育士のやりがいや働くメリットをまとめました。
少人数の子どもたちと向き合える
病児対応型・病後児対応型の保育施設では、保育士の配置が利用児童おおむね3人につき1人以上となっています。少人数制が基本となるため、子どもたち一人ひとりとじっくり向き合って保育を行うことが可能です。個別の対応がしやすいことから、「午前は具合が悪そうだったけど、少し笑顔が見られた」「食欲が戻ってきた」というように、小さな変化や回復の過程を見守れるでしょう。
出典
内閣府「病児保育事業」(2026年4月6日)
体力の消耗が少ない
病児保育士が預かる子どもたちは体調不良で安静に過ごすため、比較的穏やかなペースで仕事ができます。活発な外遊びや大きな行事がないことから、体力的な負担が少ないといえるでしょう。体力的な理由で一般的な保育園での勤務が難しい方や、年齢を重ねても保育士として活躍していきたい方にとっても、キャリアを続けるための選択肢になります。
異年齢保育の機会がある
病児保育の現場では、生後6か月から小学校就学までの幅広い年齢層を受け入れている傾向にあります。多様な発達段階の子どもたちとの関わりを通じて、保育スキルの向上につなげることが可能です。年上の子が年下の子を思いやる姿や、互いに刺激し合う様子から、異年齢保育に対する理解を深められるでしょう。
病児保育士の大変なところは?
病児保育士は、子どもがかかりやすい病気や医療の知識を身につける大変さがあります。看病中は体調の変化を細かくチェックしたり、長時間抱っこしたりなど根気が求められるため、精神的・身体的なタフさが重視される仕事といえるでしょう。
また、感染症対策に取り組むことも、人によっては負担を感じやすい可能性があります。施設内の換気や消毒を頻繁に行い、衛生管理に力を入れることが必要です。子ども同士の安全を確保するため、自分も感染しないよう注意しなくてはなりません。
病児保育士になるには
病児保育士として勤務するには、保育士資格か看護師免許が必要です。ただし、保育補助として働く場合は、無資格であっても応募できる場合があります。
必須の資格ではありませんが、病児保育に関連する資格を有していると、専門的な知識やスキルが身についている旨を客観的に証明することが可能です。病児保育士の仕事で活用できる資格と具体的な取得方法については、次項で解説しています。
病児保育士の仕事に役立つ資格と取得方法
病児保育士として働くうえで役立つ資格には、「認定病児保育専門士」「認定病児保育スペシャリスト」「医療保育専門士」の3つがあります。病児保育の現場で活躍していきたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
認定病児保育専門士
認定病児保育専門士は、病児保育の現場で必要な知識と技術を証明し、現場での信頼性を高められる資格です。一般社団法人全国病児保育協議会が認定しています。
認定病児保育専門士の資格を取得するには、病児保育の現場で保育士または看護師として、2年以上の勤務が必要です。認定講座の受講・レポートの提出・試験の合格などを経て認定を受けられます。
認定病児保育スペシャリスト
認定病児保育スペシャリストは、病児や回復期にある子どもを保育するプロになるための資格です。一般財団法人日本病児保育協会が認定しています。
認定病児保育スペシャリストは、病児保育の経験がなくても取得することが可能です。Web講座の修了後、1次試験と2次試験に通過すると、資格取得を実現できます。
医療保育専門士
医療保育専門士は、医療を要する子どもとその家族を対象に、専門的な保育を行える資格です。一般社団法人日本医療保育学会が認定しています。
医療保育専門士の資格を取得するには、年3回開催される研修会に参加し、レポートと論文の提出が必要です。資格の有効期間は5年間となっており、保有し続けるには更新が求められます。
病児保育士に必要なスキル
病児保育士として活躍するには、観察力や判断力、コミュニケーション能力などが必要です。下記でそれぞれの詳細を確認してみましょう。
注意深く見守る観察力
病児保育士は体調不良の子どもたちを預かることから、細心の注意を払って変化を見逃さないよう観察し続ける必要があります。自分の症状をうまく言葉で表せない子どももいるため、表情や顔色、食欲、排泄状況などを細かくチェックする姿勢が大切です。発熱や咳などの経過も正確に記録し、保護の代わりに回復を見守る役割を担います。
急変時の判断力・対応力
病児保育士には、子どもの急な体調変化が見られたときの判断力や対応力も必要です。急変時に保育士が動揺してしまうと、子どもに不安を与えたり、周囲との連携に支障をきたしたりする場合もあります。緊急時は保護者や医療機関への連絡、応急処置などを行うため、冷静な判断に基づいた行動を取ることが重要です。
安心感を与えるコミュニケーション能力
病児保育の現場では利用する子どもが日によって変わるため、短時間で打ち解けられるような高いコミュニケーション能力が求められるでしょう。病気の子どもは不安定になりやすいことから、精神面のケアと安心できる環境づくりに取り組む必要があります。優しい声かけやスキンシップを通じて、子どもの心に寄り添うことが大切です。また、保護者や医療スタッフに子どもの状況を正しく伝えるためにも、コミュニケーション能力が不可欠といえます。
病児保育士の給料・年収事情
病児保育士の給料や年収は、一般的な保育士とほとんど変わりがないようです。厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、令和7年度における保育士の平均年収は427万6,300円でした。こちらの年収額はあくまでも平均のため、勤務先の種類や地域によっても給料の差が生じることを理解しておきましょう。
たとえば、医療施設に併設されている保育園の場合、安定した給与体系が整っていたり、充実した福利厚生が受けられたりすることから、平均よりも収入が高くなる可能性があります。病児保育に関する資格を取得すれば、資格手当や昇給につながるかもしれません。経験を積んで主任や施設長になると、さらなる給与アップに期待できるでしょう。
出典
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(2026年4月6日)
病児保育士の求人を探す方法
病児保育士の求人は、一般的な保育士に比べて求人数が限られるため、探すのが難しい場合もあります。効率的に仕事探しをするなら、ハローワークや転職エージェントを活用するのも手です。
ハローワークを利用する
病児保育士の求人を探すときは、ハローワークを利用する方法が挙げられます。居住地を管轄するハローワークなら、自宅付近で通勤しやすい求人が見つかる可能性も。窓口を利用すれば、担当者が求人の掲載元に電話し、募集要項の詳細を確認してもらえる場合もあります。ハローワークインターネットサービスを使う際は、「病児保育」「病後児保育」などのキーワードを検索すると、ある程度求人を絞り込むことが可能です。
知人による紹介を受ける
周囲に病児保育士として働いている人や、業界とつながりのある人がいる場合は、病児保育を行っている施設に紹介制度がないか確認してもらうのも手です。相手が実際に勤務している場合、職場の体制について質問ができるので、ミスマッチを防ぎやすいでしょう。保育士や看護師の人脈を活用できれば、正式に求人を出していない施設で打診してもらえる可能性があるかもしれません。
転職エージェントに相談する
病児保育士の求人を探すなら、保育業界に特化した転職エージェントに相談するのもおすすめです。保育士専門の転職エージェントでは、プロのキャリアアドバイザーが仕事探しをトータルサポートしてくれます。非公開求人を取り扱っているところもあるので、自分では探せなかった希望条件に近い仕事の提案を受けられるかもしれません。幅広い求人を調べるなら、複数のサービスに登録して比較検討するのも手です。
病児保育士の仕事に関するよくある質問
ここでは、病児保育士の仕事に関してよくある質問に回答していきます。
病児保育士と病棟保育士の違いは何ですか?
病棟保育士は、小児病棟に入院している子どもたちの保育をするのが特徴です。病児保育士は、病児保育に対応した施設で体調不良な子どもたちの一時的な保育をします。保育の目的と勤務する場所が主な違いといえるでしょう。病棟保育士の詳細は、「病棟保育士とは?仕事内容や必要な資格、求人探しのコツを紹介」の記事をご一読ください。
病児保育士と院内保育士は何が違いますか?
院内保育士は、医療機関に勤める医師や看護師の子どもを保育するのが特徴です。病児保育とは異なり、健康的な子どもたちの見守りを行います。業務内容も一般的な保育園とほとんど違いがありません。「院内保育所とは?一般の保育園との違いや保育士が働くメリットも解説」では、院内保育士の働き方について解説しています。
病児保育士に向いている人の特徴を知りたいです
「子どもの小さな変化に気づける」「体調に合わせて臨機応変に保育内容を変更できる」といった行動を取れる人は、病児保育士に向いている傾向があります。常に新しい知識を吸収している意欲がある人も、病児保育の現場で活躍していけるでしょう。病児保育士に向いているかどうか判断する際は、本記事の本記事の「病児保育士に必要なスキル」も参考にしてみてください。
まとめ
病児保育士とは、病気や体調不良で保育園に登園できない子どもを、一時的に保育する職種です。子どもの症状に合わせて保育計画を立て、検温や服薬介助、室内で取り組める遊びの提供などを行います。
病児保育士になるには、保育士や看護師の資格が必要です。専門性を高めるなら、認定病児保育専門士や認定病児保育スペシャリスト、医療保育専門士などの関連資格を取得するのもおすすめといえます。
病児保育士の求人は一般的な保育士求人よりも探す難易度が高いため、ハローワークや転職エージェントに相談すると効率的です。レバウェル保育士では、「希望条件に合った仕事探しがうまくいかない」とお悩みの方をサポートしています。保育士資格を活かした転職を叶えるなら、レバウェル保育士のサービスを活用してみませんか?
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。











