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保育士のストレスによくある原因とは?悩みを改善する対策方法を知ろう

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不満げな顔をする保育士の画像

保育士として働きながら、ストレスに悩んでいる方へ。人間関係の悩みや仕事量が多い、労働時間が長いなど、保育士が抱えるストレスはさまざまです。この記事では、保育士が直面しがちなストレスの原因や軽減対策、ストレスを溜めない働き方を選ぶポイントを紹介します。

この記事を書いた人

A

「レバウェル保育士」編集部

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保育士が抱える代表的なストレス5選

保育士は子どもたちと関わるやりがいのある仕事ですが、その一方で独特な職場環境からストレスを抱える場合も少なくありません。東京都の「東京都保育士実態調査 結果の概要 (p.9)新規タブリンク」によると、保育士の退職理由で多いのは、「職場の人間関係(31.5%)」「仕事量が多い(23.1%)」「給料が安い(22.1%)」「体力を含む健康上の理由(20.6%)」「労働時間が長い(18.6%)」などが占めています。

  • 人間関係の悩み

  • 仕事量が多い・労働時間が長い

  • 給料が安い

  • 体力を含む健康上の理由

  • 保護者対応へのプレッシャー

東京都の「東京都保育士実態調査 結果の概要 (p.9)新規タブリンク」より紹介した退職理由以外にも、「保護者への対応」にストレスを感じる保育士もいるようです。
ここでは、上記のように保育士が抱える代表的なストレスを5つ紹介します。

出典

東京都「東京都保育士実態調査 結果の概要新規タブリンク」(2025年7月14日)

人間関係の悩み

保育園では保育士と連携し、子どもを保育します。業務上、人との関わりが多いために人間関係の悩みが発生しやすい傾向にあるといえます。同僚だけでなく、主任や園長、新卒1年目やベテランなど、年齢層やキャリアが異なる人とコミュニケーションをとる必要も。保育観や子どもへの接し方、仕事の仕方なども人によりさまざまで、自分とは意見が違う場合もあり、トラブルに発展する可能性もあります。
また、保育士という職種のみで同性が多く、少人数のために閉鎖的になりやすい職場環境といえるかもしれません。

仕事量が多い・労働時間が長い

保育士の仕事は子どもの保育だけでなく、保護者の対応、日誌や書類の作成、行事やイベントの準備など多岐にわたります。特に職場が人手不足の場合、1人あたりの負担が増える傾向にあるといえるでしょう。業務量が多く、時間内に終わらせるのが難しい場合、残業や持ち帰り仕事をせざるを得ないケースも。仕事量が多いと心身の疲労が蓄積し、ストレスの要因となる可能性もあります。

給料が安い

保育士は常に子どもの安全に注意する必要があり、一瞬たりとも気が抜けない仕事だといえます。非常に責任が重い仕事であるのに、給料がほかの職業に比べて低いと感じる保育士も多く、ストレスの一因となっているといえます。仕事への責任が重いのに対し、十分な給与を得られないと感じるのは、モチベーションに影響を与える可能性もあります。

体力を含む健康上の理由

保育士が抱える代表的なストレスの1つに、「体力を含む健康上の理由」が挙げられます。保育士の仕事は、子どもたちと同じ目線に立つためにしゃがむ動作が多かったり、園児や荷物を抱える機会が頻繁にあったりと、体力を使う場面が少なくないでしょう。腰痛や肩こりに悩む方もいるようです。

長時間にわたって幼児を抱っこしたり、活発に動き回る子どもたちに対応したりする場面も多く、かなり体力を消耗する傾向にあります。こうした日々の身体的な負担が蓄積すると疲労感が増し、ストレスの原因となることもあるでしょう。

保護者対応へのプレッシャー

保護者対応へのプレッシャーは、保育士にとってストレス源となり得る場合もあります。保育士は子どもたちと関わるだけでなく、保護者との円滑なコミュニケーションや関係構築も求められます。しかし、ときには保護者が自分の子どもに対して特別な対応を要求したり、クレームを言うケースもあるようです。

こうした保護者からの理不尽や要求やクレームに対して、保育士は感情的にならず、冷静に対応しなければなりません。しかし場合によっては、自信をなくしたり、プレッシャーに押し潰されてしまう場合もあるでしょう。保護者対応は、保育士にとって必要不可欠な仕事ですが、ストレスを感じる方も少なくありません。

保育士がストレスを感じやすい主な原因は?

保育士が抱えるストレスには、さまざまな背景や要因が存在します。その理由を紐解いていくと、主に保育士特有の環境や職場の構造に深く関係しているのがわかります。ここでは、ストレスを生み出す具体的な要因について解説します。

慢性的な人手不足の影響

保育士がストレスを感じる大きな原因の1つに、「慢性的な人手不足の影響」が挙げられます。東京都の「東京都保育士実態調査 結果の概要 (p.3)新規タブリンク」によると、保育士資格を取得して実際に保育士として現在就業しているのは61.8%であり、約4割は勤務していないのが現状です。また、現在勤務している保育士のうち、約半数が勤続年数6年未満とされています。つまり、経験が浅い保育士は早期で退職する傾向にあります。
慢性的に人手が不足していると、保育士一人ひとりの負担が増えるため、ストレスの要因となるでしょう。

出典

東京都「東京都保育士実態調査 結果の概要新規タブリンク」(2025年7月14日)

閉鎖的な職場の雰囲気

前述しましたが、保育園は保育士という職種のみであり、同性が多い環境です。少人数の保育士と密に関わることが多いため、人間関係におけるトラブルが発生しやすく、ストレスにつながりやすいといえるでしょう。また、外部とのつながりは「ほとんど保護者のみ」と限られており、閉鎖的になりやすいといえます。園によっては、「閉鎖的で問題があっても相談しにくい」という場合もあり、ストレスの要因となるケースもあるようです。

子どもの命を預かる責任の重圧

保育士は子どもの命を預かるため、責任の大きい仕事といえます。ドアや門の施錠を確認する、棚やテーブルなどの角を保護する、遊具の安全管理を行う、子ども同士のトラブル対応するなど、業務の中で常に細心の注意を払わなければならない場面が数多くあるでしょう。子どもの安全を守るためのプレッシャー、「もしも」の事態を未然に防ぐ責任が保育士に大きな負担を与える場合も。気づかないうちに精神的な疲労が蓄積してしまい、ストレスとなる場合も少なくありません。

職員同士の保育観の違い

同じ職員同士でも保育観が異なる場合もあるため、それがトラブルの要因となるケースもあるでしょう。保育士によっては、さまざまな工夫を行い「子どもを待たせない保育」を実践している場合もあります。しかし、「待って我慢するのも大切」と考える保育士もいるようです。このように、保育観が違うと子どもへの対応も異なるため、ストレスになるケースも少なくありません。

保育士が快適に働くためのストレス軽減対策

多忙な業務や責任感の重さ、人間関係の悩みなど、保育士特有のストレスに向き合いながら働くには、自分に合った対策を取り入れる必要があります。ここでは、ストレス軽減対策やポイントについて紹介します。

信頼できる人に相談する

ストレスや悩みがある場合、1人で抱え込まず、家族や信頼できる友人に相談しましょう。話すだけでも気持ちが整理され、ストレスが和らいだり、自分では気づけなかった視点や思いもよらないアドバイスが得られたりする可能性があります。

職場で信頼できる同僚がいる場合、日々の悩みや大変なことを共有すると、ストレスが解消される場合があります。しかし職場の人に悩みを相談すると、情報が洩れて勤務するのが気まずくなる可能性も。そのため、職場外の人に相談するのがおすすめです。ほかの保育園で働く知人や異業種に就いている友達など、立場の異なる相手に話すと、中立的で新鮮な意見をもらえるかもしれません。

休みをとる

ストレスを抱えたままでは心身ともに疲弊し、仕事のパフォーマンスを最大限に発揮するのが難しくなる場合もあります。ストレスを感じている場合こそ、しっかり休むのが大切です。責任感の強い保育士ほど「自分が休むと職場に迷惑がかかるのでは」と無理をしてしまう傾向がありますが、結果的にそれがさらなる疲労や体調不良につながる場合もあります。

休んでいるときに、一時的に職場へ負担をかけることがあったとしても、元気な自分を取り戻して良好な状態で仕事をする方が、長い目で見ると周囲にもプラスになるでしょう。
ただ家でのんびり過ごすのも良いですが、温泉施設でゆったりと過ごしたり、アロマやリラクゼーションサロンで癒されたりと、自分をいたわる時間を意識的に作ると、心身をリセットできる可能性も。自然豊かな公園を散歩したり、お気に入りのカフェで一息つくなどもおすすめです。

積極的に体を動かす

適度な運動やストレッチは、ストレスを軽減するのにおすすめです。保育士の場合、日常的に子どもと活動する場面が多いため、特別な時間を設けずにストレス発散ができるケースがあるかもしれません。
たとえば、子どもと一緒に歌を歌ったり、踊ったりすると、自分も心が軽くなる場合も。

また、外遊びや体を動かす活動に積極的に参加すると、軽い運動ができ心身のリフレッシュにも役立つでしょう

食事で気分転換する

心と体はつながっているため、体が疲れると気持ちも沈みやすい傾向にあります。そのようなときこそ、美味しい食事で気分転換をするのがおすすめです。自分へのご褒美として、ずっと気になっていた話題のレストランを訪れてみるのも良いでしょう。特別感のある食事を楽しむと、日常にちょっとした非日常を取り入れてリフレッシュできる可能性があります。

親しい友人を交えて食事するのもおすすめです。楽しい会話を通じてストレスが解消する場合もあるでしょう。忙しい日々の中でも、心と体をリセットできる時間を大切にしてください。

自分の趣味や好きなことに没頭する

自由に使える休日や空いた時間は、日常のストレスから解放される絶好のチャンスといえます。自分の趣味や興味のあることに没頭し、リフレッシュしましょう
趣味がある場合、その世界にどっぷり浸かるのもおすすめです。手を動かすものづくり、絵や音楽などクリエイティブな活動に没頭すると、ストレスが軽減されるだけでなく充実感も得られる場合も。大声で歌えるカラオケや体を動かせるダンスなど、エネルギーを発散するアクティビティもおすすめです。

働き方を見直す

保育園を変えず、今の環境で働きやすさを追求する方法の1つとして、勤務時間や働き方を見直すことが挙げられます
たとえば、フルタイムで働き続けることに負担を感じている場合は、保育園に相談してパート勤務や時短勤務への切り替えを検討してみるのも良いでしょう。人手不足の状況では相談しづらいと感じるかもしれませんが、退職するリスクを伝えると、園も柔軟な対応を検討する可能性があります。働き方を調整すると心身の負担が軽減され、これまで以上に仕事に集中できるようになるかもしれません。時間に余裕が生まれると、プライベートも充実するでしょう。

転職を検討する

「対策をしても問題が解決しない」「まだストレスを感じている」という場合、思い切って別の保育園への転職を考えてみるのも1つの方法です。転職すると、自分のスキルや個性を活かせる職場が見つかる場合もあります。

保育業界に特化した転職エージェント「レバウェル保育士」では、取材訪問を通じて各職場の保育方針や雰囲気をしっかり把握しています。そのため、職場のリアルな情報を得ることができ、安心して転職活動を進められます。
また、「レバウェル保育士」では条件のヒアリングから模擬面接まで、あなたの転職活動を専任のアドバイザーがトータルでサポートします。サービスはすべて無料で利用できるので、ぜひお気軽にご登録ください。

保育士がストレスを溜めない働き方を選ぶポイント

保育士がストレスなく働ける職場を選ぶためには、どのような点に注目すれば良いのでしょうか。ここでは、転職や就職の際に役立つ理想的な職場を選ぶためのポイントを紹介します。自分に合った環境で、心地よく働き続けるための参考にしてください。

自分のライフスタイルに合った労働条件を選ぶ

自分のライフスタイルに合った労働条件を選ぶのは、保育士として長く続けるために重要なポイントといえます。保育士の多くはシフト制で勤務するため、早朝や夜間保育、週末に働く場合もあります。「シフト制ではなく固定時間勤務で働きたい」という場合、求人票などで事前に確認する必要があります。

また、残業が長いと心身の負担が増え、ストレスを感じやすくなります。残業の有無や勤務時間などは入職前にきちんと確認しておきましょう。サービス残業や持ち帰り仕事が常態化している職場を避けるためにも、契約内容をしっかりチェックし、働きやすい条件の整った職場を選ぶことが大切です。

優先順位を明確にする

保育士として勤務する中で、「今何が最も大切なのか」優先順位を明確にするのが大切です。「保護者からの緊急連絡に対応する」「子どもたちと関わる」「自分の休息時間をしっかり確保する」「事務作業を行う」「今日は早めに仕事を切り上げる」など、自分の大切にしたいことを明確にしてください。そうすると、ストレスを軽減できる可能性が高まるでしょう。

各種手当や福利厚生をチェックする

保育士として働く上で、手当や福利厚生がどれだけ充実しているかも、働きやすさに影響します。資格手当や役職手当、通勤手当などはもちろん、保育園特有の行事に関連する「特殊業務手当」なども支給される場合も。
これらの手当が支給されるかどうかは園の方針や運営状況によって異なります。しかし、努力や成果に対してしっかり報酬が反映される環境はモチベーションを高め、長期的に勤務しやすくなるポイントといえます。

衛生的で快適な施設環境を確認する

施設内の清潔さや快適さは、保育士がストレスなく働ける要素の1つといえます。保育室のレイアウトや備品、園庭や水回り、調理室など、日々使用する場所が清潔で機能的であるか、休憩室やロッカーも快適なスペースであるかをしっかりチェックしましょう。
保育園を見学する際には、できるだけ多くの場所を案内してもらうのがおすすめです。実際に自分が勤務する場所がどのような環境であるかを確認するのは、職場選びには不可欠です。環境が整っていると、日々の業務がスムーズに進み、ストレスの軽減にもつながるでしょう。

保育士が感じやすいストレスに関する質問

ここでは、保育士が感じやすいストレスについてよくある質問を紹介します。ぜひ参考にしてください。

毎日忙しい保育士がストレスを緩和するには?

保育士が毎日の忙しさからくるストレスを緩和するには、「深呼吸する」など自分を落ち着かせる手軽なリフレッシュ法を取り入れるのが効果的です。
そのほか「保育士が快適に働くためのストレス軽減対策」でも紹介しているので、ぜひご覧ください。

保育士のストレスチェックは何を参考にすれば良い?

自分の状況を客観的に把握するために、オンラインのストレスチェックを活用するのがおすすめです。こうしたツールは気軽に利用できるため、ストレスケアの第一歩として適しています。結果を参考にしつつ、必要に応じて信頼できる専門家に相談しましょう。

まとめ

保育士の仕事は「人間関係の悩み」「仕事量が多い」「労働時間が長い」など、ストレスを抱えやすい一面があります。保育士としての働き方は、職場環境や園の方針によって大きく変わるため、自分に合った環境を見極めるのがポイントです。保育士として「自分が最も大切にしたい点」「これだけは譲れない」という優先順位を明確にしましょう。

「努力しても、問題が解決しない」「ストレスが軽減しない」という場合、環境がマッチしていない可能性もあります。ストレスを軽減し、より良い働き方を見つけるための第一歩として、環境を見直して転職を検討するのも1つの方法です。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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