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保育士はいい人ほどやめる?退職理由や働きやすい職場に転職するコツを解説
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「理想の保育がしたいのに…」「頑張りが評価されない」と悩んでいませんか?保育士はいい人ほどストレスを抱えやすく、辞めてしまう場合も少なくありません。 この記事では、いい保育士が退職してしまう理由や辞めてしまう職場の特徴を紹介します。保育士が退職を考えたときの対処法も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
保育士はいい人ほどやめる?退職を決意した理由
保育現場では、真面目で熱心な保育士ほど悩みを抱えやすく、退職を考える場合もあります。ここでは、いい保育士が仕事を辞めてしまう理由を見ていきましょう。
自分の頑張りが評価されないため
子どもたちと真剣に向き合い、保育の質を高めようと努める保育士ほど、日々の取り組みが適切に評価されないことに悩む場合があります。たとえば、率先して活動の準備や片付けを担当したのに、「当たり前」とされてしまうと次第にモチベーションが下がってしまう可能性があるでしょう。
保育の専門性が高く努力を重ねている保育士であっても、経験や能力が給与に反映されず、上司からの理解も得られない状況が続くと自信を失いがちです。まじめな保育士ほど、自身の努力や成長が適切に評価されないことへの不安を抱き、退職を考えるきっかけになるかもしれません。
給料や待遇に納得できないため
いい人と評価される保育士ほど、自分の仕事の価値と報酬のバランスが気になるでしょう。子どもたちに質の高い保育を提供したいという思いが強いからこそ、生活の不安や将来の見通しが立たないことに苦しむ場合があります。
「子どものために」という思いだけでは、自分自身の生活や健康を守るのは難しいものです。働きやすい環境は、充実した保育を続けていくための基盤になります。経済面での不安から辞める保育士も少なくありません。
頼みごとを断れず業務量が増えたため
協調性が高く真面目な保育士は、他者からの頼みごとを断るのが苦手な傾向にあります。「お願いできる?」と声をかけられると、自分の仕事が忙しくても「大丈夫です」と引き受けてしまいがちです。断らない姿勢でいると徐々に依頼が増え、気づけば多くの業務を抱え込んでいる状況に陥ることも珍しくありません。
頼まれごとを引き受けてしまい、保育以外の業務が増えると、本来集中すべき子どもとの関わりの時間が削られてしまいます。いい保育士は「みんなのため」「子どものため」という思いから過度に仕事を引き受け続けた結果、心身ともに疲弊し、最終的に離職を考える場合もあるようです。
仕事ができない自分が嫌になったため
いい保育士は、自分の保育に対して厳しい目を向ける傾向があります。「子どもの発達に合わせた対応ができなかった」「保護者とうまくコミュニケーションがとれなかった」など、小さなミスや対応の難しさを引きずってしまう場合もあるようです。ベテラン保育士との比較で自分の未熟さを感じたり、同期との差を意識して焦りを感じたりする人もいるでしょう。
いい人といわれる保育士は理想の保育像を持っているからこそ、思い通りにいかない現実に自己嫌悪を感じて退職を決意するかもしれません。
理想と現実のギャップが苦しいため
子どもたちのために質の高い保育を提供したいという高い志を持つ保育士ほど、理想と現実のギャップに苦しむ傾向にあります。たとえば、子どもの気持ちに寄り添った保育方法を取り入れたくても「従来のやり方を守る」「効率を重視する」という園では、新しい提案が受け入れられにくいかもしれません。
いい保育士は自身が目指す保育と園の方針との違いが長期間続くと、保育への意欲が低下し、最終的に仕事を辞めてしまう場合もあるでしょう。
ストレスを溜め込みやすい「いい保育士」の特徴
保育現場で「頼りになる」「仕事ができる」と評価される保育士ほど、ストレスを抱え込みやすい傾向があります。ここでは、「いい保育士」の特徴をまとめました。
不満があっても他人に言わない
いい保育士は、職場環境や人間関係に不満があっても、それを周囲に表現するのを避ける傾向があります。「波風を立てたくない」「みんなも大変なのに」と考え、自分の中に不満を溜め込んでしまうのが特徴です。
適切に意見や感情を表現できないと、ストレスはどんどん蓄積していきます。不満を溜め込むと、「誰も自分のことを理解してくれない」という孤独感につながり、心身の不調が現れる可能性もあるでしょう。
ストレスを発散するのが苦手
いい保育士の中には、仕事のストレスを切り替えて発散するのが苦手な人もいます。仕事で感じたストレスや不満を適切に発散できず、心の中に溜め込んでしまうようです。
いい保育士は責任感が強いあまり、困難な状況に直面しても周囲に助けを求めたり、相談したりするのをためらってストレスを大きくしてしまいがちです。休憩時間も、保育や子どものことが気がかりで、なかなかリフレッシュの時間を取れない状況に陥りやすい場合もあります。
おとなしく協調性が高い
協調性の高い保育士は、チームワークを大切にし、園全体の調和を重視します。「みんなで一緒に」という価値観が強いほど、自身の創造性や専門的な意見を出しにくいと感じることもあるようです。園の方針や上司の判断を尊重するあまり、保育に関する提案や意見交換の機会が失われてしまう可能性もあります。
いい保育士は協調性が高いゆえに自分の意見を押し殺してしまい、ストレスになる場合も少なくありません。
我慢強い
いい保育士と評価される人ほど、不満や疲労を表に出さず、子どものために笑顔で対応し続けようとします。たとえば、残業や持ち帰り仕事が増えても、「みんな忙しいから」と我慢を重ねてしまいがちです。体調不良を感じても「休むと職場に迷惑がかかる」と考え、無理をして出勤する場合もあるでしょう。
保育中に感じる疲れや不安も「子どものために」と我慢し、自分の心身の状態を後回しにしてしまいます。日々の我慢の積み重ねが、ストレスにつながってしまうかもしれません。
いい保育士ほど辞めてしまう職場の特徴
いい保育士が離職してしまう職場は、労働環境や評価基準などに問題がある場合があります。ここでは、いい保育士が辞める職場の特徴を解説するので、今の勤務先や志望先の保育園に当てはまるかどうかチェックしてみてください。
労働環境が悪い
いい人と評価される保育士は、厳しい労働環境の中で心身の健康を損なう可能性を感じれば、退職を決意するかもしれません。長時間労働の常態化や休憩時間の確保が難しい現状、業務の持ち帰りなど労働環境の課題は、保育士の心身の健康に影響を及ぼします。業務量に対して人員が不足している職場も、1人当たりの負担が増えて理想の保育を実践できなくなる可能性があるでしょう。
保育の質を高めたいという専門職としての使命感を持つ保育士ほど、厳しい労働環境の中でジレンマを抱えやすくなります。
保育園の将来性に不安がある
園長や理事長のビジョンが現場と乖離していたり、経営状態が不安定だったりすると、園の将来に不安を感じる保育士も少なくありません。いい保育士は、子どものことよりも園の収益が重視される場面が増えてくると、不信感を抱き始めるでしょう。子どもの数が減ったり、経営の不安定さを感じたりすると、保育士はこのまま安心して働き続けられるのか分からないという不安に襲われます。
熱心な保育士ほど子どもたちのために良い保育をしたいという思いが強く、園の将来に希望が持てないと、転職を考えるようになるでしょう。
評価基準が明確でない
自分の頑張りが正当に評価されず、処遇や待遇に反映される仕組みがない園では、保育士として働くモチベーションの維持が難しくなります。「何をどう頑張れば評価されるのか」が不明確だと、努力の方向性が定まらず、不公平感も生じやすくなるでしょう。
たとえば、保育の質よりも園長との関係性や勤続年数だけで評価されるなど、専門性が軽視される環境では、向上心の高い保育士ほど不満を感じやすくなります。公平で透明性のある評価制度は、保育士のやりがいと成長を支える重要な要素です。
人間関係がギスギスしている
園の方針や保育観の違いから人間関係が悪化し、職場の雰囲気がギスギスしていると、毎日の仕事がストレスになります。人間関係が悪い職場では、上司から一方的に指示され、新しい提案や意見が受け入れられにくい場合もあるでしょう。仕事量の偏りや責任の押し付けなど、不公平な状況も見られます。
いい保育士は良好なチームワークを重視するため、職場の人間関係の歪みにストレスを感じ、退職を考えるかもしれません。
学びや成長の機会が少ない
専門性を高めたいと考える保育士は、園内外の研修機会が限られている職場に不満を感じやすくなります。経験豊富な保育士による指導機会が少なく、若手の成長をサポートする体制も整っていない職場では、保育士の成長が停滞しがちです。
保育の質向上に向けた園全体での取り組みが消極的だと、いい保育士であっても創造性や主体性を発揮できず、やがて仕事へのやりがいを見失ってしまいます。
いい人ほど保育士の仕事を辞めると後悔する場合もある
子どもたちのために真摯に向き合う「いい保育士」ほど、辞めたあとに後悔するかもしれません。職場環境や人間関係の問題から退職を決意しても、日々の子どもたちとの関わりや、成長を見守る喜びを失うことは喪失感につながります。
真面目で熱心な保育士は、一人ひとりの子どもの発達に合わせた丁寧な関わりができ、保護者との信頼関係も築けます。「大変だけど、子どもの笑顔があるから続けられた」と感じていた方は、別の職種に就いた際に物足りなさを感じるかもしれません。
保育士を辞める前に、理念や方針が合う園、働き方に配慮のある園など、違う環境で保育士を続ける選択肢を考えてみるのがおすすめです。
保育士が退職したいと思ったら
保育士は退職を考えているとき、どのように行動すべきか悩むこともあるでしょう。ここでは、「このまま続けるべきか」「転職したほうがいいのか」迷っている方のために、具体的な対処法をご紹介します。
信頼できる人に相談する
保育士が退職するか迷った際は、1人で抱え込まず、信頼できる相手に相談することが重要です。園の同僚や先輩、家族など客観的な視点を持ってアドバイスしてくれる人の存在は、転職に対する不安の気持ちを和らげてくれるでしょう。同じ保育業界で働く知人がいれば、業界の実態に合ったアドバイスが得られるかもしれません。
相談する際は、具体的に悩みを整理して伝えることがポイントです。「何が辛いのか」「どうなりたいのか」を明確にすると、より前向きな会話になります。相談することで自分の考えが整理され、冷静な判断ができるようになるでしょう。
求人情報を収集する
保育士がキャリアを見つめ直すには、情報収集が重要です。転職を決意していなくても、保育業界の動向や求人情報をチェックしてみると、自分の市場価値や今後の可能性が見えてきます。現在の職場に不満を感じているなら、ほかの選択肢を知れば視野が広がるかもしれません。
情報収集するときは、保育士専門の求人サイトや転職サイトを調べ、園の条件や特徴を比較してみましょう。転職を考える際は給与や勤務時間といった基本条件だけでなく、保育方針や園の雰囲気、教育・研修制度なども重要な判断材料になります。求人情報を見れば、「こんな働き方もあるのか」「こういう園なら自分に合うかもしれない」と、新たな可能性に気づくきっかけにもなるでしょう。
転職エージェントに相談する
保育士専門の転職エージェントを利用すると、自分では見つけられない求人情報や業界の動向を知ることが可能です。転職エージェントは豊富な経験と知識を持っているため、あなたの悩みや希望に合わせた適切なアドバイスが受けられるでしょう。応募書類の添削や面接対策など、転職活動全般のサポートも期待できます。
現在の仕事が忙しく、転職活動に時間を割けない場合はエージェントのサポートが効率的なので、まずは気軽に相談してみましょう。
「保育士はいい人ほどやめる」に関してよくある質問
ここでは、「保育士はいい人ほどやめる」に関してよくある質問に、Q&A形式でお答えします。
保育士は真面目な人ほど辞める?
真面目で熱心な保育士ほど理想と現実のギャップに苦しみやすく、自分にプレッシャーをかけ過ぎることから、仕事を辞めてしまうかもしれません。真面目な保育士は、休憩時間や休日も子どもたちのことを考えがちです。保護者からの期待に応えようと頑張りすぎたり、職場では「迷惑をかけたくない」と無理を続けたりすると、心と体の疲れが積み重なっていきます。
真面目な保育士が長く働き続けるには、自分の価値観や働き方に合った職場選びが大切です。保育士として転職を考えるときは、この記事の「いい保育士ほど辞めてしまう職場の特徴」を確認して、新しい職場を慎重に見極めましょう。
保育士にはどんな人が多い?
保育士には、子どもに笑顔で接する元気で明るい人が多く見られます。保育士は子どもの命を預かる仕事のため、責任感が強く、子どもの安全や発達に真摯に向き合える人も多いのが特徴です。
保育現場では、子どもの気持ちに寄り添える優しさがあり、安全管理に注力できる人材が、活躍できるでしょう。
保育士を辞めたら次の仕事は何がある?
保育士の資格や経験を活かせる転職先として、ベビーシッターや学童保育のスタッフが挙げられます。また、夜間や休日に子どもを預かるベビーホテルや、自宅で保育を行う保育ママ、チャイルドマインダーなども選択できるでしょう。
ベビーシッターや保育ママなどの職種は、保育士としての専門知識や経験が直接活かせる仕事であり、子どもと関わる仕事を続けたい方に適しています。
まとめ
「保育士はいい人ほどやめる」といわれる背景には、努力が適切に評価されない職場環境や断りにくい依頼が重なって業務過多になるといった課題があります。誠実な保育士は協調性が高く、不満があっても主張しにくい傾向があるため、ストレスを抱えやすいようです。
現在の職場が合わないからといって、いい保育士が保育の道を諦める必要はありません。信頼できる人に悩みを相談したり、保育専門の転職エージェントを利用したりすることで、自分らしく働ける環境を見つけられるでしょう。
「理想の保育と現実のギャップに悩んでいる」「努力が正当に評価されていない」と感じている保育士は、「レバウェル保育士」を活用してみてください。「レバウェル保育士」では、保育業界に特化したキャリアアドバイザーが、あなたの価値観や希望に合った職場を紹介します。給与や待遇面の交渉もサポートしているので、よりよい環境でいい保育士として活躍したい方はぜひご相談ください。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。