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30代未経験から保育士になる方法!資格の取得方法や求められるスキルとは

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ノートパソコンを開きスマホを見て考える女性のイメージ

転職を検討しているなかで「30代未経験から保育士を目指せるのだろうか」と気になる方もいるのではないでしょうか。30代未経験者も保育士資格を持っている場合は、保育士として働くことは可能です。 この記事では、30代の未経験者も保育士になれる理由や資格の取得方法、求められるスキルを解説します。30代未経験から保育士になるメリット・デメリットも紹介するので、ぜひチェックしてください。

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「レバウェル保育士」編集部

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30代未経験から保育士になれる理由

30代の未経験者も、保育士資格があれば保育士として働くのは十分可能です。実際に、未経験者歓迎の保育士の求人も存在します。未経験者向けの環境が整備されている園に転職すれば、安心して勤務できるでしょう

30代の未経験者も保育士になれる理由として、保育業界の人手不足により保育士の需要が高まっている点や社会人経験が保育現場で活かせることが挙げられます。また、子育て経験がある場合は、実務に役立てられる可能性が高いといえます。ここでは、30代未経験から保育士になれる理由を解説します。

業界の人手不足で保育士の需要が高いため

保育業界では慢性的な人手不足が続いており、保育士の需要は高い傾向にあります。こども家庭庁の「保育士の有効求人倍率の推移(全国)新規タブリンク」によると、2025年(令和7)年1月の保育士の有効求人倍率は3.78倍です。このように保育士不足という背景から、30代の未経験者も保育士として採用されるチャンスが広がっているといえるでしょう。

出典

こども家庭庁「保育士の有効求人倍率の推移(全国)新規タブリンク」(2025年6月16日)

社会人経験が役に立つため

30代までに培った社会人経験は、保育の現場で役に立ちます。たとえば、ビジネスマナーやコミュニケーション能力は同僚との連携や保護者の対応において重要なスキルの1つです。ほかにも、問題を解決する能力やリーダーシップなど、これまでの職務で得た経験はチームワークの向上に活かせます。未経験者であっても、これまでに培ってきたスキルは保育現場で即戦力として評価されるポイントです。

子育て経験を踏まえて業務に取り組めるため

育児の経験がある場合は、子育て経験を保育士の業務に活かせるでしょう。育児経験がある人は、子どもの成長過程や育児の悩みを理解しているため、保護者の気持ちに寄り添った支援ができます。育児で得た知識や経験は、子どもたちとの関わり方にも役立つ可能性が高いといえます。子育て経験は現場で実践力として評価されやすいため、30代の未経験者も安心して保育士を目指せます。

30代未経験で保育士資格を取得する方法

30代で未経験から保育士を目指す場合、保育士資格を取得する必要があります。保育士資格を取得する方法は、主に指定保育士養成学校を卒業するか、保育士試験に合格するかになります。また、ハローワークの職業訓練で保育士養成コースを受けるというのも選択肢の1つです。ここでは、30代未経験で保育士資格を取得する方法を解説します。

指定保育士養成施設を卒業する

指定保育士養成施設を卒業すると、保育士試験を受験せずに保育士資格の取得が可能です。厚生労働省の「保育士になるには?新規タブリンク」によると、指定保育士養成施設は全国に675ヶ所あります。指定保育士養成施設では、保育に関する知識の習得や実習経験を積みながら学べるため、未経験者が実践的なスキルを身につけやすい点がメリットです。また、夜間コースや通信制を設けている保育士養成施設もあるため、働きながら保育士資格の取得を目指せます。

出典

厚生労働省「保育士になるには?新規タブリンク」(2025年6月16日)

保育士試験に合格する

30代の未経験者が保育士資格を取得するには、保育士試験に合格するのも1つの方法です。厚生労働省の「保育士になるには?新規タブリンク」によると、保育士試験は年に2回実施されており、受験資格は概ね「短期大学卒業程度」とされています。最終学歴が高等学校卒業の場合も、「児童福祉施設で実務経験が2年以上あり、総勤務時間数2,880時間以上従事した者」などの条件を満たせば受験資格を得られます。保育士試験の受験資格の詳細に関しては、一般社団法人全国保育士養成協議会の「受験資格新規タブリンク」を確認しておくと安心でしょう。

保育士試験は、筆記試験と実技試験に分かれており、筆記試験に合格すると実技試験に進めます。保育士試験は独学や通信講座など、学習方法を自由に選択できるため、働きながら保育士を取得しやすいのが魅力です。

出典

厚生労働「保育士になるには?新規タブリンク」(2025年6月16日)
一般社団法人全国保育士養成協議会「受験資格新規タブリンク」(2025年6月16日)

ハローワークの職業訓練で保育士養成コースを受ける

30代の未経験者が保育士資格を取得する方法の1つとして、ハローワークの職業訓練で保育士養成コースを受けるという選択肢もあります。職業訓練とは、就職するために必要なスキルを身につけるための講座を原則無料で受けられる制度です。

厚生労働省の「ハロートレーニング(離職者訓練、求職者支援訓練)について知る新規タブリンク」によると、職業訓練を受講するにはハローワークから訓練の必要性などを認めてもらい、受講あっせんを受ける必要があります。職業訓練の保育士養成コースを通じて2年間学ぶと、卒業と同時に保育士資格が取得できます。職業訓練の保育士養成コースの受講料は原則無料ですが、テキスト代や実習費は自己負担となる点に注意しましょう。また、職業訓練の保育士養成コースの有無や募集時期は地域によって異なるため、事前にハローワークで確認してください。

30代未経験から保育士を目指す人に求められるスキル

30代の未経験者が保育士になるには、どのようなスキルが求められるのでしょうか。ここでは、30代未経験から保育士を目指す人に求められるスキルを解説します。

コミュニケーション能力

保育士として働くうえで、コミュニケーション能力は重要なスキルの1つです。保育士が子どもと信頼関係を築くためには、言葉だけでなく表情や仕草を使いながら、子どもの気持ちを読み取る力が求められます。また、保育士は保護者に子どもの成長や園での様子をわかりやすく伝える力が必要です。ほかにも、育児に不安を抱える保護者に寄り添い、サポートする場面もあります。

保育士の仕事が未経験の場合も、相手の気持ちを尊重しながら円滑にやり取りをする意識を持つと、職場に馴染める可能性が高いでしょう。

チームワークと協調性

保育士の仕事は1人で完結するものではなく、チームで子どもを保育する仕事です。そのため、ほかの職員と協力しながら働くチームワークと協調性が不可欠だといえます。保育士には職員同士で連携し、情報共有や役割分担を適切に行うことが求められるでしょう。

未経験で保育士になる場合は、経験豊富な先輩の保育士や同僚のサポートを受けながら成長する意欲が大切です。また、保育士は保護者の対応を行う際にもチームワークが重要です。保護者の相談に対応する際には自分だけで判断せず、園全体で情報を共有しながら適切な対応を考えるのが大切です。

継続して学び続ける力

保育士は働き始めてからも、学び続ける姿勢が求められます。子どもの成長や発達に関する知識は日々更新されているため、保育士は常に向上心を持つことが重要です。未経験から保育士を始める場合、最初は分からないことがあり、戸惑う場面もあるでしょう。しかし、業務の中で経験を積みながら学ぶと、徐々に自信が持てるようになります。また、園内研修や外部講習会に参加するなど、積極的に知識を吸収すると、成長できるでしょう。

30代未経験から保育士になるメリット・デメリット

30代の未経験者が保育士になる場合、人生経験が活かせる点や長期的なキャリア形成が築きやすい点が魅力です。一方で、体力的な負担が大きく若手の同僚と働くことに戸惑う可能性があるという懸念点もあります。ここでは、30代未経験から保育士になるメリット・デメリットを解説します。

30代未経験から保育士になるメリット

30代はこれまでの人生経験を保護者の対応に活かせる可能性が高いといえます。社会人としての経験を積んだ30代は相手の気持ちを理解し、適切に対応する力が備わっている方も多いといえるでしょう。保育士が保護者とのコミュニケーションを求められる場面では、人生経験が豊富なほど悩みに寄り添って対応でき、信頼関係が築きやすい傾向にあります。また、長期的なキャリアを築きやすいのも30代から保育士を目指すメリットの1つです。保育士はブランクがあっても復帰しやすい職業であり、結婚や出産後も柔軟に働き方を選べます。保育士として経験を積むと、主任や園長といった役職を目指す道もあり、キャリアアップも可能です。

30代未経験から保育士になるデメリット

30代の未経験者が保育士になるデメリットは、体力的な負担が大きい点が挙げられます。保育士の仕事は子どもと一緒に動き回る機会があり、おんぶや抱っこ、食事やおむつ替えなど体を使う業務が中心です。また、行事の準備や事務作業で残業が発生する場合もあり、長時間の労働に対応できる体力と気力が求められます。そのため、体力に自信がない30代の場合、保育士の仕事を負担に感じるかもしれません。また、30代の未経験者は、若手の同僚と働くことに戸惑う可能性がある点も考慮が必要です。

厚生労働省の「保育士の現状と主な取組 (p.28)新規タブリンク」によると、保育施設では、30歳未満の職員が32.9%を占めています。保育現場では20代の保育士が多く、30代の未経験者は年下の先輩保育士から指導を受ける場面もあるでしょう。30代でこれまでの社会人経験があると、「今から新人として学ぶのが恥ずかしい」「年下の先輩に指示されるのが気になる」と感じるかもしれません。

出典

厚生労働省「保育の現場・職業の魅力向上検討会(第5回)資料新規タブリンク」(2025年6月16日)

30代未経験で保育士を目指す際の注意点

30代の未経験者は転職後、収入面や仕事におけるギャップを感じる可能性があるため、注意が必要です。ほかにも、計画的に保育士資格を取得したり、転職先の保育園選びを慎重に進めたりするのが大切だといえます。ここでは、30代未経験で保育士を目指す際の注意点を解説します。

30代保育士の年収事情を踏まえて検討する

30代で未経験から保育士を目指す場合は、収入面も考慮することが大切になります。厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計新規タブリンク」によると、30代保育士の平均年収は以下のとおりです。

年齢 きまって支給する現金給与額 年間賞与その他特別給与額 年収

(きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額)

30~34 27万100円 65万6,300円 389万7,500円
35~39 28万9,100円 83万7,400円 430万6,600円

参照:厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計新規タブリンク

保育士の平均年収は、30歳〜34歳が389万7,500円、35歳〜39歳が430万6,600円とされています。このデータには経験者の保育士も含まれているため、未経験者が転職した場合は、上記の平均年収より低くなる可能性があるでしょう。年収を優先する場合、未経験者は初任給が低めに設定されている可能性も考慮しつつ、保育士の収入と現在の仕事の収入を比較し、納得できる決断をしましょう

出典

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計新規タブリンク」(2025年6月16日)

計画的に保育士資格を取得する

30代の未経験者で保育士資格がない場合、計画的に取得する必要があります。指定保育士養成施設で学ぶ場合は卒業までに最短2年かかり、保育士試験の合格を目指す場合は勉強する時間が必要です。どの方法で保育士資格を取得するのが自分に合っているのかを考慮し、無理のない学習計画を立て、実行するのが重要といえるでしょう。
保育士資格の取得方法は、本記事の「30代未経験で保育士資格を取得する方法」で解説しているので、参考にしてください。

未経験ゆえのギャップを覚悟する

保育士の仕事はやりがいのある仕事ですが、未経験者は理想と現実のギャップを感じる可能性があります。保育士は子どもと楽しく過ごす仕事というイメージを持っている未経験者もいますが、実際の仕事はそれだけではありません。保育士は子どもを保育する以外にも保護者対応や行事の準備、書類作成など、多岐にわたる業務をこなします。このように、保育士の仕事は体力的・精神的な負担が大きいのが現実です。

未経験から保育士になって仕事内容にギャップを感じたときに、「想像と違ったから辞めよう」と思わないためにも、事前に担当する業務や保育士の働き方をリサーチしておきましょう。未経験者は転職後のミスマッチを防ぐためにも、保育園の職場見学や保育士体験を活用するのがおすすめです。

転職先の保育園選びは慎重に行う

30代の未経験者が保育士を目指す場合、転職先の保育園選びが重要です。園によって保育方針や職場の雰囲気、保育士に求められるスキルが異なります。そのため、自分の価値観や適性に合った園を選ぶのが大切です。

また、未経験者の保育士を受け入れる体制が整っているかどうかも重要なポイントといえます。研修制度などがある園では、未経験者も安心して働けるでしょう。未経験から保育士を目指す際は、職場見学を行ったり、職場の口コミを確認したりして、未経験者が働きやすい環境が整っているかどうかを見極めることが大切です。

30代未経験で保育士を目指す人によくある質問

30代未経験で保育士を目指す人によくある質問に、Q&A形式で回答します。

30代未経験から正職員の保育士を目指すのはきつい?

30代の未経験者も、正職員の保育士を目指すのは可能です。保育士の求人では、未経験者歓迎で正職員のものもあります。ただし、保育士で正職員として働く場合、責任のある業務を任される場合もあるでしょう。未経験から正職員として保育士になると、慣れるまでは仕事が大変だと感じるかもしれません。
いきなり正社員として保育士になることに不安がある場合は、パートの保育士として働きながら経験を積むのも1つの方法です。パートであれば、勤務時間を調整しながら無理なく保育経験を積め、「保育士の仕事が自分に合っているか」を見極められます。保育士として自信がついてから正社員を目指すことも可能なので、無理のないステップでキャリアを築いていくのが大切です。

未経験の30代主婦も保育士になれる?

未経験の30代主婦も、保育士資格があれば保育士として勤務できます。保育業界は人手不足のため、未経験の主婦も活躍しやすい環境が整っている職場もあります。家庭と仕事の両立を考えている主婦で、いきなりフルタイムとして働くのが難しければ、パートや派遣の保育士としてスタートするのも1つの手です。
保育園によっては短時間勤務がしやすい職場や、子育てをしながら働きやすい環境が整備されている職場もあるため、自分に合った働き方ができる職場を見つけるのが重要だといえます。30代の未経験者が保育士を目指せる理由は、本記事の「30代未経験から保育士になれる理由」で紹介しているので、参考にしてください。

未経験の30代男性が保育士になる方法は?

未経験の30代男性が保育士になるには、保育士資格を取得する必要があります。保育士資格の取得方法は、本記事の「30代未経験で保育士資格を取得する方法」を確認してください。未経験の30代男性の中には、保育士として働くことを不安に思う方もいるでしょう。その場合、保育士資格を取得する前に、保育補助として保育園で働くのも1つの手です。保育補助として現場経験を積むと、子どもとの関わり方や保護者対応を学べるため、保育士として働く不安を軽減できるでしょう。
詳しくは「男性保育士の割合は?給料や働くメリットも解説」をチェックしてください。

まとめ

30歳で未経験の場合も、保育士資格を取得すれば保育士として働くことは可能です。保育業界は常に人手不足が続いているため、需要が高いといえます。また、社会人経験や子育て経験を活かせる場面もあるため、30代からの転職も歓迎される傾向にあります。

保育士資格を取得する方法は主に、指定保育士養成施設を卒業する、保育士試験に合格する、職業訓練を活用するという3種類です。保育士資格を取得する方法は、自分のライフスタイルに合った方法を選ぶのが重要だといえます。

30代の未経験から保育士に転職するのは、体力的な負担や新しい知識を一から学ぶ点などが挙げられます。ミスマッチを防ぐには、事前に保育士の働き方や仕事内容をリサーチしましょう。また、未経験者の受け入れが整備された園を選ぶのも重要といえます。保育士の年収や働き方のギャップを理解し、計画的に保育士を目指すのがおすすめです。

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執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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