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保育士2年目が辞めたいと思う理由は?対処法や転職成功のポイントを解説
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2年目の保育士の中には、「辞めたい」と感じている方もいるかもしれません。2年目は、基礎的な知識やスキルが身に付き、転職先からも評価されやすい時期です。しかし、実際に転職を決めるには慎重な判断が欠かせません。 この記事では、保育士2年目が辞めたいと感じる理由や対処法、退職後のキャリア選択について解説します。転職成功のポイントも紹介するので、辞めるべきか迷っている方はぜひ参考にしてください。
目次
保育士2年目で辞めたい…転職しても大丈夫?
2年目の保育士が「辞めたい」と感じるのは決して珍しいことではなく、転職も十分に可能です。保育士2年目は、仕事にある程度慣れてくる一方で、責任が増えたりさまざまな課題や悩みが表面化してきたりする時期でもあります。同時に、基本的なスキルが身に付き自己理解も深まってくるため、前向きな転職理由を伝えやすいタイミングです。
採用担当者からも今後の成長が期待できる人材として評価されやすいため、過度に不安を抱える必要はありません。ただし、転職を考える際には「今の職場で改善できることはないか」「次の職場でも同じ悩みを繰り返さないか」を慎重に見極めることが大切です。
保育士2年目が辞めたいと思う主な理由
2年目の保育士が辞めたいと感じるのには、いくつかの共通する理由があります。以下に代表的な要因をまとめたので、自分の気持ちを整理するヒントにしてみてください。
指摘が多く仕事ができないと感じる
保育士2年目になると、「もう新人ではない」と見なされやすく、周囲の期待が高まります。任される仕事が増え、結果を求められる時期といえるでしょう。細かいところまで指摘されるようになると、「自分は仕事ができないのでは」と感じ、辞めたい気持ちが生まれることもあります。
また、同期と比べて落ち込んだり、成長を実感できずにモチベーションが下がったりすることも。業務量が増える中で時間のやりくりが難しくなり、完璧を求め過ぎて小さなミスを必要以上に気にしてしまうこともあるでしょう。
仕事と私生活のバランスが取れない
2年目の保育士の中には、仕事と私生活のバランスが崩れ、辞めたいと感じる人もいます。2年目になると、1年目よりも責任が増えて業務も複雑になります。その結果、残業や持ち帰り仕事が増え、私生活の時間が削られることもあるでしょう。
加えて、休暇の取りづらさやシフト勤務による生活リズムの乱れから、「このままでいいのか」と悩むこともあるようです。
同僚や上司との人間関係に悩みがある
2年目の保育士は、同僚や上司との人間関係に悩み、辞めたいと感じることがあります。2年目になると、役割が変わったり意見が食い違ったりして、周囲との関係に摩擦が生じることがあります。「業務の負担が増える」「チームワークに問題が出てくる」といった理由からストレスが溜まることもあるでしょう。
また、上司や先輩からの過度な叱責や不適切な指導、能力や経験を超えた要求に悩まされることもあるかもしれません。
給料や待遇に不満がある
2年目の保育士の中には、昇給が思ったより少なかったり、増えた業務量に対して給料が見合っていなかったりして辞めたいと思う人もいます。職場によっては、残業代がきちんと支払われなかったり、福利厚生が十分でなかったりと、働きやすさに不満を感じることもあるでしょう。
また、キャリアパスが不明確で、将来の昇進やスキルアップに対する評価が不足している場合も退職を考えるきっかけになることがあります。
保育士2年目が辞めたいと思ったときの対処法
保育士が2年目で辞めたいと感じたときは、すぐに退職を決めるのではなく、自分にとってより良い選択は何かをじっくり考えることが大切です。以下の対処法を参考に、現状を見直してみましょう。
成長の一環として前向きに捉える
2年目の保育士が辞めたいと感じるのは役割や責任が増える中で自然なことです。そのため、今の悩みを自己理解やスキルアップのチャンスと捉え、無理のない範囲でポジティブに向き合うことも1つの選択肢といえるでしょう。
目標の見直しや上司との面談、研修などを通して困難を乗り越えた経験は、将来の貴重な財産になります。3年目になって視野が広がれば、気持ちが落ち着き、状況が改善される場合も少なくありません。
辞めたい理由を具体的に洗い出す
保育士2年目で退職を考える場合は、なぜ辞めたいのかを明確にすることが重要です。「なんとなく疲れた」「つらい」といった漠然とした感情ではなく、「子どもとの関わりに自信が持てない」「残業が続き体力的に厳しい」などと言語化してみましょう。
そのうえで、辞めたいと感じた出来事や頻度を整理すれば、問題の本質が見えてきます。自分で解決できるものか、周囲のサポートが必要かを分けて考えることで、今後の対応方針も立てやすくなるでしょう。自分一人で判断が付きにくいときは、転職エージェントに相談するのも有効です。
辞めるメリットとデメリットを比べる
2年目の保育士が退職を考えるときは、メリットとデメリットを冷静に比較することが大切です。たとえば、退職によってストレスから解放されると、「心身を休める時間が持てる」「新しい環境に挑戦できる」といったメリットが得られるでしょう。
一方で、「2年間積み上げてきた経験や人間関係が途切れる」「新しい職場への適応に時間がかかる可能性がある」といったデメリットもあります。短期間での退職により転職活動で「すぐ辞める人」と見なされる可能性もゼロではありません。そのため、短期的・長期的な両方の視点から慎重に判断することが重要といえます。
第三者や公的機関の窓口に相談する
信頼できる上司や先輩、公的機関に相談することも問題解決への一歩です。労働基準監督署や保育士・保育所支援センター、ハローワーク、転職エージェントなどでは、労働環境やキャリアに関するアドバイスを受けられます。
また、2年目の保育士がメンタル面で不安を感じている場合は、職場の産業カウンセラーや自治体の相談窓口の利用も有効です。オンラインや電話での相談など、顔を合わせずに話せる方法もあるので、一度誰かに気持ちを打ち明けてみることをおすすめします。
保育士が2年目で辞めたあとの仕事の選択肢は?
「辞めたあとにどんな選択肢があるのか不安…」「保育士の経験を活かせる仕事ってあるの?」と感じている2年目の保育士の方もいるかもしれません。ここでは、退職後の主な道筋を紹介するので、参考にしてみてください。
ほかの保育園や保育施設に転職する
一口に保育園や保育施設と言っても、職場環境や保育方針、雰囲気は施設ごとに異なります。そのため、より良い労働条件や環境を求めて、別の認可保育所や認定こども園へ転職すするのも選択肢の1つです。企業主導型保育所や小規模保育事業所、病児保育施設なども検討してみましょう。
インターナショナルスクールや外国人向け保育施設では、グローバルな視点で保育経験を積むことも可能です。現在の職場でストレスが大きくても、サポートが充実している施設や自分の価値観に合った施設に移れば、モチベーションが回復するかもしれません。
保育士資格を活かして異なる働き方をする
保育園以外にも、保育士資格を活かせる仕事は多くあります。たとえば、「学童保育で小学生を支援する指導員」「個人宅で保育を行うベビーシッター」「子育て支援センターで保護者の相談にのるスタッフ」など、さまざまな働き方が考えられます。
また、公務員や児童館の職員、保育関連のNPO職員、保育分野のライターなども選択肢の1つです。保育士資格を活かせば子どもや教育に関わる幅広い分野でキャリアを広げられます。収入や雇用の安定性も含めて、自分に合った働き方を検討してみてください。
他職種に挑戦して新たな経験を積む
全く異なる職種に挑戦する場合も、2年間で培った保育士の経験は役立ちます。たとえば、事務職や営業職では、対人スキルやコミュニケーション能力、忍耐力などを活かせます。子ども関連商品を扱う企業や教材開発会社、子ども向けイベントの企画・運営を行う企業では、保育知識を活用できる場面もあるでしょう。
また、カウンセラーやソーシャルワーカーなど、心理面や社会福祉のサポートに役立つキャリアもあります。新たな職種に挑戦する際は、必要なスキルや資格を確認し、自分の適性を考慮することが大切です。いきなり転職するのではなく、副業やインターンを通じて経験を積む方法も有効といえます。
保育士2年目が転職を成功させるためのポイント
保育士2年目が転職を成功させるには、慎重に計画し、しっかり準備することが大切です。ここでは、転職を成功させるためのポイントを紹介します。
希望条件や優先順位を明確にする
2年目の保育士が転職を成功させるには、自分の希望条件と優先順位を明確にすることが大切です。給与や勤務時間、休日、福利厚生などの基本条件に加え、職場の雰囲気やキャリアアップの機会などを総合的に判断しましょう。そのうえで、譲れない条件と妥協できる条件を区別すると持続可能なキャリアにつながります。
仕事と私生活のバランスを考慮し、無理のない働き方を選ぶことで長く活躍できるでしょう。
転職活動は在職中に進める
転職活動は在職中に進めるのが理想的です。現在の収入を維持しながらじっくりと転職先を探せるため、条件面の妥協も避けやすくなります。また、現在の職場と転職先を比較することで希望条件がより明確になるのもメリットです。
転職活動を行う際は、現職の業務に支障が出ないようにし、スケジュールや情報の取り扱いに配慮しましょう。計画的に進めることで、納得のいく転職が実現しやすくなります。
退職時期はできるだけ年度途中より年度末にする
2年目の保育士が退職を考える際は、年度途中よりも年度末のほうが望ましいです。園の人員計画や保護者への説明がスムーズに進み、子どもたちへの影響も最小限に抑えられます。また、行事や書類業務の区切りが付きやすく、新しい職場とも調整しやすいため、退職と転職のどちらにとってもメリットといえるでしょう。
ただし、体調や家庭の事情などでやむを得ない場合は、無理に年度末にこだわる必要はありません。自身の状況を優先し、最適な時期を選ぶことが大切です。
引き止めにくい理由で円満に退職する
2年目の保育士が円満に退職するには、園側が納得しやすく引き止めにくい理由を伝えることが大切です。家庭の事情や健康上の問題、進学、専門性の追求など、やむを得ない状況を伝えたり、前向きな理由を選んだりするとスムーズでしょう。
退職理由を伝える際は、これまでの感謝の気持ちや園への配慮、引き継ぎへの協力姿勢も忘れずに述べましょう。また、退職の意思はできるだけ早く伝えることで、気持ちよく送り出してもらえる可能性が高まります。
園見学で職場の雰囲気を確認する
転職先を見極めたい2年目の保育士にとって園見学は有効な手段です。実際に現場を訪れることで、職場の雰囲気や子どもとの関わり方など、書類では分からない情報を得られます。見学では、施設の清潔さや安全性、保育方針がきちんと実践されているかなど、働きやすさに関わるポイントをしっかり観察しましょう。
複数の園を見学して比較することで、自分に合う環境も見つけやすくなります。見学で得た情報は面接でのアピール材料にもなるはずです。
面接では前向きな退職理由を伝える
2年目の保育士が面接で退職理由を聞かれた際は、前向きで建設的な内容を伝えることが大切です。「スキルアップを目指したい」「自分に合った保育方針の園で働きたい」など、成長意欲や将来のビジョンを示すと好印象につながります。
また、前職での経験や学びに感謝の気持ちを添えることで、誠実さや人柄も伝わります。嘘や誇張は避け、答えづらい質問には無理をせず正直に対応することもポイントです。事前に伝え方を準備しておくと自信を持って面接に臨めるでしょう。
保育士2年目によくある質問
ここでは、2年目の保育士によくある質問を紹介します。
保育士2年目で失敗ばかりのときの解決方法はありますか?
2年目の保育士が失敗を経験するのは自然なことですが、大切なのは「そこからどう学ぶか」です。原因を振り返り、先輩に相談したり、小さな目標を立てて成功体験を積み重ねたりしましょう。書籍や研修で知識を深めるのも効果的です。適度な休息や趣味の時間も確保し、焦らず自分のペースで取り組むことが着実な成長につながります。
2年目の保育士が立てる目標例を教えてください
具体的には、「子どもの発達への理解を深める」「保護者との関係づくりを強化する」「園内行事の企画・運営に積極的に関わる」などが目標例として挙げられます。また、タイムマネジメントの改善や保育記録の質を高めることも、成長につながる目標といえるでしょう。
保育士がつらくて仕事に行けなくなったらどうしたらいいですか?
2年目の保育士が「仕事がつらくて出勤できない」と感じたら、無理をせず心と体を休ませましょう。そのうえで、「なぜつらいのか」を整理し、上司や信頼できる同僚に相談することが大切です。状況によっては有給休暇をまとめて消化したり、休職したりして休養をとることをおすすめします。必要に応じてカウンセリングや医療機関の受診も検討し、適切なサポートを受けるようにしてください。
まとめ
保育士2年目になると、1年目では気づかなかった悩みや現実に直面し、「辞めたい」と感じることもあります。しかし、その気持ちは一時的なものかもしれず、3年目を迎えるころには状況が変わり、気持ちが落ち着くことも少なくありません。そのため、すぐに退職を決めるのではなく、今のつらさの原因は何かを冷静に整理することが大切です。自分一人で抱え込まず、信頼できる第三者や相談窓口に相談してみましょう。
保育業界専門の転職支援サービスレバウェル保育士では、転職するかどうか迷っている方もご利用いただけます。「2年目で転職してうまくいくかな?」「将来に影響はないかな?」と不安に感じている方も、キャリアアドバイザーの客観的な意見やサポートを受けることで、安心して転職活動を進められますよ。退職手続きや職場への伝え方に不安があるという方も、ぜひ一度ご相談ください。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。