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保育士1年目で辞めたいのは甘え?退職を考える理由や悩みの対処法を解説

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頭を抱えて悩む保育士の画像

保育士として働き始めたばかりで、「もう辞めたい…」と感じている方もいるのではないでしょうか。保育士1年目でそう思うのは珍しいことではなく、同じような悩みを持つ人も少なくありません。 この記事では、辞めたいと感じる主な理由や退職前に試したい対処法、辞める際の注意点を解説します。また、職場を変えたほうが良い場合にも触れるので、今後の働き方の参考にしてみてください。

この記事を書いた人

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「レバウェル保育士」編集部

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保育士1年目で「辞めたい」と思うのは甘え?

保育士1年目で「辞めたい」と思うのは、決して甘えではありません。真剣に仕事に向き合っているからこそ生まれる自然な気持ちといえます。社会人としての生活や慣れない職場環境、責任の重さ、体力・精神的な負担など、1年目は戸惑うことが多いもの。そのため、「思っていた以上に大変だな」と感じるのも、無理はありません。

大事なのは、その気持ちを否定せず、自分の今の状態を正しく受け止めることです。自己分析をしたり信頼できる人に相談したりしながら、自分に合った働き方を見つけましょう。もし「この環境では続けられない」と思う場合は、第二新卒としての転職も一つの手です。第二新卒はフレッシュさや可能性が評価されやすく、新たな一歩を踏み出しやすい時期でもあります。

保育士1年目が辞めたいと感じる5つの理由

1年目の保育士が辞めたいと感じる背景には、さまざまな要因があります。ここでは、その中でも代表的な5つの理由について解説します。

1.理想と現実のギャップが大きい

1年目の保育士が最初にぶつかる壁の1つが、理想と現実のギャップです。学生時代に思い描いていた「子ども一人ひとりと丁寧に関わる保育」とは異なり、実際の現場では事務作業や掃除、保護者対応など多様な業務に追われる傾向にあります。人手不足や設備の不十分さによって、理想の保育を実現できず、戸惑いやストレスを感じることもあるでしょう。

また、給与水準の低さや、労働環境の厳しさといった待遇面のギャップに直面することで、「こんなはずじゃなかった」と感じ、辞めたいという思いが強まることもあります。

2.仕事が覚えられず自己嫌悪を感じる

保育士の仕事は幅広く、短期間で習得するのは簡単ではありません。保育計画や記録作成、保護者対応など多くの業務をこなす中で、仕事がなかなか覚えられないと、「自分には向いていないのでは」と感じ、辞めたいと思う1年目の保育士もいます

また、同期の成長スピードと自分を比べて焦りを感じたり、指導や助言を否定的に受け取ってしまったりして、自己嫌悪に陥ることも少なくありません。

3.子どもや保護者対応に自信が持てない

1年目の保育士は、子どもや保護者との関わりの中でさまざまな壁にぶつかり、自信を失って辞めたいと感じることがあります。子どもとの信頼関係の築き方や個性・ニーズに応じた対応、発達段階にあわせた関わり方などに悩むこともあるでしょう。

保護者とのコミュニケーションでは、日々の報告や要望にうまく対応できず、信頼を得るのが難しいと感じることもあります。多様な家庭環境や価値観への配慮、緊急時の適切な対応に不安やプレッシャーを感じることも少なくありません。

4.先輩や上司との人間関係に悩みがある

1年目の保育士が辞めたいと感じる理由の1つが、先輩や上司との人間関係です。職場によっては、厳しい指導や否定的な言葉に傷ついたり、一方的な指示に戸惑ったりする場合もあります。質問や相談をしにくく十分なサポートが受けられない環境では、孤立感も強まるかもしれません。

また、「職員の評価が不透明」「意見を伝えにくい」といった職場風土も、やる気を失う原因となります。こうした人間関係の悩みは、1年目の保育士にとってストレスとなり、退職を考えるきっかけになりやすいのです。

5.仕事量が多くサービス残業がある

1年目の保育士が辞めたいと感じる理由として、仕事量の多さやサービス残業の常態化があります。人手不足の職場では、定時に帰れない日が続いたり、持ち帰り仕事や休日出勤を求められたりすることもあるでしょう。中には、休憩を十分に取れない状況や、残業代が支払われない事態が発生するかもしれません。

こうした状況が続くと、本来したかった保育に向き合えず、プライベートの時間も削られてしまいます。その結果、心身ともに疲弊し、「このままで本当に続けられるのか」と不安を感じるのです。

保育士1年目が職場を辞める前に実践したい対処法

1年目の保育士が辞めたいと感じたときは、退職を決める前に一度立ち止まり、冷静に状況を見直すことが大切です。スキルや自信は経験を積むことで徐々に身につくものでもあります。焦らずに、以下の対処法を試してみましょう。

効率的な仕事の進め方を意識する

1年目の保育士が自分の未熟さを実感する場合は、効率的な仕事の進め方を意識することで、業務がスムーズに進む可能性があります

具体的には、「全体の業務を視覚化してタスクに優先順位をつける」「タイムスケジュールを作成し時間配分を考えて行動する」といった方法を試すと、効率アップにつながるでしょう。こまめにメモを取り、業務のポイントや注意点を整理するのもポイントです。また、同僚と積極的に協力し合うことで、業務分担や情報共有を進められるかもしれません。

苦手な人とは無理せず距離を取る

1年目の保育士が職場の人間関係に悩んだときは、苦手な人と無理に関わろうとせず、業務に支障のない範囲で距離を取ることが大切です。無理に関係を築こうとすると、精神的に疲れてしまうこともあります。プライベートな情報共有は控えめにし、必要なやりとりだけを丁寧に行いましょう。

また、自分の業務範囲をはっきりさせ、無理なお願いには穏やかに断る姿勢も大切です。苦手な相手に気を取られ過ぎず、信頼できる同僚との関係を大切にすることで、安心して働ける環境が少しずつ整っていくかもしれません。

休息を取ってストレスを解消する

1年目の保育士が心身の疲れを感じたときは、無理をせず、意識的に休息を取ることが大切です。ストレスをうまく解消することで、前向きな気持ちを取り戻せることもあります。

十分な睡眠や休日のリフレッシュ、軽い運動や趣味の時間を確保することで、気分転換になり、仕事への意欲を保ちやすくなるかもしれません。また、深呼吸やストレッチ、アロマなどのリラックス法を取り入れるのも効果的です。心に余裕を持つことで、「辞めたい」という気持ちが一時的なものかどうかを見極められるでしょう。

上司や信頼できる先輩に相談する

1年目の保育士にとって、悩みを一人で抱え込むのは大きな負担になります。無理に我慢せず、信頼できる上司や先輩に相談することで、解決のヒントや新たな視点が得られる場合もあるでしょう。相談するときは、相手の時間に余裕があるタイミングを選び、事前に「何に悩んでいるのか」「どうしたいのか」を整理しておくと、話が伝わりやすくなります。

なお、職場内で解決が難しいと感じた場合は、労働基準監督署をはじめとする外部の相談機関に頼ることも検討しましょう。

保育士1年目が職場を辞めたほうが良い状況

保育士として働き始めて1年目で退職を考えるのは、勇気のいることでしょう。しかし、職場の環境や状況によっては、無理をせず早めに退職を考えたほうが良い場合もあります。ここでは、保育士1年目が退職を検討すべき具体的な状況について解説します。

体調やメンタルに影響が出ている

保育士1年目で心身の不調が続く場合は、無理をせず退職を検討することが大切です。職場環境は自分一人では変えることが難しいため、無理を続けると心身の状態がさらに悪化する可能性があります。強いストレスや体調不良が続くと、子どもたちへの保育にも悪影響を及ぼすかもしれません。

不調が長引いている場合は、医療機関やカウンセラーといった専門家に相談し、適切なサポートを受けましょう。質の高い保育を続けるためにも、自分自身の健康を最優先に考えることをおすすめします。

労働条件の問題やハラスメントがある

労働条件の問題やハラスメントがある職場で働いている1年目の保育士は、退職を視野に入れましょう。違法な長時間労働やサービス残業、パワハラ・セクハラ・モラハラといった行為が放置されていると、心身の健康が損なわれるだけでなく、保育の質にも悪影響を及ぼします。

また、安全対策の不備や契約内容の違反、不適切な人員配置をしている職場も、安心して働くことは困難です。改善の見込みがない場合は、早めの決断が自分を守ることにつながります。状況に応じて労働基準監督署や労働組合に相談し適切な対応を取りましょう。

改善を求めても悩みが解決しない

1年目の保育士が職場で改善を求めても状況が変わらない場合、退職を考えるのは的確な判断です。「上司に相談しても取り合ってもらえない」「組織の問題が放置されている」「ハラスメント対策が不十分」など、誠実に行動しても改善が見られない状態が続くと、心身への負担が大きくなりかねません。

また、「キャリアアップの機会がない」「保育士としての専門性が軽視される」「倫理的に納得できない保育が行われている」などの場合も、働き続ける意味を見直す必要があります。自分の健康やキャリアのために、環境を変えることを検討しましょう。

保育士1年目が職場を辞める場合の注意点

1年目の保育士の中には、「こんなに早く辞めて良いのだろうか」と罪悪感や後ろめたさを抱く人も少なくありません。辞めるかどうかを判断する前に、リスクや注意点をしっかりと理解することで、納得のいく選択につながるでしょう。

転職活動で短期離職を懸念されるリスクがある

保育士が1年目で転職活動を行う場合、採用担当者から「またすぐに辞めてしまうのではないか」と懸念される恐れがあります。短期間での離職理由が明確でないと、「継続して働ける人材かどうか」「職場に定着できるか」といった不安を感じられやすくなり、採用の判断に影響を与える可能性もあるでしょう。

そのため、面接では、「次の職場でどう貢献していきたいか」「どのような意欲を持っているか」を積極的に伝え仕事への熱意をアピールすることが大切です。

面接官に転職理由を納得してもらう必要がある

1年目の保育士が転職活動を行う際は、採用担当者の不安を解消できるような納得感のある転職理由を伝える必要があります。「この人なら長く働いてくれそうだ」と安心感を与えるためにも、誠実さと前向きな姿勢を意識し、安心して採用に踏み切れるような説明を心掛けましょう。

また、直面した課題にどう対処したか、問題解決のためにどのような行動を取ったかを具体的に説明できると、面接官の信頼を得やすくなります。

転職先で同じ悩みに直面する可能性がある

1年目の保育士が職場を辞める際は、辞めた理由が転職先でも繰り返される可能性があることを意識しておきましょう。保育業界には、長時間労働や人手不足といった共通の課題が存在します。そのため、退職理由が特定の園に限ったものなのか、それとも業界全体に関わる問題なのかを事前に見極めることが大切です。

また、自分の性格や働き方の傾向も振り返り、必要であれば改善を心掛けましょう。どの職場でも多少の困難はあるものと理解し、柔軟に対応する姿勢を持つことが、長く働ける環境を見つけるカギになります。

1年目の保育士が転職を成功させる方法

保育士1年目の転職では、進め方を工夫することで成功の可能性を高められます。ここでは、1年目ならではの不安や課題を乗り越えて転職を成功させるコツを紹介します。

無理なく働ける条件の求人を選ぶ

1年目の保育士が転職を成功させるには、自分にとって無理なく働ける職場を選ぶことが重要です。前職で感じた負担や悩みを振り返り、労働時間・休日・給与・保育方針などが自分の希望に合っているかをしっかり確認しましょう。

また、職場の雰囲気や新人へのサポート体制、設備、通勤環境なども事前に調べておきましょう。可能であれば職場見学を行い、実際の保育の様子や職員の雰囲気を見て判断することをおすすめします。

1年目ならではの強みをアピールする

転職活動では、1年目という立場に引け目を感じるのではなく、自信を持って自分の強みを伝えることが大切です。養成校で学んだ最新の知識や新しい環境に順応する柔軟性、子どもや保護者との関わりを通じて培ったコミュニケーション力は、十分なアピールポイントになります。

また、日々の保育の中で直面した課題への対応や、自分なりに工夫し成長してきた姿勢も評価されやすい要素です。こうした強みを具体的なエピソードを交えて述べることで、1年目ならではの価値を示せます。

転職エージェントに相談する

転職活動をスムーズに進めるためには、転職エージェントに相談するのも有効です。転職活動では、過去の経験を踏まえて、同じ悩みを繰り返さないよう働き方を見直す必要があります。そのため、客観的な視点でのアドバイスは1年目の保育士にとって心強いでしょう。

保育業界に精通したエージェントであれば、自分に合った求人の紹介に加え、履歴書の添削や面接対策、条件交渉もサポートしてくれます。また、入職後のフォローがある場合もあり、初めての転職も安心して進められるでしょう。

保育士1年目が円満退職をするためのコツ

保育士1年目が円満退職するためには、感謝の気持ちをしっかり伝え、退職理由を前向きに説明することが大切です。業務の引き継ぎをスムーズに行い、最後まで責任を持って仕事を全うしましょう。

退職のタイミングを慎重に考える

退職のタイミングを慎重に選ぶことは、1年目の保育士が円満退職するために重要な要素です。可能であれば、年度末といった区切りの良い時期を選び、子どもたちへの影響を最小限に抑えましょう。また、園の繁忙期や大きな行事の前は避け、最低でも1ヶ月前、できれば2〜3ヶ月前に退職の意思を伝えることが重要です。

なお、次の職場が決まってから退職を申し出るのが理想ですが、やむを得ない事情があれば必ずしもそうとは限りません。その場合も、できるだけ余裕を持って伝え、園の人員体制に配慮するよう努めましょう。

退職理由はポジティブな伝え方を意識する

1年目の保育士が退職を伝える際は、できるだけ前向きな表現を心掛けることが大切です。「新しいスキルを学びたい」「専門性を高めたい」といった成長意欲を示す言葉を使い、長期的なキャリアを見据えた決断であることを伝えると、好印象を与えられるでしょう。

また、園での経験に感謝の気持ちを示し、子どもたちへの配慮も忘れないようにすることで、園側の理解を得やすくなり円満な退職につながります。

感謝の気持ちを忘れずに引き継ぎを行う

円満退職には、最後まで責任を持って丁寧に引き継ぎを行うことが大切です。資料を用意し、十分な時間を取って後任者へ引き継ぎを行いましょう。質問しやすい雰囲気をつくることや、進行中の業務を整理して報告することもポイントです。

上司・同僚・子どもたち・保護者それぞれに感謝の言葉を伝え、前向きな姿勢で退職日まで誠実に働くことが、1年目の保育士の次のステップへとつながります。

1年目で辞めたい保育士によくある質問

ここでは、1年目で辞めたい保育士によくある質問を紹介します。

保育士1年目で向いていないと感じたらどうすれば良いですか?

1年目で保育士に向いていないと感じたときは、自分の気持ちを整理したり、信頼できる先輩や上司に相談したりしてみましょう。園の方針や人間関係が合っていない場合は、環境を変えることで気持ちが楽になる場合もあります。「向いていない」ではなく「まだ慣れていないだけ」と考え、すぐに結論を出さないことも大切かもしれません。

新卒の保育士1年目が辛いのは当たり前ですか?

保育士1年目で辛いと感じるのは珍しいことではありませんが、それが必ずしも当たり前とは限りません。環境への慣れ方やストレスの感じ方は人それぞれで、成長の過程で一時的に感じる辛さもあれば、サポート不足や過重労働による深刻な負担もあります。そのため、辛さを抱える自分を責めるのではなく、状況を客観的に見直すことが大切です。

保育士1年目で体調不良が続く場合は辞めても良いですか?

保育士1年目で体調不良が続く場合は、退職を選ぶことも選択肢の1つです。医療機関を受診し、体調不良の原因が仕事に関係しているかを確認しましょう。職場に相談し、業務の調整や休職制度の利用を検討してみてください。そのうえで改善が見られない場合は、無理をせず退職を考えることも自分を守るための前向きな判断といえます。

まとめ

新しい環境での困難やギャップは、キャリアを積む過程の一部としてよくあることです。そのため、保育士1年目で「辞めたい」と感じるのは珍しくありません。しかし、心身に大きな負担を感じるほどの辛さや、極端なギャップがある場合は、職場が自分に合っていない可能性があります。悩んでいるときは一人で抱え込まず、周囲の意見を参考にして、辞めるかどうか慎重に判断しましょう。

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執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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