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ブランクがある保育士は復職できる!不安を解消する方法や求人探しのコツ
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「ブランクがあるけど、保育士に復職できるのか」と思う方もいるでしょう。保育士は人手不足により非常に需要が高いため、ブランクがあっても復職できる可能性があります。 この記事では、ブランクのある保育士が復職できる理由、不安なことや解消方法を解説します。ほかにも、求人探しのポイントや履歴書の書き方・例文も紹介するので、保育士への復職を希望している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
保育士はブランクがあっても復職できる理由
保育士は常に人手が不足しているため、ブランクがあっても復職できる可能性が高いでしょう。ここでは、保育士はブランクがあっても復職できる理由を3つ紹介します。
保育士が不足している
こども家庭庁の「保育士有効求人倍率(R7.1)」によると、2025(令和7)年1月時点で保育士の有効求人倍率は3.78倍です。全職種平均の1.34倍と比較すると、依然として高い水準で推移しています。これは保育士が不足しており、需要が高いといえるでしょう。ブランクがあっても、保育士に復帰できる可能性はあるといえます。
出典
こども家庭庁「保育」(2025年5月16日)
実務経験のある潜在保育士は貴重な人材とされている
実務経験のある潜在保育士は、即戦力として重宝されるため復職できるでしょう。滞在保育士とは、保育士の資格を保有しているものの、保育士として勤務していない人のことです。厚生労働省の「令和4年厚生労働白書 (p.57)」によると、保育士の登録者数のうち約6割は資格を活かして働いていません。
社会福祉施設などに従事している保育士の数 | 645,000人 |
社会福祉施設などに従事していない保育士の数 | 1,028,000人 |
保育士の登録者数 | 1,673,000人 |
参照:厚生労働省「令和4年厚生労働白書 (p.57)」
保育士の実務経験が浅くブランクがある方も、未経験から挑戦できる求人や教育体制が整っている職場などを選ぶと、復職できる可能性が高まるでしょう。
出典
厚生労働省「令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保-(本文)」(2025年5月16日)
子育てや社会経験を業務に活かせる
保育士は子育てや社会人経験を活かして、復職できる可能性もあります。出産や子育てを経験すれば、子どもや保護者への理解がより深まることも。社会人経験は、業務の効率化や事務作業、保護者とのコミュニケーションなどに活かせるでしょう。
ブランクをマイナスに捉えるのではなく、保育士経験以外で身につけた知識やスキルをアピールするのが重要です。
ブランク有の保育士が復職する際に不安なこと
ブランクのある保育士は、スキルや体力面において不安に感じることもあるでしょう。ここではブランクのある保育士が復職する際に、不安に感じる可能性があることを5つ紹介します。不安を解消するために、理由を明確にしておきましょう。
知識の遅れやスキルの衰えが不安
ブランクがあると、保育に関する知識が遅れていたり、スキルが衰えたりしていないかと不安になることもあるでしょう。保育士を離職した期間が長いと、自分の経験が活かせるかどうか不安に思うかもしれません。また、「新しい知識を身につけるのにどれくらい時間がかかるか」「子どもや保護者の対応がうまくできるか」などを不安に思う方もいるでしょう。
体力が落ちていないか不安
保育士に復職する際に、なかには体力面の不安を感じる方もいます。出産や育児により体力が落ちたり、デスクワークの仕事で身体を動かす機会が減っていたりと、復職前の過ごし方によって不安になる場合もあります。保育士は外で子どもと遊んだり、イベントの準備をしたりと体力勝負な面もあるため、大きな不安要素となることもあるでしょう。
人間関係が上手くいくか不安
復職した後、新しい職場で人間関係が上手くいくか不安になる場合もあるでしょう。特に以前の職場で人間関係について悩んだことがある方は、不安が大きいかもしれません。職場の人間関係は入職してみないとわからないため、不安要素になりやすいでしょう。
育児や介護など家庭と仕事を両立できるか不安
育児や介護をしている方は、家庭と仕事の両立ができるかどうか、不安になることもあるでしょう。育児や介護は自分でコントロールできない部分が多いため、やむなく急に休んだり早退したりして、「職場に負担をかけてしまうのでは」と不安に思う可能性もあります。
保育士がブランクに対する不安を解消する4つの方法
保育士がブランクに対して不安を感じた場合は、知識をアップデートしたり職場見学したりすると解消できることもあります。ここでは、ブランクのある保育士が復職する際に、不安を解消する4つの方法を紹介します。
1.研修やセミナーで知識をアップデートする
保育士としての知識やスキルに対して不安な方は、研修やセミナーによりアップデートしましょう。こども家庭庁の「保育士・保育所支援センターやハローワークなどの連絡先」によると、各地方自治体には保育士・保育所支援センターが設けられており、復職に向けて悩みを相談したり研修を受けたりできます。
復職後に先輩保育士から学んだり、最新の保育情報を確認したりして知識をアップデートして不安を解消していきましょう。
出典
こども家庭庁「保育士・保育所支援センターやハローワークなどの連絡先」(2025年5月16日)
2.簡単な運動で体力づくりをする
体力が衰えているのではないかと不安な方は、簡単な運動で体力づくりをしましょう。ウォーキングやストレッチなど、少しずつでも毎日簡単な運動を続ければ体力面での不安を解消できることもあります。また、体力づくりと合わせて、復職を見越して生活リズムを整えるのも重要です。
3.職場見学で雰囲気を確認する
復職後の人間関係に不安を感じている場合は、事前に職場見学をして雰囲気を確認しておくのがおすすめです。入職前にすべての人間関係を把握するのは難しいですが、職場見学をすれば職員の人柄や雰囲気を知って安心できる可能性があります。
事前に職場見学が可能かどうか、ミスマッチを防ぐためにも応募する施設に問い合わせてみましょう。
4.保育業界専門の転職エージェントに相談する
ブランクのある保育士の不安は、転職エージェントへ相談するのも1つの手です。ブランクや復職に対する不安を相談すれば、転職活動をサポートしてもらえるでしょう。
保育士は保育業界専門の転職エージェントを利用するのがおすすめです。保育業界の転職に詳しいプロからアドバイスをもらいながら、自分に合った求人を探せるでしょう。
レバウェル保育士は、保育業界専門の転職支援サービスです。地域に特化したプロのアドバイザーが求人紹介や選考対策、模擬面接など転職活動をトータルサポートします。ブランクがある保育士の方も、ぜひお気軽にお問い合わせください。
ブランクのある保育士が求人を探す3つのポイント
ブランクのある保育士は、ブランクOKや非正規雇用の求人を検討するのもおすすめです。ブランクがネックになり転職活動が上手くいかないときは、3つのポイントを参考に求人探しをしてみましょう。
1.ブランクOK・歓迎で求人を探す
保育士求人のなかには、ブランクOKや歓迎としている施設もあります。ブランクのある保育士を採用している施設は、研修や教育体制が整っている場合も。受け入れ体制が整っていれば、ブランクに対する不安も解消しやすくなるでしょう。
2.保育士の人数に余裕がある保育園を探す
ブランクのある保育士は、職員の人数に余裕がある保育園のほうが不安を解消しやすくなります。職員の人数に余裕がない保育園では、復職後すぐにクラス担任を任されたり、研修期間が短かったりすることもあるでしょう。そのため、保育士や保育補助の数、復職後の流れや担当業務などはしっかりと事前に確認してください。
3.パートやアルバイトなど非正規雇用も検討する
ブランクのある保育士は、状況に応じてパートやアルバイトなどの非正規雇用も検討してみましょう。たとえば、「ブランクが長く体力面で不安」「育児と両立しながら働きたい」という方は、短時間勤務で働ける非正規雇用のほうが働きやすい可能性があります。
ブランクや復職に対して不安がある方は、まずは非正規雇用として働き、将来的に正社員を目指すのも1つの方法です。
【ブランクのある保育士向け】履歴書の書き方と例文
ここでは、ブランクのある保育士が履歴書を準備する際の書き方と例文を紹介します。職歴欄と志望動機の書き方、例文を紹介するので参考にしてください。
職歴欄の書き方
続いて、状況別に職歴欄の書き方を紹介します。ブランクをごまかしたり記載しなかったりすると経歴詐称になるため、必ず事実に基づいて記載しましょう。
出産・育児によるブランクがある場合の職歴欄
出産・育児により保育士のブランクがある場合は、以下のように記載します。
2012年4月 社会福祉法人◯◯会◯◯保育園 入職
2016年10月 出産および育児のため退職
出産や育児の経験は保育士の業務にも活かせるため、自己PRの欄や面接時でアピールしてみましょう。
ブランクありで保育士から異業種へ転職する場合の職歴欄
保育士としてブランクがあり、異業種へ転職する場合は、以下のように記載します。
2013年4月 社会福祉法人◯◯会◯◯保育園 入職
2018年3月一身上の都合により退職
2019年4月◯◯株式会社 入社
2021年3月一身上の都合により退職
異業種へ転職する場合は、保育士を辞めた理由や復職する理由を詳しく聞かれる可能性があります。いずれも前向きな表現で伝えられるように、準備しておきましょう。
志望動機の例文
志望動機はブランクと復職の理由を含めて、ポジティブな表現で伝えるのがポイントです。復職の意欲や保育士として働く熱意もアピールしましょう。
出産・育児によるブランクがある場合の志望動機
出産・育児によるブランクがある場合は、その経験を保育士の業務に活かしていく意欲を伝えましょう。
出産・育児により保育の現場を離れましたが、7年のブランクを経て保育士に復職したいと考えています。保護者として育児の大変さを実感し、子育てをサポートできる保育士の仕事にあらためて魅力を感じ復職の意欲が湧きました。
貴園では、保護者のサポート体制も整えているとお聞きしました。そのため、子育て経験を活かしながら、子どもだけでなく保護者にも気配りできる保育士を目指したいです
志望度の高さをアピールするためには、応募先の保育方針や求める人物像を把握して志望動機に含めましょう。
ブランクありで他業種に転職する場合の志望動機
保育士としてブランクがあり、医療種に転職する場合、志望動機の例文は、以下のとおりです。
新卒で保育園に就職しましたがアパレルに興味が湧き転職を決意し、子ども服の販売職として3年勤務しました。仕事にやりがいはありましたが子どもとの関わりが少なく、保育士に復職したいと考えるようになりました。
他業種に転職したことで、保育士に必要なマルチタスクをこなすスキルやコミュニケーション能力がアップしたと感じています。貴園では離職期間の経験も活かし、子どもや保護者、職員とのコミュニケーションを大事にしながら、保育士としてキャリアアップしていきたいと考えています
他業界に転職した場合は、また辞めるかもと懸念されることもあります。そのため、保育士として腰を据えて、長く働き続けたい意思や意欲を伝えるのがポイントです。
保育士のブランクに関するよくある質問
ここからは、ブランクのある保育士についてよくある質問を紹介します。
保育士への復帰が怖い場合はどうする?
まずは、保育士への復帰が怖い理由を明確にしましょう。理由が明確になれば、対策しやすくなります。たとえば、知識が古い・スキルが衰えているのではないかと不安に思う場合は、地方自治体が主催している研修やセミナーを受けるのもおすすめです。また、保育業界専門の転職エージェントに相談すれば、プロに悩みや不安を相談できます。
ブランクがある保育士が復職前に勉強することは?
ブランクがある保育士は、復職先の保育方針や厚生労働省の最新版の保育所保育指針を確認しましょう。また、最新の保育に関する情報をインターネットで確認したり、本を読んだりする方法もあります。保育方針や必要な知識は保育園によっても異なるため、勉強しておくことがあるか復職する施設に聞いてみるのも良いでしょう。
保育士が復帰するときに必要な準備は?
保育士が復帰するときは保育士証(コピー)が求められるため、準備しておきましょう。保育士証をもっていない場合は、登録事務処理センター(保育士登録機関)での手続きが必要です。また、保育園によっては制服が支給されることもあります。復職する施設に準備するものがあるか事前に確認しておきましょう。
まとめ
保育士は人手不足により人材確保の必要性が高いため、ブランクがあっても復職できる可能性があります。実務経験のある潜在保育士は、即戦力として重宝されることもあるでしょう。出産や育児、社会人経験など、保育士を離れた期間に身につけた知識やスキルをアピールして復職できる可能性もあります。
ブランクがある保育士は、知識やスキル、退職面で復職に対して不安に感じる場合もあるかもしれません。また、人間関係やキャリアアップについて、不安に感じる方もいるようです。
ブランクに対する不安は、地方自治体が開催する研修を受けたり、保育業界専門の転職エージェントに相談したりして解消する方法があります。また、復職に向けて体力づくりや生活リズムを整えておくと、不安を解消できるでしょう。
ブランクのある保育士は、ブランクOKや非正規雇用の求人を検討するのがポイントです。復職に対して不安がある方は、まずはパートやアルバイトとして復帰し将来的に正社員を目指すのも1つの方法です。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。