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保育士試験の実技「ピアノ」の概要とは?楽譜の選び方や合格対策も解説!

  • #保育士試験
ピアノを弾く保育士の画像

保育士試験を予定している方の中には、音楽の実技試験をピアノで受験するか迷っている方もいるかもしれません。保育士試験のピアノの実技では、2つの課題曲に伴奏を付けて弾き歌いを行います。 この記事では、ピアノの実技試験の概要や合格に向けた対策方法を解説します。また、楽譜の選び方のコツも紹介するので、「ピアノの練習方法がわからない」「ピアノ経験が少なく合格できるか不安」という方もぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人

A

「レバウェル保育士」編集部

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保育士試験の実技「ピアノ」の概要

保育士試験は、筆記試験と実技試験で構成されており、年に2回実施されます。実技試験は筆記試験の全科目に合格した人のみが受験できる仕組みで、音楽・造形・言語の3分野の中から2つを選ぶ選択制です。ここでは、その中の「音楽」の分野をピアノで弾き歌いする場合の概要について解説します。

試験内容と課題曲

音楽の実技試験では、2曲の課題曲をピアノまたはギターで弾き歌いします。前奏や後奏の追加は自由で、移調も可能なため、自分が弾き歌いしやすい形に調整して構いません。なお、2024年の課題曲は「夕焼け小焼け」と「いるかはザンブラコ」、2025年の課題曲は「ハッピー・バースデー・トゥ・ユー」と「証城寺の狸囃子」となっています。

最新の課題曲や試験の詳細は、一般社団法人全国保育士養成協議会の「保育士試験を受ける方へ新規タブリンク」で確認しましょう。

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「保育士試験を受ける方へ新規タブリンク」(2025年4月23日)

必要とされる表現・技術

ピアノの実技試験で重要なのは、「子どもと一緒に楽しむ力があるか」「楽しんで演奏できているか」という点です。

保育士の実技試験は、技術を競う試験ではなく、あくまで保育士としての資質を評価する試験です。そのため、高度なピアノテクニックやプロのような演奏力が求められているわけではありません。子どもたちと楽しい時間を過ごす保育の場面を思い描きながら、明るく元気に弾き歌うことを心掛けましょう。

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「保育士試験を受ける方へ新規タブリンク」(2025年4月23日)

保育士試験の実技「ピアノ」の合格条件

保育士試験の実技はすべて50点満点で、合格するには6割以上の得点が必要です。評価は、保育士として実践上必要な知識・技能・資質を備えているかどうかの観点から行われます。

その内、ピアノの実技試験では、保育士として必要な歌・伴奏技術・リズムなどの総合的な表現力が求められます。以下の演奏は採点の対象外となるため注意が必要です。

  • 全体を通して伴奏せずに歌のみを歌う

  • 全体を通して歌を歌わずに伴奏のみを弾く

  • 歌と同じ単旋律のみを弾きながら歌を歌う

本番では、保育の現場で子どもに歌って聴かせる場面を想定しながら、歌と伴奏の両方をしっかりと行うようにしましょう。

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「実技試験(前期)概要新規タブリンク」(2025年4月23日)

保育士試験の実技「ピアノ」の楽譜を選ぶ方法

保育士試験の練習は自分で用意した楽譜を使って行います。全国保育士養成協議会の公式サイトから楽譜をダウンロードすることもできますが、コードネームをもとに編曲しなければならないため市販の楽譜を使う方も少なくありません。

市販の楽譜を選ぶ際は、自分に合った難易度のものを選ぶことが大切です。ピアノ初心者の方は、シンプルな伴奏で歌に集中できるものを選びましょう。たとえば、ハ長調やイ短調で書かれた楽譜は白鍵だけで弾けるため扱いやすいのが特徴です。また、三和音のコードの場合は、コードの根音のみを弾く「ルート弾き」でも伴奏として機能します。

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「実技試験(前期)概要新規タブリンク」(2025年4月23日)

保育士試験の実技「ピアノ」合格への6つの対策

ここでは、保育士試験の実技のピアノを合格するために実践したい6つの対策を紹介します。「何から始めれば良いのかわからない…」というピアノ初心者の方は、以下の方法を参考にして順番に練習を進めましょう。

1.余裕を持った練習スケジュールにする

ピアノの実技試験は、焦らず取り組めるように早めの対策がおすすめです。筆記試験後から始めると約1か月しか練習期間がないため、不安な場合は課題曲が公表された時点で取りかかりましょう。実技試験では繰り返し練習することが重要です。最初はゆっくりしたテンポで構わないので、短時間でも1日数小節ずつ毎日コツコツと続けてみてください。

2.演奏動画や解説動画を活用する

インターネット上の動画を活用して完成形を確認するのも効率的です。指使いや声の出し方、ピアノと歌のバランスなど演奏のポイントを視覚的に理解できるため、習得までの手探りの時間を減らせます。また、一時停止や繰り返し再生によって気になる部分を何度も確認して練習できるため、上達もしやすいでしょう。

3.演奏を録音・録画して客観視する

ピアノをある程度弾けるようになったら、自分の演奏を録音・録画したり、ほかの人に見てもらったりする時間を作りましょう

自分の演奏を客観的に見直せば、「明るく元気に歌えているか」「声量はピアノの音に負けていないか」「リズムは正確か」「歌詞は聞き取りやすいか」など気になる点をチェックできます。また、よく知っている曲ほど思い込みで間違えている場合もあるため、第三者の意見を聞くことで見落としていたミスに気づける可能性もあるでしょう。

4.グランドピアノを使った練習の場を設ける

音楽スタジオやピアノ教室を利用して、グランドピアノに触れる機会を設けることも大切です。一般社団法人全国保育士養成協議会の「実技試験(前期)概要新規タブリンク」によると、実技試験会場には、グランドピアノ・アップライトピアノ・電子ピアノのいずれかが設置されており、必ずしも練習時のピアノを使って演奏できるとは限りません。

そのため、自宅での練習環境と試験会場の環境が異なると、本番で違和感を抱く可能性も。電子ピアノを使用して練習している場合は、グランドピアノの鍵盤のタッチや音の響きに戸惑う場合があるため、試験前に慣れておくことをおすすめします。

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「実技試験(前期)概要新規タブリンク」(2025年4月23日)

5.本番に近い緊張感でリハーサルを行う

模擬試験を通して本番さながらの緊張感を体験しておくこともポイントです。実技試験全体にいえることですが、本番で陥りやすいのが緊張で実力を発揮できないことです。どんなに練習を重ねていても、「声や指が震える」「ミスタッチをしてしまう」「伴奏を弾き間違える」など、本番では思うようにいかない場合もあります。

本番でできるだけ落ち着いて演奏できるように、2曲通しでリハーサルを行い、当日の流れをイメージしておきましょう。

6.音楽教室やピアノレッスンに通う

時間や金銭的に余裕があれば、音楽教室やピアノ教室を活用するのも手です。的を絞って練習できるだけでなく、移調や伴奏のアレンジといったサポートも受けられるため、「自分が歌いやすい伴奏がわからない」「なかなかコツがつかめない」といった方も安心です。表現のコツも身に付けられるため、実際に保育士として働き始めたあとも役立つでしょう。

保育士試験の実技「ピアノ」の当日の流れ

保育士試験の実技のピアノでは、当日に向けて心の準備をしておくことも大切です。以下に試験会場での注意点と実技試験中のポイントをまとめたので、当日を最高の状態で迎えられるよう、事前に情報を整理しておきましょう。

試験会場での注意点

試験当日は、会場への交通手段や所要時間を事前に確認し、余裕を持って出発することが大切です。実技試験の開始時刻は当日案内されますが、場合によっては試験が夕方までかかることもあるため長時間の待機を覚悟しておきましょう

また、会場では音や声を出して練習できないため、緊張や不安を感じる場合は、楽譜を見ながらイメージトレーニングをすることをおすすめします。

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「実技試験(前期)概要新規タブリンク」(2025年4月23日)

実技試験中のポイント

ピアノの実技試験では、焦らずに笑顔で歌いきることが大切です。途中で間違えても最後まで諦めずに続けましょう。また、楽譜を持ち込む際は、演奏中に楽譜がずれたり折れ曲がったりしないように、厚紙や画用紙に貼り付けて安定させておくと安心です。なお、クリアファイルは照明の反射で見づらくなることがあるため、避けたほうが無難でしょう。

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「実技試験(前期)概要新規タブリンク」(2025年4月23日)

保育士試験の実技「ピアノ」に関するよくある質問

ここでは、保育士試験の実技のピアノに関してよくある質問を紹介します。

保育士試験の実技のピアノの楽譜に伴奏は必要ですか?

保育士試験のピアノの実技では伴奏が必要です。音楽の実技試験では、歌だけではなく伴奏の技術も評価されます。そのため、伴奏せずに歌だけを歌ったり、歌と同じ単旋律のみを弾きながら歌ったりした場合は採点の対象外となるため注意しましょう。

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「実技試験(前期)概要新規タブリンク」(2025年4月23日)

保育士試験の実技のピアノで落ちた人の特徴は何ですか?

保育士の実技試験のピアノで不合格となった人の特徴としては、「声が小さい」「音程が合っていない」「リズムが間違っている」「子どもたちが歌うことを想定していない」などが考えられます。また、グランドピアノに慣れていない場合、音が響き過ぎて声がかき消されてしまったり、緊張して慌ててしまい歌に影響が出たりすることもあるようです。

保育士試験の実技のピアノは片手でもOKですか?

保育士の実技試験のピアノは、両手で弾くことが原則です。全国保育士養成協議会の公式サイトに掲載されている楽譜にはメロディー部分しか記載されていませんが、本番では自分で編曲を加えるか、市販の楽譜を使って伴奏を付ける必要があります。もし両手で弾くのが苦手な場合は、片手から練習を始めて少しずつステップアップしていきましょう。

出典

一般社団法人全国保育士養成協議会「実技試験(前期)概要新規タブリンク」(2025年4月23日)

保育士試験のピアノの楽譜はなんでもいいですか?

保育士試験の音楽の実技では、課題曲は指定されていますが、ピアノの楽譜について指定はありません。試験当日は、高度なピアノテクニックやプロのような演奏力は求められないため、自分に合った難易度の楽譜を選び、明るく元気に弾き歌うことを意識しましょう。

まとめ

保育士試験の音楽の実技では、2曲の課題曲をピアノまたはギターで弾きながら歌います。楽譜の指定はないため、ピアノが苦手な方も自分の技術に合った伴奏を演奏することが可能です。練習の際は、自分の演奏を録音・録画して客観的に確認したり、模擬試験を行ったりしながら本番に向けて準備を整えましょう。試験当日は子どもに歌って聴かせる場面を想定しながら、楽しんで弾き歌いすることが重要です。

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執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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