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保育所と保育園の違いとは?認定こども園・認可・認可外との比較も解説

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「保育所と保育園の違いは何か」と気になる方もいるのではないでしょうか。この記事では、保育所と保育園の違いがあるのかどうか、施設ごとの違いを掴むポイントは何かを解説。また、認定こども園との違いや、保育士が自分に合った施設を選ぶコツも紹介します。 「保育所と保育園の違いを分かりやすく知りたい」「保育士として施設の違いを知り、自分に向いている転職先を知りたい」と考える方は、ぜひ内容をご一読ください。

保育所と保育園の違いとは

保育所と保育園の違いはなく、どちらも同じ施設を指します。児童福祉法など法律上では、保育所が使用されている傾向にあるようです。保育業界や私生活をはじめとした一般的には、保育園と呼ばれている場面が多いでしょう。保育所(保育園)とは、保護者の就業や病気により保育を必要としている子どもを預かる福祉施設のことを指します。対象は0歳から未就学児まで。保育所は子どもを保育するだけでなく、子育ての悩みに助言するなど保護者を支援するのも役割の1つです。

保育所(保育園)の違いを把握するポイント

保育所(保育園)の違いを把握するポイントは、「認可を受けてるか否か」「預けられる子どもの年齢」「開所時間・保育時間」などがあります。以下で詳しく解説するので、自分が活躍したい環境を探す際の参考にしてみてください。

認可保育施設か認可外保育施設か

保育所(保育園)の違いを把握するうえで押さえておきたいポイントは、児童福祉法に基づき国の認可を受けてるか否かという点です。認可保育施設と認可外保育施設では、保育対象や運営基準、保育従事者の割合や保育料、申し込み先や運営費などに違いがあります。

認可保育施設の具体例

認可保育施設は国の認可を受けており、認可保育所や認定こども園、小規模保育事業、居宅訪問型保育事業、家庭的保育事業(保育ママ)などがあります。詳細を知りたい方は、各リンクよりご確認ください。

認可外保育施設の具体例

認可外保育施設は国の認可を受けておらず、例として院内保育、企業主導型保育事業、ベビーシッター、託児所、認証保育所が挙げられます。詳しくは、各リンクより記事をご覧ください。

預けられる子どもの年齢

保育所(保育園)において、預けられる子どもの年齢は「0〜2歳児のみ」「0歳〜未就学児」「サービスによって異なる」の3つに分けられます。下記の表は、対象年齢と施設形態をまとめたものです。

対象年齢 施設形態
主に0歳~2歳児
  • 小規模保育事業
  • 認証保育所(B型)
  • 家庭的保育事業(保育ママ)
  • 居宅訪問型保育事業
主に0歳~未就学児
  • 認可保育所
  • 認定こども園
  • 企業主導型保育事業
  • 院内保育
  • 認証保育所(A型)
サービスによって異なる
  • 託児所
  • ベビーシッター

対象年齢が異なると、携われる保育にも違いがあります。主に0歳〜2歳児を担当する場合、乳児保育がメインとなり、食事や排泄の介助、おむつ替えなど生活のお世話が中心となります。転職する際は、保育士として自分が希望する保育を行えるかどうか、事前に対象年齢と施設形態を確認しましょう。

出典

東京都福祉局「認証保育所について新規タブリンク」(2025年9月19日)
こども家庭庁「小規模保育事業における3歳以上児の受入れについて(通知)新規タブリンク」(2025年9月19日)

開所時間・保育時間

認可保育所(保育園)の場合、保育時間は保護者の就業時間によって異なり、8時間または11時間とされています。
一方、認可外保育所では、開所時間・保育時間に規定はなく、利用者のニーズに応じて設定されている場合が多いようです。たとえば、認可外保育所の1つである認証保育所は東京都独自の制度であり、大都市のニーズに対応すべく13時間の開所が基本とされています。
認可外保育所のなかには、24時間開所している施設もあるようです。

保育所には、「土曜・日曜・祝日に開所しているかどうか」という違いもあります。認可保育所と認証保育所の場合、月〜土曜日に開所している傾向にあるようです。対して認可外保育所では、利用者の要望があれば365日開所するところもあります。

定員・施設規模

定員・施設規模は、20人以上か未満かを目安にすると違いを把握しやすいでしょう
園が大規模の場合、年齢別にクラスを運営しているケースが多い傾向にあります。規模が大きければ保育士は担任の経験を積みやすく、大規模なイベント・行事に携われるメリットがあるでしょう。

一方、園が小規模の場合は少人数のため、幅広い年齢の子どもが一緒に活動する異年齢保育を実施している傾向にあります。院内保育や小規模保育事業がその例です。保育士として小規模園に勤務する場合、異年齢の子どもと関わり、一人ひとりに向き合って保育できるのがメリットといえます。

園庭の有無

保育所(保育園)によっては、園庭(屋外遊技場)を設置するのが義務付けられていないところもあります。たとえば、認証保育園(B型)には園庭の規定が設けられていません。
園庭がない場合、保育士は子どもを連れて近くの公園まで散歩したり、室内で体を動かす遊びを取り入れたりする必要があります。散歩中に歩行者や車に気を付ける必要があるため、園庭の有無によって安全面への配慮が変わってくるでしょう。

保育所(保育園)と認定こども園の違い

保育所(保育園)と認定こども園の大きな違いは、預けられる子どもの条件にあります。保育所に子どもを預ける場合、保護者の就労や病気などの理由が必要とされていますが、認定こども園では3歳以上であれば保護者が就業していなくても利用可能です。

認定区分 対象 保育の \ 必要性 時間 申し込み方法
1号 満3歳以上で教育を希望している子ども(保護者は就業していない) なし 4時間程度(教育標準時間) 園に直接申し込む
2号 満3歳以上で保育を希望する子ども あり 8時間または11時間(標準時間・短時間) 市区町村に申し込む
3号 満3歳未満で保育を希望する子ども あり 8時間または11時間(標準時間・短時間) 市区町村に申し込む

参照:こども家庭庁「認定こども園概要新規タブリンク

認定こども園は1号・2号・3号に分かれており、区分ごとに対象の子どもや保育の必要性、預けられる時間、申し込み方法などが異なります。この項では、それぞれの違いについて内容をまとめました。

出典

こども家庭庁「認定こども園概要新規タブリンク」(2025年9月19日)

目的の違い

保育所(保育園)の目的は、保育を必要とする子どもを預かり、健全な心身の発達を図ることです。一方、認定こども園の目的は多様化する社会のニーズに応えることとされています。

2006年に認定こども園が創設された経緯には、共働き家庭の増加により待機児童が問題となっていたという背景があります。当時は保育園に比べ、幼稚園への入園希望者が減少していました。そこで既存の施設を活用し、待機児童の問題を解消するために幼稚園と保育所の機能を有する認定こども園が誕生したのです。
認定こども園は地域の子育てを支援する目的もあるため、誰でも子どもを預けられるのが特徴といえます。

開所時間・保育時間の違い

認定こども園の保育時間は区分によって違います。自治体から1号の認定を受けると、保護者が就業していなくても4時間程度(教育標準時間)子どもを預けることが可能です。2号・3号の場合は認可保育所と同様、保護者の就業時間により8時間または11時間とされています。

申し込み方法の違い

保育所と認定こども園は、申し込みの流れが違います。認定こども園の場合、入園前に自治体による区分認定が必要です。
認定こども園の申し込み方法は、区分ごとに違いがあります。1号は園に直接申し込みますが、2号3号は市区町村に申し込む必要があります。

出典

厚生労働省「よくわかる「子ども・子育て支援新制度」新規タブリンク」(2025年9月17日)

保育士が保育園の違いを理解して転職先を選ぶには?

保育士が自分に合った転職先を選ぶには、「条件の優先順位を明確にする」「実際に園を見学する」などを行うことが大切です。ここでは、3つのポイントを紹介するので、転職する際の参考にしてください。

条件の優先順位を明確にする

保育士が自分に合った転職先を探すときは、条件の優先順位を明確にする必要があります。以下は、保育士が転職先を選ぶ際に重視するポイントの一例です。

  • 通勤時間

  • 仕事内容

  • 保育方針

  • 給与や福利厚生

  • 勤務時間や休日などの融通が利きやすい

通勤は日々の活動に影響するため、自宅から通いやすい場所や通勤時間が短くできる職場を選ぶ人もいます。仕事内容や保育方針が自分に合っていれば、業務に納得しながら無理なく活躍することが可能です。

給与や福利厚生も、保育士として働くうえでのモチベーションにつながる大切なポイントです。勤務時間や休日などの融通が利きやすい職場ならプライベートや家庭との両立がしやすく、長く働き続けられる可能性が高まります。

実際に園を見学する

実際に園を見学すると、求人票だけでは分からない情報を得られるのがメリットです。保育士の雰囲気や子どもとの関わり方などを事前に確認すれば、入職後のギャップを軽減できる可能性があります。

また、園見学の際に、働いている保育士と話せるチャンスがあるかもしれません。機会があれば、「担任間や他クラスの保育士間、園全体などそれぞれどのように連携しているのか」「産休や育休を経て復帰した人は何人いるのか」「最長の勤続年数はどれくらいか」など、気になることを質問して現場の声を聞いてみましょう。

転職エージェントを利用する

保育士が自分に合った職場を探すには、転職エージェントを利用するのも1つの方法です。転職エージェントなら、求人票ではなかなか分からない園の雰囲気や人間関係といった情報を提供してもらえます。残業や勤務時間のほか、保育士の平均勤続年数など、気になることがあればぜひ聞いてみましょう。

保育業界に特化した転職支援サービス「レバウェル保育士」では、入職した方にアンケートを取っているため、現場のリアルな声が分かるので安心です。サービスはすべて無料で利用できます。「園の違いを正しく理解したうえで自分に合う職場を選びたい」という方は、ぜひお問い合わせください。

保育所(保育園)違いに関するよくある質問

ここでは、保育所(保育園)違いに関するよくある質問にQ&A形式で回答します。

保育所(保育園)と幼稚園の違いは何ですか?

保育所(保育園)と幼稚園では、目的や管轄、勤務するための資格が違います。
保育所は、社会生活を送るための基礎となる力を育む児童福祉施設です。保護者の就業や病気などにより、家庭で保育を受けられない子どもが安心して安全に過ごせる場を提供することを目的としています。厚生労働省が管轄しており、保育園で働くには保育士資格が必要です。

幼稚園は、幼稚園教育要項のカリキュラムに従い、社会生活を送るための基礎となる能力を培う教育機関です。小学校や中学校と同じく学校であり、文部科学省が管轄しています。幼稚園で勤務するには、幼稚園教諭免許状が必要です。

出典

保育所(保育園)と託児所の違いは何ですか?

保育所(保育園)と託児所の違いは、預ける時間や利用条件にあります。
一般的に託児所と呼ばれる施設は保育園を利用できない方が、一時的に子どもを預けたいときに利用する場所です。託児所には認可保育園内で一時預かりを行っている場合と、認可外で託児サービスを提供している場合があります。
託児所は保育所とは違い、預ける時間や利用条件に制限がない傾向にあります。託児所が利用されるニーズはショッピング中や通院中、育児の休憩などさまざまです。

認可保育園と認証保育所の違いは何ですか?

認可保育園と認証保育所の違いは、どこの認可を受けて運営しているかという点です。認可保育園は国の認可を受け、運営しています。一方、認証保育所は国ではなく、東京都の認定を受けて運営しているという違いがあります。認証保育所は、認可保育園が応えきれていない東京都の多様な保育ニーズに応えるのを目的として創設されました。そのため、認証保育所は、全施設において「0歳を預かる」「13時間の開所を基本とすること」であり、この点は認可保育園にない特徴といえるでしょう。

出典

東京都福祉局「認証保育所について新規タブリンク」(2025年9月17日)

まとめ

保育所と保育園に違いはなく、同じ施設のことを指します。保育所は児童福祉法など法律上で使用されており、一般的には保育園と呼ばれている場合が多いようです。

保育所(保育園)には、いくつかの種類があります。「認可を受けてるか否か」で運営が大きく変わってくるので、確認しておくと安心です。ほかにも、「預けられる子どもの年齢」「開所時間・保育時間」「定員・施設規模」「園庭の有無」などに違いがあります。これらの違いをもとに、自分に合った保育園を探してください。

保育士が転職する際に自分に合う保育所を選ぶには、条件の優先順位を明確にし、入職する前に実際に園を見学するのがおすすめです。
「自分に合う保育所を教えてほしい」「入職する前に現場の情報を知りたい」という方は、保育業界専門の転職支援サービス「レバウェル保育士」にご相談ください。専任のアドバイザーがあなたの転職をトータルでサポートします。ぜひお気軽にご登録ください。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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