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主幹保育教諭とは?役割や仕事内容、なるための条件などを解説

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笑顔でガッツポーズする主幹保育教諭のイメージ

保育士のなかには、主幹保育教諭について気になる方もいるのではないでしょうか。主幹保育教諭は幼保連携型の認定こども園で勤務し、ほかの保育教諭の指導や育成、園長を補佐するのが役割です。 ほかにも、施設全体の運営、園児の教育・保育の向上に関与する重要な役職といえるでしょう。子どもたちの成長を支えながら、保育教諭の指導や施設全体の運営にも関わる主幹保育教諭には、豊富な経験と専門的な知識が求められます。 この記事では、主幹保育教諭の役割や仕事内容、なるための条件について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人

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「レバウェル保育士」編集部

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主幹保育教諭とは

主幹保育教諭とは幼保連携型の認定こども園で勤務し、園長の補佐や現場リーダーとしてほかの保育教諭を指導・サポートするのが役割です。また、教育・保育目標を立案し、実践できるようにほかの保育教諭に対して助言やアドバイスを行います。

ほかにも、保護者のクレームに対して主幹保育教諭が対応するケースもあるようです。安全マニュアルの作成や環境整備のほか、シフトや出勤管理なども主幹保育教諭の仕事とされています。

幼保連携型の認定こども園で勤務するには、原則として保育士資格と幼稚園教諭免許状を保有している必要があります。しかし経過措置として2030(令和12)年3月31日までは、幼稚園教諭免許状または保育士資格のどちらかを有していれば、勤務できるとされています。

出典

主幹保育教諭の配置基準

認定こども園における主幹保育教諭の配置基準は、認定区分(1号・2号・3号)によって違います。認定こども園で1号を担当する主幹保育教諭は1人、2号・3号担当は1人必要とされています。1~3号すべてを受け入れている認定こども園の場合、主幹は2人以上必要となります。

認定区分は、対象となる子どもの年齢や保育の必要性などにより異なります。詳しく知りたい方は「認定こども園とは?主なタイプや保育園と幼稚園の違い、働くポイントを解説」をご覧ください。

主幹保育教諭の専任化

主幹保育教諭の専任化とは、施設全体の教育・保育の質を高め、地域の子育て支援活動に注力するための取り組みです。この制度により、主幹保育教諭は学級担任やクラス担当の業務から離れ、指導計画の立案、園務の調整、ほかの保育教諭への指導・助言、地域における子育て支援活動などに専念できるようになります。保育教諭がクラス業務に専念することで教育の現場が円滑に機能するのが目的です。

ただし、専任化とはいえ、主幹保育教諭が教育・保育業務に完全に従事しないというわけではありません。必要な範囲で、園の運営企画やほかの保育教諭への指導・助言を行ったり、教育・保育に参加したりすることは認められています。また、学級担任やクラス担任が休んだ際にその業務を一時的に代行することも可能です。

一方で、このような代行業務が1ヶ月以上継続し、その翌月からも引き続き行われる場合は、専任化しているとは見なされず、公定価格の減額調整の対象となります。これにより、専任化が形式的にならないよう、主幹保育教諭が本来の役割に集中できる環境を整えることが求められています。

保育教諭と主幹保育教諭の違い

保育教諭と主幹保育教諭は、職務内容や責任範囲に違いがあります

保育教諭の主な仕事内容は、食事や排泄、着替えなどの生活習慣を育むことです。また、園での過ごし方やルールなどを教え、社会性を身につけさせるのも仕事です。

一方、主幹保育教諭は現場のリーダー的な役割を担います。ほかの保育教諭の指導・サポートのほか、施設運営における重要な決定を行うことが求められます。通常の保育教諭よりも責任が重いポジションだといえるでしょう。

主幹保育教諭の役割と仕事内容

主幹保育教諭はほかの保育教諭を指導・サポートを行うだけでなく、施設全体の運営や教育・保育方針の決定にも関与する責任あるポジションです。ここでは、主幹保育教諭の役割と仕事内容について詳しく解説します。

認定こども園の運営管理

主幹保育教諭は、施設全体の運営管理を行う役割を担っています。教育・保育目標の立案、年間行事計画の策定のほか、担任に対してクラス運営の指導を行います。ほかに、シフトや勤怠の管理なども主幹保育教諭の業務とされています。また、安全管理やマニュアルの作成、事故に対応する体制の整備なども主幹保育教諭の大切な役割です。

保育士の指導やサポート

主幹保育教諭は保育や教育の質を上げるために、保育教諭の指導やサポートを行います。また、保育教諭が質の高い保育・教育を提供するために環境を整備するのも主幹保育教諭の大切な役割といえるでしょう。とくに、新人保育教諭への指導は現場での経験や深い知識が必要とされるため、主幹保育教諭の力が欠かせません。

保護者の対応

主幹保育教諭は保護者からクレームが発生した際には、現場のリーダーとして対応する場合があります。保護者とは、クレームが発生する以前からこまめにコミュニケーションをとり、しっかりと関係性を築く必要があるでしょう。
また、保護者の意見や要望を受け入れ、園の方針や保育内容と調整しながら、子どもにとって最良の環境を提供する役割も担います。

主幹保育教諭になるには

主幹保育教諭になるには、「保育士資格と幼稚園教諭免許状を取得する」「10年以上の経験を積む」「園長や管理者から推薦を受ける」などが必要です。ここでは、どのようなステップを踏むと主幹保育教諭になるのか、その条件について解説します。

保育士資格と幼稚園教諭免許状を取得する

幼保連携型の認定こども園で主幹保育教諭になるには、原則として保育士資格と幼稚園教諭免許状を取得する必要があります。ただし前述したように、2030(令和12)年3月31日までは、どちらかを有していれば、勤務可能です。

出典

文部科学省「幼保連携型認定こども園と保育教諭新規タブリンク」(2025年9月19日)

10年以上の経験が目安

主幹保育教諭として活躍するためには、保育施設での実務経験が10年以上であることが目安です。経験を積むことで、保育技術や子どもとの関わり方、現場での問題解決能力が身に付き、リーダーシップを発揮するための基盤が整います。

園長や管理者から推薦を受ける

主幹保育教諭になるためには、認定こども園の園長や管理者から正式に推薦される必要があります。この推薦は、保育現場での実績やリーダーシップを評価された上で与えられるものであり、受けることで次のステップに進めるでしょう。

主幹保育教諭に向いている人の特徴

主幹保育教諭はほかの職員に助言やアドバイスを行うため、リーダーシップがある方などが向いています。ここでは、主幹保育教諭に向いている人の特徴を詳しく解説します。

リーダーシップがある人

主幹保育教諭は、現場を牽引するリーダーシップがある方が向いています。主幹保育教諭は教育・保育目標を立案し、達成するためにほかの職員に対して助言やアドバイス、サポートを行います。また、子どもとの関わり方や、日々のクラス運営に関する悩みが相談される場合もあるようです。行事やイベントを開催する際には、準備を行う段階から当日まで職員のモチベーションを維持し、引っぱっていく必要があるでしょう。

教育・保育に深い理解がある人

主幹保育教諭として働く際には、教育や保育に対する深い理解は必要な要素といえます。ほかの保育教諭に対して適切な助言やアドバイスを行うには、子どもの発達段階や心理に関する知識が求められます。また、園全体の保育・教育の質を上げるためには、常に新しい情報を入手し、学ぶ姿勢が必要でしょう。

保護者や職員との関係を築ける人

保護者や保育教諭、園長との人間関係を大切にし、信頼を築ける人は主幹保育教諭に向いているでしょう。ほかの保育教諭に指導を行う際には相手を尊重し、感情的にならず建設的にアドバイスする必要があります。保護者のクレームに対応する場合も同様であり、冷静に対応するスキルが求められます。保護者とは普段から挨拶などを通じて積極的にコミュニケーションをとり、信頼関係を築いておく必要があるでしょう。

また、主幹保育教諭は園長の指示を現場に伝え、一方では要望をまとめて知らせる場面もあります。ときには園長の補佐を行う場面もあるでしょう。そのため、園長との信頼関係を築くスキルも求められます。

主幹保育教諭として働くメリットとデメリット

主幹保育教諭は園全体の運営に関わる立場として、やりがいを感じる場面も多い一方で、責任の重さを感じてしまう方もいるようです。ここでは、主幹保育教諭として働く上でのメリットとデメリットを解説します。

メリット

主幹保育教諭として働く際のメリットは、園の運営や保育の質向上に関与できることです。自分の考えやアイデアが園全体に反映される可能性が高いため、保育の質や環境が向上する課程に携わり、やりがいを感じられる方も多いようです。
また、ほかの保育教諭をサポートし、園全体の成長を促すことで充実感を得られるでしょう。

デメリット

主幹保育教諭として働くデメリットの1つに、責任が大きく、業務量が多いためにストレスを感じやすい傾向にある点が挙げられます。園長やほかの保育教諭との連携がうまくいかず、板ばさみになり、ストレスを感じてしまう場合もあるようです。こうした課題に対応するためには、高いコミュニケーション能力と柔軟な対応力が求められるでしょう。

主幹保育教諭のキャリアパスと将来性

共働き世帯が増え、認定こども園の需要が高まっているため、主幹保育教諭の将来性は期待できるでしょう。ここでは、保育業界における主幹保育教諭の需要や、キャリアの選択肢について解説します。

共働きによる需要の増加が見込まれる

共働き世帯の増加に伴い、認定こども園の需要は年々高まっており、今後もその傾向は続くと予測されています。また、保育園や幼稚園が認定こども園へ移行する動きも進んでおり、主幹保育教諭の重要性はさらに高まる傾向にあるといえるでしょう。主幹保育教諭は施設運営の中心として活躍できる機会が増えるため、キャリアの選択肢が広がり、将来的に安定した需要が見込まれる職業の1つといえます。

保育・教育現場での長期的なキャリア形成に期待できる

主幹保育教諭として勤務すると、保育や教育分野において知識が深まり、実務経験を積めるため、今後のキャリア形成において強力な基盤となるでしょう。主幹保育教諭としての経験は、転職活動やキャリアアップを目指す際にも役立つ可能性が高いといえます。

主幹保育教諭についてよくある質問

ここでは、主幹保育教諭についてよくある質問を紹介します。ぜひ参考にしてください。

主幹保育教諭になるには資格要件がある?

主幹保育教諭になるためには、「原則として保育士資格と幼稚園教諭免許状を取得する」「保育経験は10年以上が目安」「園長などから推薦を受ける」などが求められます。詳細は「主幹保育教諭になるには」をご覧ください。

主幹保育教諭を目指すためにできることは?

主幹保育教諭を目指すためには、まずは保育現場での実務経験を積むことが大切です。幅広い業務に積極的に関わり、園内外のイベントや行事運営に参加するのがおすすめです。そのような経験からチームワークやリーダーシップを発揮できるようになると、主幹保育教諭に近づけるでしょう。

主幹保育教諭を目指すのに適した求人はある?

認定こども園のなかには、保育教諭から主幹保育教諭を目指せる環境が整っている施設もあります。そのため、そういった園の求人を探すのも1つの方法といえるでしょう。ほかにも、自分に合った求人を効率的に見つけたい方は転職エージェントに相談するのもおすすめです。転職エージェントのアドバイザーに「主幹保育教諭を目指している」と伝えると、環境が整備された園の求人を見つけられる可能性が高まるでしょう。

まとめ

主幹保育教諭は、幼保連携型の認定こども園において現場リーダーとしてほかの保育教諭を指導・サポートするのが役割です。また、園長の補佐や園の運営・管理なども行います。
主幹保育教諭になるには、原則として保育士資格と幼稚園教諭免許状を取得する必要があります。さらに10年以上の経験を積むのが目安とされ、園長や管理者から推薦されなくてはいけません。

主幹保育教諭は園の運営や保育の質向上に貢献できるためやりがいはありますが、業務量が増え責任が大きいためにストレスを感じる方もいるようです。
ただし、共働き家庭が増加し、認定こども園のニーズが高まっているため、主幹保育教諭の将来性は期待できるでしょう。

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執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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