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「使えない新人保育士」と言われた…気持ちの立て直し方と悩みの解決方法
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「使えない」という心ない言葉に悩んだり、そう思われているのではと不安を感じたりする新人保育士の方もいるかもしれません。しかし、うまくいかないのは成長の途中だからこそといえます。仕事に慣れていないだけなので、焦らずできることを1つずつ増やしていけば大丈夫です。この記事では、「使えない」と言われてしまう理由から心が軽くなる考え方、周囲の信頼を得るための行動まで、実践的なアドバイスをお伝えします。
目次
新人保育士が「使えない」と言われてしまう理由
新人保育士として一生懸命頑張っているのに、「使えない」と言われたり、認めてもらえなかったりすると、深く傷つき自信をなくしてしまいますよね。ここでは、新人保育士がなぜそのような言葉を向けられてしまうのか、先輩保育士の視点から解説します。
指示待ちで受け身の姿勢が見られるから
新人保育士が使えないと見なされてしまう理由の1つに、指示を待つだけの受け身な態度があります。「今、私にできることはありますか?」「お手伝いしましょうか?」と声をかけられなかったり、周りの動きに気づかずに立ち尽くしていたりすると、先輩保育士から頼りにならない印象を持たれてしまいます。
もちろん、最初は分からないことも多く、指示を待ってしまうのは当たり前です。しかし、同じ場面を何度か経験したら、自分で次に何をすべきかを考え、積極的に行動することが求められるようになります。
報告・連絡・相談の頻度が少ないから
報告・連絡・相談が不足していることも、先輩保育士に使えないと思われる理由の1つです。新人のうちは「自分で何とかしなければ」と思い込み、報告や相談をためらってしまうケースも少なくありません。
しかし、「大丈夫」と言っていたのに実は困っていた、仕事が思うように進んでいなかったという状況があとから発覚すると、周りが急いでフォローに回らなければならず、かえって迷惑をかけてしまう場合も。こうしたやり取りが続くと、不信感を持たれて信頼関係が築きにくくなってしまうのです。
同じミスを繰り返すから
保育の仕事では、失敗を通して学び成長する姿勢が大切です。しかし、同じミスを何度も繰り返した場合、改善する意識がないと受け取られ、使えないと判断されてしまいます。「保護者への伝達事項を何度も忘れる」「指摘されたことを改善しない」といった行動は、周りからの信頼を失う原因になるでしょう。
また、注意を受けた際に素直に受け止めず、言い訳をしたり不機嫌な態度を見せたりすると、先輩保育士からの印象はさらに悪くなってしまいます。
自分中心で仕事を進めようとするから
保育士の仕事は、チームで協力しながら進めることが基本です。そのため、周りと連携が取れず、協調性に欠ける行動をしていると、使えないと思われやすくなります。保育は子どものためのものであり、必ずしも自分の思い通りに進むとは限りません。先輩の助言を聞かずに自己流で進めたり、周囲の状況を見ずに勝手に判断したりすると、チームの流れを乱して評価が下がってしまうでしょう。
新人保育士が「自分は使えないかも」と悩んだときの考え方
「使えない」と言われたり、自分でそう感じたりすると、辛くて仕事を続ける意欲が失われてしまうことも。周りと比べて「自分は使えないのかも」と悩んでいるのは、あなただけではありません。ここでは、新人保育士が落ち込んだときに心掛けたい考え方を紹介します。
仕事ができない悩みは向上心の表れ
新人保育士が「もっとうまくできるはずなのに」と悩むことは、否定すべきものではありません。むしろ、自分の仕事ぶりに疑問を持ち改善を図ろうとする姿勢は、向上心の表れといえるでしょう。先輩保育士と比較して自分が未熟だと痛感するのも、成長の途中にいるからです。現状に満足せず、より良い保育を目指そうとする意識があるからこそ、不安や悩みが生まれます。一歩ずつスキルを積み重ねながら、自分の頑張りを認めてあげましょう。
最初から完璧な新人はいない
どの職種であっても、新人時代は試行錯誤の連続です。保育の仕事も同じで、子どもとの関わり方や保護者対応、書類作成など多くの業務を一度に覚えるのは簡単ではありません。
仕事がうまくいかないと感じても、それは保育士の適性がないからではなく、まだ経験や知識が十分でないだけです。「もっと頑張らなければ」と気負い過ぎると、心も体も疲れてしまいます。大切なのは、周囲と比較するのではなく、昨日までの自分を少しずつ超えていくことといえるでしょう。
仕事の失敗は悪いことではない
仕事の失敗は、決して悪いことや恥ずかしいことではありません。誰しも間違いはあり、新人のうちはミスが増えてしまうのも当然です。重要なのは、失敗した事実を素直に謝罪し、原因を分析しながら、再発防止策を立てるという一連のプロセスを経て次に活かすこと。「こうすればうまくいく」「あのやり方は効果がなかった」といった経験は、確実に自分の成長につながります。失敗を恐れるのではなく、学びの機会と捉えることがポイントです。
仕事で成長した部分もある
「自分は使えないのではないか」と感じる気持ちが強くなると、どうしてもその思いに囚われてしまい、自分の成長に気づきにくくなります。しかし、「子どもの名前と顔が一致するようになった」「保育の流れが少しずつ掴めてきた」「基本的な書類が作成できるようになった」など、入職当初と比べれば確実に成長している部分もあるはずです。
日々の業務を振り返る習慣を持ち、今日できたことを簡単にメモしておくと、自分の前進を可視化できて自己肯定感の維持につながります。
「使えない新人保育士」を卒業するためにできること
「使えない」と言われがちな新人時代を乗り越え、周囲から信頼される保育士に成長するためには、どのような行動が必要なのでしょうか。ここでは、今すぐ実践できる取り組みを紹介します。
同じ失敗を繰り返さないように工夫する
新人保育士が同じミスを繰り返さないためには、自分がミスしやすいポイントを把握し、防ぐための仕組みを作ることが大切です。たとえば、「作業手順をメモに書き出す」「チェックリストを作成する」「疑問をそのままにせず積極的に質問する」など、自分に合った対策を取り入れましょう。
ミスを根本的に減らすためには、業務に集中できる環境作りも欠かせません。「十分な睡眠を取る」「余裕を持って行動する」「作業の優先順位をつける」など、基本的な生活習慣や仕事の進め方を見直すことも有効です。
仕事のやり方やコツを具体的に教えてもらう
業務に慣れるためには、ただ言われたことをこなすのではなく、やり方やコツを具体的に教えてもらうのがおすすめです。その際、「なぜそのやり方が良いのか」「どうすればもっと効率良く進められるのか」といった理由まで聞くようにすると、状況に応じた考え方や対応力が身につきます。また、先輩保育士の動きを観察し、真似してみるのも効果的です。
仕事を頼まれたときは、期日や目的、進め方の方向性などを事前にしっかり確認しましょう。何を求められているのかを正しく把握できれば、自分なりに考えて動きやすくなり、仕事の精度や質も自然と高まっていきます。
社会人として最低限のマナーは守る
先輩保育士は、新人の専門的な知識やスキルだけでなく、社会人としての基本的なマナーもしっかり見ています。挨拶や時間の管理、身だしなみ、言葉遣いなどは職場内の信頼を築くうえで欠かせない要素です。こうしたマナーが身についていないと、「学生気分が抜けていない」「この新人保育士は使えない」といった印象を持たれやすくなります。
保護者と接する場面では、社会人としての丁寧で誠実な態度がより一層求められるでしょう。自分の言動が周囲にどう映っているかを意識しながら行動することが、信頼される保育士へと成長するための第一歩です。
悩みや不安をほかの先生に相談する
新人保育士が悩みや不安を抱えたときは、信頼できる先輩や同期に相談すると、気持ちが軽くなったり、具体的なアドバイスをもらえたりする可能性があります。「自分だけで頑張らなければ」と無理をしてしまうと、周囲との間に壁ができ、かえって孤立してしまうかもしれません。
悩みがなかなか解決しないときや、自分の力だけではどうにもできないと感じるときは、遠慮せずに上司や園長にも相談しましょう。もし悩みの原因が園全体の体制や環境に関わる内容であれば、上の立場の人に相談することで状況が良くなる可能性もあります。
新人の指導体制に問題がある場合は転職を検討しよう
新人への指導体制に問題がある職場では、どれだけ努力しても成長が難しく、心身に悪影響を及ぼす恐れがあります。たとえば、「十分なサポートがない」「理不尽に叱られる」「無視や意地悪をされる」「人間関係が複雑で居心地が悪い」などの職場環境の場合、転職を視野に入れるのも選択肢の1つです。
また、職場で「使えない」と言われても、それはあくまで相手の個人的な意見であり、あなたの価値や能力を示すものではありません。だからこそ、今の職場が自分にとって本当に働き続けるにふさわしい場所かどうか、冷静に判断することが大切です。保育士は需要の高い仕事なので、頑張りをしっかり評価し、サポートしてくれる職場を見つけることが可能です。心と体の健康を最優先にし、今後の働き方について前向きに考えていきましょう。
「新人保育士は使えない」と感じる人によくある質問
ここでは、「新人保育士は使えない」と感じる人によくある質問を紹介します。
保育士1年目でうまく動けないのはよくあることですか?
保育士1年目で思うように動けないのは、ごく自然なことです。保育士は子どもの命を預かる責任の重い仕事であり、短期間で臨機応変に対応できる人はほとんどいません。子どもへの声かけの仕方やトラブル対応、保育の流れなどは、経験を積むことで徐々に身についていきます。1年目は「見て学ぶ期間」と考え、先輩保育士の動きをよく観察し真似することが大切です。焦らず、一つひとつの業務を着実に吸収していきましょう。
保育園で働く新人保育士に伝えたいことは何ですか?
自信をなくしている新人保育士に伝えたいのは、「うまくできないと悩むのは、向上心がある証拠」だということです。また、仕事での失敗は決して悪いことではなく、成長するために欠かせない大切な経験です。困ったときは、一人で抱え込まずに周りの先輩や同僚に相談してみましょう。この記事の「新人保育士が『自分は使えないかも』と悩んだときの考え方」もぜひお役立てください。
新人保育士ですが4か月経っても保護者対応が苦手です
保護者対応は、新人に限らず経験豊富な保育士にとっても難しいものです。苦手に感じるのはまだ慣れていないからなので、自分を責めないでください。まずは基本的な挨拶や笑顔を心掛け、少しずつ会話の幅を広げていきましょう。段々と慣れてきたら、「今日はお絵かきを楽しんでいましたよ」というように、子どもの様子を簡単に伝える練習をするのがおすすめです。
新卒保育士で子どもは好きですが職場に行きたくないです
新人保育士が職場に行きたくないと感じるときは、自分がなぜそう思うのか、気持ちを整理してみましょう。仕事そのものが合わないのか、あるいは職場環境が自分に合っていないのか、原因を探ることが大切です。身近な人に相談したり、キャリアアドバイザーなどプロの意見を聞いたりすると、自分の課題が明確になり解決策が見つかるかもしれません。
まとめ
新人保育士が失敗したり戸惑いを感じたりするのはよくあることです。また、「使えない」という言葉は一部の人の主観であり、自身の価値を決めるものではありません。たとえ今の職場での評価が低く感じられても、あなたの能力や適性を正しく表しているとは限らないので、自分を否定し過ぎないようにしてください。大切なのは、前向きに学び続ける姿勢を持つこと、そしてその努力をきちんと評価してくれる環境で働くことです。
保育業界に特化した転職エージェントのレバウェル保育士では、内部情報に詳しいキャリアアドバイザーが、あなたの希望条件や悩みにじっくり耳を傾け、ぴったりの職場をご提案します。無理に転職を勧めることはありません。サービスはすべて無料なので、「少し話を聞いてほしい」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。あなたが笑顔で仕事に取り組めるよう、一緒に解決策を見つけましょう。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。