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社会人が保育士になるには?仕事と資格取得を両立する方法を解説

  • #保育士
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「保育士になるにはどうすれば良いの?」と気になっている社会人もいるのではないでしょうか。社会人が保育士を目指すには、保育士試験に合格するか、指定保育士養成施設を卒業して保育士資格を取得する必要があります。 この記事では、保育士試験の合格を目指す方法と指定保育士養成施設の卒業を目指す方法を解説します。それぞれのメリット・デメリットや、転職のポイントにも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を書いた人

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「レバウェル保育士」編集部

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社会人が保育士になるには2つのルートがある!

社会人が保育士を目指す場合、保育士試験に合格する方法と、指定保育士養成施設を卒業する方法の2つのルートがあります。どちらのルートを選ぶかは、自分の状況や希望するスケジュール、学習スタイルによって異なるでしょう。

保育士試験に合格する

保育士試験は前期と後期の年に2回、4月と10月に実施されています。この試験は受験資格を満たしていれば、指定保育士養成施設の卒業者でなくても受験できるのが特徴です。

こども家庭庁の「令和5年保育士試験実施結果新規タブリンク」によると、合格率は20%台とそれほど高くないものの、合格すれば最短で保育士資格を取得できます。仕事をしながら勉強時間を確保するのは大変かもしれませんが、自分のペースで学習を進められる点は社会人にとって魅力的でしょう。

出典

こども家庭庁「保育士試験の実施状況(令和4年度)新規タブリンク」(2025年8月21日)
こども家庭庁「令和5年保育士試験実施結果新規タブリンク」(2025年8月21日)

指定保育士養成施設を卒業する

指定保育士養成施設には、四年制大学・短期大学・専門学校があります。これらの施設を卒業すれば、保育士試験を受けずに保育士資格を取得できるのが特徴です。通学期間は2〜4年と時間がかかりますが、保育士試験よりも確実に資格を取得できます。

指定保育士養成施設では体系的に保育について学べるほか、実習を通して実践的な経験を積めるのもメリットです。社会人の場合は、夜間コースや通信制の学校を選べば、働きながら知識を身につけられるでしょう。

社会人が保育士試験の合格を目指す方法

社会人が保育士試験に合格するには、受験資格の確認や学習の計画が必要です。ここでは、保育士試験の受験資格の確認方法や筆記試験、実技試験の内容を解説します。

保育士試験の受験資格を確認する

短大・専門学校・大学を卒業していれば、学んだ分野に関わらず保育士試験の受験資格があります。保育や福祉と関係のない学校の場合も、問題なく受験が可能です。

最終学歴が高等学校卒業の社会人が保育士試験を受けるには、実務経験が必要です。厚生労働省の「保育士になるには?新規タブリンク」によると、「児童福祉施設で実務経験2年以上かつ総勤務時間数2,880時間以上従事した者」の条件を満たす必要があります。無資格の場合は、保育補助として保育園で実務経験を積みましょう。実務経験として認められる施設形態の詳細については、全国保育士養成協議会のWebサイトで確認できます。

出典

厚生労働省「保育士になるには?新規タブリンク」(2025年8月21日)

筆記試験に向けて勉強する

保育試験の筆記試験は合計8科目あり、科目ごとに合格判定が出るのが特徴です。全国保育士養成協議会の「保育士試験を受ける方へ新規タブリンク」によると、全科目に合格後、実技試験に進めます。合格した科目は3年間有効になり、各科目は6割以上の正答率で合格となるのが基本です。筆記試験の試験科目は以下のとおりになります。

  • 保育原理

  • 教育原理および社会的養護

  • 子ども家庭福祉

  • 社会福祉

  • 保育の心理学

  • 子どもの保健

  • 子どもの食と栄養

  • 保育実習理論

最短ルートを目指すなら1度に8科目合格を目指す必要がありますが、働きながら試験勉強する社会人は、2回に分けて挑戦するのも手です。

出典

全国保育士養成協議会「保育士試験を受ける方へ新規タブリンク」(2025年8月21日)

実技試験の対策をする

全国保育士養成協議会の「実技試験(後期)概要新規タブリンク」によると、実技試験は、下記の3つの分野の中から2つを選んで受験します。

  • 音楽に関する技術

  • 造形に関する技術

  • 言語に関する技術

実技試験は、自分の得意分野を選択しましょう。たとえば、音楽が苦手な場合は、造形と言語を選ぶといった戦略が有効といえます。各分野とも基礎的な技術が求められるので、日ごろから練習する時間を確保することが大切です。独学に不安がある社会人は、実技試験対策のスクールや講座を活用するのもおすすめといえるでしょう。

出典

実技試験(後期)概要新規タブリンク」(2025年8月21日)

社会人が指定保育士養成施設の卒業を目指す方法

指定保育士養成施設には、短期大学・四年制大学・専門学校があります。フルタイムの仕事をしながら通学するなら、夜間コースや通信制の学校が現実的な選択肢として挙げられるでしょう。ここでは、社会人が専門学校に通う場合と、通信制大学に通う場合をそれぞれ解説します。

専門学校に通う場合

専門学校は二年制または三年制で、社会人が働きながら通学しやすい夜間コースを設けている学校もあります。カリキュラムは密度が濃く忙しいですが、短期間で効率よく学べる点がメリットです。

専門学校は実践的な内容が多いので、資格取得後すぐに現場で活かせるスキルが身につきやすい点も専門学校の特徴といえます。学費や通学の便など、自分の状況に合った学校を選ぶことが大切です。

通信制大学に通う場合

通信制大学では、授業や課題提出をオンラインで行えます。通学が基本的に不要なので、社会人が仕事をしながら学びやすいのが魅力になります。自分の都合に合わせて学習を進められるので、時間の融通が利きにくい人にもおすすめです。

ただし、スクーリングや実習の日は実際に通学する必要があるので、仕事の調整が求められます。事前に年間スケジュールを確認し、有給休暇を計画的に使うなどの対策を立てましょう。自己管理能力が問われるので、計画的に学習を進める習慣を身につけることも大切です。

社会人が保育士試験で資格取得するメリット・デメリット

ここでは、社会人が保育士試験で資格取得を目指すメリットとデメリットを紹介します。それぞれの内容を理解したうえで、試験に臨むかどうかを判断しましょう。

社会人が保育士試験を受験するメリット

社会人が保育士試験を受験するメリットは、費用を抑えられる点です。通信講座などを利用しても、養成校に通うよりも経済的な負担が少なくて済みます。また、退勤後の時間や休日を使って自分のペースで勉強できるので、仕事を続けながら学習しやすいというのも魅力です。

また、保育士試験に向けて勉強することで、保育に関する知識を体系的に学べます。効率的に学習を進め、試験に1回で合格すれば、最短で保育士になれるので早く保育士になりたい方にとって魅力的な選択肢といえるでしょう。

社会人が保育士試験を受験するデメリット

社会人が保育士試験を受験する場合のデメリットとして、計画的な学習が必要なためモチベーションを維持するのが難しい点が挙げられます。実技試験対策は独学では難しいこともあり、状況によっては、講座の受講が必要になるかもしれません。また、保育士試験に合格しても実践的な経験が不足している場合は、就職後に現場でのギャップを感じる可能性もあるでしょう。

社会人が指定保育士養成施設で資格取得するメリット・デメリット

指定保育士養成施設で学ぶ方法は、確実に資格を取得できる反面、時間と費用の投資が必要になります。ここでは、指定保育士施設で保育士資格を取得するメリット・デメリットをまとめました。

社会人が指定保育士養成施設に通学するメリット

社会人が指定保育士養成施設に通学するメリットは、卒業と同時に保育士資格を取得できるので確実性が高い点です。保育士試験に合格する必要がないので、計画的な試験勉強に自信がない方も安心できるルートといえるでしょう。

指定保育士養成施設では、カリキュラムに保育実習が含まれているので、実践的なスキルが身につきます。実際の保育現場を経験できるので、卒業後すぐに現場で活躍しやすいというのも魅力です。同じ志を持った仲間と学べる環境は、モチベーションの維持にも役立つでしょう。

社会人が指定保育士養成施設に通学するデメリット

社会人が指定保育士養成施設に通学する場合、時間と費用がかかるというデメリットがあります。2〜4年の通学期間と学費は、社会人にとって負担になりやすいです。仕事との両立が難しいと感じる人もいるかもしれません。

夜間部や通信制を選んでも、スクーリングや実習では、日中のまとまった時間が必要になります。そのため、有給休暇を活用したり、業務の調整をしたりする必要があるでしょう。場合によっては、働き方の見直しが必要な場合もあります。

保育士を目指す社会人向けの資格取得支援がある職場

保育園の中には、保育補助としてパートで働きながら、保育士試験を受験して合格できるよう資格取得支援制度を設けている職場もあります。現場で保育経験を積みながら、費用を抑えて無理なく資格を取得できるので、これから保育士になりたい社会人にもおすすめです。

支援の例としては、保育士試験の受験料や試験対策スクールの受講料を負担してくれる園があります。また、週1~2日スクールへ通学し、週3~4日は保育補助として勤務するというシフト体制で、保育士試験の受験と勉強の両立をサポートしてくれる園もあるようです。資格取得支援制度のある園を探している場合は、転職エージェントに相談してみるのも選択肢になります。

社会人が保育士に転職する際のポイント

社会人が仕事をしながら保育士を目指す場合、資格を取得後に転職先を探す必要があります。ここでは、保育経験のない社会人が保育士に転職する際のポイントをまとめました。

保育士になりたい時期を決めてスケジュールを組む

社会人が保育士に転職する際は、「いつから保育士として働きたいか」という目標時期を設定することが大切です。目標から逆算して、資格取得の方法や勉強の計画、求人探しのタイミングなどをスケジュール化しましょう

こども家庭庁の「保育士の有効求人倍率の推移(全国)新規タブリンク」によると、例年11月から1月にかけて保育士の有効求人倍率が高くなっています。資格取得中から求人情報をチェックしておけば、どのような園があるか、どのような人材が求められているかが分かり、職場を決める参考にもなるでしょう。計画を立てる際は無理のないスケジュールを心掛け、資格取得と転職活動の両方に十分な時間を確保することが大切です。

出典

こども家庭庁「保育新規タブリンク」(2025年8月21日)

「未経験者可」の求人を見つける

保育士資格を取得後、経験がない状態で就職先を探す場合は、「未経験者可」の求人を探すのがおすすめです。未経験者を歓迎している職場なら、教育体制やサポート体制が整えられている傾向にあります。

保育未経験の社会人が求人情報を確認するときは、研修制度や先輩保育士によるサポートの有無をチェックしましょう。園見学ができる場合は実際の雰囲気を確かめると、自分に合った職場かどうか判断しやすくなります。

面接の準備をする

社会人が保育士の面接を受ける際は、これまでの仕事で身につけた強みをアピールできます。面接では「未経験から保育士になりたい理由」について質問される傾向にあるので、しっかりと準備しておきましょう。「前職で培ったコミュニケーション能力」や「問題解決能力」など、具体的なエピソードを交えて回答すると効果的です。

子どもへの接し方についての考えや、保育の仕事への熱意を説明できれば、採用担当者により良い印象を与えられます。未経験から保育士へ転職する場合も、今までの経験を子どもの成長にどう活かしたいかを明確に回答できれば、面接官に意欲が伝わるでしょう。

レバウェル保育士は、未経験者の転職をサポートする体制が充実している転職エージェントです。希望に合った求人紹介はもちろん、応募書類の書き方から面接でよく聞かれる質問への対応まで、キャリアドバイザーが丁寧にサポートします。転職活動を円滑に進めたい方にとって、心強いサービスといえるでしょう。

「保育士になるには?」と疑問を抱える社会人によくある質問

ここでは、保育士になりたい社会人によくある質問にお答えします。

社会人が保育士になるための最短ルートは?

社会人が保育士になるための最短ルートは、保育士試験を1回で突破することです。年2回実施される試験のうち、1回で筆記試験の8科目すべてに合格し、続けて実技試験にも合格すれば、最短で保育士資格を取得できます。

保育士試験を受験する方法は、本記事の「社会人が保育士試験の合格を目指す方法」で詳しく説明しているので、確認してみてください。

社会人が仕事を続けながら独学で保育士資格を取得できる?

保育士試験を受験するのであれば、社会人が仕事を続けながら独学で資格を取得することは可能です。市販のテキストや過去の問題集を活用して対策すれば、フルタイムで働きながら保育士試験に挑戦できます。通勤時間や休憩時間、週末などを活用して少しずつ勉強を進めましょう。

主婦が保育士を目指すならどのルートがおすすめ?

主婦が保育士を目指す場合、家庭の状況に合わせて柔軟に学べるルートを選ぶのがおすすめです。保育士試験ルートなら生活リズムに合わせた学習計画が立てやすいので、子育てや家事の合間に自分のペースで勉強を進められます。

家庭の環境によっては、指定保育士養成施設を選ぶのも1つの方法です。通学が難しい場合は、通信制の学校を選び、スクーリングや実習の期間は家族のサポートを得られるよう事前に調整しておきましょう。

まとめ

社会人から保育士になるには、「保育士試験の合格」または「指定保育士養成施設の卒業」といった2つのルートがあります。保育士試験の合格率は高くないものの、働きながら自分のペースで勉強できるのが特徴です。指定保育士養成施設は確実に資格が取れ、実践的なスキルが身につきます。

保育士資格が取得できたら、計画的に転職活動を進めましょう。未経験者も応募できる求人に応募し、面接では前職での経験を活かせるポイントをアピールするのがおすすめです。

保育士への転職に不安を感じている社会人は、保育業界に特化した転職エージェントの「レバウェル保育士」にご相談ください。「レバウェル保育士」では、資格取得と仕事の両立に関する悩みや、経験がないといった不安に対して、一人ひとりの状況に合わせた具体的なアドバイスを提供しています。教育体制の整った職場の紹介から面接対策まで、経験豊富なアドバイザーが手厚くサポートするので、安心して転職活動を進めることが可能です。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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