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児発管(児童発達支援管理責任者)の平均年収は?給料は他職種とどう違う?
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児発管(児童発達支援管理責任者)を目指している方や、すでに活躍している方の中には、平均年収に関心を持っている方もいるのではないでしょうか。「保育士との年収差はどれくらいか」「児発管になると収入はどの程度増えるのか」などを知りたい方もいるかもしれません。 この記事では、年収や月給、他職種との比較など、児発管の給与事情について詳しく解説します。施設形態による給料の違いや年収アップの方法も紹介するので、今後の働き方を考えるヒントにしてください。
目次
児発管(児童発達支援管理責任者)の平均年収・月収・手取り額
厚生労働省の「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査 調査結果報告書 (p.76)」によると、児発管(児童発達支援管理責任者)の平均年収は約487万円です。月収は40万5,480円となっています。
常勤の平均年収 | 常勤の平均給与額(月額) | 手取り額 | |
サービス管理責任者等(児発管) | 約487万円 | 40万5,480円 | 32万4,384円 |
一般的に、手取り額は額面の80%程度といわれています。そのため、児発管の手取り額(月額)は、32万4,384円程度と想定されます。ただし、地域や施設の規模によっても異なるため、都市部のような給与水準が高い地域や大規模な施設であれば、平均以上の額も期待できます。働く事業所によって年収は異なるため、あくまで参考程度にとどめてください。
出典
厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査 調査結果報告書」(2025年8月20日)
条件別に見る児発管(児童発達支援管理責任者)の年収
児発管(児童発達支援管理責任者)として高い年収を得るためには、どのような施設を選ぶと良いのでしょうか。ここでは、児発管の平均年収について、施設形態や他職種との違いを見ていきましょう。
施設形態による違い
厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果 (p.84~)」によると、児発管(児童発達支援管理責任者)の平均年収が最も高い施設は、福祉型障害児入所施設で約568万円。平均年収が最も低い児童発達支援と比較すると、約165万円の差があります。
施設形態 | 常勤の平均年収 | 常勤の平均給与額(月額) |
児童発達支援 | 約403万円 | 33万5,760円 |
福祉型障害児入所施設 | 約568万円 | 47万3,440円 |
放課後等デイサービス | 約434万円 | 36万1,380円 |
居宅訪問型児童発達支援 | 約440万円 | 36万5,990円 |
保育所等訪問支援 | 約466万円 | 38万8,280円 |
医療型障害児入所施設 | 約506万円 | 42万1,920円 |
参照:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果 (p.84~)」
全体的に見て、高い専門性が求められたり、医療的な視点が必要となったりする職場では、給与水準が高い傾向にあるようです。また、入所施設は夜勤を行うこともあるため、通所施設に比べて高い年収を期待できる可能性があります。
出典
厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査 調査結果報告書」(2025年8月20日)
他職種(児童指導員・保育士)との比較
以下の表は、厚生労働省の「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査 調査結果報告書 (p.76)」をもとに、サービス管理責任者等(児発管)と児童指導員・保育士の平均年収・給与額(月額)を比較したものです。
常勤の平均年収 | 常勤の平均給与額(月額) | |
サービス管理責任者等(児発管) | 約487万円 | 40万5,480円 |
児童指導員 | 約384万円 | 31万9,690円 |
保育士 | 約412万円 | 34万3,600円 |
サービス管理責任者等(児発管)と児童指導員・保育士という3つの平均年収を比較してみましょう。なお、ここでの保育士は、障害福祉施設などで勤務する方を指します。最も平均年収が高いのはサービス管理責任者等(児発管)で、児童指導員よりも約103万円、保育士よりも約75万円高くなっています。
児童福祉分野の職種において、サービス管理責任者等(児発管)の年収は比較的高めといえるでしょう。
出典
厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査 調査結果報告書」(2025年8月20日)
雇用形態による違い
児発管(児童発達支援管理責任者)と一口にいっても、下記のように、常勤と非常勤では給与が大きく異なります。
常勤の平均給与額(月額) | 非常勤の平均給与額(月額) |
40万5,480円 | 23万5,080円 |
児発管において非常勤のポジションが用意されているかどうかは施設によって異なります。非常勤の場合は、ボーナスの支給条件や勤務時間によって給与額は大きく変わるでしょう。
高い年収やキャリアアップを目指す場合は、常勤の求人を探すのも1つの方法です。
出典
厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査 調査結果報告書」(2025年8月20日)
児発管(児童発達支援管理責任者)の年収が高い理由
福祉系の他職種に比べて児発管(児童発達支援管理責任者)の年収が高い傾向にあるのは、「資格取得の難易度」「業務内容の専門性」などが影響しています。以下で詳しく見ていきましょう。
資格取得の難易度が高いため
児発管(児童発達支援管理責任者)になるためには専門性の高い知識が必要であり、実務経験と研修の修了が求められるため、一定の難易度があります。そのため、福祉系の他業種と比較すると、年収が高い傾向にあるようです。
とはいえ、児発管になる道は非常に難しいわけではありません。事業所の推薦や5年ごとの更新研修は必要ですが、熱意が強ければ目指せる可能性は十分にあるでしょう。
出典
厚生労働省「サービス管理責任者等研修制度について」(2025年8月20日)
業務内容の専門性が高いため
児発管(児童発達支援管理責任者)は、施設の運営において重要な役割を担っており、専門的な知識や経験が不可欠な職種です。児発管の仕事内容は多岐にわたりますが、その中でも「個別支援計画の作成」は、児発管が中心となって行う責任の大きな業務といえます。ほかにも、下記のような業務が含まれています。
個別支援計画の作成
保護者との面談
関係機関との連携
スタッフの指導
事務作業、雑務
これらの業務を円滑に遂行するためには、子どもの発達段階・特性に対する深い理解、また福祉や法律に関する知識、さらには責任者としてスタッフを統率する力も欠かせません。
児発管(児童発達支援管理責任者)の将来性
前述のとおり、児発管(児童発達支援管理責任者)の資格取得には一定の時間が必要となります。また、事業所数が増加しており、人材の確保が難しくなっているようです。現在、児発管は、発達支援のニーズの増加や児童福祉分野での支援体制の強化に伴い、ますます重宝されるでしょう。児童福祉法に基づく指定事業所では、1名以上児発管を配置する義務があるため、今後も安定した需要と将来性が見込まれます。
出典
厚生労働省「障害児通所支援の現状等について」(2025年8月18日)
児発管(児童発達支援管理責任者)が年収をアップする方法
児発管(児童発達支援管理責任者)が年収をアップするためには、関連資格を取得したり、管理者を兼務したりする方法があります。また、現在の職場で高収入が期待できない場合は、転職を視野に入れるのも1つの手です。
業務に関連する資格を取得する
前述のとおり、児発管(児童発達支援管理責任者)が働く施設にはさまざまな形態があるため、職場のニーズに応じた資格を取得すると、年収アップにつながる可能性があります。福祉・医療関連の資格において、幅広い支援力を養ううえで介護福祉士や精神保健福祉士などが効果的でしょう。資格を取得すれば、自身の評価や市場価値が向上するだけでなく、資格手当が支給される場合もあります。
施設の管理者を兼務する
施設の管理者を兼務するのも、児発管(児童発達支援管理責任者)の年収を上げるには有効な手段です。両方の役割を担えば、施設長や管理者の給料を得られます。ただし、自己研鑽や時間管理が欠かせないため、業務の負担が過度にならないように注意する必要があるでしょう。
好条件の事業所に転職する
児発管(児童発達支援管理責任者)として長年勤務しても昇給しない場合、転職するのも選択肢の1つです。給与水準が高い地域や大規模施設を狙ったり、通勤圏内で待遇の良い施設を選んだりするのも良いでしょう。事業所によって児発管の給与水準は大きく異なるため、転職活動の際は事前のリサーチを入念に行うのが大切です。転職エージェントなどを利用して効率的に情報収集を行うのもおすすめです。
児発管(児童発達支援管理責任者)の年収に関してよくある質問
ここでは、児発管(児童発達支援管理責任者)の年収に関してよくある質問を紹介します。
年収が高い児発管の求人を探す方法はありますか?
児発管(児童発達支援管理責任者)の求人を探す方法は、求人サイトや転職エージェント、ハローワークなどが挙げられます。特に転職エージェントは、専任のキャリアアドバイザーから求人の紹介や提案を受けられるだけではなく、年収の条件交渉を依頼したり非公開求人を閲覧できたりするため、高年収を叶えるチャンスが多いでしょう。
児童発達支援管理責任者が年収600万円を稼ぐことは可能ですか?
児発管(児童発達支援管理責任者)が年収600万円に到達することは不可能ではありませんが、求人数はかなり絞られるでしょう。ただし、高い専門性が求められる施設形態を選んだり、施設の管理者を兼務したりすることで、平均以上の年収を得られる可能性はあります。また、給与水準が高い都市部の事業所を選ぶのも1つの手です。
児童発達支援管理責任者の給料は安いですか?
児発管(児童発達支援管理責任者)の給料は、児童福祉分野の職種の中では比較的高めといえるでしょう。ただし、児発管に求められる責任や必要な経験年数に対して給料が安いと感じる方もいるかもしれません。関連資格を取得したり、管理者を兼務したりすると、さらなる年収アップが見込める可能性はあります。詳しくは、この記事の「児発管(児童発達支援管理責任者)が年収をアップする方法」をご覧ください。
児発管になるにはどのような流れが必要ですか?
児発管(児童発達支援管理責任者)になるには、一定の実務経験を積んだ後に研修を修了する必要があります。研修を受講するには事業所の推薦が必要です。原則として個人ではなく事業所から研修を申し込みます。また、資格取得後も5年ごとの更新研修が必要です。詳しくは、厚生労働省「サービス管理責任者等研修制度について」をご覧ください。
出典
厚生労働省「サービス管理責任者等研修制度について」(2025年8月20日)
まとめ
児発管(児童発達支援管理責任者)の平均年収は、約487円とされています。給与水準が高い地域や、医療型児童発達支援のような高い専門性が求められる施設形態に勤める場合は、平均以上の年収を得られる可能性もあります。また、人材確保の観点から好待遇を提示する求人に出会える場合もあるでしょう。
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執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。