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保育士が子育て支援センターで働くには?必要な資格や求人を探す方法も
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保育士のなかには、子育て支援センターで働くことに興味を持っている方もいるかもしれません。子育て支援センターでは、子育て中の悩み相談を受けたり遊びの提供をしたりします。 この記事では、子育て支援センターの役割や働く際に必要な資格、スキルを解説。子育て支援センターの仕事内容や職員に向いている人の特徴も紹介します。求人の探し方も解説するので、子育て支援センターの仕事に興味がある方はぜひ参考にしてください。
目次
子育て支援センターとは
子育て支援センターとは、保護者と子どもが同じ地域に住む親子と交流したり、子育ての不安や悩みを相談したりする施設です。ここでは、子育て支援センターの役割や種類、職員配置について解説します。
子育て支援センターの役割
子育て支援センターの役割は、子育て中の不安や悩みの相談にのったり、保護者や子どもと必要な支援をつなげることです。また、地域や親子同士の交流の場を提供する役割も担っています。
子育て支援センターが設置された目的は以下のとおりです。
背景 | ・3歳未満時の約6~7割は家庭で子育て
・核家族化で地域のつながりが希薄になっている ・自分の生まれ育った地域以外での子育てが増加 |
課題 | ・子育てが孤立化し保護者は不安や負担を感じている
・地域や必要な支援とつながらない |
目的 | 子育て中の親子が気軽に集い、相互交流や不安・悩みを相談できる場を提供する |
参照:こども家庭庁「地域子育て支援拠点事業とは (p.1)」
こども家庭庁「地域子育て支援拠点事業とは (p.1)」によると、子育て支援センターの基本事業は、以下の4つです。
子育て中の親子に向けた交流の場の提供と交流の促進
子育てに関する相談や援助の実施
地域や子育て関連情報の提供
子育ておよび子育て支援に関する講習の実施
子育て支援センターでは、親子向けにあそび場の提供や季節のイベントの開催、地域との交流などが実施されています。また、子どもの一時預かりを実施している子育て支援センターもあるようです。
出典
こども家庭庁「地域子育て支援拠点事業とは」(2025年8月21日)
子育て支援センターの種類
ここでは、子育て支援センターの種類について、2つの分類パターンを紹介します。
一般型と連携型
子育て支援センターの種類は、大きく分けると「一般型」「連携型」の2つがあります。一般型と連携型の主な違いは、以下のとおりです。
子育て支援センターの種類 | 一般型 | 連携型 |
機能 | 常設で地域の子育て拠点を設け、地域の子育て支援機能の充実を図る取組を実施 | 児童館などの児童福祉施設に親子が集う場を設け、子育て支援のための取組を実施 |
従事者 | 子育て支援に関して意欲があり、子育てに関する知識や経験を有する者(2名以上) | 子育て支援に関して意欲があり、子育てに関する知識や経験を有する者(1名以上)に児童福祉施設の職員が協力して実施 |
実施場所 | 公共施設空きスペース、商店街空き店舗、民家、マンションやアパートの一室、保育所、幼稚園、認定こども園などを活用 | 児童館などの児童福祉施設 |
開設日 | 週3~4日、週5日、週6日、週7日のいずれかで1日5時間以上 | 週3~4日、週5~7日のいずれかで1日3時間以上 |
参照:こども家庭庁「地域子育て支援拠点事業 (p.2)」
一般型は、公共施設の空きスペースや保育所などを活用。連携型は、児童館などの児童福祉施設で実施します。1日あたりの開設時間は、連携型にくらべ一般型のほうが長い傾向にあります。
出典
こども家庭庁「地域子育て支援拠点事業」(2025年8月21日)
ひろば型・センター型・児童館型
子育て支援センターは、ひろば型・センター型・児童館型の3つに分類される場合もあります。それぞれの概要は、以下のとおりです。
子育て支援センターの種類 | 概要 |
ひろば型 | 常設のひろばを開設し、おおむね3歳未満の子どもと保護者が集い、交流する場を提供する |
センター型 | 地域の子育て支援情報の収集と提供に努め、専門的な支援を行う拠点として機能するとともに、地域に出向いた地域支援活動も展開する |
児童館 | 民営の児童館、児童センターで利用児童が来館する前の時間を利用して、保護者と子どもの交流や集いの場を提供する |
参照:こども家庭庁「地域子育て支援拠点事業 実施のご案内 (p.23)」
ひろば型・センター型・児童館型は、似ている部分もありますが、支援の方法や内容、開設場所で違いが出る場合もあるでしょう。
出典
こども家庭庁「地域子育て支援拠点事業 実施のご案内」(2025年8月21日)
子育て支援センターの職員配置
前述した子育て支援センターでは、種類ごとに実施要件として以下のように職員配置が示されています。
子育て支援センターの種類 | 職員配置 |
一般型 | 子育て支援に関して意欲があり、子育てに関する知識や経験を有する者(2名以上) |
連携型 | 子育て支援に関して意欲があり、子育てに関する知識や経験を有する者(1名以上)に児童福祉施設の職員が協力して実施 |
ひろば型 | 子育て中の親子の支援に関して意欲のある者であって、子育ての知識と経験を有する専任の者を2名以上(非常勤でも可)配置すること |
センター型 | 育児や保育に関する相談指導について相当の知識および経験を有する専任の者を1名以上(非常勤でも可)配置すること |
児童館型 | 子育て親子の支援に関して意欲のある者であって、子育ての知識と経験を有する者をひろば担当として1名以上(非常勤でも可)配置すること/なお、児童福祉施設最低基準第38条に規定する児童の遊びを指導する者は、ひろば担当者をサポートして子育て親子に対する援助に協力すること |
参照:こども家庭庁「地域子育て支援拠点事業 (p.2)」「地域子育て支援拠点事業 実施のご案内 (p.23)
」
上記の要件を前提として、子育て支援センターの大きさや支援内容に合わせて、職員の配置や人数が決まります。
出典
こども家庭庁「地域子育て支援拠点事業」「地域子育て支援拠点事業 実施のご案内
」(2025年8月21日)
保育士が子育て支援センターの職員になるには?
保育士のなかには、子育て支援センターで働きたいと思う方もいるかもしれません。ここでは、保育士が子育て支援センターの職員になる際に、必要な資格や求められるスキルを解説します。
子育て支援センターで働く際に必要な資格
「子育て支援センターの職員配置」で述べたように、子育て支援センターでは、子育ての知識や経験、子育て支援への意欲があれば無資格で働けることもあるようです。もちろん、保育士資格や幼稚園教諭免許などは、専門的な知識やスキルの客観的な証明となるため選考時に役立つ可能性があります。
なお、求人によっては保育士や栄養士、助産師などの資格が求められる場合もあるため、求人情報をよく確認しましょう。
子育て支援センターで求められるスキル
子育て支援センターでは、子どもと保護者を支援するスキルが求められるでしょう。具体的に求められるスキルは、以下のとおりです。
子どもや保護者に対する理解力
悩みを傾聴し適切にアドバイスするスキル
子どもの成長や発達を促すスキル
子育て支援センターでは、さまざまな悩みや不安を抱えた子どもや保護者と関わるため、理解力の高さや悩みを傾聴し、適切にアドバイスするスキルが求められます。また、遊びの提供やイベントの開催を通じて、子どもの成長や発達を促すスキルも必要になるでしょう。
なお、子育て支援センターによっては一時預かりを実施している場合があるため、保育士の仕事で身につけたスキルや経験も活かせます。
子育て支援センターで働く保育士の仕事内容
子育て支援センターで働く際には、保護者からの相談を受けたり子どもに遊びを提供したりするでしょう。ここでは、保育士が子育て支援センターで働く場合の主な仕事内容を解説します。
育児中の保護者からの相談に対応する
子育て支援センターでは、保護者から育児に関する相談業務を任される場合もあります。保護者の来所時や電話、オンライン、自宅訪問など相談業務の方法はさまざまです。
親子同士の交流の場では、子育てに関する不安や悩みを共有しながら、保護者たちと一緒に解決策を考える場合もあるでしょう。なお、相談内容によっては、必要な支援とつなげたり専門家を紹介したりして対応することになるようです。
子どもに遊びを提供する
子どもと保護者に向けて遊びの提供をするのも、子育て支援センターで働く職員の仕事です。ひろばで遊ぶ子どもや保護者を見守ったり、月齢・年齢に合わせた遊びを提供したりします。
また、遊びを提供するだけでなく、ひろばの清掃や片付け、おもちゃの点検や絵本のメンテナンスなど、環境整備も仕事の1つになるでしょう。
季節の行事やイベントを実施する
子育て支援センターでは、季節の行事やイベントを実施する場合もあります。たとえば、毎月の誕生日会や運動会、クリスマス会を開催するケースも。そのため、イベントの企画や準備、保護者への周知、運営などを任されることもあるでしょう。
一時預かりの子どもを保育する
一時預かりを実施している子育て支援センターでは、子どもの保育も仕事内容に含まれるでしょう。子育て支援センターによっては、保護者の都合に合わせて、数時間や1日単位で子どもを預かることもあるようです。
そのため、子どもの遊びや食事を見守ったり、一緒に遊んだりする仕事を担当する場合もあるでしょう。
子育て支援センターで働くのに向いている人の特徴
子どもだけでなく保護者と関わる仕事がしたい方や社会貢献したい方は、子育て支援センターで働くのに向いている傾向にあります。ここでは、子育て支援センターで働くのに向いている人の特徴を紹介します。
子どもだけではなく保護者にも関わる仕事がしたい人
子どもだけでなく保護者にも関わる仕事がしたい方は、子育て支援センターで働くのに向いているでしょう。子育て支援センターでは、保護者とコミュニケーションを取ったり相談を受けたりする機会が多いのがその理由です。
そのため、保護者との関わりでやりがいを感じている保育士やコミュニケーションが得意な方は、子育て支援センターで働くのに向いているでしょう。
地域に根づいて社会貢献したい人
地域に根づいて社会貢献をしたい方は、子育て支援センターで働くのに向いている可能性があります。子育て支援センターでは、近隣地域に住む子どもや保護者への支援を通して社会貢献できるためです。
また、地域で活動する方や高齢者などを招いてイベントを開催することもあり、地域とのつながりを感じられるでしょう。そのため、地域への貢献や社会貢献したい方は、子育て支援センターで働くとやりがいを感じられる可能性が高いといえます。
子育て経験を活かして働きたい人
子育ての経験や知識を活かして働きたい方は、子育て支援センターで働くのに向いているでしょう。子育て支援センターの職員配置要件では、「子育ての経験や知識を有する人」と示されているのがその理由です。
子育て経験は、保護者の悩みや不安への共感や理解、アドバイスに役立つ場合も。そのため、子育て支援センターで働く際には、自分の子育て経験を活かしながら働けるでしょう。
保育士が子育て支援センターの求人を探す方法
子育て支援センターの求人は、センターの採用情報や役所で見つかる場合もあります。ここでは、保育士が子育て支援センターの求人を探す方法を3つ紹介します。
公式ホームページで採用情報を確認する
子育て支援センターの公式ホームページがある場合は、採用情報を確認してみるのも1つの方法です。また、子育て支援センターの運営元となる法人のホームページに採用情報が掲載されていることもあるようです。
気になる子育て支援センターがあれば、公式ホームページを確認して支援内容も把握しておきましょう。
自治体や役所に問い合わせる
地域によっては、自治体で子育て支援センターの職員を募集している場合もあるようです。自治体の広報誌やホームページで求人情報を見つけられる可能性もあるため、チェックしてみましょう。なお、求人が見つからない場合は、役所に問い合わせて聞いてみるのもおすすめです。
保育専門の転職エージェントに相談する
子育て支援センターの求人について、保育専門の転職エージェントに相談してみるのも1つの手。保育専門の転職エージェントでは、子育て支援センターの求人を扱っていることもあるようです。
転職エージェントであれば、求人紹介だけでなく、応募書類の添削や模擬面接など転職活動をトータルでサポートしてもらえるでしょう。
「保育士資格を活かして転職したい」「子育て支援に興味がある」という方は、「レバウェル保育士」へご相談ください。「レバウェル保育士」は、保育業界に特化したプロのアドバイザーが、あなたに合った求人をご紹介します。
求人紹介や応募書類の添削、模擬面接など、サービスはすべて無料で利用できるため、ぜひお気軽にお問い合わせください。
保育士の子育て支援センターに関する質問
ここでは、保育士の子育て支援センターに関する質問にQ&A形式で答えます。
子育て支援センターを簡単にいうと?
子育て支援センターとは、同じ地域に住む親子同士で交流したり、子育ての不安や悩みを相談したりする場所です。子育て支援センターの役割は、子育て中の悩みや不安の相談にのったり、保護者や子どもと必要な支援をつなげることです。
子育て支援センターの概要を知りたい方は、この記事の「子育て支援センターとは」をご覧ください。
子育て支援で保育士ができることは?
子育て支援で保育士ができることは、保護者の悩みを聞いたり相談にのったりすることだといえるでしょう。相談内容によっては、必要な支援とつなぐことも保育士の役割です。また、遊びの提供によって子どもの発達を促したり、成長を一緒に喜んだりするのも子育て支援の1つといえます。
業務経験が浅い保育士も子育て支援センターで働ける?
保育士の業務経験が浅くても、子育ての知識や経験、子育て支援の意欲があれば子育て支援センターで働ける可能性があります。ただし、求人によっては資格や業務経験などの条件があり、経験者が有利なことも。そのため、求人情報はよく確認しましょう。
まとめ
子育て支援センターとは、保護者と子どもが同じ地域に住む親子と交流したり、子育ての不安や悩みを相談したりする施設です。子育て支援センターは、子育て中の悩みや不安の相談にのったり、保護者や子どもと必要な支援をつなげたりする役割を担っています。
子育て支援センターでは、子育ての知識や経験、子育て支援への意欲があれば無資格で働けることもあるようです。もちろん、保育士資格や幼稚園教諭免許などは、専門的な知識やスキルの客観的な証明となるため選考時に役立つでしょう。
子育て支援センターで働くのに向いている人は、保護者との関わりが得意な方や社会貢献をしたい方です。子育ての経験や知識も、相談を受けたり遊びを提供したりする際に役立つでしょう。
保育士が子育て支援センターで働きたい場合は、センターや自治体のホームページなどを確認してみると求人情報が掲載されているケースも。また、保育専門の転職エージェントを利用すれば、求人紹介だけでなく、選考対策のサポートも受けられるでしょう。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。