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放課後等デイサービスの給料は安い?月収・年収の実態を解説

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放課後等デイサービスの「給料」について関心が高い方も多いでしょう。同じ放課後等デイサービスでも、施設の大きさと利用率によって収益性が変わり、その差が職員の給料にも反映されます。この記事では、放課後等デイサービスの給与水準や年収アップの方法、転職時に注意すべきポイントを分かりやすく解説します。ぜひ参考にしてみてください。

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「レバウェル保育士」編集部

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放課後等デイサービスの平均的な給与水準

厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果(p.78)新規タブリンク」によると、放課後等デイサービスに従事する児童指導員の常勤職員の平均給与額は28万6,110円です。社会保険料や税金などを差し引いた手取りは、一般的に総支給額の約8割とされるため、22万8,000円前後になります。児童指導員の平均年収は給与の12ヶ月分で計算すると、約343万円です。

一方、国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査新規タブリンク」によると、日本の民間給与所得者の平均年収は460万円であり、放課後等デイサービスに勤務する職員の平均年収は全職種より約117万円下回ることになります。ただし、放課後等デイサービスの平均給与は、令和5年度と比較すると1万9,510円上がっていることが分かります。この結果は、介護・福祉職員向けの処遇改善加算や報酬改定が着実に現場の待遇に反映された証といえるでしょう。今後もさらなる環境整備や制度の充実が期待されています。

出典

厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果新規タブリンク」(2025年7月15日)
国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査新規タブリンク」(2025年7月15日)

非常勤で働く放課後等デイサービスの平均時給

厚生労働省の「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果(p.78)新規タブリンク」によると、放課後等デイサービスに非常勤で働く場合、平均給与は9万4,760円です。実労働時間の平均が64.1時間なので、平均時給は1,478円となります。ただし、平均給与には賞与分も含まれているため、実際の時給はもう少し低くなる可能性があります。

また、令和5年度と比べると、平均時給は約100円アップしており、処遇改善が徐々に進んでいる様子がうかがえます。非常勤の場合は、勤務日数や時間帯、週あたりのシフトによって月収に差が生じるため、応募前には「希望する勤務時間×1,478円」で収入の目安を試算し、自分のライフスタイルに合った働き方かどうか確認しておくと安心でしょう。

出典

放課後等デイサービスで働く職種の給料比較

以下では、各職種の月収・想定年収を表にまとめてみました。職種によって収入差がどの程度あるのか気になる方は、チェックしてみてください。

職種 月収 想定年収
児童指導員 31万9,690円 約384万円
保育士 34万3,600円 約412万円
看護職員(保健師、看護師、准看護師) 42万1,390円 約505万円
理学療法士・作業療法士 39万9,850円 約480万円

上記は障害福祉サービス等全体の平均なので、放課後等デイサービス以外の施設も含みます。放課後等デイサービスやほかの障害福祉サービスで働く職種を比べると、看護職員や理学療法士・作業療法士は、児童指導員や保育士に比べて月収・年収ともに高めです。看護職員は平均月収421,390円と突出しており、理学療法士・作業療法士も平均約400,000円の水準と、専門職の給与水準の高さがうかがえます。これは、医療・療育の専門的スキルが評価され、処遇改善加算の対象としても重視されているためと考えられます。また、専門資格を活かした職務に従事することで、給与面でもメリットが得られやすい構造になっています。

出典

放課後等デイサービスの給料に差がつく理由

小規模施設から大規模施設まである放課後等デイサービスですが、施設の規模や稼働率によって収益構造が変わるため、職員の給与にも差が出やすくなります。ここでは、放課後等デイサービスの給料に差がつく理由について解説します。

施設規模や稼働率による収益性の違い

同じ放課後等デイサービスでも、「施設規模」と「実際の稼働率(利用実績)」によって収益構造が変わり、結果として職員の給与にも差が生まれます。厚生労働省の「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査(p.25)新規タブリンク」の集計をもとにすると、放課後等デイサービスでは定員10人以下の事業所で平均6.0%、11~20人では8.4%、21人以上になると18.2%と規模が大きくなるごとに収支差率が上がっています。

利用児童が増えると報酬が増え、家賃や光熱費などの固定費の負担が軽くなり、大きな事業所ほど利益を出しやすくなるという仕組みです。下記は厚生労働省の「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査 調査結果報告書(p.80)新規タブリンク」をもとに、規模別の平均月収と年収換算(×12か月)を表にまとめました。

施設規模 月収 年収
10人以下 28万6,490円 343万7,880円
11人以上20人以下 27万7,360円 332万8,320円
21人以上 30万5,650円 366万7,800円

規模別に見ると、定員21人以上の事業所で平均月収がもっとも高く、年収ベースでも差がついていることが分かります。中規模帯(定員11~20人)の収支差率が10人以下と比べて低くなっているのは、施設ごとに置かれた地域性の違い・利用児の支援ニーズの違い・加配や専門職の配置状況が影響しているかもしれません。一般的には「ある程度の人数を安定的に利用できる施設では、稼働が安定しコストが分散できるため、職員への給与に回す余裕が生まれやすい」といえるでしょう。

出典

厚生労働省「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査新規タブリンク」(2025年7月15日)
厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果新規タブリンク」(2025年7月15日)

障害福祉サービス等報酬の地域による違い

放課後等デイサービスの報酬は、厚生労働省が定めた基本単価に地域ごとの上乗せ分を加えた金額で決まります。基本単価はおおよそ10~11円台で、地域ごとの上乗せ分は都市部では高く、地方では低く設定されています。このような地域差は、報酬の地域ごとの設定により生じるものです。

そのため、同じサービスを提供していても地域によって報酬に差が生じ、結果として事業所の収入や職員の給料へ影響を与えることになります。

放課後等デイサービスの年収を上げるためにできること

放課後等デイサービスの職員として働く中で、「もう少し年収を上げたい」と考える方も少なくないでしょう。ここでは、働きながら年収を上げる方法を紹介します。

長く勤続して昇給を目指す

放課後等デイサービスでも、多くの施設では勤続年数に応じた昇給制度を設けています。厚生労働省の「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査 調査結果報告書(p.12)新規タブリンク」によると、福祉・介護職員(常勤)の平均勤続年数は約7.9年です。勤続1年で約29万円だった給与は、4年で約31万円、10年以上で約37万円となっています。勤続年数が長くなるほど、昇給のスピードは落ち着いてきますが、給与は着実に上がっていきます。長く勤めることで、給与の「上限ライン」に近い水準まで達する可能性が高くなるでしょう。

出典

児童発達支援管理責任者を目指す

放課後等デイサービスの管理職ポジションである「児童発達支援管理責任者(児発管)」は、一般職と比べて給与の差が大きいのが特徴です。児発管は各施設に必ず配置が義務づけられている重要な立場で、個別支援計画の作成や職員の指導などを担当します。

実際に、厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査 調査結果報告書(p.84)新規タブリンク」によると、放課後等デイサービスの管理職の平均月収は36万1,380円と、管理職以外より8万2,130円高く、年収にして100万円近くの差が生まれるケースもあります。管理職や専門職へのキャリアアップを目指すことで、収入面の大きな飛躍が期待できるでしょう。

出典

給料の高い職場へ転職する

放課後等デイサービスの給料は事業所によって異なるため、給料の高い職場へ転職するのも1つの選択肢です。経営規模が大きく、複数の施設を運営している法人や、特色ある療育プログラムを提供している施設では、比較的高い給与水準を設定していることがあります。

また、転職を検討する際は、基本給だけでなく、賞与の有無や支給月数、各種手当(資格手当・処遇改善手当など)、昇給制度の有無なども確認しましょう。求人票で分かる条件面だけでなく、稼働率や加算算定状況などの情報にも注意を向けておくと、年収アップにつながる職場に出会える可能性が高まります。

放課後等デイサービスへ転職する際の注意点

放課後等デイサービスへの転職を考える際、「どんな職場だろう」「失敗したくない」といった不安を感じるのは当然のことです。ここでは、後悔のない転職を実現するために、事前に確認しておきたいポイントを紹介します。

福祉の知識を学び障がいがある子どもへの理解を深める

放課後等デイサービスへの転職を考える場合、障がいのある子どもたちへの理解を深めておくことが大切です。特性の種類や子どもたちが困っていることへの支援方法といった基礎知識があると、面接だけではなく実務にも役立ちます。

転職前に、発達障害支援に関する入門書や療育プログラムの基本に関する書籍などを読んだり、オンラインセミナーに参加したりして知識を身につけておくと安心でしょう。また、業務では障害者総合支援法や児童福祉法などの制度面の理解も求められます。採用面接では「なぜ放課後等デイサービスで働きたいのか」という質問がよく出るため、子どもの成長や発達を支援することへの思いや、障がいへの理解度をしっかり伝えられるように準備しておくと安心です。

自身のスキルを活かせる施設か見極める

放課後等デイサービスには、運動特化型や学習支援型、創作活動中心など、さまざまな特色を持つ施設があります。そのため、自分の強みやスキルを活かせる施設を選ぶことで、働きがいを感じやすく、給料アップにもつながる可能性が高まります。

たとえば、保育士や教員の経験がある方は、子どもとの関わり方や支援計画の立て方に強みがあるでしょう。スポーツインストラクターの経験者は、運動特化型の施設で重宝されます。音楽や美術など特技がある方は、それを活かした療育プログラムを提案できる施設が向いているかもしれません。面接時には「どのような療育プログラムを行っているか」「どんな専門性を求めているか」を質問し、自分のスキルや経験を活かせる職場かどうかを見極めましょう。

職場の雰囲気を見学時にチェックする

放課後等デイサービスは小規模な事業所が多く、職場の人間関係や雰囲気が働きやすさに影響します。可能であれば、面接時に施設見学をさせてもらい、実際の現場の様子をチェックするのがおすすめです。

見学時はスタッフ同士のコミュニケーションの様子や、子どもたちへの接し方、施設の清潔さや設備の充実度などをチェックしましょう。また、利用者の人数に対してスタッフの数が適切かどうかも重要なポイントです。現場スタッフとの会話の機会が設けられる場合は、実際の業務内容や職場の雰囲気について聞いてみるのも良いでしょう。

転職エージェントを活用する

放課後等デイサービスへの転職では、転職エージェントの利用がおすすめです。エージェントを活用することで、公開求人だけでなく非公開の好条件求人も紹介してもらえる可能性があります。また、給与交渉や面接対策のサポートも受けられるため、より良い条件での転職を実現しやすくなります。

レバウェル保育士」では、専任のキャリアアドバイザーが施設の雰囲気や職場環境をお伝えできるので、ミスマッチを防ぎ転職活動を進められます。児童指導員や放課後等デイサービスの求人も幅広くご紹介できるので、比較検討することで、納得のいく転職先を見つけやすくなるでしょう。

放課後等デイサービスの給料に関するよくある質問

ここでは、放課後等デイサービスの給料に関する質問にお答えします。ぜひ参考にしてみてください。

放課後等デイサービスの児童指導員に賞与(ボーナス)はある?

放課後等デイサービスでも、賞与は年2回、合計で月給1〜2ヶ月分程度支給されることが一般的です。ただし施設の規模によって差があり、小規模施設(数名規模)では年1回で月給の0.7〜0.8ヶ月分という場合もあります。

一方、30名以上を抱えるような大きな法人では年2回、各1ヶ月分(合計2ヶ月分)といった支給がされる場合も。転職を検討する際は、基本給と賞与を合わせた年間の総支給額で判断するよう心掛けましょう。

放課後等デイサービスの児童指導員の給料は将来的に上がる?

厚生労働省の「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果の概要(p.8)新規タブリンク」を参考にすると、放課後等デイサービスの場合、勤務する全職員を対象に給与を引き上げている(または予定している)のは45.4%にのぼります。

一方、対象職員のみの引き上げ(または予定)しているのは13.7%、福祉・介護職員に限定した場合は11.4%、対象者は未定だが見込みありを表明しているのは8.5%という結果です。多くの事業所で「職員全員の給与引き上げ」を目的として、本格的に取り組み始めていることを示しており、今後も待遇改善が進む期待が高まる状況といえるでしょう。

出典

まとめ

放課後等デイサービスの給料は、勤務先や役職、資格の有無、施設の規模や稼働率によって異なります。年収アップを目指すのであれば、児童発達支援管理責任者の資格取得や、給与水準の高い職場への転職を検討するのも良いでしょう。また、長く同じ職場で勤続することで昇給を重ねたり、役職に就いたりすることも収入アップにつながります。

転職する際は、自分のスキルを活かせる施設を選び、職場の雰囲気や実際の業務内容をしっかり確認することが大切です。基本給だけでなく、賞与や各種手当も含めた年収ベースでの比較を心掛けましょう。

放課後等デイサービスで「給与を上げたい」「今の働き方を見直したい」とお考えの方はレバウェル保育士にご相談ください。レバウェル保育士では、放課後等デイや児童指導員の求人を多数保有し、日勤のみ・早番対応・時短勤務などライフスタイルに合った働き方が選べる職場を提案できます。また、応募書類の添削や面接対策などもキャリアアドバイザーが親身にサポートするので、一人で悩まずお気軽にご相談ください。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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